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ロリータ=コンプレックス

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第四章

「いや、小柄で童顔で」
「新しく入った娘ですね」
「西山さんですね」
「あの若い娘ですね」
「高校生なんだね」
 それが信じられないといった顔での言葉だ。
「中学生かと思ったよ」
「小さいですから」
「だからですね」
「本当にね、けれど実際に高校生だから」 
 それでとだ、寛騎は言った。
「お店も採用したし」
「レジに入りましたよ」
「部活しないそうなんでこっちに専念するとか」
「後はどんな娘かですね」
「頑張って欲しいですね」
「そうだね、しかし本当に」 
 その友希のことをだ、寛騎は言うのだった。
「中学生にしか見えないよ」
「小さくて童顔で」
「どうしても」
「どうにもね」 
 寛騎はこう言った、そしてだった。
 そうした話をしてだった、友希を見ていると。 
 仕事は出来た、レジ打ちも対応も正確かつ的確で速かった。飲み込みがよくどんどん動いていく。しかもだ。
 気が利いて挨拶も明るくはきはきとしていた、それであっという間に店の中で評判のいいアルバイトの一人になった。
 寛騎はそのことに驚いていた、それは店長も同じで彼女が学校に通っている時間の昼休みに寛騎に言った。昼食の弁当を食べつつ。
「あの西山さんだけれどな」
「バイトの娘ですね」
「あの娘出来るな」
「はい、かなり」
 実際にと言うのだった。
「仕事も応対も」
「挨拶もな」
「万全ですね」
「いい娘だ」
 店長はこうまで言った。
「商業高校だったか」
「あっ、今は実業だとか」
「最近商業科も減ってか」
「はい、統合やら何やらで」
「そうした学校になっているんだな」
「そうなんです」
 この茨木でもというのだ。
「それで実業に通ってます」
「そうなんだな」
「それで実業に通っているだけあって」
「ああ、出来るな」
「こうしたことが」
「即戦力になってくれている」
 まさにとだ、店長はこうまで言った。
「あの娘はいい娘だ」
「本当にそうですね」
「しかもな」
「しかも?」
「あの娘家事とかも出来るらしいぞ」
「あっ、そうなんですか」
「何でもお袋さんがそういうのに厳しいらしくてな」
 家事やら何やらにというのだ。
「それでそっちも得意らしい」
「そうなんですか」
「だから日曜に朝から夕方まで入る時は弁当だがな」
「そのお弁当もですね」
「ああ、手作りだ」
 それだというのだ。 
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