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転生とらぶる

作者:青竹
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ガンダムW
  1610話

「うわっ、何だよこれ。本当にMS輸送機か!?」

 凛とデートをして、デルマイユの屋敷から盗み出した中でMS輸送機に搬入出来そうな家具を持ってきた翌日……俺と綾子、サリィの3人はMS輸送機へと乗り込んでいた。
 これからルクセンブルク基地を出発するのだが、この客室に入ってきた綾子の第一声がそれだった。
 まぁ、その気持ちは分からないでもない。
 何も知らずにこの部屋だけを見た時、この客室をMS輸送機の中だと思う事は不可能だろう。
 それこそ、その辺の屋敷にあるリビングルームだとか、そんな風に考えても不思議ではなかった。
 バスの座席のように並んでいた椅子は全て取り外され、代わりに客室の中央にはテーブルが置かれてあり、その周囲にはソファが幾つか置かれている。
 そして壁際には眠る為のベッドが2つ。
 ……まぁ、ベッドの方はあくまでも昼寝とか、ここで夜を明かす時に使うようなものなので、シングルだけだ。
 出来ればダブルとか欲しかったんだけど、まぁ、客室でそんな行為をする訳にもいかないと我慢する事にした。
 他に冷蔵庫もある。
 食器棚の類はさすがに入り口の大きさの関係で大きな食器棚は無理だったが。
 こっちの食器棚は紅茶を飲んだりお菓子を入れたり、サンドイッチとかの簡単な料理を盛りつける程度の食器が入る、小さめの食器棚だ。
 だが、小さめであっても、デルマイユの別荘に置いてあった物なので、当然品はいい。
 けど、いつか空間倉庫の件が公になったら、本格的に豪華な食器棚を入れてもいいかもしれない。

「何と言えばいいんでしょう……とにかく、驚きました」

 サリィも、感想はそれだけらしい。
 まぁ、まさかMS輸送機の客室がこんな……それこそ、本当の意味での客室になっているとは思わないよな。

「凛が拘って選んだ家具だからな」

 実際、昨日の森林浴というかピクニックを楽しんだ後は、デルマイユの屋敷やら別荘やらから盗み出した家具を見て、この客室の大きさからどれをどんな風に置けばいいのかというのを、俺と凛は一緒に考えた。
 多分、恋人同士が同棲を始める前にどこに部屋を借りるかとか、どんな家具を買うかってのは、ああいう風に決めるんだろうな。
 俺の場合はホワイトスターの中でも一番大きい屋敷に自然と住居が決まったけど。

「ふーん。凛ならこういうセンスがいいからな。家も洋館で、こういう家具には慣れてるだろうし」
「そうなの?」

 綾子の言葉に、サリィが尋ねる。

「ああ。もっとも、凛の家はそんなに金持ちって訳じゃなかったから、こんなに豪華な家具には慣れてないだろうけど」

 凛の家も、普通に比べれば間違いなく金持ちだ。
 だが、それはあくまでも普通の一般庶民に比べての話であり、王侯貴族が集まって組織されたロームフェラ財団の中でも指導者的な役割を果たしているデルマイユとは比べものにならないだろう。
 ……まぁ、俺の襲撃でデルマイユの財産は結構な痛手を受けているだろうが。
 それに凛の場合は宝石魔術の使い手であり、その宝石も自分の財産で購入せざるを得ないので、どうしても金の消耗は激しかったのだ。
 衛宮もセカンドオーナーの凛に金を払ってなかったしな。
 それでもこのW世界で俺と合流してからは、宝石は俺が用意するようになったので、凛の経済的負担は大きく減った筈だ。
 俺の場合は宝石のストックが大量にあるし。
 元々空間倉庫の中に入っている宝石もあれば、それこそ最近だとデルマイユから奪った中に宝石があったりもする。

「お、動き始めたな」

 ソファの座り心地に驚いていた綾子が、動き出した窓の外の景色に呟く。
 その言葉通り、MS輸送機は滑走路を走り……やがて離陸する。

「何て言えばいいんでしょうね。正直、こんな風に贅沢を味わってもいいのかどうか気になります」

 こちらもソファに座りながら、呟くサリィ。
 そうは言いながらでも、やはり高級品のソファの魅力には抗いがたいのか、その感触を楽しんでいた。
 サリィは色々な意味で有能だが、別に金持ちって訳じゃない。
 原作を見れば分かる通り、故郷は自治区で連合軍の中でも将軍のように地位が高い訳ではないのだから。
 だからこそ、こういう贅沢というのはあまりした事がなかったのだろう。
 まぁ、ある程度の……一般の人が少し頑張って買える程度のソファだったらともかく、このソファはデルマイユのだし。
 ああ、でも今のサリィは何気にかなり高い給料を貰っているらしい。
 考えてみれば当然だが、現状のサリィはシャドウミラーとの間で連絡役をしているのだ。ついでに監視役も。
 現在のシャドウミラーの重要度を考えれば、その連絡役のサリィも色々な意味で貴重な人材だ。
 であれば、その貴重な人材に高い給料が支払われるのも、また当然だろう。

