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ゲート 代行者かく戦えり

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陸上自衛隊その他の装備設定1

 
前書き
参考文献

wikipedia
「中砲けん引車」
「99式弾薬給弾車」
「87式砲側弾薬車」
「78式戦車回収車」
「90式戦車回収車」
「73式小型トラック」
「高機動車」
「73式中型トラック」
「73式大型トラック」
「特大型トラック(6×4)」
「74式特大型トラック」
「軽レッカ/重レッカ」
「中型セミトレーラ」
「73式特大型セミトレーラ」
「重装輪回収車」
「偵察用オートバイ」
「75式ドーザ」
「施設作業車」
「軽徒橋」
「70式自走浮橋」
「81式自走架柱橋」
「07式機動支援橋」
「92式浮橋」
「91式戦車橋」
「遠隔操縦観測システム」
「パックボット」
「新野外無線機」
「野外通信システム」
「微光暗視眼鏡 JGVS-V3」
「個人用暗視装置 JGVS-V8」
「迷彩服2型」
「迷彩服3型」
「88式鉄帽」
「防弾チョッキ2型」
「戦闘防弾チョッキ」
「防弾チョッキ3型」
「隠密行動用戦闘装着セット」
「野外炊具」
「野外炊具1号(改)」
「野外入浴セット2型」
「宿営用天幕」
「野外手術システム」
「自由降下傘/696MI (パラシュート)」
「防護マスク4型/個人用防護装備」 

 
「中砲けん引車」

全長:8130mm

全高:3060mm

全幅:2490mm

重量:11280kg

最大積載量:8250kg

最高速度:95km/h


中砲けん引車は、陸上自衛隊の装備。
155mmりゅう弾砲 FH70のけん引車であり、FH70が配備されている野戦特科部隊に配備されている。
ベース車は7tトラック(74式特大型トラック)。7tトラックをベースとし、クレーンや車体前後に牽引フック、さらに後部にはワイヤーウィンチがつくなどの改造が施されている。


また、荷台前方には弾薬の運搬スペースとなっており、クレーンを使用して積み下ろしができる。
ただし、1両ごとに弾薬を搭載すると非効率であることや弾薬以外の射撃機材で荷台がいっぱいになるため、FH70を牽引した状態で弾薬を運搬することはない。自衛隊特地派遣部隊に配備されており、主に特科がFH70の弾薬補給に使用している。





「99式弾薬給弾車」

乗員:2名

全長:約6.7m

全幅:約3.2m

全高:約3.1m

全備重量:約33t

最高速度:約55km/h

機関:V型水冷2サイクルディーゼル


99式弾薬給弾車は、
陸上自衛隊で使用されている弾薬給弾車である。通称「ASV」。製作は日立製作所。99式自走155mmりゅう弾砲専用の給弾車輌として開発され、
1999年に制式採用された。装軌車両であり、M2の様な固有の自衛兵装は有していない。73式けん引車の派生型であり、
コンポーネントには共通部分がある。


99式自走155mmりゅう弾砲用の弾薬および装薬を積載しており、積載弾数は120発。
99式自走155mmりゅう弾砲の後方に配置し、ベルトコンベアを使用する事によって自動的に弾薬を補給できる。計画段階では99式自走155mmりゅう弾砲1両につき本車両も1両のセットで運用される予定であったが、財政的事情により多数の調達ができないため、1対1のセット運用ではなく、4対1での運用になっている。自衛隊特地派遣部隊に配備されており、主に自走砲部隊に配備されている。





「87式砲側弾薬車」

全長:7.17m

全幅:3m

全高:3.0m

重量:約23500kg

乗員:8名

最高速度:55km/h

行動距離:350km

最大積載弾数:203mm砲用弾薬(60発)

武装:12.7mm重機関銃M2(3600発)

エンジン名:水冷2サイクル8気筒ディーゼルエンジン

製作:日立製作所


87式砲側弾薬車は、
陸上自衛隊の野戦特科の装備する装甲車両。203mm自走りゅう弾砲の導入に伴い開発された装備で、砲弾及び装薬を搭載し、自走砲に随伴し弾薬の補給を行うと共に、自走砲に搭乗しきれない砲操作要員を輸送するための車両である。主にM110を装備した特科部隊に配備されている。


防衛庁(当時)では、1984年より、各方面隊直轄の特科大隊の装備する牽引式火砲の更新装備としてM110 203mm自走りゅう弾砲の導入を開始した。しかし、M110は車体が小型であるため、車両本体には砲弾及び装薬は数発分しか搭載できず、
また、射撃に必要な13名の要員のうち搭乗できるのは5名のみであった。アメリカ陸軍では弾薬と残り8名の砲要員は随伴するM548 装軌貨物輸送車によって輸送されるが、陸上自衛隊ではM548は採用せず、
独自に国産の随伴弾薬車を開発・装備することに決定した。


これにあたっては、
M110が更新する装備である203mmりゅう弾砲M2の牽引と弾薬及び砲要員の輸送に使用されている73式けん引車の発展型を開発して装備することとされ、1983年より日立製作所によって開発作業が開始された。試作車両は新造したものと73式より改造したものが製作され、1985年にはそれぞれ砲側弾薬車(A)、砲側弾薬車(B)として完成し、各種試験が行われた。試験の結果、エンジンをM110と同じものに変更した砲側弾薬車(A)の方が、M110に随伴して行動し、同じ部隊内で運用するにはより適しているとされ、1987年に「87式砲側弾薬車」として採用された。


野戦特科部隊に装備し203mm自走りゅう弾砲に随伴して継続的に弾薬補給を行う。
開発の経緯が示すように73式けん引車の派生型であり、基本設計は73式のものを流用しているが、
弾薬庫等のある車体上部は新たに設計されている。弾薬庫には203mm砲用の弾薬であれば60発搭載できる。弾の揚降は右後部に設置された揚力約1トンの油圧式クレーンは、203mm砲弾を最大で10発吊り下げられる。


車体後部を自走砲に面して停止配置した場合、車内のガイドレールを用いて、
自走砲の装弾機に砲弾を移送できる。
車体長が1m伸びた分、転輪位置も一部変更されている。車体前部に操縦席がある。重砲けん引用の73式けん引車の車体を利用し、上構部分が兵員室や弾薬庫となっている。自衛用に車体前部天面のハッチに防盾付きの12.7mm重機関銃M2を備える。


前部の窓ガラスは、
スリット式の装甲シャッターによって爆風や銃弾から守られる。73式に装備されていた排土板、203mm榴弾砲M2及び155mm加農砲M2の野戦牽引用の牽引ブームは装備されていない。本車はあくまで「砲側弾薬車」であり、火砲の牽引車として用いることは想定されていない。





「78式戦車回収車」

全長:7.95m

全幅:3.18m

全高:2.4m

重量:約38.9t

乗員数:4名

主武装:12.7mm重機関銃M2(3600発)

牽引力:38t

吊り上げ能力:約20t

速度:約63km/h

エンジン:三菱10ZF22WT 空冷2ストロークV型10気筒ターボチャージド・ディーゼル


78式戦車回収車は、
陸上自衛隊の装備の一つで74式戦車の車体を流用した戦車回収車だ。74式戦車の導入に伴って開発された車両で、戦後の国産戦車回収車としては70式戦車回収車に次いで2車種目にあたる。74式戦車の車体を流用してブームクレーンや各種の回収/整備機材を搭載したもので、1978年に制式採用された。
技術研究本部による開発であり、三菱重工が製造した。自衛隊特地派遣部隊に配備されており、駐屯地に停車している。


