仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~
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序章~全ての始まり、守護者の刃~
第1章 誕生!最強ライダー編
第18話『私達に勝てるの?』
前回の仮面ライダーディロードは─
互いの未来の為に戦う人間とファンガイア。しかし、ディロードの活躍によって、それが仕組まれた事だと分かり、二つの種族は、再び手を取り合う道を選んだ。
時の列車、デンライナー。次の駅は、過去か、未来か─
「電王の世界か…」
雅は意気消沈していた。
「雅、どうしたの?」
「フェイト、仮面ライダー電王の世界は、未来から来たエネルギー生命体、イマジンが人の願いを曖昧な形で叶えて、その人の一番大切な過去に入り込んで時間を滅茶苦茶にする。それを止める為に特異点と呼ばれる時間の干渉を受けない人が電王の力を使って世界の時間を護る世界なんだ。」
「それのどこが辛いんですか?」
「圭一、人の思い出を観る事って幸せな事か?」
「…いいえ。」
「そう。電王と一緒に戦うって事はイマジンによって時間が破壊されないように人の思い出を観て戦う事なんだ。」
「そうだったんですか。」
「と、いうわけだ。仮面ライダーである僕は契約する気は無い。諦めるんだ、カグヤ。」
雅は、自分に取り憑いたイマジン、カグヤにそう言う。
「どうして?あなたの記憶を見させていただいたけれど、あなた、人間では叶えられない願いを持っているじゃない。」
「カグヤ、お前の力でディケイドを倒す事は不可能だ。諦めろ。それとも、今ここで実体を持って僕に倒されたいか?」
「─はぁ。やっぱり、仮面ライダーに憑いたのが運のツキだったわ。だってかなり頑固だし。」
「嫌なら出て行け。」
「出来れば苦労しないわ。」
「そうか。なら少し黙っていてほしい。これから僕は電王に会いに行かないといけない。」
「その、ところで、電王ってどこにいるんですか?」
雅とカグヤが話していると、圭一が質問して来た。
「ああ。電王は時間の狭間を旅する列車、デンライナーに乗っているから、まずは時間の狭間に行かないと行けないが、その方法はたった一つで、時間、分、秒の全てが同じになったとき、例えば13時13分13秒とかみたいに。今なら9時9分9秒だな。」
雅は携帯の時計を見る。時間は9時8分52秒を表示していた。
「さて、今から電王に会って来る。」
雅は、9時9分9秒に扉を開き、時の狭間に入り込む。
雅は、一面が砂の殺風景な空間にいた。
「さて、デンライナーが来るまで待つか。」
雅がそう言って五分程経ち、赤いヘッドライトに白いボディのデンライナー、業火がやって来る。
「すみません。チケットを拝見いたします。」
止まったデンライナーから駅員が現れ、雅はカグヤが描かれたライダーチケットを見せる。
「はぁい。それでは、どうぞ。」
チケットを確認してもらい、雅はデンライナーに乗る。
「ようこそ、雅君。お久しぶりですねぇ。」
雅が客室に入ると、デンライナーのオーナーはそう言った。
「オーナー、お久しぶりですね。それから、申し訳ありませんがナオミさん、コーヒーは結構です。」
雅はオーナーと挨拶を交わす。本来、一度リセットが起動されると、世界から雅の記憶が失われるが、時間の管理を行う電王の世界は、例外的にその影響を受け付けず、世界がリセットされても、電王とその関係者は記憶が保護される。しかし、
「ですが、オーナー。何故良太郎さんは、特異点であるにも関わらず、僕の記憶が欠けているのですか?」
仮面ライダー電王、野上良太郎は雅を見て初対面のような態度をとった。
「実は、良太郎君は先の牙王の一件で記憶を一度無くしてしまいまして、モモタロス君以外のイマジンも消えてしまいましてねえ。そこで、雅君には電王として戦っていただきたいのですが、いかがでしょうか?丁度イマジンもいるみたいですしねえ。」
オーナーは雅に提案を持ち出す。
「僕でなれるのなら、喜んで。」
「ちょっと、私の意見は無視?まあ、やる事も無いし、いいけど。」
その提案に雅は賛成し、カグヤも文句を垂れながらも納得した。
「そうですか。おぉっと、どうやら早速出番ですねぇ。」
「分かりました。行って来ます。」
雅はオーナーの言葉に反応し、出て行こうとするが、
「雅君。忘れ物ですよぉ。」
オーナーは雅を呼び止め、電王ベルトとライダーパスを渡す。
「オーナー、ありがとう御座います。」
「何のことですか?私はただ、忘れ物を持ち主に渡しただけではよぉ?」
「ありがとう御座います。それでは。」
雅はデンライナーから降りる。
雅が降りた地点には、ホースイマジンが町中で暴れていた。
「そこまでだ!」
雅はホースイマジンを止める。
「あぁん?誰だ、てめえ?」
「僕は、電王の代理だ!」
