選挙
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第七章
「こうした政策は提言しているから」
「是非ですね」
「農村も回りましょう」
「そしてですね」
「地方の企業も」
「そう、地道にね」
それこそというのだ。
「一つずつ回っていこう」
「そうしましょう」
「一つ一つ足で回ってこそですからね」
「選挙は」
「朝から夜まで」
「そうしてですから」
「やっていこう」
こう言って実際にだ、西岡は農村も地方の中小企業も回っていった。そうして地道な活動を続けていっていた。
それに対して辻本はというと。
「いつも通りだね」
「はい、環境保護と福祉を訴えて」
「仕分けだの言ってます」
「マスコミの前でも」
「とにかくそうしたことに熱心で」
「いつも通りですね」
スタッフ達は幕の内弁当、コンビニで買ったそれを食べつつ自分達と同じものを慌ただしく食べている西岡に話した。今彼等は選挙カーの中にいる。
「目立つ場所ばかり行って」
「それでパフォーマンスもしていますね」
「老人ホームや仕分けが必要だというところに行って」
「記者も集めて」
「前もそうやっていたけれど」
前の選挙の時もとだ、西岡は言った。
「今回もだね」
「はい、先生とは全然違いますね」
「運動家出身だけありますね」
「マスコミを有効に使ってます」
「そうしています」
「ただ」
ここでだ、スタッフの一人が自分のスマートフォンを見つつ言った。
「あの先生ネットじゃあれですね」
「評判が悪いんだね」
「県内全体で、地元でも」
彼女のそこでもというのだ。
「評判が悪いです」
「政策がかな」
「はい、組合とかばかり見ていて」
それでというのだ。
「仕分けも高飛車に何でも減らせばかりですから」
「僕もそう見ているけれどね」
「何か黒い関係も噂されていますね」
辻本にはこれもあるというのだ。
「おかしな市民団体なりヤクザ者なり」
「色々あるんだね」
「それとです」
「それと?」
「日教組が好きなあの国にも行ってますし」
「ああ、あの世襲制の共産主義国家ですね」
「過去に船で」
その国の組織が持っている船だ、日本からその国に行くにはその船に乗って行くのが一番の近道であるのだ。他は他国のルートを使うしかない。
「そうしてますし」
「自分は正義の味方でも」
「税金逃れだの違法献金だのの話がです」
「あるんだね」
「ネットじゃ噂になっていますよ」
こちらの世界ではというのだ。
「悪評プンプンです」
「マスコミでは報道されていないね」
「はい、ですが」
「ネットではだね」
「凄い噂になっています」
「それでも当選しそうなんだね」
「マスコミからしか情報を得ない人っていますからね」
今だにだ、ネットではよく情報弱者だの惰弱だの愚か者そのものとして言われている立場の人々である。
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