ドリトル先生と沖縄の蛇達
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第八幕その三
「危険だよ、奇麗だから守りたい、それでもいいんだ」
「それで程々になんだ」
「護ればいい」
「産業、人が生きることも考えて」
「そのうえで」
「若し完全に自然を護りたいのなら」
そういう場合のこともです、先生は言及しました。
「もう文明も何もかも捨てて」
「自然に戻る」
「そうするべきなんだね」
「そこまで至るよ、そうした生活をしたい人は僕は止めないし」
強制は決してしないのが先生です。
「けれどそれは出来るかな」
「多くの人が」
「それが出来るのか」
「そうなると」
「難しいよね」
「まず、ね」
それこそというのです。
「それが出来る人は少ないね」
「そうだよね」
「どうしてもね」
「それが出来る人って」
「いないね」
「安座間さんと昨日お話したけれど」
安座間さんは今は真喜志さんと二人で地図を見てお話をしています、先生もその手には開かれた渡嘉敷島の地図があります。
「そう主張して文明の生活を満喫している人も多いからね」
「そういえばそうだよね」
「原発反対って言ってクーラーをガンガンかけてる人いるよね」
「暖房もね」
「それを言ったら電気を使うことを節約しないといけないのに」
「それは言わないね」
「テレビで言ってる人いるけれど」
原発は危ないと言ってです。
「テレビって放送にも番組作るのにも凄く電気使うから」
「節約しないといけないのに」
「夏でも中継の中でスーツ着てるけれど」
「あのお部屋冷房凄く効いてるだろうね」
「だからスーツでいられるよね」
「僕は別に夏にスーツでもね」
先生は今もスーツでネクタイを締めていますが。
「平気だしね」
「先生太ってるけれど暑がりじゃないし」
「別にね」
「寒さにも強いし」
「そこはいいだよね」
「うん、それに夏のスーツはね」
まさに今着ているそのスーツです。
「薄い麻の生地だからね」
「涼しいんだよね」
「それも凄く」
「そう、だから平気だけれど」
それでもというのです。
「テレビの人達はね」
「そうしたスーツじゃなくて」
「夏でも厚い生地のスーツで」
「そうしたスーツを着られる位冷房の効いたお部屋にいてね」
「原発反対って言うってね」
「おかしいよね」
「そうした主張もいいよ」
原発反対という主張も否定はしない先生です。
ですがそれと共にです、こうも言ったのでした。
「けれどそう主張するのなら」
「使う電気位はだね」
「その分節約しないといけないんだね」
「最低限として」
「そのうえでだね」
「自分は電気はふんだんに使うけれど他の人は原発を使わない分我慢しろっていうのはね」
そうした主張はといいますと。
「これは人として間違っているよ」
「結局そうなるよね」
「僕達原発のことはよく知らないけれど」
「今確実に原発の代わりになる電力があるのか」
「そこを確かにしてからだね」
「中にはね」
実は先生は日本の原発反対派の人の主張と行動、特に言っている人達の顔触れにおかしなものを感じているのです。
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