74式戦車を装備する戦車部隊のある師団/旅団の後方支援部隊整備隊の戦車直接支援隊の他に、戦車教導隊、武器学校などに配備されている。
74式戦車より重くなった90式戦車を回収するには78式戦車回収車では能力不足であるため、90式戦車を基に90式戦車回収用の90式戦車回収車が開発された。74式戦車と同じく油気圧式懸架装置を備えており、作業の際には車高を下げることによって重心位置を下げ、安定した作業を行うことができる。
変速装置は6速セミオートマチックであるがクラッチがあり、
クラッチは一速と後退へ変速する際に使用する。


車体前部右側にブームクレーン、車体前面にはウインチを装備し、車体前部左側は戦闘室となっている。自衛用に戦闘室天面には12.7mm重機関銃M2 1丁を搭載し、車体前面左右には3連装発煙弾発射機をそれぞれ装備している。車体前面下部にはドーザープレートを装備するが、これは主に作業時の駐鋤(ちゅうじょ、スペード)として車体を安定させるために用いられる。クレーンは20トン、ウインチは38トンの吊り下げ/牽引能力を持つ。
車体後部上面のエンジンデッキ上には、
予備、もしくは故障/損傷車両から取り外したエンジンや変速装置などを搭載して運搬することが可能である。





「90式戦車回収車」

全長:約9.20m

全幅:約3.40m(スペードなし)

全高:約2.70m

重量:約50t

乗員数:4名

主武装:12.7mm重機関銃M2(3600発)

牽引力:50t/吊り上げ能力:約25t

速度:約70km/h

エンジン:三菱10ZG32WT 2ストロークV型10気筒液冷ターボチャージド・ディーゼル

行動距離:550km


90式戦車回収車は、
陸上自衛隊の装備の一つで、90式戦車の車体を流用した戦車回収車である。略称は「90TKR」。90式戦車の導入に伴って開発された車両で、第二次世界大戦後の国産戦車回収車としては78式戦車回収車に次いで3車種目にあたる。技術研究本部による開発であり、製造は三菱重工が行っている。78式同様90式戦車の車体を流用してブームクレーンや各種の回収/整備機材を搭載したもので、1990年(平成2年)に制式採用された。90式戦車を装備する戦車部隊のある師団/旅団の後方支援部隊整備隊の戦車直接支援隊の他に戦車教導隊、武器学校などに配備されている。


車体前部右側にブームクレーン、車体前面にはウインチを装備し、車体前部左側に戦闘室を持ち、
車体前面下部には主に駐鋤(ちゅうじょ、スペード)として用いられるストレートドーザーを装備する、78式戦車回収車と同様の車体構成となっている。戦闘室天面には自衛用の12.7mm重機関銃M2 1丁を搭載し、車体前面には発煙弾発射機を装備する点でも78式と共通している。
ただし、90式では発煙弾発射機は戦闘室の前面に8基を一列に装備している。また、原型の90式戦車では車体後面左右にある排気口は、回収機材などとの干渉を避けるために車体後部側面に移されている。


クレーンは25トン、
ウインチは50トンの吊り下げ/牽引能力を持つ。90式戦車の重量に対応し、78式よりも吊り下げ能力が強化されている。
車体後部上面のエンジンデッキ上には、
予備もしくは故障/損傷車両から取り外したエンジンなどを架装して運搬することが可能である。エンジンデッキ上に設置されている架台には、パワーパック用の他に砲身用の架台も存在し、90式戦車の装備する120mm滑腔砲の予備砲身を架装し、砲身交換作業を行うことも任務としている。


78式と同じように、原型の90式戦車と同様の油気圧式懸架装置を備えており、
作業の際には車高を下げることによって重心位置を下げ、
安定した作業を行うことができる。なお、90式戦車とは異なり全転輪が油気圧式であり、各転輪は等間隔に並んでいる。
変速装置もフルオートマチックとなっている。自衛隊特地派遣部隊に78式戦車回収車と一緒に配備されており、陣地または塹壕構築や、道路整備などに使用されている。





「73式小型トラック」

全長:4.1m

全幅:1.76m

全高:1.9m

車体重量:1840kg

乗車定員数:6名

積載量:440kg

最高速度:140km/h


73式小型トラックは、1973年(昭和48年)に採用された自衛隊の汎用小型軍用車両(トラック)である。三菱自動車工業(パジェロ製造)が製造するが現在は2種類の車両がある。なお、「73式」となっているが、製造コストの削減・部品の共通化・民生品の活用の一環から2003年度以降「制式化」対象から除外され、以後の正式名称については「1/2tトラック」に変更された。旧型は「ジープ」、新型は「パジェロ」の通称がある。


(旧型 1973-1997年)

日本国内で生産されていた自衛隊向け(軍用)四輪駆動車で、1970年代当時にジープのライセンス生産を行っていた三菱自動車が、それまで防衛庁向けに生産していた、J-3系やJ-50系をベースとした1/4tトラックの後継車として、防衛庁の要求に合わせて積載量の向上を図り、
ミドルホイールベースのJ-24型を改良したものである。


マニュアルトランスミッション(前進4速・後進1速)+副変速機(高・低2速)付きトランスファーを持つ。また、エンジンの始動はキーで行なうが、停止はキーを抜くだけではなく初期型から中期型まではキルスイッチ、
最終型はキーOFFでもエンジンが停止可能。また、他国の軍用四輪駆動車と異なり、シガーライターと灰皿も標準装備している。


派生型として、60式106mm無反動砲や64式対戦車誘導弾を搭載した車両の他、パトライト・サイレンを搭載し、緊急車両指定および白色塗装を行った警務隊向け車両がある。車両後部には、各種機関銃を備え付けるための銃座を取り付けることができる。屋根がないので警務車両は警光灯をフロントガラスの枠に増設したブラケット留めにしていた(これは「パジェロ」でも同じ)。


無線機を搭載する車両に関しては運転席後部の座席を畳んでその部分にアタッチメント装着による無線機設置の他には、
運転席および助手席後部の席両端に跨ぐよう板状の部品(無線機材を複数設置する場合に使用するアタッチメント)を取付した後に運転席後部に無線機を取り付ける例もあり、この状態では乗員は基本的に4人乗車が基本となって運用していた(無理をすれば5人乗車可能)。


市販型三菱・ジープのミドルホイールベースモデルであるJ-20系はパジェロの登場で生産中止となり、ショートホイールベースのみがJ-50系として生産され続けていたが、1997年(平成9年)の生産終了に伴い、この先、
補給部品の確保についても困難が予想されることから、耐用年数が規定に達した車両は走行可能な状態であっても廃車とし、そこから部品を調達している(ニコイチ)。


現有の車両も車番が4000番台の最終形のみ部隊で運用される状況となっており、
装備火器の運用上必要な車両を除き、
旧型は近年中に退役する方向である。
ゆえに自衛隊特地派遣部隊へ全て送り込まれており、新型と一緒に普通科隊員の運搬の足となって運用されている。


新型(1996年-)

旧式化が目立ち、
排ガス規制などにも適応できなくなりつつあったジープタイプに代わり、1996年(平成8年)からはパジェロベースで、ショートホイールベースモデルのフレーム後端を若干伸ばし、積載対応のためリーフリジッド化された車両が採用され、「(新)73式小型トラック」となった。新型装備ではなく、あくまでも旧型車両の更新であるため、複数メーカーによる競争入札は行われておらず、「73式」の呼称が引き継がれ、制式名称は「73式小型トラック」(平成13年度納入車から「1/2tトラック」に変更)となった。


