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Blue Rose

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第三十九話 認識その一

                 第三十九話  認識
 テストの結果、順位の高い者が職員室前に得点と共に張り出されていた。そこには優花の名前もあった。
「優ちゃん七位ね」
「やるじゃない」
「女子力だけじゃないのね」
「お勉強も出来るのね」
「それはね」
 優花はクラスメイト達の言葉に気恥ずかしい顔で返した、彼女も見に来たのだ。
「何ていうか」
「そこでまぐれとか言わないでね」
「それはお約束だし」
「まあ自慢も駄目だけれど」
「無反応で頼むわね」
「それじゃあ」 
 優花も無反応を選んだ、だが。
 その彼女にだ、クラスメイト達は今度はこう言った。
「これなら大学大丈夫ね」
「うちの学校のレベルも考えたら」
「うちの学校偏差値五十六だったわよね」
「そこで七位だとね」
 それならというのだ。
「いい大学行けない?」
「国公立は無理でも」
「結構いい大学にね」
「推薦でも行けるわね」
「実は八条大学目指してるの」
 優花は志望の大学のことを言った。
「あそこにね」
「ああ、神戸の」
「あの物凄く大きな大学ね」
「色々な学部があって動物園や植物園も持ってる」
「水族館もあるわね」
「そうなの、美術館もあって」
 優花が第一に興味があるのはこちらだった。
「いい絵が沢山あるの」
「だからなのね」
「優ちゃんあの大学行きたいのね」
「美術館もあるから」
「そうなの」 
 理由の一つを出して話した、他の理由は隠しているが事実を語っているので優花としてはセーフだった。嘘を言っていないので。
「だから行きたいの」
「そうなのね」
「優ちゃん神戸に行きたいのね」
「あそこに」
「長崎から」
「ええ、元々関西にいたし」
 ここでも事実を言った、隠している部分はあっても。
「神戸のね」
「あの大学なのね」
「関西にも戻りたいのね」
「そうなのね」
「ええ、ここも楽しいけれど」
 長崎は元々嫌いではない、だがそれでもというのだ。
「やっぱり私はね」
「関西なのね」
「生まれも育ちも」
「だからなのね」
「戻りたいのね」
「そうなの」
 それでというのだ。
「是非にって考えてるの」
「神戸ね」
「いい場所らしいわね」
「奇麗でね」
「それで夏は涼しくて」
「冬は寒いけれど」
 優花はこのことを自分から話した、ついつい。
「素敵な街よ」
「牛肉有名よね」
「神戸牛ね」
「高いけれど美味しいらしいわね」
「あっ、あれは高いから」
 さらに話した、事実は隠していて実際にクラスメイト達にはわからないがそれでも気付かないうちに語ってしまっていた。 
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