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特別号 密着取材!ひーちゃんの秘密に迫る

作者:ponde-ma-lion
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城下町

【道場】

 美冬「な、なにィ!なんだそれは!」

 門下生1「そ、それが今街で話題になっておりまして」

 門下生2「瓦版屋の周りに人だかりができております!」

 門下生3「先生のことですから恥ずかしがって買えないだろうと我々が一つ買っておきました!」

 美冬「なッ、ば、馬鹿者!余計な気を利かすんじゃない!」

 美冬「ま、まァせっかくだ。少しは目を通しておくとしよう」パシ

 門下生2「いやぁしかし緋勇殿も罪なお方だ」

 門下生3「龍泉組の方々がこぞって買っていらっしゃいましたからな!」

 門下生1「手に入れるのに苦労しました!」

 美冬「ふ、ふむ、そうか龍泉組の皆が…」

 門下生3「あッ!そういえば緋勇殿が誰かと二人で茶屋に入っていくのを見たとか」

 美冬「なにィ!誰とだ!まさか龍閃組の女か!」

 門下生1「そ、そこまではなんとも…」

 門下生2「ただいつも通っている茶屋だったと」

 美冬「いつも通っている茶屋…?花音のところか!」

 美冬「ま、まさか三人で…な、なななんと破廉恥な!」ワナワナ

 門下生3「いやまだ女性と決まったわけでは」

 美冬「こうしては居れん!」ダッ

 門下生「あ!ちょ!まだ稽古が!」



【骨董屋】

 奈涸「只今帰った」

 涼里「…あ、兄上、おかえりなさい」

 奈涸「今日帰りに面白いものを見つけてな。これを見てみろ」

 涼里「…龍斗さん特集?」

 涼里「――なぜこのようなものを私に?」

 奈涸「俺としても龍君がこの大事な店を継いでくれるなら嬉しい限りだからな」

 奈涸「敵は多いが…がんばれよ涼里」

 涼里「…………――――」スッ

 奈涸「ほほほ、ではわしは店番でもしようかの。お前さんは飯でも食いに行くといい。蕎麦なんかええんんじゃないかのォ?」

 涼里「―――――………あの、……行ってきます……」

 奈涸「頑張んなさい」



【長屋】

 老人「いつもすまないねェ」

 美里「いいえ、辛くなったらすぐに呼んで下さいね?」

 老人「ありがたや…ありがたや…」

 小鈴「オーイ!藍ィーーー!」

 美里「ど、どうしたの?小鈴ちゃん。そんなに慌てて」

 小鈴「こ、これ見てよ!これェ!」

 美里「お杏さんの瓦版?…ひーちゃん特集って、龍斗の?」

 小鈴「これが街で話題になってるんだよォ!」

 美里「そ、そうなの。龍斗ったら人気者ね。ふふ」

 小鈴「そんなこと言ってる場合じゃないよ!ひーちゃんが盗られちゃう!」

 美里「と、盗られちゃうって龍斗は誰のものでも…」

 小鈴「…比良坂さん」

 美里「」ピク

 小鈴「臥龍館、礼拝堂、神社、骨董品店、茶屋、果ては鬼哭村!」

 美里「」

 小鈴「今も龍閃組にいてくれてることが不思議なくらいの内定率なんだよ!?」

 美里「りゅ、龍閃組は仕事じゃ…それに龍斗ならいつだって会ってくれるわよ?」

 小鈴「甘い!ぜんざいより甘いよ藍ィ!」

 小鈴「確かにひーちゃんは優しい…しかしひーちゃんが永久就職した場合…」

 美里「…場合?」

 小鈴「ボクなら手放さない…!お買い物さえ一人では行かせない!」

 美里「で、でも龍斗だってたまには一人で…」

 小鈴「ひーちゃんが一人でいるトコ見たことある…?」

 美里「…!」

 小鈴「例え他のみんなが忙しくても暇人の京悟が一緒に居る…」

 小鈴「つまり!ひーちゃんは束縛されてることにさえ気付きはしない…!」

 美里「」

 小鈴「闘うんだ藍。闘わなければ生き残れない!」

 美里「闘うって、どうやって…?」

 小鈴「敵を知り、己を知れば百選危うからずだよ。さっそく読んでみようよ!」

 美里「ま、前振りが長すぎない?」


 
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