転生とらぶる
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ガンダムW
1586話
「……はぁ? 本気で言ってるのか?」
ルクセンブルク基地を守っていたOZが降伏し、予定通りにルクセンブルク基地の奪還は成功した。それはいい。
だが……推進剤とエネルギー各種を限界近くまで消耗し、戦闘も終了したので補給しにシャドウミラーのMS輸送機へと戻ってきた俺に告げられたのは、冗談としか思えない出来事だった。
「はい。残念ながら……襲ってきた部隊はかなりの精鋭だったらしく、連合軍もかなりの被害を受けたとか」
サリィが申し訳なさそうに告げる。
「……で、ゼクスを奪われた、と?」
そう尋ねると、頷くサリィ。
綾子が連合軍にゼクスを引き渡すのは問題なく終わった。
だが、連合軍とOZの戦闘が激しくなって、その隙を突くかのようにOZの部隊が連合軍を襲撃。そして素早くゼクスを連れ去っていったらしい。
当然連合軍が受けた被害はそれなりに大きくなっており……
これは、戦闘がもう少し長く続いていれば、連合軍が負けてたんじゃないか?
いや、勿論純粋な戦力では連合軍の方が上だ。
だが……それでも司令部が混乱すれば、その戦力を有効には使えない。
こう考えると、実は俺達が勝ったのは結構ギリギリだったような気がする。
せめてもの救いは、ゼクスを連合軍に引き渡した後の出来事だった事だ。
いや、勿論ゼクスを救出した面子も、シャドウミラーと戦わないようにこうした選択だったのかもしれないが。
「一応聞いておくけど、襲ってきた戦力はOZで間違いないんだな?」
現状で連合軍が敵対している相手はOZのみだ。
だが、このW世界には他にも幾つかの勢力がある。
ホワイトファング、バートン財団、ガンダムといった風に。
特にホワイトファングは、原作でもゼクスを自分達のリーダーとして担ぎ上げていた。
その辺を考えれば、カーンズ辺りがゼクスの身柄を欲しても決して間違いという訳ではないだろう。
もっとも、それでも一番怪しいのは、やっぱりOZなんだが。
「はい、間違いありません。現在エアリーズをあれだけ大々的に活用出来る勢力は、OZだけでしょうし」
「……他に特徴は?」
エアリーズだけというのであれば、他の勢力にも可能性はある。
ぶっちゃけ、俺ならOZからエアリーズを盗み出してOZのように見せることは容易なのだから。
「そうですね。これは手掛かりになるのかどうかは分かりませんが、襲ってきたエアリーズのうちの1機は、機体色が緑でした」
「……OZで決まりだな」
緑のカラーのエアリーズと言えば、それはノインの機体と見て間違いないだろう。
勿論ノインのエースカラーという訳ではないのだが。
何しろ、トーラスに乗っていた時は白だったし。
それでも緑のエアリーズと言えば、ノインという印象が強い。
真っ先にゼクスを助け出したところから考えても、ノインで間違いないだろう。
どうやら俺とゼクスが戦っている場所にノインが姿を現さなかったのは、別に何かゼクスに用事を頼まれていたとかそういう訳ではなかったらしい。
もしくは、用事を頼まれていてもそれをすぐに終わらせてこちらに合流したのか。
その理由はどうであれ、ノインがシャドウミラーと接触しないようにしていたのは明らかだ。
まぁ、機体性能の差もあるけど、ゼクスが一方的に負けたんだ。まともに戦えば返り討ちだというのは十分に理解していたのだろう。
男を深く愛するという意味では、ノインもレディ・アンも同じだが、この辺りが大きく違うよな。
恐らくゼクスではなくトレーズが捕らえられていた場合、レディ・アンは勝算も何も関係なく、すぐにでも俺達に挑んできた筈だ。
それは愛する男を守りたいという思いで考えれば決して間違っているという訳ではないのだが、それでも結局はトレーズを助け出せずに自分も捕まるという結果をもたらすだろう事を考えると、軍人としては間違っている。……女としては正解かもしれないが。
ともあれ、連合軍にとって今回の件は大きなマイナスだと言ってもいいだろう。
ルクセンブルク基地という重要拠点をOZから取り戻したという意味では大きいが、そこに決して見逃せないだけの減点要素が存在してしまった訳だ。
ただ、これは一概に今回の指揮官を責める訳にもいかないだろう。
まさか少数のエアリーズ部隊が、いきなり本陣に向けて攻め込んでくるなんて普通は考えない。
いや、OZであればガンダムの対策として考えてもいいのか?
