転生とらぶる
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ガンダムW
1626話
結局、基地を襲ってきたものの、最終的に捕らえられた者達は全部で30人以上に及んだ。
第3勢力がどこの所属であるのか。
当然連合軍もそれを知りたいので尋問をしたのだが、殆どが傭兵だという結果となる。
それでも怪しいのが1人だけいたが、幾ら尋問しても向こうがそれで口を割る事はない。
そうして困った連合軍の面々は、当然のように俺達に何とかならないかと泣きついてきた。
出来れば自分達だけでこの件を片付けたかったんだろうから、色々と無念だったのだろうが……それでも、面子ではなく実利を重んじたところには、敬意を示したい。
で、頼まれた俺達の中で出張るのは……
「結局私って訳ね」
食堂の中……シャドウミラーが集まっている場所で、凛が呟く。
「ま、そうなる。頼めるか?」
「頼めるかって言っても、そもそも私しかいないんでしょ?」
「そうだな」
何でもありって事なら、俺の方でも魔法とかそっち関係の能力を使って脅す事は出来るが……そんな真似をすれば、絶対に目立つ。
それこそ炎獣を生み出しているところで連合軍の軍人が部屋の中に入ってきたりしようものなら……うん、それこそ文字通りの意味で口封じをしなければならなくなるだろうし。
それを考えれば、暗示の類を使う事が出来る凛なら特に大掛かりな真似も必要はない。
「は? 何で凛が?」
だが、当然ながら凛にそのような能力があるとは知らないデュオは、俺の言葉に疑問を持つ。
勿論、デュオも凛がただものではないというのは理解している。
それこそ、デュオがシャドウミラーに加入してから散々いぢめられているのだから、当然だろう。
……まぁ、それでただものではないと判断出来ても、何故尋問を任されるのかと疑問に思っても当然だが。
「あら、私の能力に疑問でもあるの? それなら、後でゆっくりとお話ししましょうか?」
「いやいや、そんな事ないって。俺は凛の能力を疑う筈がないだろ? 今のは……そう、言葉の綾だよ、綾」
慌てて凛に弁解するデュオ。
その表情が演技でもなんでもなく必死な様子なのは、今までのやり取りで完全に凛との力関係が定まってしまっているからだろう。
当然それは、凛が上でデュオが下だ。
……一応こう見えてもガンダムのパイロット、なんだけどな。
ちなみに力関係という意味では、五飛もまた凛より下になってしまっている。
デュオと五飛は……まぁ、同格か?
純粋な実力で考えれば、五飛の方が上だろう。
シャドウミラーに入ったのが早かった分、それだけの実力を得ている。
だが、それ以外の……人間関係とかそういうのを含めれば、総合的には互角といったところか。
人間関係云々では、俺も人の事は言えないが。
ともあれ、デュオと五飛の異論がなくなり、話は決まった。
尚、サリィがここにいないのは、あくまでもサリィは連合軍から派遣されている人物だからだ。
「じゃあ、話は決まったようだし行ってくるわね。……アクセル」
「ああ」
本来なら、凛だけで尋問は全く問題なく出来る。
俺がそれに同行する理由は、1つ。……即ち、尋問をする様子を見た連合軍の連中が妙な真似をしないかといった事に対する牽制だ。
勿論この基地にいる面々については信用出来ると思っている。
だが、それでもここにいるのはあくまでも軍人であり、上から強硬に命令されればそれに従わざるを得ない。
どうやって尋問をしたのかを強引に明かせと命令されれば、それに従わざるを得ないのだ。
勿論凛がその辺の軍人相手に負けるとは思っていないが、それでも一応念の為というのがある。
ちなみに、暗示の類は特に難しい魔術ではないらしく、それを見られたところで何が行われているのかは分からないらしい。
その辺は俺の魔法とかと違って便利だよな。
鵬法璽とか出す必要もないのは助かるし。
ともあれ、俺と凛は尋問が行われている場所へと向かう。
元々この基地は決して大きな基地という訳ではない。
この辺一帯の纏め役というか、中心的な役割を果たしている基地ではあるが、そもそもこの辺り一帯がそこまで重要な場所って訳でもないし。
ルクセンブルク基地に比べれば、その規模は圧倒的に小さい。
だからこそ、敵の多くを捕虜にしても扱いに困る事になる。
