転生とらぶる
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ガンダムW
1658話
「俺達がか? ……本気で言ってるのか?」
「ああ、当然だ。寧ろ、今の状況でシャドウミラー以外に派遣する部隊はいないだろう」
俺の言葉に、セプテムは当然だと頷く。
……バルジの件は、俺の予想していた通りに……いや、予想以上に波紋を呼んでいた。
その中でも、特に派手な動きがあったのは、当然のようにOZだ。
自分達のすぐ目の前に、失ってしまったと思われるバルジが姿を現したのだ。
当然それを確保しようと動いたが、MD部隊は全滅という結果になってしまった。
それでも諦め切れずに何とかしようとしていたら……再びバルジは消えてしまう。
そうなってしまった以上、OZにとってはまさに蜂の巣を突いたような騒ぎと呼ぶのに相応しい騒ぎとなる。
うん、分かっていたし予想してもいたが……その予想よりもかなりの騒動が起きてしまったらしい。
当然そうなってしまえば、戦力の再編が終わって再度連合軍との戦いに出ようとしていた動きも頓挫する事になる。
その辺りは俺にとっても予想通りであり、寧ろ好ましかった。
バートン財団の方は、デキムが行方不明な以上、どう動くのかは全く分からない。
それでも、バルジというのは本拠地を捨てたバートン財団にとって是非とも欲しい代物だろう。
恐らく……表向きにはまだ出て来ていないが、バートン財団も何らかの形でバルジの件を調べている筈だ。
もっとも、幾らバルジを調べようとしても、バルジは俺の空間倉庫の中にある。
何をしようと、見つける事は出来ないだろうが。
「やっぱり連合軍としてもバルジには興味があるのか?」
「当然だ。そもそも、バルジは何の脈絡もなく消えたのだ。それがまた現れ……それも、全く理解出来ない未知の勢力に占領されていたとなると、気にならない方がおかしい」
どうやら未知の勢力……炎獣については多少なりとも情報を収集しているようだな。
どうやってその情報を得たのかは、連合軍の情報網によるものだろうから特に攻めはしないが。
「セプテムの懸念は分かる。分かるけど……ここで俺達を使ってもいいのか? OZやバートン財団がバルジを探して連合軍に手を出してこなければいいけど、もしかしたら逆にこの混乱に乗じて攻撃を仕掛けてくる可能性もあるだろ?」
それは、間違いのない事実だった。
現在の宇宙で最大勢力が連合軍なのは間違いない。
その連合軍が少なからずMDすら採用し始めているとなると、OZやバートン財団にとっては物量的に厄介な相手が、更に強力な兵器まで手にする事になる。
であれば、連合軍が完全に戦力を整えるよりも前に機先を制して先手を打つ。
そんな手段に出る可能性というのは皆無とは言えない。
……実際には、バルジの件もあってとてもではないがそんな余裕はないと思うんだが。
だが、シャドウミラーがバルジを占領しているだろう未知の存在の対処しない為の方便としては十分な理由だ。
「その可能性もある。だが……それを知った上で頼んでも駄目か?」
「駄目だな」
セプテムの言葉に対し、即座に返答する。
「そもそもの話、バルジが消えた原因というのは今を持ってしても不明だ。しかも、その現れたバルジもまた消えたんだろう? そんな奴を相手するのは、幾ら何でも厳しすぎる。相手がMSであれば、こっちも幾らでも雇われるさ。だがな、全く未知の存在を相手にするには、ちょっと問題が大き過ぎる」
「……そうか。アクセルの要望は分かった。お前達がそう言うのであれば、こちらも無理は言わないし、言えないだろう」
だろうな。連合軍にとってシャドウミラーというのは、切り札、ジョーカー、鬼札と呼んでもいいような存在だ。
ここで俺達に何かを強制するような真似をして、結果としてシャドウミラーを連合軍から離反させ、OZやバートン財団に協力するような事になればちょっと洒落にならない。
俺達の実力を知ってるからこそ、そんな致命的な真似は出来ない。
「用事がそれだけなら、悪いが俺はこの辺で失礼させて貰うぞ。今は色々と忙しいし、やるべき事があるからな」
ハワード達も今日にはこのD-120コロニーに到着するって話だし、それを考えれば幾らでもやるべき事はある。
特にピースミリオンの件は、これからシャドウミラーとして宇宙で活動していく上でなるべく早く入手しておきたい代物だ。
……にしても、バルジにピースミリオン。これでリーブラも入手出来ればW世界の三大巨大戦艦をコンプリートする事になるな。
もっとも、リーブラは原作でガンダムの開発者5人が中心になって設計した代物だ。
老師OとプロフェッサーGがシャドウミラーに協力している現状、この歴史でリーブラが完成するかどうかは不明だが。
ただ、原作でもリーブラの建造をデルマイユに命じられたのはツバロフなんだよな。
結局のところ、ツバロフはMDの方に集中しており、実際にリーブラの設計をしたのはガンダムの開発者達だったみたいだけど。
この世界では、もしリーブラが建造されるのならやっぱりツバロフが開発者になるのか?