ともあれ、少数精鋭の部隊が本陣に奇襲を仕掛け……それでいながら、攻撃した対象は司令官とかの首脳部がいる場所ではなく、捕虜を収容していた場所なのだから。
普通であれば、そんな無茶な作戦を考えるような真似はしないだろう。
「ちなみに、ゼクス以外の捕虜はどうした?」
MS戦が戦いの基本となっているこの戦場でも、当然捕虜となる者は多い。
MSが破壊されて動けなくなって投降した者や、MS以外の要因でこちらに攻めて来たような奴とか、そんな感じで。
「そちらは問題ありません。恐らく襲撃して来た者達も、大勢を連れて逃げる事になれば足手纏いになるというのは理解していたのでしょう。アクセル代表が捕らえた、ゼクス・マーキス以外はそのままとなっています。もっとも、ゼクス・マーキスは一般の捕虜とは違う場所にいたので、その関係もあるのでしょうが」
ゼクス以外は見捨てて逃げた、か。
人道的にはどうかと思うが、OZとしてはこの選択肢は当然か。
ただ、他の捕虜になっていた奴がそれで納得出来るかどうかと言われれば、首を傾げざるを得ないが。
その辺を突けば、上に見捨てられたと判断して捕虜から情報を引き出すのは難しくないかもしれないな。
勿論連合軍もそのくらいは分かってるだろうけど。
「それでも全体的に見ればルクセンブルク基地の奪還には成功したんだし、文句なく連合の勝利なのは間違いない、か」
「はい。最後の最後で余計な失点はありましたが、それでも十分な成果かと」
サリィも俺の言葉に同意するように頷く。
「あたし達も結構頑張ったしね」
綾子の言葉は間違いなく正しい。
ゼクスを連合軍に引き渡してからも、綾子のトーラスは空を飛べるという利点を活かしてOZへ大きな被害を与えている。
勿論五飛の方も俺達と別行動をとっていたが、OZに与えた被害は大きい。
というか、OZとしてはやっぱりこれまでの経験からか、ガンダムに対して多数の戦力を向けていたとか。
その辺りの事情を聞けば、こっちに向かってきた戦力が予想していたよりも少なかった理由には納得出来る。
「で、これから俺達はどうするんだ?」
「あ、はい。ルクセンブルク基地の制圧が一段落するまでは、ここで待機していて欲しいと」
妙に気弱な指示に聞こえるのは、やはりノインによる奇襲があったからか。
俺達がいなくなれば、OZが再度ルクセンブルク基地を奪還しようと襲い掛かって来た時に対処のしようがないし。
ノインの奇襲は、ゼクスを取り戻すというだけではなく連合軍の指揮官にも精神的なダメージを与えたらしい。
「どうする?」
一応といった風に尋ねてくる綾子だったが、現在の俺達シャドウミラーは傭兵だ。
であれば、一度受けた仕事は最後までやり遂げる必要がある。
「勿論引き受けるさ。ルクセンブルク基地をOZが再度攻撃してこないとも限らないからな」
普通なら撤退したばかりでそんな馬鹿な真似をするとは思えないのだが、向こうにはゼクスがいる。
であれば、まともにシャドウミラーと戦った場合勝ち目がないと判断して、シャドウミラーがルクセンブルク基地から現在の拠点のニューエドワーズ基地に戻ったところで再度ルクセンブルク基地を攻めるといった真似は普通にしそうだ。
もっとも、そうなった場合は連合軍としてもルクセンブルク基地をOZに渡す訳にはいかない以上、再び奪還作戦を行うだろうが。
そして当然のように奪還部隊の中にシャドウミラーの姿があり……うん? 実はこれ、結構いいんじゃないか?
