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Blue Rose

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第四十三話 あえてその場所にその四

「泊まる場所を」
「何処かいい場所があるかしら」
「ここはどうかな」
 岡島は優子に少し微笑んで提案した。
「この療養所は」
「ここで?」
「お客さん用のお部屋もあるしね」
「使っていいの」
「僕は蓮見さんのお友達が来たら家に帰るけれど」
 それでもというのだ。
「二人がそれぞれ泊まれるお部屋はあるよ」
「そうなのね」
「お風呂もあるしシャワールームもあるよ」
 こちらの設備も整っているというのだ。
「それもユニットじゃなくてね」
「あっ、いいわねそれは」
 実は優子は風呂場とトイレは別々になっている方が好きだ、だからビジネスホテルや西洋式のホテルのバスルームの様なものは出来る限り避けたいと考えているのだ。
 だからだ、その話を聞いてすぐに笑顔になった。
「それじゃあね、朝にでもね」
「今日はいいんだね」
「実は今朝早くに病院のジムで汗をかいてね」
「その後でだったんだね」
「お風呂にも入ったのよ」
 病院の職員用のものにだ。
「だから今日はいいわ」
「そうなんだね」
「ええ、ただ泊まれるのなら」
「使うんだね」
「そうしていいのね」
「だから提案したんだよ」 
 岡島はにこりと笑ってだ、優子に答えた。
「僕もね」
「そういうことね」
「じゃあどのお部屋を使うのかな」
「女性用のお部屋があるわね」
「あるよ」
「そこを使わせてもらうわ」
 こう岡島に答えた。
「優花の難が終わるまでは」
「それじゃあね」
「ええ、あと龍馬君は」
 優子は彼のこともだ、あらためて話した。
「多分あと少し、遅くても今日中にはね」
「ここに来るんだね」
「少なくとも長崎までは来てくれるわ」
「よし、じゃあ迎えに行くよ」
 岡島は優子の話を聞いてすぐに決断を下した、そうするとだ。
「長崎駅までね」
「そうするのね」
「うん、彼と連絡は取れるよね」
「携帯でね」
「じゃあ連絡を取ってくれるかな」
「わかったわ、今からね」
 優子は岡島の言葉を受けて自分の携帯を出してそれで龍馬の携帯にメールを送った、すると返事は彼女にとっていいものだった。
「今福岡からね」
「こっちにだね」
「特急で向かっているそうよ」
「じゃあもうすぐだね」
「そうね、長崎までね」
「よし、もう行こうか」
 岡島は部屋の壁にかけてある時計で時間もチェックして言った。 
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