リアエンドパネルにアクセサリソケットと左右ドアに灰皿を搭載したほか、災害情報収集のためAM・FMラジオも標準装備されている。また民間向け車両の部品を流用した事からエアコンのような快適装備も引き継がれ、
冷房可能なエアコン搭載車となるが、
電装系は民間向けパジェロの12V仕様に対し、防衛省向けは24Vであるため、操作パネルは同じながらも中身は別物である。


方向指示器およびライト切り替えスイッチは手袋等着用した状態でも操作しやすい様、旧型に類似したものを使用しており、ライトの点灯はロータリスイッチとライトスイッチの操作が必須となる。
変速機はロックアップ機構を省いたトルコン式AT(フルードカップリングを発展させてトルク増幅作用を備えたオートマチックトランスミッション)で、市販型パジェロの2代目車両となるJ-TOP(幌車)の専用タイヤであった18インチの大径タイヤ(横浜ゴム製215/85・18、専用鉄ホイール)を装着し、デフロック可能なセンターデフ式フルタイム4駆機構のスーパーセレクト4WDを備える。


不整地走破性は旧式純正JEEPと同等程度の性能を持つとされるが、前輪がリジッドから独立懸架となったことで操縦安定性は向上した。タイヤ径の拡大により、
地上高、特にアクスルデフ下の最低地上高が増大している。
幌の形状も初期と現行で仕様が異なり、素材変更及びロイド(スクリーン)部分の大きさ変更や、
バックドアカーテン・リアカーテンのウインドウカーテンがファスナにより取り外すことが可能となっている。


500kgの最大積載量があり、固有の搭載火器はないが左右ドア内側に64式小銃もしくは89式小銃を固定出来る小銃取付具が取り付けられており、また5.56mm機関銃MINIMI、12.7mm重機関銃M2などの各種機関銃、対戦車ミサイルなどを搭載することが可能。誘導弾や通信機器の搭載専用車両は2人ないし3人で運用される。基本型は6人の乗車が可能だが、従来のジープ型が後部扉から乗降する後部4人に対し、
パジェロベースは最後部第3席は対面2人乗車であり、残りの2人は前席後部第2席に運転席及び助手席のシートを倒して乗降する。


指揮官車など通信機材が積載された車両に関しては中間に有る第2席右側(背もたれ)を前方に倒し第2席用無線機架台用台座を設置するため5人乗車、また第3席用無線機架台用台座も取り付けた場合は4人乗車となる。近年、無線機が小型化され(広帯域多目的無線)右側リアホイールハウス上面の範囲で搭載出来る様になった為、無線機を搭載していても6人乗車可能である。


初期型は従来よりも予熱に時間がかかるため、冬季のエンジン始動に時間がかかる。現在はバンバー上にあったフォグランプをバンパーに埋め込んだタイプ(数もひとつから二つに増えている)が納入されている。2014年頃からボンネットにインタークーラー用のエアインテークが無いモデルV17Bの納入が始まっている。





「高機動車」


全長:4.91m

全幅:2.15m

全高:2.24m

重量:2.6t

乗員数:10名

速度:130km/h

エンジン:水冷直列4気筒OHV4 バルブターボディーゼル インタークーラー付き

行動距離:650km


高機動車(こうきどうしゃ)は、陸上自衛隊が装備している人員輸送用車両である。
また、同車をベースに様々な派生車両が存在する。防衛省は略称をHMV(ハイ・モビリティ・ビークル)、広報活動用として愛称を「疾風(はやて)」としているが、
部隊内では「高機(コウキ)」とも呼ばれている。伊丹が所属する偵察隊にも配備されており、後に物資の運搬や黒王軍に追われる避難民の輸送などに使用された。


1990年代初頭に陸上自衛隊に採用された人員輸送用自動車。
開発・納入はトヨタ自動車、製造は日野自動車が担当している。自衛隊専用で市販はされていないが、本車両をベースとした民生用バージョンのメガクルーザー(BXD20V)が市販され、JAF、通信会社、
地方公共団体(消防隊、救急隊)などが主に災害対策車として保有している。


陸自が開発に加わっていること、陸自内部での使用要望が多いこと、陸自ほどの過酷な使用は想定されないことから、
航空自衛隊と海上自衛隊では高機動車ではなく、民間用メガクルーザーをベースにした車両を装備している。


現在では配備が進み、ほとんどの普通科部隊に配備されている。価格は一両辺り約700万円弱で、基本型と派生型を含めてこれまでの製造台数は累計3,000両を超え、現在も調達が続いている。普通科部隊の小銃小隊1個班(10名)の輸送や、火砲、トレーラーなどの牽引にも使用される。特地でも同じような運用がされている。本車輌をベースとした派生型も多数存在している。2000年以降ETC普及に伴い演習場へ移動する際に、高速道路を使用する事の多い九州・本州の部隊から随時ETC機器類の取り付けが行われた。


人員運搬や物資運搬など多用途に利用可能な、マイクロバスとトラック両方の性格を併せ持つ車両。
災害派遣など、一般道路を使用する際は、73式小型トラックや73式中型トラックなどと共に使用される。非装甲車両(ソフトスキン)として設計されており、ボンネットはFRP製で、防弾構造になっていないが、一般的な積層方法で製造されるメガクルーザーに対し、高機動車では真空成型となっている。ラジエーターも一般の自動車同様、垂直に置かれている。


一部車両は運転席と助手席の間のスペースにエアコン装置を装着している。初期生産型はシートのリクライニング機構が省かれていたが、
後の改良でリクライニングシートとオプションでCDプレイヤー付きラジオが設定された。固定武装は無いが、銃架をロールバーに取り付ける事で、普通科隊員が装備している5.56mm機関銃MINIMIを据え付けて射撃する事ができる。現在生産されている73式中型トラックと本車のシャーシは、4WSの有無、
ホイールベース、
ばねレート以外は共通となっている。


当初、ダイナ/トヨタ・トヨエースなどに使われていた総排気量4104ccの直列4気筒直噴ディーゼルエンジンである15B型に、ターボとインタークーラーを装備した15B-FT型(155馬力、
短期規制適合)を搭載していた。その後、自動車排出ガス規制の段階的な強化に対応し、噴射ポンプを電子制御化して長期規制に適合した15B-FTE型(170馬力)に換装した。新短期規制以後は、排気量4009ccの日野自動車製N04Cシリーズ(N04C-VH、163馬力)へと変更されている。


ドライブトレインは、任意にロックできるセンターデフを持つ、フルタイム4WD。
デフには前後ともに電動デフロック機構対応のトルセンLSD(タイプA)を装備している。さらに、3次減速装置としてハブリダクションドライブを持ち、それに伴いホイールブレーキはインボードマウントとなった。


初期型のエンジン始動は夏場でも一定時間ON状態にして余熱を行い、電気系統とブレーキ用コンプレッサー作動のチェックを必要とする反面、15B型エンジンの長所として始動性が良い(クランキングが短い)。現在生産されている車両は予熱をあまり必要としない分、初期型に比べ、長くスターターモーターを回す必要がある。


サスペンションは4輪ダブルウィッシュボーンで、ハブやサスペンションアームは4輪ともにある程度の互換性を持たされている。後輪に油圧式操舵装置を持った逆位相4WSを採用している。これは、最小回転半径を小さくするための機構だが、
高速走行時にも大舵角を切れば後輪は前輪とは逆位相で動くため、パニック操舵時の安全性には問題が出る場合がある。


