ロクでなし魔術講師とWの戦士
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いきなりのY/少年グレン
ここはグレンが講師を勤めるアルザーノ帝国魔術学院
学院敷地内には特殊な結界が施(ほどこ)されており、学院関係者以外は立ち入りが禁じられ、更には正門のすぐ隣には守衛所があり余程の実力者でなければ侵入すら不可能と呼ばれている。
何とかこっそり警備網を潜り抜けたとしても学院内には対侵入者用のガーディアン・ゴーレムが配備されているため侵入すら不可能である。
だがある日、鉄壁と呼ばれた警備を潜り抜けた人物がいた。
その者は隙をついて守衛の目をかわし
遅刻してもこっそり学院に入れるよう開けた穴から学院内に侵入
しかも学院に張られている結界を簡単に通っていた。
その人物こそ…
「何とか守衛にバレずにすんだな 」
グレン=レーダスなのだが
「こんな姿、見つかったら補導されかねないからな 」
何故か今日のグレンは背が縮み、いつものシャツとスラックスがダブダブになっていた。
つまり今のグレンは子供になっているのだ。
「ちくしょう!朝からこんな目に遭うなんて!!あの野郎!! 」
何故グレンが子供になっているのか?
その理由は時を少し戻る。
いつものようにセリカに叩き起こされ、学院へ向かっていたグレン
「ふぁ~、まだ寝みいな~、そこのベンチで昼寝でもするか 」
とグレンが歩いていたその時
『グレン、ドーパントだ! 』
「ゲッ!?こんな朝早くからかよ!? 」
フィリップからの連絡を聞き、仕方なく仮面ライダーWに変身したグレンは
「待ちやがれドーパント! 」
ドーパントと交戦していたのだが
「しつこい奴め!これでも食らえ!! 」
ババァッ!!
「うおっ!? 」
ドーパントの攻撃を食らい
「あ~ばよっ! 」
「ま…待ちやがれ!? 」
シュパンッ!!
ドーパントには逃げられ、Wの変身が解け
「ちくしょう逃げられちまったか! 」
グレンがそう言うと
『え~と、君はグレンかい? 』
「は?何言ってるんだよクリップ、俺に決まって… 」
と、ここでグレンは自分の変化に気がついた。
「お…俺、子供になってるーっ!? 」
グレンはドーパントの攻撃を食らい、子供の姿にされてしまったのだった。
そして現在
『検索の結果。あいつは色々なものを若くするヤング・ドーパントだね 』
「検索してる場合か!俺はどうすりゃいいんだよ!!このまま子供のままじゃ… 」
子供の姿にショックを受けるグレンだが
「ギャンブルできねぇ!!酒が飲めねぇじゃねぇか!! 」
だがその理由はロクでもなかった。
「あっ!でも講師できねぇからラッキーじゃね♪ 」
こいつ、本当に講師なのだろうか?
「とにかく!勢いで学院に侵入はしたが白猫達に見つかると色々ヤバイかもしれん!見つからないようこっそり脱走を… 」
とグレンが脱走しようとしたその時
「まったくもう!先生ったらいつまで遅刻してるのよ! 」
システィーナの怒声が聞こえ、ルミアとリィエルを連れて現れた。
(あ…あれは白猫達、何故ここに!?)
「でもシスティ、何故ここにやって来るの? 」
「ここに先生が抜け道作ってたのを思い出したのよ。あいつのことだからここから入るに違いないわ 」
(ば…バレてる!?)
自分では完璧に行ったと思っていたが、どうやらシスティーナにはバレていたらしい
「だからここで見張れば必ず先生は現れるわ!そしたら説教してやるんだから! 」
(や…やっべーっ!?)
この場で見つかるのはヤバイと考え、グレンは逃走するのだが
「ん… 」
グレンが隠れている場所をリィエルがじっと見ていた。
「どうしたのリィエル? 」
「そこに誰か隠れてる 」
「さては先生ね!! 」
(やっべーっ!?とにかくすぐに俺だとバレないように!?)
焦ったグレンはダブルドライバーを隠すのだが
(み…見つかってしまった!?)
ちょうど隠し終えたところをシスティーナに見つかってしまった。
(もうダメだ!?子供の姿のまま白猫に説教食らわされてしまう!?)
グレンが覚悟を決めたその時
「ちょっと!何でこんなところに子供がいるの? 」
それがシスティーナが発した第一声であった。
(へっ?もしかしてバレてないの?)