「今のサリィの給料なら、こういうソファとかも買えるんじゃないか?」
「そう、ですね。どうなんでしょう。……でも、ここまで高い家具を買おうとは、ちょっと思いません。何事も程々が一番かと」

 そう告げるサリィだったが、それでもここにあるソファの座り心地を楽しむというのは別の話らしい。
 出来れば紅茶でも飲みたいところだが、空間倉庫から出す訳にはいかないしな。
 かといって、自分で美味い紅茶を淹れられるかと言えば、それもまた答えはNoだ。
 冷蔵庫辺りを用意しておくか?
 ただ、現在のこの客室は金持ちのリビングルームっぽいものになっている。
 あくまでも俺がそう思っているだけなので、っぽいものな訳だが。
 それでもここに冷蔵庫が置かれていると、何だか物凄い違和感がある。
 そう考えると、やっぱり普通の冷蔵庫は置かない方がいいか。
 いっそ、通路とかのここから見えない場所に……いや、通路もそんなに広くないし、少し無理があるか。
 ともあれ、何だかんだと言いながらも優雅な時間を感じながらMS輸送機は空を飛ぶ。
 ……MS輸送機のパイロットや整備員達の為に、そちらにも過ごしやすくするように改修するべきか?
 シャドウミラーと行動を共にし、その上MS輸送機は居心地がいいとなれば、腕のいいパイロットや整備員達が離れていくような事はないだろう。
 シャドウミラーとしての戦力は非常に高いのだが、同時にそれを運用する為の人員にも手を抜く訳にはいかない。
 正直なところ、ホワイトスターに連絡が取れれば量産型Wでその辺はどうとでもなるんだが、このW世界ではそんな訳にもいかないし。
 そうして、もしかしたらルクセンブルク基地にいるよりも過ごしやすいのではないかと思われる時間を過ごす。
 俺と綾子はそれぞれ本を読み、サリィの方は何やら書類整理をしながら、基地に到着するまでの時間を潰す。
 MS輸送機の速度の問題もあって、今回襲撃予定のデルマイユの別荘は、途中の基地で一泊していく必要があるんだよな。
 その別荘よりも離れている場所にあるOZの基地は、これまでにも何度となく襲ってきた。
 その辺を考えると、やっぱり影を使っての転移魔法が使えないというのは、かなり面倒だ。
 ああ、でもこうして本を読んでいる時間があるというのを考えると、決して悪い事ばかりじゃないのか?
 いわゆるスローライフって生活……

「くくっ」

 そこまで考え、思わず笑いを漏らす。
 今の俺達の生活を知っている者なら、とてもではないがそれを見てスローライフだなどとは言わないだろう。

「アクセル代表、どうかしましたか?」

 書類を書いていたサリィが俺の笑い声に、そう尋ねてくる。

「いや、ちょっと思い出し笑いをしただけだ」
『ここで唐突ですが、OZから何らかの声明発表があるようです。番組を中断して、そちらを放映させて貰います』

 BGM代わりにと、客室の中でつけっぱなしになっていたTVから唐突にそんな声が聞こえてくる。

「何でしょう?」
「さぁ、何だろうな」

 サリィの言葉に首を傾げる。
 ここでOZから何らかの声明発表があるというのは、俺にとっても全く予想していなかった。
 同じく本を読んでいた綾子も、TVの方が気になったのか顔を上げていた。
 映像モニタの中では、画面が切り替わって会場が映し出された。
 既に準備は完了しているのだろう。OZらしいと言うべきか、立派な講演台のような物が準備され、そこにはレディ・アンが映し出されていた。

「レディ・アンか。……いい予感がしないな」

 トレーズ教の狂信者のレディ・アンが出てくるとなれば、間違いなく連合軍に対して面白くない声明だと思って間違いにない。
 実際問題、現在は内戦中なのだから、まさかOZの口から連合軍を褒め称えるような真似をするとは思えないが。

