真剣で私に恋しなさい!S~それでも世界は回ってる~
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40部分:第三十六話 悠里VS義経
遅くなりましたが第三十六話です
ではどうぞ〜
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第三十六話 悠里VS義経
それから数分後、俺と義経の決闘が執り行われることになった。今回は特別に互いの得物を使用するということで、俺は合体剣の準備をしていた。
「というかさ、もっとちゃんと言ってくれれば、きちんと準備したんだよ」
俺は呟きながら背中に合体剣用のホルダーを背負ってベルトで留める。本来であれば、決闘の時はACのクラウドの服だが、今回は準備してなかったので制服で行う。ただし、靴だけは分厚いブーツに履き替える。普通の運動靴じゃ耐えられないしね。
フェンリルのラックを開いて、ルーンブレイドとバタフライエッジをホルダーに収めると、残ったアポカリプスとオーガニクスを両手に持って校庭に移動した。
周りからは歓声や驚きの声が上がっている。
「待たせたな。義経」
「それが天城くんの剣か」
「ああ。大事な剣だよ」
義経と少しの会話を済ませると、鉄爺が前に出てきて決闘の説明をした。内容はワン子とクリスの時と同じ、どちらかが倒れるまで行う。異論が無いのを確認すると、俺と義経は互いの武器を構える。
「では、尋常に……はじめぃ!!!」
鉄爺の号令と同時に、最初に動いたのは義経だった。
持ち前のスピードを生かして義経は接近して神速の斬撃を放つ。俺はオーガニクスを捨てて、アポカリプスで応戦する。
カンッ!キン!キィン!
互いの剣が幾度も交錯して、金属音が響く。威力で負ける義経は一旦距離を取るが、俺は追撃を掛ける。
ガギィン!
縦に振るわれたアポカリプスを義経は横に避けて刀を振るって、再び斬り合いになった。
何合かの打ち合うと、俺は回転を利用してアポカリプスを振り、義経を吹き飛ばした。
「くっ!」
吹き飛んだ義経は空中で態勢を立て直して着地する。
当たる直前、義経はバックステップで後方に跳び、斬撃の勢いを殺していた。いつもなら殆どの相手がこれで倒れるが、そこはやはり義経。持ち前の技術で捌かれた。
「流石だ天城くん。義経はとても感激している」
「それはありがとう。義経に言われるとは感激だな」
「天城くんが相手なら、まだまだ戦える気がしてくる」
「来いよ、もっと戦おうぜ義経!」
「ああ!」
そう言って再び俺と義経はぶつかり合う。俺はアポカリプスを振るうが、義経はそれに臆せずに接近して来た。
「はぁっ!」
「ちっ!」
俺は後ろに跳んで距離を取りつつアポカリプスを振るうが、義経は距離をさらに詰めてきていた。
「流石は義経。悠里の弱点を突いてきたな」
義経の様子を見て百代は呟いた。いくら悠里が強くても弱点はある。それは人間の誰しもが持っている。
「あの悠里にも弱点があるのかよ?」
「あいつの攻撃は早いし重い。それに、本人の身体能力も高いから、普段は気づかないだろうがな」
「それで、その弱点って?」
「あいつの剣だよ。いくら悠里の身体能力や技術が高かろうと、武器そのものの弱点は消せない。そこは技術でカバーするしかないわけたが、義経相手にそれは難しいだろうな。ただ……」
「ただ?」
「悠里がそれを知らないわけないだろ?……そろそろ反撃してくるぞ」
俺は義経の攻撃を避けて後方へ大きく跳ぶと、空中で態勢を立て直して着地する。着地地点には、先程捨てたオーガニクスがあり、それを左手に持って構える。
(二刀流か!?)