どうやらそうらしい
「どうしたのシスティ? 」
「その子、誰? 」
「そういえば、あなたは誰なの?お姉ちゃん達に話してごらん 」
(白猫め、誰がお姉ちゃんだよ)
だがバレていないのも都合がいいため
「えぇと、ボクはグレー=レンダス。グレンお兄さんの親戚です 」
適当に思い付いた偽名を使い、誤魔化すことにした。
「へぇ、まさか先生にこんな子供の親戚がいるなんてね 」
(いるわけねぇだろ)
「そういえばこんな子供を一人残して先生は何処へ行ったのかしら、見つけ次第説教を… 」
(やべぇ!?こうなったら)
「えっ? 」
グレンはルミアの後ろに隠れると
「し…白猫のお姉ちゃん、怖いです 」
わざとらしく泣き真似をしてみせた。
「ダメだよシスティ、こんな子供の前で怖い顔しちゃ 」
ルミアにまで怒られてしまうシスティーナ
「ご…ごめんねボク、あなたに言ったんじゃないからね 」
(まだまだ甘いな白猫)
心の中でシスティーナを馬鹿にするグレンであった。
「そういえばこの子どうしようか? 」
「守衛さんにでも引き渡す? 」
(そんなことされてたまるかよ)
そう思ったグレンは
「あのねボク、お姉ちゃん達と一緒にいたいな 」
甘えたフリを繰り出すと
「うっ!?ダメなのはわかってるけど甘えられるとつい従いたくなっちゃう!? 」
「じゃあ、グレーくん、お姉ちゃん達と一緒に教室に行こうね 」
(ちょろい)
グレンの策略通り、まんまと一緒にいくことに成功したのだった。
ちなみにリィエルはというと
「何でグレンのベルトがここにあるの? 」
茂みの中で隠されたダブルドライバーを見つけるも
「ま、いっか 」
すぐにドライバーを置いてシスティーナ達の方に向かうのだった。
『何だか嫌な予感がするなぁ!? 』
そして一人(?)残されるフィリップであった。
一方、教室に連れていかれたグレンはというと
「先生の親戚の子供ですって!? 」
「あらあら、かわいい顔してるわね 」
「かわいいね 」
ウェンディ、テレサ、リンといった女子達に可愛がられていた。
(かわいい呼ばわりされるのもあれだが意外といいかもしれんな♪)
「まさか先生にあんな子供の親戚がいたなんてな 」
「ちょっとビックリだよね 」
「まぁ親戚ならばそんなに驚くことでもないだろうさ 」
カッシュ、セシル、ギイブルといった男子からもグレンに親戚がいたことに驚くのだった。
(ハ~、最初はガキになって色々困るかと思ったが、案外ガキの姿もいいもんじゃねぇか♪)
だが、どんな楽しい時でも必ず終わりがやって来るのだった。
「システィーナ、グレンがまだ来てないそうじゃないか 」
グレンをよく知るセリカが教室に入ったことで楽しい時間が終わってしまった。
(げぇーっ!?セリカ)
「んっ?何だ。その子供は? 」
「先生の親戚の子供ですよ。アルフォネア教授は知らないんですか? 」
「グレンに親戚だと 」
セリカはじーっとグレンの顔を見ると
「お前、何を小さくなってるんだグレン 」
「「「「へっ? 」」」」
セリカのグレンという言葉に全員が反応した。
「な…何を言ってるのセリカ!?ボクはグレーで…あっ!? 」
この時、グレンは自ら地雷を踏んでしまったことに気づいてしまった。
学院でセリカを知る者は大抵セリカをアルフォネア教授やセリカ君と呼ぶ
呼び捨てにするのはリィエル、そしてグレンだけであった。
「「「「・・・ 」」」」
教室内に沈黙が流れ
自ら墓穴を掘ってしまったグレンは
「てへペロ☆ 」
かわいく誤魔化そうとするのだが
「《この馬鹿》ぁーっ!! 」
「ぎゃあぁーっ!? 」
システィーナの魔術によって飛ばされるのだった。
「全く!先生ったら馬鹿なんだから!! 」
「あはは… 」
場所は移り、こちらは自習室
あの後、みんなには白魔『セリフ・ポリモルフ』が失敗したと誤魔化したのだが
「しかし本当に小さくなるだなんてな!?一体どうした? 」
セリカだけは誤魔化せなかったのだった。
(ちくしょう!白猫にボコられるのも、セリカに怪しまれるのもみんなあのドーパントが悪いんだ!!あの野郎め見てろよ!!)
ドーパントのせいにしているが完全なる自業自得である。
すると
「おほっ!本当に若返ってるじゃん 」
「あっ!テメェは!! 」
グレンを小さくしたヤング・ドーパントが現れたのだった。
「テメェ、よくも俺をガキに!! 」
「お前のような奴はガキの姿がお似合いだよ!日が暮れたらお前は一生そのまんまさ 」
「な…何だと!? 」
ドーパントから衝撃的な言葉が放たれたのだった。
後書き
「アニメ化反対!! 」
「あんたはいきなり何言ってるのよ!? 」
「だってアニメになったら大抵は深夜に放送されるんだぜ!明らかな時間外労働じゃねぇか!!ちょっくらアニメスタッフに『イクスティンクション・レイ』食らわしてくるぜ 」
「ちょっと待ちなさいよ!? 」
とんでもないことをしようとするグレンであったが
「でも先生、アニメに出たら出演料がもらえるんじゃないですか? 」
「ちょっとルミア!?それをこいつに言ったら!? 」
もう遅かった
「アニメ化賛成!!おらアニメスタッフ!!アニメに出てやるから出演料出しやがれ!! 」
「《スタッフに・何て口の聞き方よ・この馬鹿》ぁーっ!! 」
「ぎゃあぁーっ!?電撃はやめてぇ!? 」
「あはは… 」
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