センタリングスプリングによるフェイルセーフ機構が備わっており、油圧系統の異常時や、エンジンが止まり、油圧が下がると中立に戻る。
また、ハブリダクションを採用しており、最低地上高の確保に配慮が為されている。ダイナやランドクルーザーなど、市販車の技術を応用しているため、
一般路での走行性能は高く、大きな最低地上高、タイヤ空気圧調整装置、幅広大径タイヤの採用による低接地圧などにより、路外機動性も確保されている。


ランフラットタイヤを採用し、被弾しても運転席横パネルにあるスイッチを操作することで空気圧調整装置を最大限まで併用し、一般道での法定速度走行ができる程度は維持できる。ホイールとは別にタイヤ内部に中子と呼ばれる金属製のリング状の金具(被弾などで空気が抜けた場合、金具がタイヤの内側で支える構造)を取り付けており、タイヤ交換時には金具を分離する必要があるため、経験者による指導を受けながらの作業が必須となる。


120mm迫撃砲 RT(重迫)を牽引する車両にも本車とほとんど同じ車両が利用されているが、120mm迫撃砲の弾薬を固定する金具などを後部座席床に設置などの差異が見られ、「重迫牽引車」の名称で、
砲の備品扱いとなっている。


更に高機動車(国際任務仕様)というバリエーションも存在する。これは防弾ガラスと防弾板の車内への付加、ワイヤーカッターの装備、
酷暑地での使用を考慮して幌の断熱材への変更、運転席左部のセレクターレバー真横付近にエアコンを取り付けるなどの改良が行われた車両。イラク派遣の際には軽装甲機動車や96式装輪装甲車などと共に現地に派遣され活動した。





「73式中型トラック」

全長:約5490mm

全幅:約2220mm

全高:約2565mm

車両重量:約3000kg

積載量:約2000kg

最高速度:約120km/h


73式中型トラックは、主に陸上自衛隊で使用されているソフトスキンの輸送車両である。設計は日野自動車とトヨタ自動車の共同、生産は日野、納入がトヨタとなっている。それまで使用されていた3/4tトラックにはトヨタ製と日産製があったが、どちらも旧態化が甚だしく、
また、燃費の面でも好ましくないガソリンエンジンを搭載していたため、その後継として、国内のトラックと建設機械メーカー各社に開発が指示された。数社による競争入札の末、
1973年に制式化された。「キャリア」や「ヤオトラ」といった通称が存在する。


製造コストの削減・部品の共通化・民生品の活用の一環から2003年度製造分より「制式化」対象から除外され、以後の納入された車両の正式名称については「1 1/2tトラック(通称:1トン半)」に変更された。戦闘用ではなく、主に人員や物資の輸送を目的とし、運転台に2名(新型は3名)、後部荷台に16名が搭乗可能。
高機動車の配備が始まると同時に高機動車のシャーシをベースにした新型が登場した。


車番(生産時期)で細部違いがあり、
以下の様に大別される。

・0001-39XX番:パワーステアリング非装備車(5速MT)

・39XX-5XXX番:パワーステアリング装備車(5速MT)

ここまでは日野・レンジャーのコンポーネントを流用しており、はしご型フレームに、4輪リーフリジッドサスペンションを組み合わせたシャーシ構成で、パートタイム式4WDを採用している。


・5XXX-:本車輛の現生産タイプ。高機動シャーシに切り替わる。センターデフを持つフルタイム4WDとなり、パワーステアリングとロックアップ機構付4速ATを装備する。以下は詳しい説明である。


前部バンパーの形状が変更され、テールライトの形状が丸形の個別のものから、
高機動車同様のトヨタトラック用となり、タイヤとホイールも高機動車と同じとなったほか、荷台部分の後輪用の切り欠きが有ることで旧型との判別が可能。高機動車に比べホイールベースが短縮されたことと、取り回しの良いキャブオーバー形状のため、4WSは省略されている。また、ラジエーターの位置も低くなったため、フロントラジエーターカバーの形状が変更されている。


運転台にエアコン、
ラジオが装備され、
フロントサスペンションがリジッドから独立懸架となり、
デフが固定されたことでエンジンの搭載位置が下がり、運転台中央に突出していたエンジンカバーが無くなったため、
運転席と助手席の間にもう1名分の座席が設けられた。特地でも日本でも同じ運用を行っており、普通科中隊迫撃砲小隊の資材車や本部管理中隊通信小隊の通信資材などの運搬、そして他部隊では大型トラックを使わない程度の荷物の運搬などに使用されている。





「73式大型トラック(新型)」

全長:7150mm

全幅:2485mm

全高:3080mm

車両重量:8450kg

積載量:路外3.5t 路上6t 人員24名

エンジン:いすゞ製水冷V型8気筒ディーゼルエンジン

最高速度:約110km/h

エンジン:日野・N04C


73式大型トラックは、自衛隊で使用されている車両である。
製作はいすゞ自動車。1973年(昭和48年)より調達開始。
2003年(平成15年)度以降納入車両は、
製造コストの削減・部品の共通化・民生品の活用の一環から「制式化」対象から除外され、以後の納入された車両の正式名称については「3 1/2tトラック」に変更された。


初代モデルは約40年前に登場し、現在は8代目のモデルが配備されている。現実において2011年に発生した東日本大震災の際には、他の自衛隊車両が津波による水没で次々と行動不能になる中で唯一稼働するなど、高い耐久性を証明している。この世界ではマスターの命令を受けて英雄王が宝具「天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)」を発動して津波を打ち消したので、東北地方は津波の被害に遭わずに済んでいる。


73式大型トラックは、人員及び物資輸送などに用いられる汎用キャブオーバー(自動車の構造上の分類の一つ。エンジンの上にキャブ(運転席)があるものを意味し、主にトラックなど中・大型車で使われている)トラックで、陸上自衛隊の部隊では全ての職種部隊に配備されている車両である。


隊内では「3t(さんとんはん)」や「カーゴ」とも通称される。「3 1/2t」とは悪路走行時や慎重な取り扱いを要する物品などを扱う場合の標準積載量で、これとは別に良路の平地などを走行する場合に適用される最大積載量という数値も設定されている。なお、
陸上自衛隊の車両呼称に重量が採用されている場合、その数値はすべて標準積載量を表している。


1973年よりそれまでのボンネット型TSD・2トン半トラックから更新され、現在では後述の改良型及び新型を含め、更新を完了している。ダンプトラック型や地対空誘導弾の自走発射機型の他、キャブ部分に各種の装備を積載したバリエーションも数多く存在する。


「73式」と呼称されるが、前述のとおり製造コストの削減・民生品の活用の一環・製造ラインの民生用車両との同一製造等による車両部品の共通化等により、
制式化対象から除外されており、2003年度製造分の車両からはいすゞ自動車製造ラインの関係から同社が製造している他車種に導入されている部品・技術も導入されている。旧型車両の一部は海外派遣時に各部隊で防弾板の取り付け、運転席と助手席間にエアコン装置の取り付け、
前照灯・速度表示灯の改良などの改良が施され、派遣終了後もその状態で使用されている車両が存在する。


生産・配備された時期により3つの形式に分けることができる。初期型、改良型、
新型の三種類があり、基本的には同じ車両ではあるものの、
設計は異なる。初期型及び改良型はエンジン始動の際にキー操作だけでなくメインスイッチを操作しなければ電気系統がONにならなかった。
新型に関してはエンジンキーをONまで回せば、電気系統も同時にONになるようにされている。次からはこの三種類について説明する。