「行くぞ義経!」
俺は二刀流で義経へと突っ込む。今までとは違う戦い方に義経は対応が少し遅れてしまい、主導権は俺に移った。
だが、義経も徐々にその動きに対応してきており、再び互角となる。義経を2本の剣を使って吹き飛ばすと、右手のアポカリプスを天に構えて気を溜める。アポカリプスの開いた刀身からはエメラルドの光と紫電が走り、俺はそれを思い切り振り下ろした。
「破晄撃!!」
振り下ろした剣から気が刃の形となって義経へ向かっていく。それを見た義経は受け切れないと直感したのか、破晄撃を横に跳んで避ける。俺はそれを先に予想して、オーガニクスを合体させて義経へと上から叩きつけた。
「はあぁぁぁぁ!」
ガギィン!
(先程より早い!?)
義経は悠里から振るわれる剣速に驚いた。普通、得物が大きければ剣速は遅くなるものだが、悠里は一本の時より遥かに早いスピードで振ってきたのだ。
義経は知らないが、悠里にとってこれは以前使っていたバスターソードよりも軽いものだ。いかに早く振ろうが以前と同じ威力は出ない。そこで登場するのがこの合体剣。こいつには大小様々な大きさの剣があり、それを合体させていくことで重量も重くなっていく。悠里にとって、武器の『重さ』はハンデではない。むしろ『軽さ』がハンデなのだ。
つまり、剣の本数が増えるほど威力と速さは増して、悠里は強くなる。
「ハァッ!」
気合いと共に俺はアポカリプスを横にフルスイングする。義経はガードしたが吹き飛ばされて距離が離れる。俺はそこから数メートル後方へ跳ぶと、追撃をかけないことに義経は怪訝な表情を浮かべるが、すぐに此方に走ってくる。俺はアポカリプスを下段にして横に構えて……投げた。
「なっ!?」
普通では考えられない行動に義経の顔が驚愕に変わった。アポカリプスは空中で分離してオーガニクスとそれぞれ別の軌道を描いて義経へと襲いかかる。俺はその間にバタフライエッジを両手に構えて義経へ迫る。
ギギギギギ!!
地面に刃をつけながら走るため、剣先からは火花が出ていた。俺は数メートル手前で跳躍すると、空中から義経に切りかかった。
ガギィン!ガギィン!
再び斬り合いになる俺と義経。このバタフライエッジは切断より破砕に特化されており。斬るより重さで相手を叩きつけて攻撃する武器だ。何度か義経と斬り合うと、空中からアポカリプスが飛来してきた。俺は右手のバタフライエッジを頭上に投げると、アポカリプスをキャッチして義経に斬り掛かる。更にもう一本のバタフライエッジを空中に投げて、落ちてきたバタフライエッジをキャッチして再び斬りつける、『変則三刀流』を披露した。
「くっ!」
義経はその動きに対応出来ずに防戦一方になった。俺は再び落ちてきたアポカリプスをキャッチして、違う手にもったバタフライエッジを地面に突き刺して持ち手を足場にして空中に跳ぶ。オーガニクスが飛来してアポカリプスに収まる。更にバタフライエッジを合体させて空中で義経に狙いをつけ、気を纏わせて突進する。義経は僅かに宙に体が浮いてしまい、そこにアポカリプスが振り下ろされる。
「ブレイバー!!」
義経にアポカリプスを叩きつける。義経はガードで防ごうとするがその上からガードごと叩き伏せ、地面には小さな穴ができた。
「ぐあぁぁぁ!!」
義経は攻撃に耐えきれずに地面に叩き伏せられる。俺はその上にアポカリプスを突き付けた。
「……義経の負けだ」
「それまで!勝者、天城悠里!」
鉄爺の声が響くと、周りからは歓声が上がった。
俺はアポカリプスを義経から退けると、肩に担ぐように持った。
「ありがとう天城くん。とてもいい勝負だった」
「こちらこそ。久しぶりにいい戦いができたよ」
「また、相手をしてくれるだろうか?」
「もちろん。待ってるよ、いつでもな」
「ありがとう!」
俺は義経と握手を交わす。その光景を見て、ギャラリーからは歓声と割れんばかりの拍手が巻き起こった。
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キングダムハーツやりすぎて更新が遅れました。モーションとかネタの勉強にいいですね。
今度のサントラも考えておこう。
ではまた次回で
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