ドリトル先生と沖縄の蛇達
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第十幕その八
「文化も独特で」
「生きものも」
「そこも沖縄の魅力だよ」
先生はにこにことして皆に答えました。
「本当にね」
「これから会うヒヤンもそうだし」
「日本本土とはまた違う生態系だね」
「そうした場所だから」
「本当にいいのね」
「そうだよ、じゃあね」
それならばと言う先生でした。
「これからね」
「うん、ヒヤンだね」
「ヒヤンと会おうね」
「これから」
「そうしようね」
「それでヒヤンはね」
先生はヒヤン自身についてのお話もしました。
「紅色と黒の縞模様なんだ」
「へえ、そうなんだ」
「そうした模様なんだ」
「紅色ってことは赤いんだね」
「そうした蛇なんだね」
「そうだよ、何処かサンゴヘビに似ているかな」
アマゾンにいる物凄く強い毒を持っている蛇です、アマゾンにはこうした生きものもいるので迂闊には入られないのです。
「模様は」
「毒もあるし」
「このことも似てるね」
「奇麗だけれど毒がある」
「ヒヤンも」
「そうだよ、ハブよりずっと強い毒を持っているんだ」
ヒヤンはというのです。
「大人しいから殆ど噛まれないけれど」
「それでも毒蛇だし」
「注意は必要だね」
「大人しくても」
「それでも」
「そうだよ、このことにも気をつけながら」
そのうえでというのです。
「ヒヤンに会おうね」
「それでこの森のヒヤンさん達は何処にいるのか」
「一体ね」
「この森にいることは確かにしても」
「うん、少しね」
先生は森の中、自分達の周りを見回しつつ皆に答えました。
「誰かに聞こうか」
「森の皆に」
「誰か」
「そうしようかな」
先生がこう考えているとです、すぐ左の木の枝のところから声がしてきました。その声は誰のものかといいますと。
「私達に何か用?」
「用というと」
「ええ、どうかしたの?」
見れば先生が言った通りの紅と黒の縞模様の蛇がいました、大きさは大体ハブやマムシと同じ位です。
「私達に」
「あっ、これは」
「まさに」
真喜志さんと安座間さんもその蛇を見て少し驚きの声をあげました。
「ヒヤン」
「こんなにすぐに会えるなんて」
「はい、ヒヤンですね」
先生も二人にお話します。
「間違いなく」
「いや、すぐに会えましたね」
「思った以上に」
「そうそう出会える蛇じゃないのに」
「先生と一緒にいたら」
「いや、運がいいですね」
先生の言葉はこの時も同じでした。
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