捕らえられた傭兵がどのような扱いを受けるのかは分からないが、恐らく近い内にニューエドワーズ基地辺りから引き取りにやって来るんだろう。
捕らえられた傭兵達の中には、それが自分の仕事だからと特に何も言わず今の境遇を受け入れる者もいれば、シャドウミラーという事で、何とかして欲しいと言ってくる者もいる。
この辺り、それぞれの性格が出ているな。
このW世界の傭兵達にとって、シャドウミラーというのは色々な意味で特別な存在だ。
数ヶ月前までは全く名前を聞いた事がなかった傭兵団なのに、いきなり連合軍で元帥をしているノベンタ直轄の傭兵部隊として受け入れられた。
更には使用するMSは、今まで全く見たことがなかったMSトールギス。
そこにOZの最新鋭量産型MSのトーラスが加わり、更にはガンダムが2機加わる。
とてもではないが、普通の傭兵団とは思えないだろう。
寧ろ傭兵団ではなく、連合軍辺りの特殊部隊が名目上名前を変えてるだけとか、そんな風に認識してもおかしくはない。
ともあれ、向こうに雇われていた傭兵達も色々と思うところはあるんだろうが、それに付き合っている暇はない。
「アクセル代表、それに凛も……よろしくお願いします。私達は隣の部屋からマジックミラー越しに様子を見てますので」
尋問する対象がいる部屋の前で、サリィが俺達を待っていた。
「ええ、任せてちょうだい。大体の話は引き出せる筈よ」
魔術に対する抵抗力とかがあれば別だが、その存在を知られていないこのW世界で、凛の暗示に抗う事はまず不可能だろう。
いや、天然である程度の抵抗力を持っているような奴はいるかもしれないから、絶対に大丈夫って事はないだろうが。
ともあれ、サリィに促されて俺と凛は部屋に入る。
するとそこには、手錠をされた1人の軍人の姿があった。
年齢は20代くらいで、座っているから正確な身長は分からないが、細身でありながらしっかりと筋肉が付いている人物。
「……」
俺達が部屋の中に入ったのに気が付き、一瞬視線を向けてくる男だったが、次の瞬間には何も言わずに視線を逸らす。
自分は絶対に何も喋らないという、そんな意志表示だろう。
聞いてた通り、意志が強そうではあるが……
「凛」
「任せて」
俺の言葉に短く返事をし、そのまま凛は男の方に近付いていく。
「……」
無言の男だったが、凛が近付いてくるのを見て少しだけ驚きの表情を浮かべる。
まぁ、俺と凛で尋問をするのなら、俺がメインで凛はお付きってイメージの方が強いんだし、それは当然か。
凛がメインになるとは思わなかったのだろう。
意外性に負けて凛に視線を向けたのが運の尽き……次の瞬間には凛の魔術により、あっという間に暗示に掛かる。
それこそ、俺から見てもいつの間に暗示に掛かったのかが分からなかった程に。
だとすれば、マジックミラー越しに見ている隣の部屋の連中もその事には気が付かなかっただろう。
「さて、教えて頂戴。貴方の所属は?」
「……バートン財団」
凛の質問に、男はあっさりと答える。
にしても、バートン財団か。やっぱりというか、ある意味予想通りだな。
第3勢力について俺が怪しんでいた本命。それがバートン財団なのだから。
対抗としてホワイトファングもいたのだが。
「そう。それで、目的は? 一体何でこの基地を襲ったの?」
「宇宙ではバルジがなくなり、地球でも連合軍が有利になっているこの状況を、少しでも長引かせる為に」
「……長引かせる? 何故?」
「我等バートン財団がこの地球圏を支配するには、OZは勿論連合軍も邪魔でしかない」
あー、なるほど。地球では連合軍が若干有利といった程度だが、宇宙はバルジの件もあって連合軍が圧倒的に有利だ。
総合的に見れば、結果としてこの内戦は連合軍が有利という事になる。
バートン財団はそれを嫌った、と。
まぁ、地球圏を支配しようとしているバートン財団だ。連合軍の圧倒的優勢というのは面白くなかったのだろう。
……にしても、バートン財団が地球圏を支配するって、どうするんだろうな?
原作だとマリーメイアが地球圏を統一したトレーズの後を継ぐという大義名分があったが、こっちだとそうはいかない。
この世界だと、トレーズはまだOZを……ロームフェラ財団の手足となって働く実働部隊を率いているに過ぎないのだから。
勿論OZの中ではカリスマがあるのだろうが、それでも今のトレーズでどうするつもりなんだ?