・初期型(SKW-440~441)

1973年から配備された基本タイプ。初期型は前面に開口部があり、ラジエーターが露出している。
エンジン停止には車両中央部の停止用スイッチを引く必要がある。トランスミッションはフルシンクロ化されておらず、
2-5速のみシンクロ化されている。フロントフリーホイールハブは手動ロック式で、前輪を駆動する場合は事前に下車して操作する必要がある。また、全輪駆動させる場合は運転席左のスイッチ若しくはレバーによる操作が要求される。


シフトレバーはトランスミッション直結式でトランスミッションが若干後部にある関係上、シフトノブも後部から前部にかけて曲がったような形状をしていた。
フロントウインドシールドのワイパーは上部吊り下げ式で4本。また、フロントのナンバープレートはラジエーターのスリット(上部)とガードメッシュ(下部)の間に位置する。
ブレーキペダルは踏み込み式で強力に作動させる為には数回踏み込む動作を要求されていた。サイドブレーキは運転席左の床にあり、サイドを引く際・戻す際は前屈みになりレバーの操作が要求される。


・改良型(SKW-462~464)

1987年から配備された。変更点はキャビンの大型化、エンジンの出力増強、ハブリダクションの採用など。5速マニュアルだがシフトレバーは直結でなくリンケージによるリモートコントロールとなる。
SKW-464にはABSが装備され、スロットルがドライブ・バイ・ワイヤに変更されている。


フロントウインドシールドのワイパーは下部4本。フロントのナンバープレートはガードメッシュ左側(正面から見て右側)に位置する。タイヤはバイアスからラジアルに変更された。ブレーキペダルに関しては、このタイプからオルガン型ペダルへ仕様変更された。エンジンストップはハンドル左下のスイッチを引くことで停止する。この形式までは各種計器類のスイッチは手元に引くタイプとなっている。


・新型(SKW-475・476・477)

1999年から配備された。変更点はキャビンの形状・エンジンの出力増強・一般部隊に納入される車両に関しては変速機を6速オートマチックへ変更と、変速機のギア比率変更による最高速度の上昇、各師団自動車教習所向け教習車両の更新用には同系のMT車を納入(シフトノブなどは当初改良型、2003年度納入分以後は民生用に準じたものが使われている)し、
後に納入されたSKW-476はエンジンが直列6気筒ターボに変更されているとともに、当時発展的であった大型トラック用ATに関する民生用の技術を導入した結果ATの制御が変更されている。2012年より納入された車両は方向指示器が増設されている。


2000年初頭に納入された車両から適宜速度表示灯を装備しない車両が納入されるようになった。これ以外にも、いすゞ製民間用トラックをベースにしているため、主として排ガス対策で年度によって細部が変更されている。平成17年度納入車からはエンジンがV型8気筒8P系から直列6気筒6UZ系に変更された。このタイプからエンジン停止はキーの操作だけで行えるようになった。


ハンドル下部付近に「エンジン停止スイッチ」が存在するが、使用はキー操作だけでエンジンが停止しない場合などの緊急時のみに制限される。 この形式からはATに仕様変更を行った当初の時期を除き民生品の活用の一環として計器類・パーキングブレーキのスイッチは民間の物に準じた物が使用されている他、駐車ブレーキもワイヤータイプからホイールパーク式に変更されている(大型車のATにはパーキングが存在しないためとブレーキの強化が目的)。


ちなみに最大積載量・乗車定員のみを見れば道路交通法令上の区分は中型自動車となるように見えるが、上記のように当該車種は自重が約8tと重く、これに路上での最大積載量の6tを加えると車両総重量が約14tとなるため、大型免許が必要になる。また、自衛官が公務で操縦する際には、「初級装輪操縦」課程の教育を受講した隊員に限定されている。





「73式大型トラック」

全長 11000mm以下

全幅 2500mm以下

全高 3250mm以下

最大積載量 11500kg以上

総質量 22000kg以下

機関型式 水冷4サイクルディーゼル

燃料タンク容量 200L以上

乗車定員 3名

荷台 木製3方開き,木製サイドラック,ほろ及びアシストグリップ付き

後方板は,ステップ付き

寸法(内法)長さ:7000mm~8000mm

幅:2250mm~2350mm

高さ:350mm~450mm

サイドラック(陸上自衛隊仕様書による):乗車定員40名の木製折り畳みいす兼用とし、椅子として使用しない場合は、
ロックできる構造とする。ほろ骨高さは、1700mm(床面上)を標準とする。


特大型トラック(6×4)は、陸上自衛隊で物資輸送用に使われるトラックの一つである。市販の大型6輪(後2軸、前1軸)貨物自動車を「自衛隊の使用する自動車に関する訓令」及び、
本装備の陸上自衛隊仕様書に基づき調達される装備である。
主として輸送科に配備されており、特地でも大量の物資や自衛官の運搬などに使用されている。


外観は74式特大型トラックとよく似ており、専門誌でも74式特大型トラック(あるいは7tトラック)として誤って記載されることも多々ある。しかし74式特大型トラックは三菱との随意契約のため三菱製以外は存在しないが、本装備に関しては三菱製だけではなく日野製、いすゞ製も存在し、メーカーエンブレムがボディ同色に塗装されているのも特徴である。
また、74式特大型トラックは総輪駆動であり、後輪2軸のみしか駆動しない本車とは車高が大きく異なる。


塗色については車体外部は「NDS Z 8201の色番号2314 OD色とする」とされており、シャシ(機関,排気管及び消音器を除き,バンパ及びディスクホイールを含む)については黒色と仕様書により規定されている。荷台は仕様書により木製3方開きとされ、隊員が座るための木製のサイドラック、幌及びアシストグリップ、車体後部にステップを設けることとなっている。


また、アオリは取り外すことも可能で、
60式装甲車、60式自走無反動砲、73式装甲車などを積載することを前提とされており、それら装備を固定資材によって縛着できるフック穴部を設け、積載走行しても十分耐え得る構造のものとする、
と規定されている。
また、積雪地(北陸や北海道など)においては78式雪上車が配備されている部隊にも少数配備されている。





「74式特大型トラック」

全長:9.3m

全幅:2.5m

全高:3.16m

車両重量:10900kg

標準積載量:7000kg

最大積載量(路上):10000kg

最高速度:100km/h

製作:三菱ふそう(~2002年:三菱自動車工業、 2003年~:三菱ふそうトラック・バス)


74式特大型トラックは、陸上自衛隊で使用されている輸送車両である。1974年に製式化された。現在では1/2tトラック同様、コスト削減を図るためモデルチェンジを容易にするために「制式化」はされておらず、名称は「7tトラック」となっている。また、ベースの民間車のモデルチェンジにより調達年度によって若干仕様(形状)が異なっている場合がある。


三菱ふそうのFシリーズ、ザ・グレート及びスーパーグレートをベース車両としているが、陸上自衛隊の要求性能に合わせるため総輪駆動(AWD)にし、最低地上高を高くするなど車体やエンジン、ヘッドライトの位置などが改造・変更されている。ただし、灯火類の保安装置はベース車両に準じている。


基本型の7tトラックのほか小回りをよくするために全長を若干短くした「7tトラック(短)」や車体前方のバンパーにフック(橋体の押出用)がつけられた「7tトラック(パネル橋MGB用)」がある。さらに、陸上自衛隊の他のトラック同様多数の派生型が存在する。
主に輸送隊に配備されており、自衛隊特地派遣部隊でも運用されている。