『さて、こうして皆さんを……今回の内乱で正当性のある私達OZではなく、民衆に圧政を敷いてきた連合軍を肯定している方々も含めて呼ばせて貰ったのは、一つの発表があるからです』

 その言葉に、TVに映し出された中でも半分近くの記者が微かに不愉快そうな表情を浮かべる。
 まぁ、暗にとかいう問題じゃなく、直接的に皮肉られているのだからそれも当然か。
 そんな記者達を一瞥したレディ・アンは、眼鏡を直しながら口を開く。

『知っての通り、我々OZは連合軍に対して平和裏に降伏して貰えるように交渉を持ちかけました』
「……平和裏?」

 思わずそう呟いてしまった俺は、決して悪くはないだろう。
 綾子やサリィも俺と同じ意見なのか、無言で頷いていた。
 正直なところ、さっきみたいに笑いを口に出さなかっただけ褒めて貰いたいくらいだ。
 それはそうだろう。レディ・アンが口にしている平和裏に降伏して貰う為の交渉というのは、バルジ砲を使ってコロニーを破壊するというものだからだ。
 シャドウミラーの面子を引き渡さなければ、間違いなく連合軍の基地となっていたコロニーを破壊していただろう。
 そしてガンダムを引き渡すようにと、全く関係のないコロニーを攻撃していた可能性も高い。
 記者会見場でも何人かの記者がその事について口にしているが、レディ・アンはそれを聞き流しながら口を開く。

『その手段に用いたのは、OZの誇る宇宙要塞バルジ。ですが……既に殆どの方がご存じのように、バルジは唐突に宇宙から消え失せました。正直、これがどのような手段で行われたのかは分かりませんが、姿が消える前にバルジには連合軍の工作員が侵入していたという話があります』
「へぇ……だってよ? その辺はどうなんだ?」

 この場にいる唯一の連合軍の軍人に尋ねるが、サリィはそんな俺の言葉に心当たりはないと首を横に振る。
 ……まぁ、バルジに忍び込んでいたのは俺なんだから、その辺を連合軍が知っている筈がないのだが。
 ましてや、もし実際にあれが連合軍の工作員であったとしても、所詮サリィは将官ですらないのだから、その辺りの機密を教えられる筈もない。

『そして工作員がバルジの動力炉を爆破すると脅し……更には、内部にガスすら撒いたのです!』

 ざわり、と。
 ガスの一言で記者達がそれぞれに顔を強張らせる。
 当然だろう。コロニーやバルジのように宇宙にある建造物の中で、ガスの類を使うというのは到底容認出来る事ではないのだから。

『どのようなガスを使ったのか……それはOZの技術力でもまだ解明出来ていません。連合軍には出来ればこのような真似を二度としないで欲しいものです』

 まぁ、正確にはガスではなく、スライムを使って意識を奪っただけなのだから、どう意識を失った者達を調べても、何かが出てくる事は有り得ないのだが。
 だが、同時多発的に複数の場所で意識を失ったのだから、ガスではなく物理的に気絶させたというのは思いも寄らないのだろう。
 ……うん? けど、バルジから脱出したOZの兵士達は、殆どが連合軍に捕らえられた筈だけど、よく意識を失った奴を確保出来たな。
 これは、宇宙軍の中にOZに繋がっている奴がいて、そこから何人かを脱出させたのか、それともバルジから脱出した時に即座にその場から離脱して幾つかあるOZの基地に逃げ込めたのか。
 まぁ、無難に考えれば後者か。

『そして、ガスを使ってOZの兵士を大量に殺した後は、未知のテクノロジーを使ってバルジを消滅させたのです。連合軍は非人道的な行為を深く反省し、二度とこのような行為をしないように希望します』

 うわ、何故か気絶させただけなのに、殺した事になってるし。
 しかも未知のテクノロジーって何だ?

「連合軍も、随分と凄いテクノロジーを持ってるんだな」
「持ってません」

 サリィが即座に言い返してくるが、その間にも記者達からレディ・アンに対して色々と質問されては、答えていく。
 だが、その殆どがのらりくらりと、機密です、分かりません、といった風な答えだった。
 にしても、OZが不利なのは分かっているが、まさかこんな手段に打って出るとは思わなかったな。
 あまりエレガントな方法には思えないんだが、これはトレーズの指示か? それとも……もっと上、デルマイユ辺りの指示か? 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1035
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1309 
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