転生とらぶる
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ガンダムW
1619話
どこの勢力か全く不明のMS部隊がOZの基地を破壊してから1週間……だが、最初の戦い以後は全く何の動きもないまま、不思議な程に穏やかな時間が進んでいった。
俺達がここにいる最大の理由……OZの水中部隊による、連合軍基地の襲撃も行われていない。
この辺は、やっぱり所属不明の勢力がいるからだろう。
もし連合軍の基地を攻めている時に、自分達の基地が襲われでもしたら洒落にならないだろうし。
……まぁ、俺が基地からパイシーズやキャンサー、それ以外にもMSやMS輸送機、潜水艦を盗んだのも関係している可能性はあるが。
ちなみに、この1週間の間に、2回程他の基地に忍び込んでMSを奪っている。
最初に基地から奪った以外にも、船? 軍艦? 戦場艇? ともあれ、そんな船も奪っている。
勿論裏で動いているのは俺だけじゃないだろう。
連合軍だってOZに対する戦いの準備を整えているだろうし、OZも自分達の基地が襲われた以上、所属不明機の勢力がどこなのか……そして基地が襲った犯人を捜してもいる筈だった。
ましてや、OZの場合はバルジが消滅した件もあるから、恐らく一番忙しい勢力はOZだろう。
そんな中……
「マジかよ」
デュオの声が食堂の中に響く。
もっとも、食堂の客は俺達以外にも大勢いるので、その唖然とした呟きを聞く事が出来たのは、俺と五飛、それとデュオと仲良くなった連合軍の軍人という、このテーブルで一緒に食事をしていたメンバーだけだろうが。
そんな風にデュオが唖然とした理由。それは、デュオの視線の先……TVの中にあった。
『再度、宣言します。私達のコロニーはOZとの友好条約を締結しました。また、昨今の事情を考え、何かあった時に備えて自衛の戦力が殆どない事もあり、OZの部隊を滞在させる事となりました』
そう、コロニーの代表が言っているのだ。
勿論全てのコロニーという訳ではなく、宇宙に幾つも存在するコロニーの中でも1つでしかない。
だがそれでも……まさか、この状況下でOZと組むような間抜けがいるとは思っていなかったのか、デュオは信じられないとグラタンを食べていたスプーンすら皿の上に落としていた。
五飛もこの放送には意表を突かれたのか、微かに眉を顰めている。
そんな中……俺は思わずといった様に納得してしまっていた。
何故なら、その人物に見覚えがあったからだ。
勿論直接会った事がある相手という訳ではない。
俺が知っているのは、あくまでも原作知識からだ。
……そう、その人物は原作でもレディ・アンの色仕掛けによって宇宙に混乱を招いた主犯の1人。
最後の最後で戦いを止めるように進言するとか放送していたような気もするが、それで宇宙に混乱を招いた責任を取ったとは、とても言えないだろう。
ともあれ、現在TVに映し出されているのは、宇宙を親OZにした張本人とも言える人物だった。
こいつがここで出てくるという事は、もしかしてレディ・アンは宇宙にいるのか?
まぁ、バルジの件で地球にいられないのは分かるが……それでも、あんな証拠映像があったのに、よく受け入れたな。
こいつ色仕掛けに弱すぎるだろ。
なんつーか、ハニートラップであっさりと陥落出来そうな程に容易い相手だ。
そんな疑問を抱くのは俺だけではなかったらしく、TVの中では他の記者からの質問がそこを突く。
『OZといえば、バルジで連合軍の基地やコロニーを破壊すると脅した映像が流れていましたが、何故そんなOZと手を組むのでしょう? 連合軍は現在、コロニーに対して宥和政策を行っていますが』
その記者の質問に、他の記者達も頷いている様子が映し出されていた。
……良かった。コロニー全体がこの男みたいな奴じゃなくて。
ただ、問題はこんな男がコロニーの上層部にいるというのを許容する状況だろうな。
『その件については、非常に精巧に映像を加工しているという結論がこちらで出ています』
『加工、ですか? ですが、専門家に調べて貰っても、映像に加工された痕跡はないという結論が出てるのですが』
『それは、その専門家の技術力や分析力が足りないだけでしょう。こちらで分析した結果、しっかりと加工の痕が見て取れます』
「……どう思う?」
デュオの言葉に、俺が出来るのは小さく肩を竦める事だけだった。
一緒にテーブルに座っている軍人達も興味深そうな視線を俺に向けているが、そんな視線を見せられてもな。
別に俺はあの映像が流れたのを生で見た訳じゃないし、加工されているのを見抜けるような訳でもない。
勿論素人が見て分かる程度の違いであれば、見抜けるだろうが……
だからこそ、俺がルクセンブルク基地の司令室で見た映像が加工済みだったと言われれば、そうなのか? と疑問を覚えつつ納得するしかない。
ただ、俺の場合は原作知識からレディ・アンの性格が分かるし、コロニーを人質に取ったというのも知っている。
そうなれば、当然のようにあれを加工されていると言われて、信じる訳にはいかないだろう。
それでもデュオがそう聞いてくるのは、多少なりともコロニーの人間を信じたいからか。
「あの映像に出てくるレディ・アンって軍人は、トレーズ・クシュリナーダというOZの総帥の為なら、何でもやるって情報がある。それを考えれば……」
最後まで言わなくても分かるだろう?