ただ、リーブラは宇宙の資源や労働力をこれでもかと使って作られた代物だ。
今のOZは宇宙での影響力は決して高くない。
そう考えればやっぱりリーブラは建造どころか計画すらされない可能性があるのか。
……そもそもの話、もしツバロフがリーブラを建造しようとした場合、間違いなく連合軍に察知される。
現在の宇宙における連合軍の勢力範囲はかなり広く、そして強い。
そんな状況で連合軍に隠れてリーブラを建造するのは無理だし、連合軍がそれを察知してしまえば、当然OZが有利になるような真似を許す筈もない。
それ以前にリーブラ建造の為の資材や労働力を集めるのも無理だろうが。
「じゃあ、話はこれで終わりだな? なら俺はこの辺で失礼させて貰うけど?」
「ああ、構わん。今回の件はこちらも無茶を言ったな」
「分かってくれればいいさ。じゃあ……」
そう告げ、セプテムの私室を去ろうと踵を返し……
「そう言えば」
不意に何でもないかのように、セプテムが俺の背中に言葉を発してくる。
「バルジがまた消えたというのは、まだ殆ど出回っていない情報の筈だが、アクセルはよくそれを知っていたな」
「……傭兵には独自の情報ルートがあるからな。それを使えばどうとでもなる」
動揺を顔に出さず、そう告げる。
いや、後ろを向いてるんだから動揺は顔に出してもいい。その代わり雰囲気に出すな。
そう判断し……何とか誤魔化せたか?
俺が……いや、シャドウミラーが傭兵独自の情報網を持っているというのは、前々から臭わせているし、実際その情報網から得たという事にして、情報をリークしたりもした。
だからこそ、今回もそこから情報を得た……そう思ってくれれば、こっちも助かるんだが。
さて、どうだろうな。
多少俺達を怪しんだとしても、まさかシャドウミラーがバルジ消失や未知の勢力についての後ろで糸を引いてるなんて風には思われなければいいんだから、多分大丈夫だろう。
「なるほど。なら、何かこちらの知らない情報を得たら教えてくれ。相応の情報料は支払おう」
……ふぅ。何とか誤魔化す事には成功したみたいだな。
「分かった。何か情報を得たら、そっちに回そう」
それだけを告げ、部屋から出る。
何とか今回の件については誤魔化す事には成功したが、同じようなミスを何度も繰り返したりした場合、色々と不味い事になる。
今も誤魔化す事には成功したが、背中にセプテムの視線が向けられているのは感じているのだから。
部屋から出て扉を閉める事により、ようやくその視線が消える。
……少し手の内を見せ過ぎたか?
