デュエル・マスターズ~龍を使役する少年の物語~
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第17話:黒崎レオン
前書き
新年、最初の投稿です!
そして、ここからこの作品の本当の物語が始まります!
それでは第17話どうぞ!
(……勢いで出てしまった)
現在、勝はどこかの荒廃ビルにいた。
理由は先程、龍牙とのデュエルで一瞬、〝ある人物〟の面影を感じたからだ。
その人物の名は―――――黒崎(くろさき) レオン。
半年前まで『デュエマ部』に所属していたが、ある事件を切っ掛けに『デュエマ部』を辞め、勝達の前から姿を消した少年。
(レオン…今頃どうしてるんだろう?一様学校にはまだいるけど、ほとんど、休みか、サボりだもんな……)
脳裏で彼を心配しつつ、これから先どうするか、勝は少し考えた。
「………」
周囲を見渡しながら、いつも左手首に着けていた腕時計を見る。
(……5時40分。少し早いけど、家に帰ろう。アイラさんには明日謝ろう)
そこまで考えると、勝は足を動かそうとした。
―――だが、
「う、うわぁぁぁぁぁ!」
「!?」
突然、どこからか男の叫び声が鳴り響き、勝はその方向に振り向き、走り出した。
時は少し遡り、勝が荒廃したビルに来る前、その近くで中高生位の一人の少年と中学生位の少年の二人がデュエルをしていた。
中高生位の少年のバトルゾーンにはクリーチャーはなにもなし。シールドは0枚。マナは10枚。
対する中学生位の少年のバトルゾーンにはタップ状態の《スーパー大番長「四つ牙」》、《青銅の鎧》の2体。シールドは3枚。マナは9枚。
状況から見て、中学生位の少年が有利に見えるが、何故か、中高生位の少年の表情が落ち着いており、逆に、中学生位の少年は少し焦っていた。
その理由は中高生位の少年から発する〝プレッシャー〟からだ。
「…俺のターン」
そんなことを知らず、中高生位の少年は山札からカードを引き、自分の墓地を確認した。
「……墓地進化、墓地の《死神の影デスプルーフ》を《死神術士デスマーチ》に進化」
マナを貯めず、マナから1枚タップし、墓地の《死神の影デスプルーフ》を、手札の《死神術士デスマーチ》に重ねて進化し、バトルゾーンに呼び出した。
「更に、《邪霊神官バーロウ》を召喚。その能力で俺の墓地に《バロム》と名のつく、進化クリーチャーを1体、コストを支払わずに墓地から召喚できる」
「な、なんだとっ!?」
中高生位の少年の言葉に、中学生位の少年は驚いてしまった。
何故なら、《バロム》と名のつく、進化クリーチャーはどれも能力が強力な反面、コストが重く、扱いがとても難しいカードだからだ。
―――だが、そのようなカードを平然と扱う彼はあまりにも〝異常〟だ。
「……己の無力さを知るが良い!」
「…ひっ!?」
そんなことを知らず、中高生位の少年の叫びに中学生位の少年は怯んでしまった。
同時に、彼のバトルゾーン、マナゾーンがすべてなくなり、シールドも気がついたら、なくなっていた。
「《デスマーチ》でダイレクトアタックっ!」
「う、うわぁぁぁぁぁ!」
「なっ!?」
勝が到着した時には既にデュエルが終わっていた。
同時に中高生位の少年の後ろに〝悪魔〟のような姿をした巨大なクリーチャーが実体化していた。
だが、それも一瞬で消え、中高生位の少年は自分に敗北した中学生位の少年に近づいた。
「約束だ。貴様のレアカード、頂く!」
中高生位の少年はそう言い、先程のデュエルで中学生位の少年が使っていた《スーパー大番長「四つ牙」》を手にしようとした。
「っ、待ってくれ!そいつはオレの大事なカードなんだ!」
それを見た中学生位の少年は最後の力を振り絞り、中高生位の少年の手を手で止め、彼にそう叫んだ。
「フンッ!」
「…っ!?」
だが、中高生位の少年は中学生位の少年の手を振り払い、右足で彼の体を蹴った。
「言った筈だ。己の無力さを知れ、と」
少年はそう言い、彼の《スーパー大番長「四つ牙」》を持って、どこかに立ち去ろうとした。
「待て!」
「ん?」
だが、今の今まで彼らの様子を見ていた勝は中高生位の少年に待ったを掛ける。それを聞いた少年は自分に待ったを掛けた勝の方に振り向いた。
「っ、お前は…!?」
その時、勝を見た瞬間、彼は驚いてしまった。
「久しぶりだね、ミスターK。いや……―――黒崎レオン!」
何故なら、彼は黒崎レオンだからだ。
後書き
はい。今回はここまで。
毎度、誤字脱字、ご意見、ご感想、表現のミス等よろしくお願いします!
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