「軽レッカ/重レッカ」

(軽レッカ)
全長:7810mm

全幅:2490mm

全高:3060mm

重量:14000kg

最高速度:95km/h

吊上能力:4800kg

製作:いすゞ自動車


(重レッカ)

全長:9,320mm

全幅:2490mm

全高:3,180mm

重量:18500kg

最高速度:95km/h

吊上能力:10000kg

製作:三菱ふそうトラック・バス

クレーン:東急車輌(現:東邦車輌) HW101型


軽レッカ(けいレッカ)は、陸上自衛隊の装備。主に普通科連隊(整備班)や後方支援連隊の整備大隊などに配備され、
整備などに使用される。ベース車は73式大型トラック。また、航空自衛隊でも同一仕様の車輌が「レッカ車」として配備されている。戦闘職種部隊などで、器材搬送、重量物据付、
小型車両の牽引などに使用される。4800kgを超える重量物や高機動車以上の車両など(戦車のエンジン、砲塔など)は重レッカが担当する。


塗色は迷彩柄にはなっておらず、OD色である。なお戦場に同伴するものではない、後方支援の装備なので基本的に装甲は施されていない。
レッカー車としての役割を最大限発揮するために、車体前部のバンパーにはウインチが装着されている。後述の重レッカと共に、自衛隊特地派遣部隊が保有する車両の牽引を担当している。


そして重レッカは、
陸上自衛隊の装備である。主に特科・機甲科部隊や後方支援連隊などに配備され、戦闘車両の整備などに使用される。
ベース車は74式特大型トラック。航空自衛隊の高射部隊にも同一仕様の車輌が「レッカ車」として配備されている。用途としては戦車部隊だけでなく特科や部隊整備を担当する後方支援連隊整備大隊において榴弾砲や他の重量物の運搬、牽引などに使用される。
横転などをして自立走行ができなくなった高機動車以上の車両牽引に必須の車両である。


特科連隊などでは本部付隊・大隊本部管理中隊(特科隊などは本部管理中隊整備小隊)、戦車連隊(大隊など)は本部管理中隊整備小隊が保有している。また、
戦車の整備に使用されることがある。
戦車などのエンジン、砲塔を持ち上げて整備するためには必須の装備である。
砲塔を持ち上げることは、軽レッカにはできない。レッカー車としての役割を最大限発揮するために、車体前部のバンパーにはウインチが装着されている。





「中型セミトレーラ」

全長:9090mm

全幅:3200mm(Aタイプ)、2985mm(Bタイプ)

全高:1580mm

重量:7000kg

最大積載量:20000kg

製作:牽引車(三菱ふそうトラック・バス)、トレーラ(東急車輛製造)(日本トレクス)


中型セミトレーラは、陸上自衛隊の装備。主に輸送科に配備される。最大積載量20tの2軸8輪トレーラである。特地でも日本と同じく、装甲車やブルドーザーなど比較的軽量な車両を輸送する際などに用いられる。この車両はいわゆる戦車運搬車に類似した車両。しかし現代の主力戦車は中型セミトレーラーの積載量20tをゆうに超えるためこれ一台で戦車を運ぶことはできない。そのため軽量な装甲車や建設機械を運搬する任務が主となっている。


しかしながら当車両は戦車を運ぶためにも利用されている。例えば90式戦車の重量は50tあるため、74式戦車用の73式特大型セミトレーラ一台では運搬することができない。そこで戦車を車体と砲塔に分離して2台で分担するのである。戦車の砲塔は20t以下なので、中型セミトレーラが砲塔部担当、73式特大型セミトレーラが車体部担当という形で分担して運搬する。なお90式戦車を一台で運べる最大級の戦車運搬車として特大型運搬車が存在するが、その配備数は限られており、小型の運搬車でも運搬できる体制が必要なのである。


荷台が低床式の1型と荷台中央が一段低くなった中低床式の2型が存在し、現在も並行して調達されている。製作は東急車輌と日本トレクスがそれぞれ担当する。2型は全幅が3.20mのAタイプと2.99mのBタイプに分かれており、Aタイプでは車両制限令に規定されている「車幅3m以上の積載物を搭載し、総合的な車幅が3mを超える場合」に該当する為、牽引車には緑色の回転灯が装備されている。Bタイプは最大積載量20t以内、最大車幅は2.85mであるので、特段の制限を受けることなく公道を走行することが可能である。





「73式特大型セミトレーラ」

全長:11.32m(トレーラ)

全幅:3.29m(トレーラ)

全高:3.15m(牽引車)

重量:17.5t(牽引車:9500kg、トレーラ:8000kg))

乗員数:3名

最大積載量:40,000kg

最高速度:約65km/h

(製作)
牽引車:三菱ふそうトラック・バス(2003~)/三菱自動車工業(~2002)

トレーラ:東急車輛製造(※該当部門は新明和工業へ売却され東邦車輛株式会社となった)


73式特大型セミトレーラは、陸上自衛隊の装備。いわゆる戦車運搬車で、主に輸送科に配備される。
総重量38tに及ぶ74式戦車を輸送するため、1973年に制式化された最大積載量40tの3軸トレーラである。
トレーラーは東急車両が製造、同社のTL型低床式セミトレーラーがベースとなっている。戦車の積載は荷台に搭載された着脱式のローディングランプで行う。


牽引車は74式特大型トラックのバリエーションの一つで「特大型セミトレーラーけん引車」の名称が付けられている。
三菱ふそう・スーパーグレートをベースにしているが、総輪駆動化によるトランスファを収める為、
民間型の牽引車に比べると700mm以上もホイールベースが延長されている。主に駐屯地から演習場へ重量物を運搬するときに使用される。74式戦車より10t以上重い90式戦車はそのままの状態では最大積載量をオーバーしてしまうため、運搬する際は車体と砲塔を分離させて搭載するか、特大型運搬車を使用する。


10式戦車は全備重量は約44t、約4t分の装甲などを取り外す事で、73式特大型セミトレーラの最大積載量に収めている。2010年12月までに、すでに73式特大型セミトレーラに10式戦車を乗せ砲塔と車体が一体の状態で輸送しているところが目撃されており、その際に東名高速道路および国道を走行している。公道を走行の際には車両制限令に基づき、夜間に先導車をつけて走行しなければならない。





「重装輪回収車」

全長:約11m

全幅:約2.5m

全高:約3.4m

車両重量:24t

牽引能力:約15t

クレーン能力:約12t

最高速度:約100km/h

乗員:3名

製作:三菱重工業


重装輪回収車は、
陸上自衛隊が装輪装甲車の回収及び整備支援をするために導入した車両である。
自衛隊特地派遣部隊にも装備されている。1980年代以降、
陸上自衛隊は装輪装甲車の装備を拡充してきたが、これら高速の重車輌に追随し、行動不能になった車輌の整備、回収を行なうためには既存の回収車輌は能力不足であった。また、
M984等の海外製回収車の中にも要求性能を満たすものがなかった。そのために開発されたのが重装輪回収車であり、平成14年に制式化された。


車体は4軸8輪の大型車両で、前四輪で操舵を行う。車体後方にクレーン装置と吊り上げ牽引装置及びウインチを各1基、
操縦室の後方に予備のタイヤ1つを搭載している。これらの装備により、装輪装甲車両のエンジンや砲塔交換、転落した装輪装甲車両の回収、
走行不能となった装輪装甲車両の吊り上げ牽引走行などを行なう。重装輪回収車はその余裕のある車体と馬力を活かして、他の装備の搭載車両にも用いられており、いわゆる“ファミリー化”が行われている。




