ドリトル先生の名監督
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第十二幕その二
「あとちゃんこ鍋ですね」
「はい、美味しかったです」
「ちゃんこ鍋を食べて」
「そしてですね」
「強い力士を育てますし」
「そうですね」
「そうでなくても素晴らしい栄養があるので」
それでというのです。
「力士でなくてもです」
「食べていいですね」
「先生もこれからも食べられて下さい」
「そうさせてもらいます」
「ではこれからは」
「はい、時々食べさせてもらいます」
こう親方に言う先生でした、そして。
先生は臨時顧問、監督を辞めました。すると先生はご自身の研究室で少し寂しそうに笑って言いました。
「ううん、終わるとね」
「寂しいっていうんだね」
「顔に書いてるよ」
「そうね」
動物の皆が先生に言います。
「先生も楽しんでだしね」
「監督としての指導ね」
「それをね」
「うん、皆が怪我をせずにスポーツマンシップを守ってね」
「楽しくだね」
「出来る様にだね」
「考えていてね」
そして実際にそう指導していました。
「神経も使ったけれど」
「楽しかったから」
「終わるとだね」
「寂しいんだね」
「どうしても」
「うん、寂しいね」
実際にそうだというのです。
「どうにもね」
「まあね、はじめてだったしね」
「色々考えてやってたし」
「それがなくなるとね」
「やっぱり寂しいよね」
「そうなんだ、けれどね」
それでもとです、先生は皆に言いました。
「今回はいい経験だったよ」
「先生にとってね」
「そうなったね」
「全くだよ、スポーツはしないし」
本当にこれまで縁のなかった先生です。
「監督やコーチをするなんてね」
「これまでだよね」
「一回も考えたことなかったよね」
「そうしたことをするなんて」
「それこそ」
「うん、そうだったからね」
それがというのです。
「予想もしていなかったし」
「けれどそれでもね」
「それが出来て」
「だからだね」
「満足してるんだね」
「何だかんだで」
「そうだよ、それとね」
ここでまた言った先生でした。
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