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エクリプス(機動戦士ガンダムSEED編 )

作者:cipher
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第06話 敵軍の歌姫(前編)

Side ミリアリア・ハウ

ミリアリア
「どう、似合う?」

トール
「すごく似合っている。
ミスリルの軍服は格好いいよなぁ。階級章もくれたけどデザインもいい。」

サイ
「基本8時間勤務で残り学習時間だそうだ。」

トール
「みんなはいいよな。俺だけ整備兵だ。」

カズイ
「仕方ないよ、オペレータの数決まっているから。」

サイ
「トールはメカを扱う方が合っている。」

ミリアリア
「コウキさん適材適所に配置してくれているわよ。」

サイ
「キラは大変だよな。モビルスーツの訓練だもな。」

ミリアリア
「外に出て戦う事になるわ。
でもモビルスーツを操縦出来るのキラだけだもん。」

サイ
「入ります。
交代に来ました。」

皆は環境に入った。

フラガ
「おぉカッコ良いね。
見た目はいっぱしの軍人だ。
デザインは地球軍やザフト軍より良いな。」

マリュー
「キラ君は?」

サイ
「コウキさんの下でモビルスーツの訓練しています。」

マリュー
「そう、それでは交替お願い。
クルーを休ませる必要があるから。」

ナタル
「クルーのスケジュール表を見たけれど、完璧ですね。
きっちりと負荷分散出来ています。」

マリュー
「でも穴埋めにコウキさんは働き尽くめよね。」

フラガ
「でもあいつの事だからそこも計算付くだろう。
魔法で修理したメビウス・ゼロを試運転したけど、最高のコンディションだった。」

Sideout



Side キラ・ヤマト

キラ
「これ難しいです。やっと80点取れました。」

光輝
「根の詰め過ぎだ。
みんなが働いてるから、役に立ちたいのは分かるが、休息も必要だ。
ちょっと散歩に行こう。」

キラ
「え、散歩。」

光輝
「艦長、キラを息抜きに外に連れ出したい。
バルキリーの発進許可を貰いたい。30分で戻る。」

マリュー
『発進を許可します。』

光輝
「艦長の許可を得た。
キラ君に運転してもらおう。
キラ君はバルキリーの前部座席に私は後部座席に搭乗する。
ナビゲートするから安心して、シミュレーション通りに操縦するんだ。」

キラと光輝はバルキリーに乗り込んだ。

Sideout



Side マリュー・ラミアス

マリュー
「メサイア、発進準備!」

トノムラ
「メサイア、発進位置へ!
カタパルト接続。システム、オールグリーン!」

ミリアリア
「キラ!」

キラ
『ミリアリア!』

ミリアリア
「以後、私がモビルスーツ及びモビルアーマーの戦闘管制となります。よろしくね!」

トノムラ
「よろしくお願いします、だよ。」

キラ
『はは。
キラ・ヤマト、コウキ・イチジョウ!メサイア!行きます!!』

ナタル
「キラとコウキの発進許可を出したのですか?」

マリュー
「コウキさんの頼みよ。何か考えがあるんでしょう。」

光輝
『今からステルスのテストを行う。
機影をロストするが30分で戻る、安心してくれ。』

Sideout



Side キラ・ヤマト

光輝
「キラ君、フォールドブースターのテストを行う。」

キラ
「ステルスじゃないんですか?」

光輝
「いや、こちらの機影が消えたら心配するだろう。
それにフォールドの事は、まだ秘密だ。
目標、火星。
目標座標はこちらで設定する。
キラ君は手順通り操作しろ。
フォローはする。」

キラ
「…。
はい、分かりました。
フォールドブースター始動します。
目標、火星。」

キラと光輝はフォールドした。

キラ
「これが火星…。
本当にフォールドしたんですね。
それに加速感も感じませんでした。」

光輝
「慣性制御のおかげだ。
君には宇宙の広さも実感してもらいたいからね。
ほらあそこを見てごらん。」

モニター画面が地表の1点を捉えて、拡大していく。

キラ
「多くの船とモビルスーツが見えます。」

光輝
「ミスリルの地下基地を建設しているんだ。
火星は人類未着手の場所だかれね。
資源取り放題だよ。」

キラ
「取り放題って、ミスリルの組織の大きさに驚いています。」

光輝
「木星の軌道上ではヘリウム3の採取プラントも開発中だ。
私達は放射能の危険がある核分裂を使わない、核融合を使う。
月面は地球軍の管轄だから下手に手を出せない。」

