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Blue Rose

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第三十四話 ハウステンボスでその十

「楽しいな」
「そうなのよね、これが」
「ああ、何でかな」
 やはり景色を見つつ言う龍馬だった、運河の向こうの煉瓦の街をだ。
「楽しいな」
「そうね、言われてみれば」
「船にこうして乗って景色を観るとな」
 そうしていると、というのだ。
「不思議な気分になるんだよ」
「こうしているだけで楽しいから」
「本当にな、じゃあ船の後は」
「お城ね」
「あそこに行くか」
「そうしましょう」
「いいな、何か日本にいる気がしないな」
 くすりと笑ってだ、こうも言った龍馬だった。
「欧州の何処かの国にいる気分だよ」
「実際そうなのね」
「そもそもここはオランダの街をイメージしてるしな」
 そうして造られている場所だからだというのだ。
「そうした気分になるのも当然か」
「そうよね」
「いや、ずっとな」
「ずっと?」
「こうしてもいたいな」
 運河の景色を見つつだ、龍馬はこんなことも言った。
「船で巡りながらな」
「船遊びね」
「それもいいな」
「確かにね、言われてみるとね」
 優花も龍馬のその言葉に頷いて言った。
「ここでずっとこうしてもね」
「いいよな」
「ゆったりしていてね」
「ああ、忙しいのを避けてな」
 そうしてというのだ。
「ずっとこうしていたいな」
「そう思うんだね」
「ああ、ただずっとこうしてるとな」
 自分が言った様にというのだ。
「それも飽きるか学校のことが気になって」
「ずっとはね」
「やっぱり出来ないな」
「そうよね」
「そうしたものだよな」
 船で巡って遊ぶこともというのだ。
「ゆったりもずっとだとな」
「飽きるし不安にもなって」
「よくないな」
「そうね」
「適度がいいんだな」
 ずっとではなくだ。
「適度に遊んでな」
「それで他の場所に行くとか」
「そういうのがいいな、それじゃあな」
「運河を巡った後はね」
「お城行こうか」
「そうしようね」
「あと宝石とか美術品観て」 
 龍馬はさらに言った。
「騎兵も観て」
「それで午前は終わりかしら」
「だろうな、それでお昼御飯は」
「何を食べるの?」
「イタリアンどうだ?」
 龍馬は運河を観る中で優花に顔を向けて提案した。
「イタリアンレストランな」
「お昼はそこで」
「そうするか?」
「いいわね」
 優花も龍馬のその言葉に頷いて応えた。 
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