ドリトル先生の名監督
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第十二幕その七
「同じ頃の広島もよかったって言ってるよ。ヤクルトは平成になって古田選手がいた頃が強かったらしいね」
「ううん、それぞれのチームでなんだ」
「強かった時代があって」
「その強さを観るのも楽しい」
「そうなんだね」
「そう、ただ彼は巨人嫌いだから再現していないらしいよ」
このチームだけはというのです。
「優勝した時の横浜や日本一になった時の中日も再現したらしいけれど」
「じゃあ阪神は?」
「阪神タイガースは?」
「何時強かったの?」
「それで」
「阪神は昭和六十年だって言っててね」
それでというのです。
「その頃を再現してるよ、その強さはね」
「どんなのなの?」
「南海よりも強いの?昭和三十年代の」
「九十年代の西武よりも」
「どうも甲乙つけ難いみたいだよ」
その頃の阪神の強さはというのです。
「打つだけじゃなくて守備もよくてね」
「ふうん、そうなんだ」
「阪神は昔にも強かった時期あるんだ」
「今は三連覇してるけれど」
「その頃みたいになんだ」
「阪神が強かった時代があったんだね」
「その強さは一時期だけだったけれど」
昭和六十年だけのです。
「物凄く強かったらしいね」
「じゃあ大鵬さんみたいにだね」
笑ってです、チーチーがこんなことを言いました。
「その頃の阪神強かったんだね」
「じゃあこうなるかな」
ジップも陽気に言います。
「阪神、卵焼きでね」
「そして大鵬さんだね」
ダブダブはジップに続きました。
「そうなるね」
「そっちの方がずっといいね」
トートーもお顔をにこりとさせています。
「阪神、卵焼き、大鵬の方が」
「巨人なんて何処がいいのかしら」
ポリネシアも巨人が嫌いです。
「全然いいことないじゃない」
「阪神は絵になるのよ」
ガブガブは阪神のよさを指摘しました。
「何があってもね」
「だから巨人よりも阪神だね」
ホワイティが阪神で言うことはというと。
「虎だから干支でね」
「そうそう、干支なんだよね」
老馬も干支です、馬なので。
「阪神はね」
「そう思うと余計に親しみ沸くね」
「私達は干支には入ってないけれど」
チープサイドの家族は雀なので入っていません。
「干支だしね、虎は」
「そのことも親しみ持てるわ」
「少なくとも阪神の方がずっといいね」
「巨人なんかよりも」
オシツオサレレツは二つの頭でお話します。
「だから阪神、卵焼き、大鵬」
「これがいいね」
「僕もそう思うよ、まあ阪神は長い間大して強くなくて」
だから長い長い間優勝出来ませんでした、そして巨人が優勝を独占するという誤った歴史が続いていたのです。
「当時の子供達はそうも思ってなかったけれどね」
「大鵬さんはいいけれど」
「巨人なんか応援したらね」
「あのチームは子供の教育にも悪いし」
「悪いことをして勝つチームだから」
「そう、悪いことをするチームが子供に人気があったらね」
それこそと言う先生でした。
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