キラ
「ミスリルってプラントの技術より進んでいるでしょう。」

光輝
「プラントがここまで辿り着けるには100年でも足りないかな。」

キラ
「100年!」

光輝
「寿命とAI(人口知能)の問題がる。
コーディネイターが頭が良くても研究には時間が掛かる。
我々はAIを駆使して研究をやっているからね。」

キラ
「…僕をミスリルへ入れてもらえますか?」

光輝
「君にはオーブに作る予定のエクリプス社に入社して貰いたい。
君は戦いはいやだろう。
キラ君は両親はナチュラルだ、コーディネイターをどう思う。
必ずしも幸福だと思っていない。
人より出来るからいろんな作業押し付けられていないかなぁ。
君は友達とも無意識に一線を引いている。
頼られても、自分から頼っていないだろ。
君が本当に頼れるナチュラルは両親だけだ。
カレッジも卒業していない。
君にはナチュラルとコーディネイターの架け橋になってもらいたい。
ナチュラルを差別していない君だから出来ると思う。
オーブの為でもある。
時間はある。ゆっくりと考えなさい。
進路の事だから両親と相談するんだよ。
君は親にも甘え足りないよ。」

キラ
「分かりました。考えてみます。」

光輝
「困ったことがある時は私に相談すると良い。
アスラン・ザラの事も。」

キラ
「アスランの事、知っているのですか?」

光輝
「君がモビルスーツに乗る前に敵をアスランって呼んでいただろ。
クルーゼ隊にアスランは、アスラン・ザラだけだ。」

キラ
「はい、月の幼年学校で幼馴染みでした。
僕のトリィもアスランがくれた物です。」

光輝
「心を寄せる事が出来る。唯一人の友達だろ。
殺さないように戦って上げるよ。
彼は優しい性格なのだろ。」

キラ
「ありがとうございます。」

光輝
「何のこれしきの事、問題ない。
それより辛かったね。
誰にも相談できなくて。」

キラ
「はい。
でもどうして、そこまで…。」

光輝
「君は部下だし将来エクリプス社の期待の新人だ。
今から青田刈りをしておくのも我々の利益になる。」

キラ
「ぷっ!」

光輝
「少しは悩みも晴れたようだ。
ところで80点を超えたなら何となく君の能力が理解出来たかな。」

キラ
「妙に冷静になって集中力が増すような感覚です。」

光輝
「それが『SEED』の能力だよ。」

キラ
「SEED?」

光輝
「Superior Evolutionary Element Destined-factor=「優れた種への進化の要素であることを運命付けられた因子」の頭字語だ。
学会誌に取り上げられた事がある。
普通は切れたりすると発動する。
火事場のバカ力、命が危険な時に普通リミッターを掛けているけど、それが解除される。
因子を持つ者はそれをある程度コントロール出来る様になる。
そこまで辿り着いたら90点を出せる。
最初に踏み込んだのは撃墜されようとした時だろ。」

キラ
「はい。
コウキさんも出来るんですよね。」

光輝
「自由にね。ただ欠点が合ってリミッター解除すると体に負荷が掛かる。
酷く疲れるよ。
これからは肉体のトレーニングもしよう。
リミッター解除の時間が伸ばせる。
今の君でもザフトの赤服より強い。
でも安心するなよ。戦場では何が起きるか分からない。
ガンダムでの出撃は許可するが警戒任務と訓練だけだ。
ガンダムでの訓練は耐Gスーツを着て行う。
EX-ギア(エクスギア)を装着出来れば問題ないのだが、
借り物のストライクを改造出来ない。
EX-ギア(エクスギア)を改造して、キラ君用のパイロットスーツを用意した。
アークエンジェルに戻ったら渡そう。
そろそろ帰投時間だ。
目標座標はセットしてある帰投しよう。
着艦までが練習だ。がばれよ。」

