エクリプス(機動戦士ガンダムSEED編 )
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第27話 約束の地に
Side マリュー・ラミアス
入港管制局オペレーター
「エックス・アルファ・アルファ、チャンネルオメガ・スリーにて誘導システムオンライン。シークエンスゴー。」
パル
「入港管制局より入電。オメガ・スリーにて誘導システムオンライン。シークエンス、ゴー。」
マリュー
「シグナルを確認したら、操艦を自動操縦に切り替えて、少尉。後は、あちらに任せます。」
ノイマン
「誘導信号確認。ナブコムエンゲージ、操艦を自動操縦に切り替えます。」
Sideout
Side ウィリアム・サザーランド
連合軍幹部将校A
「アークエンジェルか、よもや辿り着くとはな。」
連合軍幹部将校B
「ハルバートンの執念が護ってでもいるんでしょうかね。」
サザーランド
「ふん!護ってきたのはコーディネイターの子供ですよ?」
連合軍幹部将校C
「そうはっきりと言うな、サザーランド大佐。
だがまぁ、土壇場に来てストライクが大破と言うのは、
何と言うか、幸いであったな。」
サザーランド
「GATシリーズは今後、我等の旗頭になるべきものです。
しかしそれが、コーディネイターの子供に操られていたのでは話にならない。」
連合軍幹部将校C
「確かにな。」
連合軍幹部将校D
「所詮奴等には敵わぬものと、目の前で実例を見せるようなものだ。」
サザーランド
「全ての技術は既に受け継がれ、更に発展しています。今度こそ、我々の為に。」
連合軍幹部将校C
「アズラエルにはなんと?」
サザーランド
「問題は全てこちらで修正する、と伝えてあります。
不運な出来事だったのですよ全ては。そして、おそらくはこれから起こることも。
全ては、青き清浄なる世界の為に。」
Sideout
Side マリュー・ラミアス
アラスカ将校
「統合作戦室より、第8艦隊所属艦アークエンジェルへ通達。
軍令部ウィリアム・サザーランド大佐発。長きに渡る、激戦の労を労う。
事情聴取せねばならぬ事態でもあるので、貴艦乗員は、別命あるまで現状のまま艦内待機を命ずる。」
マリュー
「え?現状のまま、でありますか?」
アラスカ将校
「そうだ。パナマ侵攻の噂のおかげで、ここも忙しくてな。ま、とりあえず休んでくれ。」
マリュー、ナタル
「…」
Sideout
Side アスラン・ザラ
ニコル
「ニコルです。入ります。」
アスラン
「ぁぁ…、ニコル。」
ニコル
「そのままでいいです。」
アスラン
「ニコル…無事で…。」
ニコル
「いや、ストライクに切られた時は、走馬燈が見えましたよ。
あははは…。」
アスラン
「それで僕達はどうなった…。」
ニコル
「はい、イザークとディアッカも機体を大破させられ、母艦も推進装置が破壊され、
全員ミスリルの捕虜です。
今はエクリプスの救難船でカーペンタリア基地に移送中です。
基地到着には1週間程との事です。」
アスラン
「ぁぁ…」
ニコル
「モラシム隊も捕虜になっていて、この救難船に収容する為に時間が掛かるみたいです。
それで私物を返して貰ったので、アスランの分を持ってきました。
暇でしょうから、オーブに潜入した時に買ったVR機でもって…。」
アスラン
「イザークとディアッカは…?」
ニコル
「ミスリルが撮影した戦闘映像をコピーして貰って、検証しています。
でも不思議ですよね。敵に映像を渡すなんて…。
僕も見ましたが、あそこまでストライクのポテンシャルを引き出すなんて…。」
アスラン
「コウキ…。」
ニコル
「ストライクのパイロットを知っているんですか?」
アスラン
「多分、コウキ・イチジョウだ。」
ニコル
「あのミスリルの…。」
アスラン
「ああ、そう聞いている。
僕の応急処置も彼がやったと聞いた。」
ニコル
「でも彼は、足つき擬きのパイロットでは?」
アスラン
「バルキリーと言うらしい。
離れ小島に遭難した時に彼に会った。」
アスランは遭難した時の話をニコルにした。
…
ニコル
「あの時、そんな事が…。」
アスラン
「彼には格闘戦でも、手も足も出なかったよ。
あえて戦闘映像を渡したのもザフト軍への情報操作の一貫だろうね。」
ニコル
「そんな…。」
アスラン
「プラントでも彼と会っている。
彼は、いやミスリルは、この戦争の禍根を取り除こうとしている様に思う。」
ニコル
「…」
Sideout
Side キラ・ヤマト
キラ
「こ…こ…は…」
ラクス
「お解りになります?」
ハロ
「ハロ!ゲンキ!オマエ、ゲンキカ?」
キラ
「ラクス…さん…」
ラクス
「あらー。ラクスとお呼び下さいな。キラ。でも、覚えていて下さって嬉しいですわ。」
ハロ
「マイド!マイド!」
マルキオ
「彼が目を覚ましたのですね?」
ラクス
「はい!マルキオ様。」
マルキオ
「驚かれたのではありませんか?このような場所で。
