ゲーム風スキルは異世界最強なんだよ!・ω・`)ノ
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4話 犬さんの投石術①
前書き
ぶろぐvar
http://suliruku.blogspot.jp/2016/10/4.html
投石術を得る前に、やっておく事があった。
覚えている無駄スキルの――大量削除。
僕の能力は、覚えているスキルが多ければ多いほど、習熟する効率が悪くなる仕様だから仕方ない。
さてさて、覚醒前の僕はどんなスキルを取得していたのだろ――
【保有スキルを読み上げます。
パンチラ術。パンチ術。ウンコ術。ウンコ投げ術。恐喝術。言語術。散歩。虫殺し、ゴブリンスレイヤー、オークスレイヤー、剣術、斧術、虫料理、走行術、スーパーパルメサンチーズ術、サルでも分かる内政オリ主術、なろうをBANになる方法、そんなーの叫び方、底辺小説家術……】
「覚醒前の僕!?
どんなアホな人生を送ってたんだ!
特に特定の生物を殺傷するスキルとか要らないだろ!
全削除だ!削除!」
『才能と書いて、無駄と読む』
『その心は?』
『必要がないなら、要らないでしょう』
『石を集めるモーニャンたんが可愛いお』
交信術を削除しても構わないだろうか?
いや駄目だな。
このスキルがないと、戦争が発生した時、兵力を有効利用できなくなる。
敵地の偵察にも使えるし、携帯電話みたいな利便性に浸ったら放棄なんて考えられない。
『携帯電話扱いされているオラ達』
『モーニャンたんの尻尾が素晴らしいお……とってもモフモフだお……』
邪神達の声に釣られて、僕はモーニャンを視界に収めた。
彼女の後ろ姿が可愛らしい。大きな黄金の尻尾がフリフリと左右に動いている。
尻尾が右に左にゆらーゆらー、お天道様もほほ笑みかけてきそうだ。
「石~、石~、石~」
鼻歌を歌いながら、巫女服の赤い袴に、大量の石をどっさりと載せて集める様は愛玩動物のようだ。
モーニャンは数十個の石を僕の元へとゆっくり運搬して、目の前で石をドサドサと放り出す。
仕事をやり遂げて、素敵な笑顔で話しかけてきた。
「ワァン様ー!
石持ってきましたー!
「ありがとう、モーニャン。
お礼に尻尾をモフモフしてあげよう」
「わぁーい!
あれ?私の方がお姉ちゃんなのに子供扱いされてる……?
でも、気持ちいいよ……悔しいっ……?
だ、駄目だよ、私の方がお姉ちゃん何だから、しっかりしなきゃ……!
でも、気持ちいいよぉ……!」
『先に投石の練習しろ!……でも、可愛いから許す』
『うむ……時間が経過すると、追撃部隊が来ると思うぞ?』
『オラもモフモフしたいぉぉぉ!!』
僕の小さな両手が、モーニャンの尻尾を丁寧に揉みしだく。
尻尾はとっても敏感な部分だ。とっても信頼した相手にしか任せない部位だと言ってもいい。
大きな尻尾はとってもフサフサで、お日様の良い匂いがする。
どうやって洗っているのだろうか?
『この地域、人間の宗教の影響で風呂禁止ですお』
『でも、モーニャンはルール破って水浴びして、尻尾の手入れもやってますお』
風呂は元々、贅沢品だが石鹸は欲しいな。いや、今は投石の練習をやらないとダメだった。
僕は強い誘惑を、意志力で振り切って、愛らしい尻尾から手を離し、しばらくお別れをする。
「モーニャン……続きは全てが終わってからにしよう。
さぁ、どんどん石を集めてくれ」
「はぁーい!」
また、モーニャンが近くで石を集めていた。
動く度に尻尾が振り振り、いや、モルンモルン動いて触りたくなる。
僕の手は震えて、尻尾――ではなく、石を掴んだ。
三歳児でも持てる小さな石。それを大きく振りかぶり、野球の要領で投げつける。
目標は――通りすがりのゴキブリさん。
食用になりそうな巨大サイズだ。石はゴキブリさんの頭部を破壊し、残った手足がカサカサ動いて場から去っていった。
【投石術を取得しました】
『ゴキブリさんの圧倒的な生命力』
『脳みそ壊しても動く時点で怖いお』
ひたすら、僕は石を投げ続ける。
その度に習熟し、投石術スキルのレベルが上がっていく。
繰り返し投げる作業をやっていると、茂みに隠れている人型の生物を発見した。
どう見ても人間とは思えない格好をしている。
背丈は人間の子供のようだが、耳と鼻が針のように鋭く、臭い匂いをプンプン出している。
着ている毛皮は、ボロボロで破れすぎてボロ雑巾みたいだ。
あれは何という生き物なのだろうか?