キラ
「はい、分かりました。」

Sideout



Side マリュー・ラミアス

光輝
「入ります。ただいま帰投しました。」

マリュー
「お帰りなさい。」

フラガ
「突然消えるなよ。ステルスと言っても熱源まで消せるか?」

光輝
「初期噴射の後、当然エンジンは切って慣性航行している。」

事情を知るキラだけは、薄笑いしている。

フラガ
「あれじゃ、レーダーで探せないだろう。」

光輝
「地上ではニュートロンジャマーの影響でレーダー精度が落ちるだろう。
もっと、光学系のセンサーを発展させろよ。
熱源センサーに頼るな。
『GAT-X207 ブリッツ』にはミラージュコロイドも付いているんだぞ。」

マリュー
「何でそれを!」

光輝
「何の為に人質解放を24時間にしたと思う。
敵艦に潜入したに決まっているだろう。ミスリルの技術力をなめるなよ。
勿論、外装にマーカーを付けている。
修理で外装交換でもしないと、外せないぞ。
因みにアークエンジェルには付けていないから安心しろ。
そんなの顧客に付けたらミスリルの信用を失う。」

「「…。」」

光輝
「但し、学習システムには付いている。
リモートで自壊するが爆発しない。
所謂、盗難防止だな。」

フラガ
EX-ギア(エクスギア)にも付いているのか?」

光輝
「当然だ。お前くすねようと思っただろう。
諦めろ、EX-ギア(エクスギア)を元にザフトのパイロットスーツの技術を利用して、
新しいパイロットスーツを開発している。
宇宙での運用技術は地球軍よりザフトの方が優れているからな。
EX-ギア(エクスギア)の様に滑走や滑空は出来ないが、
短時間なら地上でも飛行出来るぞ。それで我慢しろ。
設計図も付けるから壊れても修理出来る。
ただ見せびらかすなよ。上官や他のパイロットに取られるぞ。」

フラガ
「はいはい。」

光輝
「艦長、パイロットスーツの設計図、硬化剤とそのロケット弾の設計図、アークエンジェルとモビルスーツの問題点。
以上の資料を渡して置く。技術屋なら興味あるだろう。
代わりにキラ君にモビルスーツでの訓練と実弾を使わせたい。許可して欲しい。」

光輝は話ながらデータディスクをマリューに渡す。
マリューは早速、内容を確認する。

マリュー
「ちょっと待って。目次だけでも凄いわ。」

ナタル
「そんなにですか?」

マリュー
「えぇ、アークエンジェルは新造艦だから、運用データが少ないのよ。
これだけ指摘されるとは思わなかった。」

光輝
「これでも少ない方だ、攻撃力は上げていない。
それにそれらのほとんどはナスカ級とジンのデータを元にしてある。
硬化剤だけは独自技術だな。
テーマはECO(エコ)だな。
硬化剤は水を掛けるとほらっキレイに分解!環境にやさしい。おくさんどうですか?
今1パックお買い上げ頂くともう一つ付いてきます。お値段はなんと4,980。」

「「わっはっは!」」

フラガ
「通販番組かよ!」

光輝
「突っ込みが古い。
ザフト軍や地球軍を強くしてどうする。
死の商人と呼ばれたくないぞ!
ミスリルの商売は、護衛や防衛だ。
敵は出来るだけ殺さず無力化する。
敵を作らないように心掛けている。
処世術だ。理想主義と言われるかもしれないが、仲間の犠牲を出さない為には必要な事だ。
敵であっても家族が殺されたらどう思う?」