量の連合軍に対して、質のOZ。
だが、その質というのはシャドウミラーと他の部隊といったように圧倒的なものではなく、あくまでもこのW世界限定で、多少の差といった程度でしかない。
つまり、OZでは連合軍を相手に質で量を陵駕するといった真似は出来ないのだ。
だとすれば、連合軍がOZに対して優位になるのはその圧倒的な物量を使った消耗戦。
特に現在はルクセンブルク基地の防御用兵装の多くが俺達シャドウミラーの手によって破壊されており、ルクセンブルク基地を改めて連合軍が攻めるにしても、被害は少ない。
そう考えれば、寧ろ俺達シャドウミラーはこの基地に滞在しないでニューエドワーズ基地に戻った方がいいような気もしてくるが……
「机上の空論か」
「うん? どうしたんだ?」
「いや、このまま俺達がニューエドワーズ基地に帰って、この基地をOZに再度取らせて、そこでまた俺達が攻めて……というのを繰り返せば、物量で連合軍の方が圧倒的有利だと思ったんだけどな」
綾子にそう告げると、納得しつつも頷くような事はない。
「それは無理だろ。そもそもの話、そんな真似をしたら今回の連合軍の指揮官の行動が無駄だったという事になる」
「無駄って事はないとおもうけどな。OZの戦力を最初に大きく減らした作戦に参加していたのは間違いのない事実なんだから」
勿論最初からそれを目的にしていればの話だが。
どのみち、その辺は俺達が考えるべき事じゃない。
ノベンタを含めて連合軍の上層部で色々と考えて、それで最終的に選ばれたのが今回の作戦だった訳だ。
だとすれば、やっぱり今俺が思いついたような作戦なんかは前もって検討されてるか。
「ま、それはともかくとしてだ。ルクセンブルク基地に滞在するって話だけど、具体的には何日くらいになる?」
サリィの方に視線を向けて尋ねると、それは向こうにとっても予想されていた質問だったのだろう。
躊躇もせず、口を開く。
「出来ればある程度ルクセンブルク基地が自衛出来るようになるまでは、との事です」
「それは……防御兵装も含めてか?」
微妙に嫌な予感を覚えつつ尋ねると、サリィは当然のように頷く。
「はい。OZが再度攻めて来た時に、対抗出来る戦力は必要ですから」
「それは分かるが、だとすれば相当長期間俺達がここに……いや、分かった」
サリィに反論しようとしたのだが、すぐにそれを止めて納得する。
そうなんだよな。考えてみれば、これは結構いい感じなのは間違いない。
何しろ、俺達は言わばルクセンブルク基地の用心棒というような形になる訳だ。
つまり、暫くの間は自然と俺達の出番が減る。
だとすれば、ルクセンブルク基地を攻撃する前に考えていた、OZの基地に侵入してMSを奪ってくるという計画を実行出来る訳であり……
俺にとっては文句がないどころか、諸手を挙げて賛成したいくらいだ。
勿論用心棒としてルクセンブルク基地にいなければならない以上、ノベンタ達に言ってからそんな真似をするという訳にはいかないだろう。
そもそもの話、もし計画を口にしたらどうやってOZの基地に潜入するのかとか、鹵獲したMSはどこに置くのかとか、そんな風に追及されるのは確実だ。
魔法について説明してもいいのならまだしも、現在の状況ではそれを説明する事は出来ないし、しようとも思わない。
ホワイトスターとの連絡が取れれば、その辺は大して気にしなくてもいいんだが……今の状況でそんな真似をすれば、下手に向こうを刺激するだけだろう。
ノベンタ……いや、強硬派のセプテムも俺達に下手に手を出せば火傷では済まないということは身に染みて理解している筈だろうが……だが、魔法というのはそれを理解していても魅力的な能力なのは間違いない。
MSでの戦闘が一般的なこのW世界で魔法が使えたら、それこそ影のゲートを使っての暗殺やら何やらし放題だろう。
凛のガンドを使えば相手を病気にするのも容易だし、綾子を暗殺者として使った場合、この世界の人間で勝てる人物はいない。
それだけの魅力がある中で、果たして俺達に手を出してこないとは……残念ながら思わない。
正直なところ、下手な真似をすれば向こうがやろうと思っている手段で自分が狙われると思うんだが、魔法という言葉はそんな思いを容易に無力化してしまう。
うん、やっぱり連合軍の上層部には何も言わないでOZの基地からMSやらMS輸送機やらを奪うのが最優先だな。
他にも、ロームフェラ財団上層部から金目の物を奪うというのも続ける必要があるだろうし。
「よし、じゃあルクセンブルク基地に行くか」
その言葉に従い、MS輸送機はルクセンブルク基地に向かって飛び立つのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1035
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1309
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