「偵察用オートバイ」

(XLR250R)
全長:2165mm

全幅:860mm

全高:1210mm

重量:120kg

最高速度:135km

乗員:1名

製作:ホンダ


(KLX250)
全長:2135mm

全幅:885mm

全高:1,210mm

重量:115kg

最高速度:135km

乗員:1名

製作:川崎重工業


偵察用オートバイは、陸上自衛隊で採用されているオートバイである。正式にはオートバイ(偵察用)という名称となっている。制式化ではなく部隊使用承認として採用されているため、名称に「○○式」という年式は付けられておらず、
陸上自衛隊の公式サイトの装備品一覧にも記載がないが、
入札を行うため要求される仕様が公開されている。採用以来SL250S、XL250S、XL250R、XLR250R、KLX250の順に5回車種が更新されているが、「オートバイ(偵察用)」という名称は特に変更されていない。


陸上自衛隊の偵察隊や普通科連隊、特科連隊の情報部隊などで偵察および連絡用として使用されている。オートと略して呼ばれ、性能は民生用と変わらないが、携帯無線機用ラックの追加など、各所に改造が施されている。塗装はODの単色で、メーカーの車名マーキングも黒で書かれたサブデュード仕様。前部の泥除けに陸上自衛隊の車輌であることを表す桜章が付けられている。


陸上自衛隊の戦闘車両は、その大半が銃撃されても炎上しにくいディーゼル車で構成されているが、
本車はガソリン車。
よって被弾した場合は爆発する恐れがある。自衛隊車両の中では最も小型の装備であり、UH-1ヘリコプターや偵察用ゴムボートに搭載して輸送することもできる。自衛隊特地派遣部隊でも主に偵察任務時や。伝令任務時などに使用される。


敵と遭遇する可能性が高い危険な任務で使用されるため、
オートバイの乗員は立ち乗りでの小銃射撃(膝で車体を操り、手放しで運転しつつ発砲する)やオートバイを寝かせて盾にする技術を習得する。乗員用にオートバイ用ヘルメット(現在はアライ社製ハイパーTベース)が採用されているが、
これには防弾能力が無いため、戦闘を想定した訓練の際には88式鉄帽を使用する場合もある。


オートバイドリルで一般公開されるジャンプ、ウィリー走行、アクセルターン(前輪は地面に固定し、アクセルで後輪を回転して少ない面積でオートバイを反転)、縦列や横列の部隊走行は、災害派遣などで段差や亀裂を乗り越えるために習得する。偵察用途の軍用バイクは日本の陸上自衛隊のほか、
ドイツ連邦軍などで採用されているが、
アメリカ軍をはじめ、二輪のオートバイではなく、四輪の全地形対応車(バギー)を採用している軍事組織も多い。





「75式ドーザ」

全長:6.9m(走行姿勢)6.3m(作業姿勢)

全幅:2.7m(走行姿勢)3.4m(作業姿勢)

全高:2.79m

重量:約19t

乗員数:2名

最大牽引力:12t

速度:約55km/h

エンジン:水冷式ディーゼルエンジン


75式ドーザは、陸上自衛隊の施設科が使用している装甲付のブルドーザーである。製造は小松製作所、愛称はビッグブルの他に、部隊内では「装甲ドーザ」や、
単に「ドーザ」とも呼ばれる。戦闘下での土木作業が可能な、装甲を有する中型ドーザ程度のブルドーザーとして技術研究本部と小松製作所で共同開発された。
1969年から開発が始まり、1975年に制式採用されて200両が生産された。


2つの運転台を有し、
作業時はドーザーブレード側の運転台で、走行時には反対側の運転台で操縦する。ドーザーブレード側の運転台は回転式で、作業時、移動時にあわせて方向を変えることができる。
ライトと方向指示器は車体の前後に取り付けられている。ドーザーブレードは中央から2つに分割されており、作業に応じて外反、内傾させることが可能である。輸送時にはドーザーブレードの幅を縮めて行なう。エンジンはドーザーブレード側に搭載されている。


装甲は小銃弾および砲弾片から防護できる程度のもので、
操縦席の窓にはシャッターを下ろすことが可能である。主に建設工兵である施設団に配備されている。装甲を有する唯一の建設車両ということもあり、普賢岳火山災害やカンボジアPKOでも使用された。
現在は施設作業車に更新が始まっている。自衛隊特地派遣部隊の配備車両の一つとして、現地に派遣された施設団に運用されている。





「施設作業車」

全長:8.8m

全幅:3.7m

全高:2.7m

重量:28t

時速:60km/h

乗員:2名

製作:小松製作所


施設作業車は、陸上自衛隊の装備する装甲工兵車両である。
75式ドーザの後継装備として開発された土木作業車両で、
73式けん引車に始まる73式装甲車の派生型車両である。ドーザーブレードに加えて伸縮式のショベルアームを装備している。これにより、
従来のブルドーザーのような排土・整地作業だけではなく塹壕などの障害除去や陣地構築なども可能となっている。


ショベルアームはマニュアルによる操作だけではなくコンピューター制御による自律作業も可能であり、事前に定められた手順に従って自動的に塹壕や掩体壕を掘削・構築することが可能となっている。火器は装備されていないが、最前線で作業中に飛来して来る可能性のある対戦車ミサイルなどへの備えとして、レーザー検知機やスモークディスチャージャー(発煙弾発射機)を搭載している。自衛隊特地派遣部隊の配備車両の一つとして、ドーザーブレードやショベルアームを駆使して土木作業に多々使用されている。





「軽徒橋」

橋長:131.6m/1セット

耐久流速:2.5m/秒


軽徒橋は、陸上自衛隊の装備。架橋器材であり、主に施設科に配備される。河川の底に柱を固定するのではなく、フロート(いかだ/浮き輪)によって導板を架設させる方式をとる。
長さ300cm、幅28cmの浮体を用い、浮体間を導板で連結している。導板は幅50cmほどであり、人員の渡河を主目的としているが、オートバイの通行も可能である。
なお、1セットは36橋節から成り立っており、1橋節は3.6mである。施設科が自衛隊特地派遣部隊の普通科隊員を、小川などを渡河させる時に使用している。





「70式自走浮橋」

全長:11000mm

全幅:2800mm(陸上姿勢)5400mm(水中姿勢)

全高:3500mm(陸上姿勢)

全備重量:24000kg

最高速度:55km/h(陸上)16km/h(水中)

乗車定員:4名

浮橋床幅:3900mm

橋節長:8500mm

製作:日立製作所


70式自走浮橋は、
陸上自衛隊の渡河用機材。施設科に配備されている。陸上自衛隊初の浮橋として開発された。水陸両用車を橋体とし、
連結して浮橋として機能する。1970年に制式化され、当時開発が行われていた74式戦車を渡河させることを目的としていた。そのため、渡河上限重量は約38tとなっており、その後開発された90式戦車(重量約50t)は渡河することができず、
後継として92式浮橋(渡河上限重量約60t)などが開発されている。自衛隊特地派遣部隊にも活用されており、主に軽装甲車両の渡河などに使用されている。


水陸両用車としての機能があり、陸上を車輪走行するほか、
水上はプロペラ推進を行う。水上航行のため、錨も搭載されている。北海道以外の74式が現役で稼動している地域ではまだ現役の装備であるが、すでに生産は終了している。10両を1セットとして施設科で運用される。