マリュー
「そうね…。考えさせられるわね。
良いでしょう。貰い過ぎの気がするけど、キラ君の訓練はコウキさんに任せるわ。」

光輝
「ありがとうございます。
キラ君、私の哨戒任務まで休憩だ。
パイロットは休むことも任務だ。コンディション調整をしっかりとね。」

光輝とキラは艦橋を出て行った。

フラガ
「ボウズ笑える様になったな。」

マリュー
「バルキリーの中で二人で話し合ったのでしょう。
今の訓練前まで緊張感で張り詰めた感じが、消えているもの。
コウキさんはまるでキラ君の父親みたい。」

ナタル
「コウキ殿は理想の上司でしょう。」

ナタルはこれ以降、光輝を殿付け呼ぶようになった。
ただ本人は尊敬心が芽生えた事を知らない。

Sideout



キラ達の休憩が終わった。
何故かキラの初実戦訓練は公開演習となった。



Side マリュー・ラミアス

マリュー
「ストライクの初の実戦訓練だわ。
キラ君がどれ程上達したか楽しみね。」

ナタル
「コウキ殿はザフト軍のエリートレベルと言ってましが。」

フラガ
「俺が採点してやろう。
あっ始まるみたいだ。」

光輝
『キラ、緊張せずにシミュレーターのつもりで気楽にやろう。』

キラ
『はい、コウキお願いします。』

マリュー
「あら呼び捨て?」

ミリアリア
「はい、ミスリルでは戦闘訓練時は呼び捨てかコード名を使うそうです。
任務中はコード名しか使わないのが原則です。
コウキさんのコード名はゼロ。
キラはモビルスーツ搭乗時にのみコード名はガンダムだそうです。
何でもストライクの起動画面の頭文字を繋げるとガンダムらしく、
キラがモビルスーツをガンダムと呼んでいたのでコード名となったそうです。」

フラガ
「地球軍でもチーム名に番号を付けるな。
戦闘時は一々敬称付けない、上官も階級や役職だもんな。
げっ!最初から全力かよ。」

ミリアリア
「キラの的の的中率100%です。」

「「100%!」」

フラガ
「コウキも攻撃始めやがった。」

「「…。」」

ミリアリア
「キラの的中数上がって行きます。
キラ、右足小破3。」

フラガ
「待て、今のはコウキの後ろに的があるんだぞ!バルキリーの影になって的は狙えないはずだ。」

ミリアリア
「間違えありません。キラの的への的中数が上がっていますがバルキリー被弾数0です。」

フラガ
「確かにコウキのシミュレーションでは被弾0でジンを50機落としたがジンは実体弾だ。
ストライクはビーム兵器だぞ。撃ってからでは避けられない。
まさか、あいつ紙一重で避けているのか?」

マリュー
「コウキさんが銃相手でも素手で戦えると。」

ミリアリア
「両方とも的中数加速しています。」

フラガ
「まだ全力でなっかのかよ。」

「「…。」」

全員、言葉が出ない。

ミリアリア
「ストライクがライフルを上に掲げました。
訓練は終わった様です。」

フラガは艦橋飛び出した。

ミリアリア
「両機とも帰投するそうです。」

マリュー
「コーディネイターが凄いのかコウキさんの訓練が凄いのか?」

ナタル
「両方だと思います…。」

Sideout



Side ムウ・ラ・フラガ

フラガが格納庫に付くとキラが整備兵に揉みくちゃにされていた。
フラガはストライクを点検している光輝を見つけて歩み寄る。

フラガ
「コウキ、なんだあの訓練は!」

光輝
「大きな声を出すな!。点検中だ。」

フラガ
「見事に右足の関節ばかりだな。」

ストライクの膝関節がペイント弾で赤く染まっていた。
そこにキラが駆け寄ってきた。

キラ
「はぁはぁ。」

光輝
「キラ君頑張ったな。目標の30発。
被弾12、避けそこなったのが2、避けたのが5、未発射11。
後半は特に良かった。バッテリー残量も合格。
これなら85点ぐらいだ。」

フラガ
「85点!厳しくないか?」

光輝
「キラ君のシミュレーターは、やっと前回80点を超えたばかりだぞ。
初めての耐G訓練にしては、上出来だ。
的中率100%だったし。」

フラガ
「てめぇ何やった!」

光輝
「紙一重で避けたよ。
大きく避けたら的になるだろう。
人間は下への反応が遅れる。
実弾だと反動で余計に反応が遅れる。
地上だと飛行ユニットでもない限り、上にジャンプすると只の的だ。
それに対モビルスーツ戦の模擬戦だぞ。
全速力出したら意味ないだろう。
それとも実践訓練で対複数戦やるか?君と一緒に。
ストライクに模擬弾はないから、開始10秒で撃墜されるぞ。
それが嫌ならキラ君同様にシミュレーターのメビウス・ゼロで、
強奪されたモビルスーツを相手に訓練するんだな。
安心しろキラ君はザフトならエース級だ。
1対1なら赤服にも勝てる。」