ああ、でも原作でもトロワ・バートン……本物のトロワ・バートンの方が、オペレーション・メテオの前にマリーメイアが地球を支配する云々って話をしていたな。
だとすれば、きっと何か手段があるんだろう。
「バートン財団、ね。そのバートン財団にとって、連合軍が邪魔な訳ね。……それで、OZと手を組んでこちらに攻撃をしたと?」
「ああ、そうだ」
「そう、ありがとう。それと……バートン財団を具体的に指揮しているのは、誰かしら?」
「デキム・バートン様だ」
この辺りも予想通りの展開ではあった。
こうしてしっかりと情報を聞いた以上、他に聞くべき事はそう多くない。
いや、勿論バートン財団の戦力とか、拠点とか、そういうのは色々と聞いておくべきだが。
だが、実際凛に聞いてみてもらったところ、所有している戦力的には特に見るべきところはなかった。
……当然か。
原作だと地球がコロニーに降伏したのを認めたくない連中や、マリーメイアというトレーズの娘を出して戦力を増強したんだから。
ああ、でも量産型ヘビーアームズと言ってもいいサーペントなら、今の時点で作られていてもおかしくないのか?
バリアの類はない機体だった筈だし、量産型であっても移動火薬庫の異名を持つヘビーアームズの火力を考えれば、連合軍的には決して軽く見る事は出来ない。
これがOZならMDのトーラスがあるので、ある程度対抗出来るんだろうが。
ガトリング砲を両手に装備しているだけに、弾幕を張るという意味だと最善の機体なんだよな。
そう考えれば、実は結構強力なMSだったりする。
ただ、それだけにトーラスなんかと比べると運動性や機動性は落ちるのだが。
……トロワはヘビーアームズで空中で三回転半捻りっぽい動きとかやってたけど、それはあくまでもトロワとヘビーアームズだからだろうし。
「貴方達の本拠地は?」
「X-18999コロニー」
「……コロニー? じゃあ、地上ではどこを拠点に活動しているの?」
「それは……」
男の口から語られたのは、ヨーロッパにある無人島や、バートン財団と関わり合いのあると思われる企業の所有している施設といった名前。
どうやら、地球には幾つも拠点があるらしい。
まぁ、バートン財団の規模を思えば不思議でもないんだが。
財団ってくらいだし、ロームフェラ財団と関係していてもいいと思うんだが……やっぱりロームフェラ財団は地球の王侯貴族達の集まりであって、宇宙に本拠地のあるバートン財団はロームフェラ財団にとっては仲間と見なす事は出来ないのか?
ともあれ、バートン財団という名前とその拠点を聞き出す事が出来たのだから、連合軍は動くだろう。
「そう。それじゃあ、次に戦力は?」
「現在所有しているのは、リーオー、エアリーズ、トラゴス、トーラス、パイシーズ、キャンサーだ」
どうやら、サーペントはまだ開発中か……もしくは、開発すらされていないらしい。
まぁ、原作と比べるとバートン財団が表舞台に出るのが大分早かったしな。
それに、この男がバートン財団の全てを知っている訳ではない。
幾ら凛の催眠術でも、この男が知らない事は喋らせられないのだから。
だとすれば、サーペントが開発中でも、あくまで秘密裏にという風になっている可能性はある。
そもそもの話、この男は地球での破壊活動をやっていたのを考えると、いつ捕まってもおかしくはない。
現に、こうして捕まっているのだから。
だとすれば、そこまで詳しい情報を知っている奴を送ってくるのか? という疑問もある。
恐らく……いや、間違いなくこの男はバートン財団の中でいつでも切り捨てられる程度のトカゲの尻尾、という訳か。
「へぇ。トーラス、パイシーズ、キャンサーはOZでも最新鋭MSと聞いているけど、バートン財団はそれを手に入れる事が出来るの?」
「そうだ。OZの中も一枚岩という訳ではない。金次第では、こちらに物資を流してくれる者もいる。そのような者達からMSや各種資材を融通して貰っている」
OZも人の子、か。
実際問題、OZもエリートだからと言って、全員がOZに忠誠を誓ってる訳じゃないのは明らかだしな。
その後も凛は色々な事を目の前の人物に聞いていき……サリィを含め、このやり取りを見ていた者達を驚愕の渦に叩き込むのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1120
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1326
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