『東の紛争地帯に住んでいるゴブリンさんですぞ。獣人と敵対してますぞ』
『この世界の先住民らしいですお。
地球じゃないのに、この世界には人間が居て、似たような植物が流通しているから、きっと、何処かで色んな世界につながっているんですお』
まず、僕は投石術のスキルを向上させるために、木に向かって100回ほど投げた。
投石術スキルがLv25に上昇した事を確認した後、今度はゴブリンの頭を標的に、僕は石を力強く投げる。
石は小さな頭にめり込んで、ゴブリンをあの世へと送ってやった。
この程度の事は、投石のプロなら容易くできる。兜を被っていても脳震盪を起こして倒せるから便利だ。
『恐らく……難民だったのだろうな……。
安定した生活を求めて、ここまで彷徨ってきたのだろう』
『犬さんは楽をしてチートできて羨ましいお。
オラもこの力があれば、村の皆を守れたと思うお……』
投げれば投げるほど、石の効率の良い投げ方が分かる。
出来れば、加工した石を使いたかったが、それは仕方ない。
モーニャンが必死に集めた石を握り、木に向けて投げる。
森の中では、無数の障害物があるから、投石の有効射程距離は短い――
『修行シーンを見るのつまらないですお』
『狐娘を見てゆっくりしよう。尻尾が可愛い』
『読者は努力描写なんて大嫌いなんです!偉い人にはそれが分からんのです!』
お前らっ!勝手な事を言いやがって!
遠距離攻撃する手段を持ってないと、人間の物量に潰されるだろうが!
邪神どもへの怒りをエネルギーに変えて、僕は石を力強く投げる。
すると不思議な事が起きた。丸い石を投げたはずなのに――木にめり込んで地面に落ちない。 植物の細胞壁って硬いのにこれは凄い事だ。
『必ず実る努力ってなんだっけ?』
『チートだお。成果が約束された努力はズルだお』
邪神も、これを見ていたモーニャンも今の奇跡を見て驚いてくれた。
「凄いよ!ワァン様!
なんか、世界の法則が可笑しい気がするの!
石って鈍器だよね!?」
「あ、ああ!モーニャンのおかげで効率が良いぞ!」
「えと、投石紐あるけど……使う?」
「持ってるなら最初から出してくれ!?
でも、凄くありがたい!」
「ワァン様に褒められた!やったー!」
僕は、モーニャンが持っていた投石紐を受け取った。
投石紐――細長いヒモの真ん中に、植物の繊維で石を受け止める器を作った道具。
地球に居た投石競技のプロが使えば、射程距離は容易く400mを超える。
技能スキルで極めて、魔力を使えば――空気抵抗のせいでそんなに遠くへと届かないが、1km先へと飛ばす事ができるんだ。
でも、そんな遠くに飛ばしても標的に当てる事はできないから、スキルを限界まで極めても有効射程はせいぜい100mくらい。
弓矢と違って、空気抵抗がありすぎて、特定の的を狙う難易度が高すぎるんだ。
僕は投石紐の器に石を載せ、ブンブン回す。
その効率よくエネルギーを溜め込み、一気に石へと伝わえるように紐を前へと向けて振り被る。
そうすると石に大量のエネルギーが込められ、標的である50m先の木に衝突してバラバラに爆散し、欠片を周りに飛ばした。
『相変わらず、何かが可笑しいお……』
『常識的に考えて、投石は命中率が悪いから、集団で運用する代物だろ……』
『犬さんの投石術を見るまで、投石なんて陣形壊すだけのジャブ攻撃だと思ってましたぞ』
でも、僕はこの力を手にいても――人間には勝てなかった。
大火力による飽和攻撃をされたら、どうやっても勝てない。
単体としての強さは、圧倒的な科学力と数の暴力には通用しないんだ。
この森林だらけの地形を利用しても、航空機相手が出てきたら詰む。
さすがに剣なんか使っている連中だから、航空機なんて所有してないだろうが。
『まず、犬さんは敵の情報を知るべきだと思うお』
『この世界は、あんまり科学が発達してないからワンチャンス』
そうだった。
敵の陣容を調べないと。
兵力が千を超えていたら、モーニャンを連れて逃げよう。
『逃げてばっかりの人生』
『オラ達の旅の終着地点はどこなんだお?』
『今度こそ……犬さんには勝利して欲しいものだな』
誰か、叔父の近くで漂っている邪神はいないか?
居たら、そいつの視覚と聴覚を借りたい。
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投石術。
石は惑星のどこにでも転がっているから、補給が容易で便利。
でも、至近距離じゃないと、空気抵抗を受けて威力が急速に減衰するから、弓矢の方が遥かに殺傷力が優れている。
投石紐使った部隊は、かなりの訓練が必要だから、弓兵育てた方が良いかも……
今まで取得した技能スキルまとめ + ゴミスキル
http://suliruku.futene.net/Z_saku_Syousetu/Tyouhen/Game_fuu_sukiru/Ginou.html
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★戦国時代
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