ラクス様が、どうしてもベッドはここに置くのだと聞かなくて。」
ラクス
「だって、こちらの方が気持ちいいじゃありませんか、お部屋より。ねぇ?」
キラ
「僕は…」
マルキオ
「貴方はコウキ・イチジョウ氏に連れられて、私の元へ御出でになった。」
キラ
「あぁ…。」
マルキオ
「そして私がここへお連れしました。」
キラ
「…どう…して……どう…して…僕?」
マルキオ
「貴方はSEEDを持つ者。故に。」
キラ
「あぁ、睡眠薬を貰った…。」
ラクス
「キラ。」
ハロ
「テヤンデー。」
ハロ達
「「ハロハロ…」」
ラクス
「貴方は平和のためにミスリルに入ったのですね。」
キラ
「…」
ラクス
「違いますか?」
~~回想~~
光輝
「しかし、与えられた平和では意味がない。
自分達の手で掴み取った平和でないと意味がないのだ。」
キラ
(自分達の手で掴み取った平和…)
~~回想終了~~
キラ
「あぁ…。」
Sideout
Side シーゲル・クライン
パトリック・ザラ
「オルバーニの譲歩案など、今更そんなものを持ち出してどうしようと言うのです。
スピットブレイクは既に可決されたのです。」
クライン
「私とて無論、これをこのままと言うつもりはない。
だが戦えば、必ず犠牲は出る。回避できるものなら、その方が良いではないか。」
エザリア・ジュール
「だからと言って、こんな愚にも付かぬ講和条件が飲めるものか!彼らは、勝った気でいるようではないか!」
アイリーン・カナーバ
「はじめから突っぱねてしまっていては、講話への道などない!」
ヘルマン・グルード
「この時期にこんなもの!下手な時間稼ぎですよ。」
エザリア
「オルバーニとて、理事国側全ての意向を纏め上げている訳ではなかろう?話し合うと言っても、それではな!」
議員達は騒いでいる。
クライン
「では、我々は今後言葉は全て切り捨て、銃のみを執っていくと言うのかね?そのようなものか我々は!」
ザラ
「クライン前議長殿、それはお言葉が過ぎるでしょう。
貴方は既に議員も辞めておられる。
我々は総意で動いているのです。個人の感情のままの発言はお控えいただきたい。」
クライン
「失礼した。」
ザラ
「貴重なご意見の提示は有難く受け取らせて頂く。
が、あとは我等、現最高評議会が検討すべきこと。
使者として来られたマルキオ導師には、私からも礼をと。」
クライン
「伝えよう。先を見据えた正しき道の選ばれんことを。」
Sideout
Side ラウ・ル・クルーゼ
クルーゼ
「アラスカは、核の直撃にも耐えうる構造を持つと言われている。
尤も今は使えんし、ザフトは使うつもりもないがね。
叩くには、グランドフォローと呼ばれる内部に進攻するしかないが、それもまた至難の技だ。
不用意に手は出せんところだがな。アラスカの情報は、我等は常に手にしておかねばならん。
が今回のこの偵察も、特務故守秘義務が課せられている。誰かに冒険譚を聞かせたくとも戦後まで待てよ。」
ザフト兵達
「はっ!」
クルーゼ
「情報というのはどこから漏れるか分かったのもではないのでね。」
Sideout
Side マリュー・ラミアス
アラスカ将校
「統合作戦室。」
マリュー
「第8艦隊所属艦アークエンジェル、当艦への指示についてお伺いしたい。」
アラスカ将校
「貴艦への指示は、全てサザーランド大佐より発令されます。」
マリュー
「では、大佐に繋いでいただきたい!」
アラスカ将校
「大佐は、現在会議中です。通信はお繋ぎできません。」
マリュー
「くっ!こちらには、ハルバートン提督の指示書がある旨も報告してあるはずです!それに対してすらまだ…」
アラスカ将校
「貴艦への指示は依然、現状のまま艦内待機です。現在はそれ以上申し上げられません。」
マリュー
「うっ…」
Sideout
Side ムウ・ラ・フラガ
整備員A
「しっかしいつになったら出んのかね、上陸許可。」
整備員B
「本部基地内で五日も出ないってのはめずらしいな。」
整備員C
「でも、仕事してろって言われてもなぁ、スカイグラスパーしかねぇんじゃなぁ。」
フラガ
「スカイグラスパーをいつでも出れるように、万全にして置くんだ。
何か嫌な予感がする。」
マードック
「少佐、嫌な予感ですか…。
お前らキッチリ整備しとけよ!」
Sideout
Side マリュー・ラミアス
サザーランド
「明日から、第8艦隊所属艦アークエンジェルのこれまでの軍務について査問を行う。」
マリュー、ナタル
「は!」
サザーランド
「マリュー・ラミアス少佐、ムウ・ラ・フラガ少佐、ナタル・バジルール中尉は明0700、こちらへ出頭したまえ。」
ナタル
「…」
マリュー
「…」
Sideout
後書き
査問まで書こうと思いましたが、短いですがここでアップします。
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