雅は電王ベルトの試作機、ゼロ電王ベルトを装着する。
「変身!」
雅はライダーパスをゼロ電王ベルトにスキャンさせる。
“Spear From”
雅の身体は電王プラットフォームの姿に変わり、薄桃色の装甲が装着され、五本の竹を割ったような仮面が装着され、ゼロ電王スピアフォームに変身した。
『ねぇ、私達に勝てるの?』
電王はイマジンを憑依させて変身し、変身中はイマジンが精神を維持する。ゼロ電王も例外では無く、カグヤが精神のベースとなる。
「てめえ、俺をおちょくったな!」
ホースイマジンは怒り、レイピアを取り出して突進して来る。
『あなたの勝ち目はなくなったわね。』
ゼロ電王はそう言い、腰に携帯しているデンガッシャーを組み立て、スピアモードに変える。
『全然当たらないわね。』
ゼロ電王は身軽なステップで攻撃を避け続け、一撃を確実にホースイマジンに当ててゆく。
「カグヤ、そろそろ決める方がいい。」
『そうね。』
ゼロ電王はライダーパスを再びゼロ電王ベルトにスキャンする。
“Full Charge”
『強者必滅 九連突!』
ゼロ電王は必殺技を発動。斬と刺の連撃でホースイマジンを撃破する。
『それじゃ、疲れたから私は休むわね、雅。』
カグヤはそう言い、変身を解除。そこにフェイトも現れる。
「雅、大丈夫?」
「ああ。カグヤが上手く戦ってくれたから、大丈夫だ。」
雅がそう言って落ち着いていると、灰色のオーロラが現れ、仮面ライダーダブル ルナメタルが現れる。
「お前が仮面ライダーディロードか。」
「『さあ、お前の罪を数えろ!』」
ダブルは雅にいつもの問いかけを行う。
「翔太郎さんにフィリップさん。どうしたのですか!雅は味方です!」
フェイトが必死にダブルに話しかけるが、
「フィリップ、嬢ちゃんは何を言っているんだ?」
『翔太郎、彼女はディロードの協力者だ。何か知っているのだろう。』
「そういう事だ。鳴滝の依頼、達成しないとなっ!」
ダブルは話し合い、メタルシャフトを雅に振る。
「そんな、どうして!」
フェイトは動揺するが、
「フェイト、これがディロードとして戦うという事だ。例えどれだけ仲が良くなっても、一度世界を離れれば赤の他人。今の翔太郎さん達は依頼で僕達を倒そうとしている。だけど、僕もここで倒されるわけには行かないんだ。」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
雅もディロードに変身し、ロードスラスターで応戦するが、鉄の鞭と化したメタルシャフトに寄ってまともに近づくことも出来ず、
〔メタル!マキシマムドライブ!〕
「『メタルイリュージョン!』」
ダブルは必殺技を発動し、ルナのエネルギーで構築した光輪をディロードに放ち、大ダメージを与える。
「このままでは、負けてしまう。伊達さん、シグナムさん、力を貸して下さい。」
【KAMEN RIDE-BIRTH- SUMMON RIDE-SIGNUM-】
ディロードはロードスラスターにバースとシグナムのカードをスキャンし、召喚する。
「さて、あん時の礼をしないとな。」
「凪風、ここは我らに任せてお前は治療を。」
「お願いします。」
ディロードはロードスラスターで辺りを撃ち、煙幕に隠れて逃げる。
「逃げられたか。」
「何、あんたの相手は俺達だ!」
[ドリル アーム]
バースはドリルアームを装着し、ダブルを攻撃、更にバースバスターで射撃する。
「さて、一気に決めますか!」
[セル バースト]
バースはバースバスターの必殺技を起動させる。
「オォラ!」
「飛竜、一閃!」
バースとシグナムの一撃を食らったダブルは、やって来た灰色のオーロラに弾き飛ばされ元の世界に帰って行った。そして、それを確認してバースとシグナムもカードに帰る。
「そう言えば、翔太郎さん達は鳴滝の依頼と言っていた。鴻上さんやシュラウドさんに僕のサポートを任せた鳴滝が何故…」
雅は歩きながらそう呟いた。
to be continued
次回、仮面ライダーディロード
大切な仲間を失い、失意の良太郎。しかし、今こそ立ち上がる時!次回、『俺達、クライマックス』
後書き
オリジナル怪人紹介
カグヤイマジン:凪風雅の中にある『竹取物語』のかぐや姫と『東方永夜沙』の蓬萊山輝夜のイメージを元にしたイマジン。比較的身勝手なお嬢様性格であるが、仲間を思う気持ちは人一倍である。
ホースイマジン:ある男性の中にある『オルフェウス』の馬がモチーフのイマジン。町中で暴れ、ゼロ電王と交戦し、撃破される。
オリジナルライダー紹介
仮面ライダーゼロ電王
身長:190cm
体重:82kg
雅がゼロ電王ベルトとライダーパスを使い、カグヤを憑依させて変身する電王でイメージカラーは薄桃色。性能は電王と変わらず、デンガッシャーを連携している。
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