ゲーム風スキルは異世界最強なんだよ!・ω・`)ノ
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23話「犬さん、交通インフラを壊す」
ブログバージョン
http://suliruku.blogspot.jp/2016/10/23.html
険しい山道。
この短い言葉で、君はどんな道を想像する?
日本の周りにあるような、整備されていて素人でも登れる山道だろうか?
残念ながら、このゴブン街道は悲惨すぎて、一言では説明しきれないが。
図にするとこんな感じに、おぞましい道になっている。
山山山山
●●●●山
山山山●山
山山●●山
山山●山
●●●山
●山山山
●●●
川川川川
川を渡りたかったら、船を用意するか、橋を自分たちで建設してください。
昔は橋がかかっていたのだろうが、残骸しか残ってない。
『酷いお』『これローマ軍じゃないと無理すぎますぞ……』
曲がりくねった厄介な道だらけだから、真っ直ぐ行けば1kmで住むような場所が、徒歩だと10kmほどになったりする上に、高低差があって体力を消費させる鬼畜仕様なんだ。
道から外れれば、遭難する可能性は絶大。
道の幅も、馬なら縦一列に並べて進ませるのが精々。
それも走るのではなく、歩かせるのが精一杯のはずだ。
こんなところを走らせたら、足を挫いて故障する馬が続出するだろう。
つまり――
「えいっ!」
僕のナイフ格闘術で、山道の上にある岩を切り裂き、道を防ぐように落とせば――この交通インフラは9割方、機能しなくなる。
歩兵はともかく、馬みたいな大きい生物は通れない。
兵士達は手持ちの食料が尽きる前に、次の補給できる場所に向かわないと餓死するという訳だ。
『ゴブリンさんが可哀想になってきたお……』
『うむ……地味に酷いいやがらせだな……』
さらに遠くではホワイト達が斧を使って、木々を切断し、道がある方向へと倒している。
これで、ゴブリン達は余計に歩くのに苦労して、来た道を引き返ざる負えないという事だ。
ここらへんの地理に慣れて体力がある人や、僕の指示通りに、狭くて目立たない山道を通っているモーニャン達の輸送部隊は大丈夫だが、余所の地で暮らしたゴブリンには無理だろう。
さらにさらに、近くにあったゴブリンの集落を攻撃して、ゴブリンを100匹ほど木の柱に串刺しにして道端に放置してある。
おかげで……死体が腐敗してウジが集っていて超臭い……。
『自業自得だよ!犬さん!』
これでゴブリンどもの士気はさらに下がり、こんな道を通りたくねぇよー。帰ろうぜーって気分が盛り上がれば僕の勝利だぜ。
『犬さん!略奪共同体の前衛集団が近づいてますぞー!
東1km先に偵察部隊がいますぞー!』
『どういう反応するんだろうwwwww』
とうとう開戦の日がやってきたようだ。歴史書に、今日の日にちが明記される事になるだろう。
僕は交信術で、広範囲に散らばった獣人50人を集める。
「皆ぁー!敵が来るから引き上げだぁー!
時間があるからゆっくり整列ー!仲間が全員いるか確認しろー!
犬さんチームは全員いるぞー!」
上記の情報を各チームのリーダーに伝達すると、すぐに返事が邪神経由で返ってくる。
「狼さんチーム全員いますぞ!」
「狐さんチーム!全員いるぜ!」
「狸さんチームー!いますー!」
「猫さんチーム5人負傷しましたー!骨が折れてますー!」
「担いで運んでやれ、唾かければすぐ治る!」
よし、全員無事だ。
骨が折れても、栄養をたっぷり取れば、すぐに治るだろう。
幸い、略奪した食料品が無駄にあるから、肉の類は幾らでも食べ放題だ。
1時間以内に骨折を治してもらわないと困る。
『ひでぇ』
『ナズニャンはどこだお?』
『後方でせっせと、略奪品を運搬してますぞ』
ゴブリンの偵察隊がここに来るまで、まだまだ時間がある。
パンを配給して腹を少し膨らませてから行動した方が良いだろう。
モーニャンが後方で調理してくれるおかげで、贅沢な食生活が出来て、野戦とは思えない生活っぷりだ。
「よし!戦闘部隊は全軍集合だ!
少しの間、休憩を取るぞ!
あと、ホワイト!」
「どうしましたかな?」
「やってもらいたい仕事がある!」
「なるほど……世継ぎ作りですな?」
「ああ!大事な仕事だ!今から向こうで……って三歳児に何を言わせるつもりだ!変態か!
ホワイトにやってもらいたいのはな。
その力を見込んで――僕が指定した大木を、戦闘が開始した後にぶっ壊して欲しいんだ」
見せてやるぞ、ゴブリンども。
山道の恐ろしさって奴をな。
僕は灰焼きで、よく蒸したパンを食べ、狐娘の尻尾をモフモフしながら、どのように戦闘が進むのか想像しながら、ゆったりとした感覚でゴブリンの到来を待ち受けるのだった。
『ゴブリンどもがゆっくり移動しすぎて、モチベーションが維持できない件』
『戦争映画なら、すぐに来るのに現実だと……何時間もかかって大変だお……』
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★(ノ゚ω゚)(ノ゚ω゚) 先生、待つのも仕事なんですね。
●(´・ω・`)これが人間じゃったら、足が棒になって、病気を発病して道端で寝転がって死体になっていると思うレベルで、獣人たちが働き過ぎている件
★(ノ゚ω゚)(ノ゚ω゚) 今の現在地って、略奪しまくりながら、主人公の村から徒歩で七日の距離だっけ……?
作中時間はどれくらい経過したんですか?
●(´・ω・`)たったの10日
★(ノ゚ω゚)(ノ゚ω゚) (過労死するわ、これ……)
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