ガールズ&パンツァー もう一人の転校生
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三回戦、圧勝します。 後編
「ここから反撃しますか。」
梨華が戦車内にいる全ての乗組員に聞こえるように言うと、
「裕香、みほたちにフラッグ車を守るように伝えておいて。私たちは敵の指揮官とフラッグ車を倒す。」
「「「「了解。」」」」
「梨華、次の小ミサイル弾の準備が完了しました。いつでも撃てます。」
「亜依と絵里は敵戦車が見え次第、攻撃開始。なにがあっても撃墜されるな。そこのところはさやね、頼む。私たちの仲間の敵を墜とすぞ。」
「はい、わかりました。」
「はやたちは敵を錯乱させながら、教会から右側にいる戦車の撃破をヨロシク。」
『了解しました。梨華もしくじらないでね。』
梨華とはやはお互いを信頼して各自の行動に出た。
ブルーチーム側
「はや、敵さんは私たちがした、通信妨害で混乱しているようです。一気に攻めましょう。」
幸がはやに助言をするが、
「ここは私たちが嘘の情報を流し、誘き寄せるのが得策だよ。」
するとはやは、
「ポイントS1025地点に戦車を発見した。二輌が偵察に行ってきてちょうだい。」
『『ラジャー。』』
するとプラウダ高校の戦車二輌が指定されたポイントに向かって走り出した。
「はやさんは変わりませんね。その性格も。」
砲手であるさいかがはやに言ったが、はやには聞きえていなかった。
「幸は小ミサイル弾をあの二輌に設定して、さいかは砲弾を準備して、標準を一輌残ったあの戦車の撃破をヨロシク。」
「了解しました。」
「わかりました。」
そしてすぐに準備にかかった。
二人はてきぱきとした行動で一分もかからないうちに準備が終わり、標準を確認した。
「準備が完了しました。」
「こっちも終わりました。」
するとはやは直ぐに、
「それでは発射用意。秒読み開始。5.4.3.2.1.0、発射。」
二人は同時に引き金を引いた。
『再び大洗女子学園が戦車を三輌撃破。残りは三輌。』
審判からの通信が聞こえた。
一方みほたちは、
「隊長。このままでは私たちの出番がありません。」
等と愚痴っていたが、河嶋先輩のこの一言で納得した。
「私たちが出ていっても足を引っ張るだけだ。学校を守るために我慢してくれ。」
廃校宣言を知ってしまった一同は否定出来るはずも無かった。
「この森の先に戦車が三輌止まっています。どうしますか?」
さやねの質問に梨華は、
「小ミサイル弾を私たちのいる反対方向から飛んできた様に見せかけ、三輌全てが反対を向いたらフラッグ車を叩く。」
梨華が話しているうちに小ミサイル弾を準備して、設定をした。
「いつも行動が早いな。絵里はそれを撃っちゃって。その間に絵里が砲弾を主砲に装填して。」
「了解しました。」
「やったー。撃つぞ、それ。」
絵里が撃った小ミサイル弾は敵戦車の後方に落ちた。
相手の無線を傍受していたはやから通信が入って。
『敵戦車の後方から攻めているのか、とてもビックリしたよ。』
「相手さんはなんて言ってたの?」
『予想していた前方からでは無く後ろから来ている。注意せよ。だって。』
それを聞いた梨華はすぐさま、
「絵里、主砲でフラッグ車を倒しちゃって。」
「了解。」
「チェックメイト。」
梨華が呟くと砲弾は発射された。
そして発射をしてから数秒後、
『プラウダ高校のフラッグ車の撃破を確認。よって大洗女子学園の勝利。』
審判からいつも通りに勝利判定が全戦車に通達された。
そして試合を見に来ていたみほのお母さんは梨華が大洗女子学園にいるのに驚いていた。
「まほ、大洗には大狩家のお子さんもいるのではないのですか?」
「はい。次女の梨華が大洗に転校したようです。ですが梨華は私と同じ国際強化選手に選ばれたのですからなにか理由があるはずです。」
まほが梨華を庇った。
「後で梨華を家に招きなさい。少し話があると伝えて。」
「わかりました。お母様、私はその話し合いの席に入ってもよろしいのですか?」
「まほ、私は梨華に話があるのです。知り合いとして正しき道を教えてあげる。ただそれだけをするつもりです。その話にあなたが入ってなにをするのですか?」
「スミマセン。それでしたらお母様と話が終わってから梨華と話す時間を頂けないでしょうか?」
「それくらいはいいでしょう。」
しほさんからやっと貰えた梨華との会話の時間。
今まで話すことが出来なかった事を全て梨華に話そうと思ったまほ。
「ありがとうございます。挨拶が終了次第、迎えに行きます。」
少したった後に、
「三回戦大洗女子学園vsプラウダ高校の試合は大洗女子学園の勝利です。一同礼。」
そこにいた両校の選手が、
「「「「ありがとうございました。」」」」
挨拶を終えて梨華が待機所に戻ろうとすると、
「リカ、今日の試合はちょっと卑怯じゃない。」
プラウダの隊長であるカチューシャが梨華に言ってきたが、
「戦いに卑怯も何もないと教えてくれたのは他でもないカチューシャ先輩です。」
それを聞いたカチューシャは、
「そうだっけ?ノンナは覚えてる?」
「ええ。最初の模擬戦の時に言ってましたね。」
「そう。出来たらうちに転校して欲しかった。」
「それはどうも。」
カチューシャが最後に、
「またやろうね。じゃあ次も頑張ってね。」
「はい。今日はありがとうございました。」
プラウダ高校のメンバーはカチューシャとノンナが戻るとすぐに帰還を開始した。
梨華も待機所に戻ると、そこにはまほがいた。
「お母様が話があるそうだ。着い付いてこい。」
まほに誘われ、私は荷物だけ持ち、まほについっていった。
後書き
みのり、さき、さいか
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