フラガ
「全然安心出来ない。
くそっ。俺も訓練する。」

フラガはシミュレーターの方に走って行った。

光輝
「整備終わったら艦橋に向かおうか?」

キラ
「僕も手伝います。」

光輝
「大丈夫だ。」

光輝は魔法でペイントと消耗部品を治した。

光輝
「キラ君はストライクの整備、履修終わってないだろう。
それに今回の訓練データで部品毎の損耗率も分かった。
学習システムにアップして置いたからチェックだけはして置く様に。
優れたパイロットは機械に優しい操縦をする。
連戦で整備が間に合わない時に故障したら命に関わるからね。
体と一緒だ。危険な時に全力で動けるように全力は取っとこう。
マラソンでも最初から全力で走ったら、最後まで持たない。
訓練はその為にある。バッテリー切れまで戦える状態をキープするんだ。
それが出来れば90点に速くたどり着く。
それ以上はストライクの機能である。空中換装かな。
但し、長時間訓練はまだ出来ないよ。
それは肉体訓練でじっくり体力と集中力高めていかなければね。」

Sideout



整備兵達は手を止め光輝達の話に耳を傾けていた。
実際のところ光輝が直したので整備する機体はない。
今のところ彼らはキラの訓練の合間に分解と組み立てを繰り返すだけだった。
勿論、光輝のスケジュール通りに腕や足の交換など課題が与えてられて、目標タイムが指示されていた。
決して暇ではない。ただ肉体労働なので時間は他のクールよりは短い。
その分、学習時間はたっぷり取ってある。


Side マリュー・ラミアス

光輝
「入ります。報告に来ました。」

キラが入ると歓声が沸いた。

ミリアリア
「凄かったわよ。」

サイ
「本当に凄かった。」

仲間達や他のクールからも声がかかった。

光輝
「キラ君、そこは喜んでいいんだぞ。目標を高く持つ事は良い。
だが訓練の結果は君が一生懸命努力した結果だ。
君の努力は私が一番しっている。
完敗だよ。」

マリュー
「あれ、でも被弾していないじゃない。」

光輝
「目標とした命中率だ。
キラ君の努力が私の予想より上だった。
師が弟子に負けてどうする。
師匠は弟子の目標でなければいけない。」

マリュー
「分かったわ。
コウキさんとキラ君だけ、フラガ大尉と一緒じゃないの。」

光輝
「あいつは、話した後にシミュレーターの方に走って行った。
キラ君の戦闘に触発されたか先輩のプライドか?
まあこれで訓練に身が入るだろう。」

マリュー
「ハッパを掛けたのね。」

光輝
「正解だ。
ストライクの損耗データを学習システムに送ってある。チェックして置いてくれ。
あくまでエース級のコーディネイターの実力だ。一般的なナチュラルの損耗率は推測値だ。
もう少し統計が欲しい。
月面に着くまでにはキッチリとまとめて置く。今の訓練データは見せられないからな。」

マリュー
「確かにそうね。いろんな意味で。」

光輝
「お礼を言って置く。
ミスリルにも秘密がある。記憶だけにしまって置いてくれ。
…。
そろそろ目標地点だ。
速度を落としてくれ、これから先はデブリベルトに近づく。
障害物の危険性がある、監視を厳に。
迎えのバルキリーが距離1000のところにいる。
ステルスを解いてエンジンを噴かせたから、そのバルキリーの後を追え。
TDD-1型トゥアハー・デ・ダナンまで誘導してくれる。」

マリュー
「みんな聞いたわね。指示に従って。」

「「は!」」

Sideout



無事にアークエンジェルはトゥアハー・デ・ダナンと合流した。
早速、補給作業を開始する。



Side テレサ・テスタロッサ

「コウキご無事何よりですわ。」

『それで成果は?』

「アルテミスの情報は抜き取りました。
独立魔装大隊の藤林(ふじばやし) 響子(きょうこ)少尉と大黒(おおぐろ) 竜也(りゅうや)司波(しば) 達也(たつや))特尉おかげです。」
情報はオモイカネに入っています。」

『ご苦労。
それらの情報を調べた上で作戦案を修正する。
それまで交替で休憩してくれ。』

「了解!」

Sideout

 
 

 
後書き
歌姫の登場は次回の予定です。 
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