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詩集「棘」

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冬を待つ…



何を待ってるんだろう?
約束もない君…
不意に降り始めた秋雨は
胸の奥へと落ちてゆく…

仄かな雨の匂い…
冬の気配が忍び寄る
冷えてく秋の夕暮れに
砕けた想いが震えだす…

冬を待つ…ただ暮れゆく世界
鈍色の陽射しに貫かれ
どこまでもただ朽ちてゆく…
君を待つ…静かな黄昏も
きっといつしか…
古い記憶(アルバム)で色褪せて…


時は流れゆくだけで
与えてはくれない…
一緒に居たいと願うなんて
君にとっては迷惑で…

微かな風の音…
梢から零れた陽射し…
どこか遠くへと誘って
君の元へ翔べる気がした…

冬を待つ…掠れゆく夕べに
ひっそりと鳴く秋虫達は
何を求めて彷徨うの?
影もなく…この寂しい宵に
搦め捕られて…
そっと君の中から消えてゆく…


冬を待つ…この黄昏た空
星影だけが無慈悲に光る
祈ることさえ今はもう…

冬を待つ…ただ暮れゆく世界
鈍色の陽射しに貫かれ
どこまでもただ朽ちてゆく…
君を待つ…静かな黄昏も
きっといつしか…
古い記憶(アルバム)で色褪せて…



 
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