| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

レインボークラウン

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第三百七十八話

           第三百七十八話  華奈子が言うこと
 華奈子は美奈子にあらためてこう言った。
「あたし達双子でね」
「それはもう言うまでもないんじゃ」
「いや、双子のせいで髪型は違うけれど」
 そこは違う、華奈子は短く美奈子は長い。
「けれど顔は同じで身長も体重もね」
「同じね」
「ずっとね、お肌の色もどうもスリーサイズも」
 それもというのだ。
「外見はそっくりでしょ」
「双子にはよくあることよね」
「だからあたしが大きくなったら」
「私もなの」
「そうならない?」
「そうなるかしら、私は別に」
 身長はとだ、また言う美奈子だった。
「欲しくないから」
「一七〇までなくていいの」
「そこまで大きくならなくてもいいんじゃないかしら」
「あたし的にはそこまで欲しいの」
 華奈子はというのだ。
「もっとね」
「背が高い人が好きなの」
「胸も欲しいし」
 そちらもというのだ。
「モデルさんみたいな体型になりたいの」
「だから牛乳飲んでるのね」
「味も好きだけれど」
 牛乳のそれ自体もというのだ。
「スタイルよくなりたいから」
「飲んでるのね、最近熱心に」
「そうよ、けれど双子でも身長が違うとか」
「やっぱりあるんじゃないかしら」
「そうかしら」
「私達もそっくりだけれど」 
 それでもというのだ。
「それが違ってくるのかしら」
「そうなるかしら」
「どうなるのかしら」
「ううん、あたし達って同じものを同じだけ食べてるけれど」 
 美奈子はこのことから考えて言った。
「それじゃあ身長も体重もね」
「やっぱり一緒のままかしら」
「外見が違う双子の人っているかしら」
「聞いたことないわね」
 華奈子はこう返した。
「ちょっと」
「どうなるのかしら」
「今は殆ど同じだけれど」
「一体」 
 二人はこのことについてどうなるかと考えだした、それは二人にはまだわからないことだった。だが華奈子の願いは美奈子にもわかった。


第三百七十八話   完


                          2016・9・15 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