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ドラゴンクエストビルダーズ:アレフガルドを復活させられてます(新リュカ伝)

作者:あちゃ
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第2章:リムルダール編
  2:注意一秒、怪我一生?

(リムルダール地方)
リュカSIDE

やっぱ良いね。
ドラゴンの杖は良いよね!
これなら壊れないだろうし、武器の耐久度を気にする必要も無いね。

そんな事を考えながら素振りをしてて気付く。
あれ? ……俺……持ち物、減ってない?
メルキドを発つ時には、もっと色んな物を持ってたはずだけど、今はターバンもマントも無くなってる。

ヒゲ(ロロンド)に渡されたピリンのプレゼント(因みに中身は桃柿)は、無くなってないけど、魔法の玉とか色々紛失してるんだけど?
「お~い……ルビスぅ。ちょっと質問があるんだけどぉ~」

『何ですかリュカ?』
「あのさぁ……メルキドで造った魔法の玉とかメルキドシールドとか、無くなってるんだけど。如何した?」

『ありませんよ』
「『ありません』って如何いう事?」
『ですから、リムルダールには持って来れませんでしたよ』
「だから、そこを説明しろってんだよ!」

『先程リュカが使用した“移転の門”は、私の神力が大きく影響する装置なのです。メルキドは復興が進み、私の神力を強く発揮できるようになりましたが、このリムルダールでは影響力が低い。ですからリュカ自身の肉体と少しばかりのアイテムを運ぶだけで精一杯なのです。桃柿は貴方の現地妻から貰った大切な物だと思って優先しましたけど、その他の物は消え去りました。また一からの復興を頑張って下さい』

「はぁぁぁ!? 何それ??」
『ですから、向こうを発つ時は持ってた物でも、こちらに到着する前に消滅したんです。でも知識まで失ってないでしょうから、もう一度作り直せば良いのですよ』

ざけんなよ。
ドラゴンの杖も手に入れたし、魔法の玉の破壊力とメルキドシールドの防御力で、今後は無敵状態になれると気楽な気持ちで居たのに……

『でもマスタードラゴンの計らいで、武器の確保は出来るようになったのですから、余り我が儘を言わないで欲しいですね』
「お前は何もしてねーじゃんか! 相変わらず役に立たねー女だな」

『放っといて下さい……そんな事よりも、このリムルダールを復活させる為、新たな拠点に希望の旗を立てて下さい。そこから復興の再スタートですよ』
何が再スタートだ。
仕切り直したつもりは無いのだけどね!

そんな風にムカっ腹を立ててると、俺の手に突然ボロッちい旗が出現した。
そうです、これが希望の旗です。
拠点を復活させていけばルビスの影響力も強まり、旗も立派に変化して行くのです。

そして視線の先には1本の光の柱が……
そうなのです、あの光こそ、新たなる拠点“リムルダール”なのです。
あぁ……またやり直しかぁ~。

「はぁ~ぁ……やっぱ元の世界へ帰れば良かったかな?」
もうボヤくしかないね。
どっかの元プロ野球監督のように、ボヤいてボヤいてボヤきまくるしかないね。

そんな事を考えながらブツブツ小声でボヤいてると、足下が疎かになり……
(ずるっ)(ボチャッ!)「うおぅ!」
ってな感じで沼に足を踏み外す。

そしたらね……
「ぎゃぁぁぁぁぁーーー!! 痛い、痛い!! ヒリヒリするよ……沼に嵌まった足が、ものっそいヒリヒリするよ!!」

『あぁリュカ、言い忘れてましたが……周囲の薄汚れてる水は全て毒沼ですから。間違っても足を踏み外して毒に触れないようにして下さい。痛いですよ』
遅っせ(おっせ)! ものっそい遅っせ(おっせ)! 言うの、ものっそい遅せーから!」

遅すぎるルビスの忠告に文句を言いながら、慌てて毒沼から這い出て広めの陸地で毒に触れた足を看る。
うん、真っ赤だね。
毒沼の影響もろ受けで真っ赤っかだね(涙)

『まぁ真っ赤。痛そうですね………でもリュカは強い子ですから、大丈夫ですよね。さぁ早く希望の旗を拠点に立てましょう』
「うるせーよ。今それどころじゃねーんだよ! オメーが荷物リセットするから、傷薬も無くなっちゃったじゃねーか! 白い花何処? 傷薬作りたいから白い花は何処にある!?」

『この地は毒に侵されてて低い土地に生命力の弱い植物は生えません。ですから先ずは希望の旗を立てて、拠点として機能を回復させましょう』
「うるせーってんだよ! 低地に白い花が無いのなら、高地に行けばあるんだろ! ここからでも見えるぞ……少し行ったところの高い土地に、鮮やかな緑が存在するのが! もうそっちが優先! 兎も角白い花手に入れて傷薬優先だから!」

『え!? ちょ、ちょっとリュカ!?』
俺は手に持ってた希望の旗を放り投げると、離れた場所に有る緑目指して駆けだした。
うわぁ~ん……脚が痛いよぉ!