車体上部にフロートがあり、水上姿勢に移行する際はそれをヒンジ式に車体左右へ下ろして装着する。水面への進入後、
各車両間を車載のクレーンで車体横方向で結合し、浮橋となる。最大で91mの橋を設置できる。数両で結合し、浮橋ではなく門橋として使用することも可能である。貨物を積載し、
そのまま岸から岸へと渡河できる。





「81式自走架柱橋」

全長:9700mm

全幅:2850mm

全高:3400mm

全備重量:22000kg

最高速度:90km/h

乗車定員:2名

橋梁長:10m

橋梁幅員:3750mm

架柱高:2-4m

橋梁等級:CL42

製作:日本アルミ


81式自走架柱橋は、
陸上自衛隊の装備。
主に施設科に配備される。河川など車両が通行できないような箇所に迅速に橋を設置することができる。運搬車に使用されるのは74式特大型トラック。有事の際だけでなく災害派遣でも活躍する。自衛隊特地派遣部隊にも活用されており、70式自走浮橋と同じく軽装甲車両の渡河などに使用されている。


74式特大型トラックを基に荷台に架橋器材を搭載したものである。架橋器材は橋脚と橋桁がセットになったものであり、
油圧動作により、
車体後方へ繰り出され、架橋位置にセットされる。架橋位置にセットされた後は、施設科隊員により、橋桁の接続が行われる。


6両が1組になっており、最大で60mの橋を構築できる。架柱高は油圧で簡単に調節が可能であり、74式戦車以下師団の全ての車両、装備が渡ることができる。ただし、90式戦車は幅員はクリアしているものの、重量が50tで橋の耐久性に問題があるので渡れない。70式自走浮橋とは違い装輪式なので、迅速な展開が可能である。


81式自走架柱橋は平成19年度から損耗更新時期を迎えることや、90式戦車や99式自走155mmりゅう弾砲などが通過できないこと、迅速にセットできないこと、河床土質に制限があることや川の水速などに制限があることから、平成15年度から後継架橋の研究開発が進んでおり、07式機動支援橋として制式化されている。この新架橋は架柱を使わない方式であり、
橋長は60mである。





「07式機動支援橋」
(橋梁)

橋梁長:最長60m

橋梁幅員:4200mm

橋梁等級:CL60(90式戦車)-CL50(10式戦車)

橋梁型式:単径間橋


(橋節運搬車)

全長:11000mm

全幅:3000mm

全高:3700mm

全備重量:25000kg

乗員:3名

最高速度:90km/h


07式機動支援橋(略号07MSB)は、陸上自衛隊施設科の装備する架橋器材のひとつである。81式自走架柱橋では90式戦車や99式自走155mmりゅう弾砲などの装備に対応できず、架柱(橋脚)を用いて架橋するため河川の水量や流速および河床の土質など制限があることから、新架橋として2003年(平成15年)から開発を開始し、2007年(平成19年)に制式化された。
開発にあたり架橋の制限を受けないよう、途中に橋脚が不要な単径間橋を採用し、迅速に架橋するために作業の自動化が進められている。


架設車1両・ビーム運搬車1両(中間ビーム6本・端部ビーム2本)・橋節運搬車4両(中間橋節6台・端部橋節2台)・支持装置や補強リンクなどの付属品で一式が構成される。架設車及び運搬車には7tトラック(74式特大型トラック)が用いられている。架橋作業は架設車が支持装置を用いてビーム(梁)を対岸まで繰り出した後、
橋節をビームの上に繰り出して対岸まで渡すことによって橋として完成する。
自衛隊特地派遣部隊にも活用されており、戦車や自走砲などを渡河させる場合に使用されている。





「92式浮橋」

最大橋長:約104m

幅員:約4m

製造:日立製作所・神戸製鋼所・三菱ふそうトラック・バス・日立造船・今治造船・石原造船・飯作造


92式浮橋は、陸上自衛隊施設科の保有している架橋器材。
これまで使用してきた70式自走浮橋や81式自走架柱橋などの架橋器材では重量が50tの90式戦車は重量の問題で通過が不可能であった。後継装備の検討は、技術研究本部の部内研究として1983年に開始、
試作開発は1989年から行われ、1992年に制式化された。


システムは橋間橋節、橋端橋節、動力ボート(全長8.6m)、
道路マット(全長12.5m)、道路マット敷設装置から構成され、これらは7tトラックなどの車両に積載されており、機動性が高くなっている。水面に浮かべる橋節は折りたたまれて運搬車に積載され、
運搬車は水際まで自走して荷台を傾斜させることによって橋節を水面に滑り落とすことによって橋節は自動で展開し、
フロートとして機能する。


展開した橋節は動力ボートを使用して動かすことによって連結が可能で、連結された橋節に車両などを乗せ対岸まで輸送する門橋として使用する方法や両岸まで橋節(両端はスロープのついた橋端橋節、それ以外は橋間橋節)をつなぎ合わせ、水流で流されないように動力ボートを使用してバランスをとる。そして、車両が通行しやすいように道路マットを敷設装置で敷設することで浮橋として使用することができる。


システム1式には長さ約7.5mの橋間橋節が12基と約7mの橋端橋節が2基であるため最大で約104mの浮橋を設置できる。約80mの架橋作業時間は約2時間。橋節及び運搬車12両、橋端橋節及び運搬車2両、動力ボート及び運搬車7両、
道路マット敷設装置搭載車2両の計23両(ボート7隻)で1セットとなる。自衛隊特地派遣部隊の装備品の一つとして、河に展開して各種車両を向こう岸へ渡らせたりしている。





「91式戦車橋」


全長:11m

全幅:4m

全高:3.2m

重量:41t

乗員数:2名

速度:最大時速55km

エンジン:空冷ディーゼル720馬力

行動距離:350km

架設方法:油圧・水平押し出し方式

架橋長:最大20m、有効長18m


91式戦車橋は、陸上自衛隊が装備している架橋戦車である。
90式戦車、74式戦車などを通過させるための装備である。
67式戦車橋に代わるものとして1985年から開発が始まり、
1990年に制式採用された。車体重量の問題で67式(最大通過重量40t)では、90式(重量50t)の通行が不可能であったが、
91式戦車橋では通行が可能である。技術研究本部が開発を行い、製作は三菱重工業が行っている。自衛隊特地派遣部隊の装備品の一つとして、河に展開して各種車両を向こう岸へ渡らせたりしている。


74式戦車の派生型(直接的には87式自走高射機関砲の派生型で、87式と車体はほぼ共通である)であり、74式同様に可変油気圧式懸架装置による姿勢制御能力を持つ。車体上部には油圧作動式の戦車橋展開/収容装置(前部)及び支持架台(後部)を持ち、後部の支持架台上部には1対の無線アンテナと4連式発煙弾発射機が並列に2基装備されている。車体前部には架橋作業時に車体を安定させるための駐鋤とその作動装置が装備されている。
戦車橋本体は前後に分割されたものを上下に重ねる形で搭載しており、戦車橋の全長は20m、有効長は約18mである。


架橋時は懸架装置を最短縮状態として重心を下げて安定性を増した後、まず下段の橋体を前方に繰り出し、続けて上段の橋体をやや後方に移動させつつ下降させて結合し、結合させた橋体を車両前方に保持しつつ架橋位置に戦車橋を設置する。架橋作業に要する時間は5分ほどで、
収容時にはこの逆の動作を行い、同じく5分程度で撤収が可能である。なお、一連の作業は全て車内から操作可能であり、
車外での作業を必要としない。
 
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