デュオに視線を向け、視線で告げる。
原作のように少しのスキンシップであっさりとハニートラップに引っ掛かったのか、今回のような致命的な件を隠す事を考えると実際に抱かれたのか……それは分からないが、ハニートラップはハニートラップだろう。
それが分かったのか、デュオは俺の言葉に諦めたような溜息を発する。
『我々はOZとの平和的な関係を結ぶ事に成功しました。連合が宥和政策を行うようになったという指摘もありましたが、逆に皆さんに聞きます。今まで圧政を敷いてきた連合の言葉を、何故そうすぐに信じる事が出来るのですか? それに比べると、OZは紳士的であり、友好的でした。連合軍の態度を覚えている者であれば、誰しもがOZとの友好関係を望むでしょう。他のコロニーも、我々に続いて連合ではなくOZとの友好関係を結ぶことを期待します』
そう締め括る男の言葉。
……意外だったのは、記者の中にも何人かその言葉に頷いている奴がいた事か。
レディ・アンの映像の件に疑問は抱いても、それでも尚、連合……連合政府も連合軍も含めて信じる事が出来ないんだろう。
それだけコロニーが受けてきた圧政は酷かったという事か。
テーブルの連合軍の軍人に視線を向けると、そこではそっと視線が逸らされる。
直接自分達が関わってきた訳ではなくても、連合軍がコロニーに対して圧政をしてきたというのは十分に分かっているのだろう。
「だとさ。……で、コロニーから来たガンダムのパイロットとしては、どうするんだ? OZに行くのか?」
「んな訳ないだろ。大体。俺は誰かの命令でデスサイズに乗ってるんじゃない。あくまでも、俺個人がOZを許せないから戦っているだけだ。……ったく、コロニーには相変わらず頭の中がお花畑の奴が多いぜ」
若干苛立たしげに、デュオはグラタンにスプーンを突き立てる。
どうやら今のところはOZにつくつもりはない、と。
まぁ、その辺は予想していたから、特に驚くべき事じゃないけどな。
そもそもの話、OZのコロニーに対する友好姿勢はいつまで続くかが分からない。
……まぁ、それは連合軍の宥和政策についても同じなんだが。
だが、連合軍は何だかんだと、これまでの実績がある。
ましてやノベンタは穏健派だというのも当然のように知れ渡っている事実だ。
内乱を起こしたOZとどっちが信頼出来るかと言われれば……普通ならノベンタだろう。
勿論、あくまでも普通ならであり、色仕掛けに引っ掛かったりすれば、話は別だが。
今回問題なのは、やっぱり色仕掛けに引っ掛かった男がコロニーの上層部にいるという事か。
不幸中の幸いなのは、コロニーの中で高い地位にいるのは事実だが、それでも独裁な訳ではないという事。
もしこれで独裁の類であれば、恐らく今頃はもっと酷い事態になっていただろう。
「にしても、これで連合軍も宇宙で多少なりともやりにくくなるな」
デュオの言葉に、他の連合軍の軍人が溜息を吐く。
今までは明確にOZの味方をするコロニーは存在しなかった。
だが、今回の件でコロニーの1つが明確にOZの味方となったのだ。
大量にあるコロニーの中の1つではあるが、0と1では大きく違う。
次から連合軍がコロニーに何かを要求しようものなら、OZとの関係を考慮せざるを得なくなる。
ノベンタの方針決定から、今までもその辺には気を使っていたののだろうが、これからはもっとそっちに気を使わなければならない。
「ま、コロニーはそっちの方がいいのかもしれないけどな」
「へぇ……意外だな。まさか、アクセルがそんな事を言うなって」
言葉通り、俺の口から出た言葉が余程意外だったのだろう。デュオだけではなく、五飛までもが俺にじっと視線を向けていた。
「俺達はシャドウミラー、傭兵だ。今は連合軍に雇われているけど、別に連合軍の一員って訳じゃないし」