俺の脚が痛く、弱っていても敵は存在し、俺に気付けば攻撃してくる。
定番のスライム等を手始めに、初登場のドロルと言うカタツムリを気持ち悪くしたモンスター……
白い花が咲き誇ってる高地に登れば、これまた初登場なリリパット!

弱っている俺にとっても大した敵じゃないので、自慢の杖を振り回し殲滅して行くのであります。
ご存じの通り、敵を倒せばアイテムが手に入り、リセットされた道具袋も潤っていく。
ですが今は如何でもいいんです! 大切なのは白い花びらなのです!!

そして見つける。
我が心のマストアイテム……白い花を!
直ぐさま刈り入れ時です。

刈り入れたら周囲を見渡し、切り株の作業台を探し出す。
程なく発見したらダッシュで近付き、ビルダーの本領発揮。
現在必要以上に刈り入れたので、作成も必要以上に行います。

出来立ての傷薬をヒリヒリするアンヨにヌリヌリ……
はぁ~……落ち着いたね。
痛いのどっかに飛んでっちゃって一安心だね。

さて、落ち着いたところで道具袋内を再確認。
敵を倒して得たアイテム、青い油・粘つく液体・キメラの羽・太い枝が多めにある。
青い油と太い枝はメルキドでも手に入れてたから何に使うのか解るけど、粘つく液体って何だ? 何かキモい!

それと、此処に来る道中で刈り入れたアイテムも多数ある。
しっかりした草・綿毛・ピンクの花びら・粘土・薬の葉・豆……
うんうん……リムルダールに来て早々だが、結構仕入れたと思うね。

さてと……脚も治ったし、拠点を発展させに戻ろうかなぁ。
そう思いながらも高所から拠点の光を見下ろし考える。
本当(ホンット)、ルビスって使えねー。

周囲が毒沼な場所に登場したんだから、事前に危険性を説明すべきじゃね?
メルキドからワープすると、アイテム無くすって言っておくべきじゃね?
何なのアイツ!

それに引き換えヒゲメガネは凄い。
アイツが最初から携わってれば、ドラゴンの杖も初めから手に入れてて、武器の心配をする必要がなくなったんだ。
部下にはヒゲメガネの様な奴が欲しいよね。

……でも何か気になるなぁ。
あの二人……喧嘩してたよなぁ……
神様が喧嘩とかするの?
何か嘘くさくね?

アイツ等、俺にアレフガルド復興をさせる為に、一芝居打ったんじゃねーの?
そう考えると一つの矛盾も解決するんだよね。
矛盾……そう、俺の記憶が残ったまま復活させられたって事。

復活してルビスに話しかけられた時、あの女驚いてたじゃん。
『死者を復活させたのに、記憶があるなんてアンビリーバボー!』ってさ。
なのにだよ……前世で俺が光の玉を奪われちゃったから、この世界が滅茶苦茶になった。だから復興手伝えって言ってきたんだよね。

記憶無かったら、そんな事言われても『知るかよ馬鹿』って俺は言うと思うし、記憶がある事前提だとすればルビスの驚きは不可解だよね。
アイツ等、俺を嵌めたのか?

う~ん……多分嵌めたな。
でも情報が少なくて真相を突き止めるのは難しいな。
何せ現状はアイツ等の思うがままに動かされてる訳だし、今下手に疑ってる事を知られると、証拠となり得そうな情報を改竄されるかもしれないよね。
まぁ面倒だけど、この世界を復興させる事に協力しても良いと思ってる訳だし、今暫く掌の上で踊ってやってても良いかな。

そう言えば前世でも、側近中の側近であるウルフ宰相に罠に掛けられた事もあったな……
ウルフは俺を罠に嵌めても、最後(奴の計画完遂する)まで罠に嵌まってると気付かせなかったけど、神様ともあろう2人が簡単に尻尾を掴ませるなんて……
だっせーアイツ等(笑)

リュカSIDE END



 
 

 
後書き
リュカさんにはバレバレでした。
如何なる神様連合?
如何するアレフガルド復活!? 
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