いや、口を滑らせてしまったのは事実だが、バルジの件はやっておく必要があった。
でなければ、現状の膠着状態を維持は出来なかったのだから。
シャドウミラーの立場として、今は何とか膠着状態を保っている方が好ましい。
少なくてもデスサイズヘル、アルトロンガンダム、ウイングゼロ、ピースミリオンという手札が揃うまでは。
「で? セプテムは何を要望してきたんだ?」
「バルジの件だよ。出来れば俺達に対処して欲しいとな」
「あー……やっぱりか。で?」
どう返事をしたのかを促してくるデュオに対し、首を横に振る。
「こっちから手は出さない。色々と危険が大きすぎるからな」
「あー……だよな」
デュオも俺の言葉に異論はないのか、納得したように頷きを返す。
「でも、アクセル代表。もしバルジを上手い具合に手に入れる事が出来れば、連合軍はOZに対して凄く優位になるのでは?」
「ヒルデが言いたい事も分かるが、未知の勢力を相手にするとなると、色々と不明な点は多い。……この場ではっきりと言っておくが」
幸いにもシャドウミラーに与えられた部屋の中には、ウイングゼロを含め諸々の件で忙しいプロフェッサーGと老師O以外は全員集まっているので、この場でしっかりとシャドウミラーの方針を口にする。
「俺達が雇われたのは、あくまでもOZ……そしてバートン財団といった既存の勢力に対抗する為だ。少なくても、バルジを占拠した未知の勢力を相手にする為じゃない。その辺はしっかりと覚えておいてくれ」
未知の勢力という意味では、地球で結成されつつある中東連合もそれに入るんだが……それでも中東連合の戦力は、あくまでもMSを始めとした既存の物だ。
少なくても、俺が生み出す炎獣のような今まで全く戦った経験のない存在ではない。
そもそも、バルジの件で俺達がどうにか出るとなれば、俺がどうすればいいのかといった問題もあるしな。
「……ふん」
そんな俺の言葉が気にくわなかったのか、五飛は鼻を鳴らす。
何だか今更だけど、五飛を見ているとイザークを……それもシャドウミラーに合流した当時のイザークを思い出すよな。
今でこそオウカとくっついた影響もあって、以前程俺に突っかかってくるような事はなくなったが、それでも生真面目なところはある。
そのせいで、何かあればすぐに注意してくるような……そんな口うるささを持つようになっていた。
それでも、こうして暫く会っていなければ顔を見たくなるのは間違いない。
ともあれ、そんな五飛の様子はスルーしておく。
「じゃあ、アクセル。あたし達は暫く様子見って事でいいのか?」
「ああ。ただし、綾子にはトーラスで連合軍の兵士を鍛えて貰う以外にも、トールギスに慣れて貰う必要がある」
「嘘だろ!? 本気か、アクセル!」
俺の言葉に異議を唱えたのは、トールギスに慣れるようにと言われた綾子……ではなく、デュオだった。
信じられないといった様子で視線を向けてくるデュオに、頷きを返す。
「そうだ。今はまだ完成してないが、プロフェッサーGと老師Oには……そしてこっちに合流予定のハワードには俺の新型機を設計して貰う予定だ」
まぁ、新しい機体ではあっても、実際に設計されたのは随分と昔なんだが。
ただ、ウイングゼロが設計された当時は、技術的な問題だったり、それ以外にも様々な理由があって、ウイングゼロを作ることは出来なかったらしい。
今、この時代になってようやくそれが開発可能になったらしい。
「いや、だからって……あのトールギスを綾子に? 下手をしたら、死ぬぞ?」
「どういう事?」
この中で唯一、まともにトールギスが戦っている光景をその目で直接見た事のないヒルデが、デュオに尋ねる。
そして尋ねられたデュオは、俺の方を見て呆れたように溜息を吐いてから、口を開く。
「トールギスは、初めて作られた戦闘用MSだ。別名プロトタイプ・リーオーとも呼ばれている。名前こそリーオーとついてるけど、実際にはそんなものじゃない。ガンダムと互角に戦えるだけの性能を持っているし、実際アクセルがトールギスを操った時はガンダム3機を相手に互角の……いや、勝利をもぎ取ってるしな」
デュオの言葉に、ニューエドワーズ基地で勝利をもぎ取られた……唯一気絶して鹵獲されてしまった五飛が、不愉快そうな表情を浮かべる。
「へぇ……凄いのね」
「ああ、凄いさ。ただ、リーオーが開発されるよりも前の技術でそれだけの性能を叩き出すんだ。パイロットの事は全く考えていない機体なんだよ。それこそ、普通の……連合軍のパイロットが乗ったらまともに動かせず、能力を限界まで出そうとすればパイロットは死んでもおかしくない程にな」
「……え?」
本当? とこちらに視線を向けてくるヒルデに、頷きを返して口を開く。
「だが、言っておくが綾子の身体能力はデュオや五飛といったガンダムのパイロットよりも上なのは知ってるだろう? それこそ、トールギスを乗りこなせるくらいの身体能力はある。……だろ?」
「恋人にそう言われちゃ、あたしも張り切らない訳にはいかないかな」
俺の言葉に笑みを浮かべ、綾子はそう告げるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1125
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1327
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