そう告げると、今度は連合軍の兵士が複雑な表情をしてこっちに視線を向けてくる。
「悪いな、傭兵としてその辺りは曲げられないんだ」
連合軍の兵士に告げるが、実際には余程の事がない限り……それこそノベンタが死んだりしない限り、俺達が連合軍から手を引く事はないだろう。
そもそも俺達が連合軍に協力しているのは、地球を連合軍に……正確にはノベンタ率いる連合軍に統治して欲しいからだ。
シャドウミラーと友好的な関係を築けるという勢力が殆どない以上、それは苦肉の選択でもあった。
短期間の協力だったり、相手を利用するといった事であればOZでもホワイトファングでも……それこそバートン財団でもいい。
あるいは、レディ・アンの色気にコロッと騙されたコロニーの代表なんかはエザリアにとっては容易い相手だろう。
だが、そんな関係ではなく、あくまでも長期的な意味で友好的な勢力という事になれば、対象となる相手は殆ど存在しなかった。
ノベンタにしても、正直なところギリギリ合格といったところだ。
……いや、能力とか性格に関しては全く問題ない。今回の場合、問題となっているのはノベンタの年齢だ。
もしW世界と友好関係を結んだとしても、ノベンタの場合は既に老齢に達している。
それこそ、シャドウミラーとの長期的な……それこそ数年ではなく、十数年、数十年、数百年という長い付き合いを考えれば、ノベンタの年齢はネックになってくるだろう。
いやまぁ、数百年になれば普通なら確実に死ぬだろうが。
それに年寄りという意味では……ん? あれ? 他の世界だと、そんなに問題ないように思えるぞ?
唯一心配なのは、マクロス世界のハワードくらいか。
年寄りという意味ではネギま世界の近右衛門が一番怪しいのだが……近右衛門の場合、既にぬらりひょんと化しているように見えるし。
いや、そこまでいかなくても魔力とか気で普通に長生きしそうなんだよな。
けど……ああ、そうか。本当に優秀な人材なら、それこそ時の指輪の受信機を渡すのがいいんだろうな。
もっとも、そうなったら他の世界でも最悪何百年も同じ人物が世界を支配する事になりそうだが。
それを向こうが望むかと言われれば、微妙なところだろう。
それでももう暫くは大丈夫だと思う。……じゃなくて、今問題なのはノベンタだ。
時の指輪の受信機でどうにか出来るのは、あくまでもゲートがあってこそだ。
ホワイトスターからゲートを通じて時の指輪の効力を得ているのだから、その辺は当然だろう。
「アクセル代表……」
連合軍の兵士が、そう言った時だった。
まるでそのタイミングを計ったかのように、食堂の中にヴィー、ヴィーという非常警報が鳴り響く。
その非常警報がなった瞬間、食堂にいた全員がすぐに動き始めた。
へぇ、中々に素早いな。
「アクセル、どうする?」
デュオが俺に尋ね、五飛も黙ってこちらに視線を向けていた。
「そうだな、非常警報が鳴った以上、何かが起こったのは間違いない。であれば、俺達にも出番がくるかもしれないし、すぐに出撃出来る準備をしておいた方がいい。それと、サリィからの情報待ちだな」
2人共その言葉には異論がなかったのか、頷き……まだ少し残っている料理をそのままに、そしてTVでOZの素晴らしさを褒め称え、連合軍を貶しているOZの人形をその場に残して、俺達は食堂を飛び出す。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1035
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1309
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