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Blue Rose

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第二十八話 長崎での生活その四

「学校ってそういうこと隠すみたいだから」
「というか隠すのよね、学校って」
「そうそう、隠すからね」
「こうした話はネットで言わないとね」
「何の効果もないのよね」
「ネットがない時代だと」
 どうだったのかをだ、優花は察した。
「誰も何も言えなくて先生が悪いことをしても隠されていたのね」
「それでセクハラも暴力もやりたい放題でね」
「もう無茶苦茶だったみたいね」
「悪いことしても捕まらないなんてね」
「普通の会社じゃないからね」
「ネットが出来てよかったわ」
 優花もここでしみじみとなって言った。
「私のいた学校でも変な先生いたけれど」
「そこまで変な先生いなかったのね」
「セクハラするみたいな先生は」
「それはいいことね」
「うちの学校も今はいないけれどね」
 そうした悪質な教師はだ。
「有り難いことに」
「そうした先生はいないわ」
「本当にすっきりしたから」
「私達も安心出来るわ」
「悪い先生がいても泣き寝入りなんかしなくて済むから」
「あっ、それ言われたわ」
 優子を姉として言おうとしたところでだ、優花は心の中で気付いてそのうえでこれからはこう言わないとと思いつつ言った。
「従姉のお姉ちゃんにね」
「泣き寝入りするなって?」
「こうした時は」
「動けって言われたのね」
「教育委員会とかに言って」
「特にネットで」
「警察にも言えって言われたわ」
 実際に優子は優花に言っていた、問題のある教師はそうした対応をして容赦なく懲戒免職にでも何にでももっていけと。
「泣き寝入りは絶対に駄目だって」
「やっぱりそうよね」
「蓮見さんの従姉のお姉さんいいこと言うわ」
「そうあるべきよ」
「自分で動かないとね」
「そう思ったから」
 優花自身もだ。
「私もそうしたいわ」
「そうそう、泣き寝入りが一番駄目よ」
「それは相手を付け上がらせるだけだから」
「面と向かってやれないならね」
「そうして動けばいいのよ」
「ネットは変な人も多いけれど」
 某巨大掲示板にはとりわけ見られたであろうか、無法な行いをする者もままにしている。所謂ネチケットを守らない輩だ。
「それでも使い方次第ね」
「そうそう、ネットはそれよ」
「使い方次第よ」
「よく使えばいいことになるから」
「そこは気をつけてね」
「そうよね、やっぱりね」
 優花の口調は今はしみじみとしていた。
「私もネットはするけれど」
「学校の裏サイトあったら気をつけてね」
「大抵それって掲示板にあるけれどね」
 その某巨大掲示板だ、テレビで一時期批判されていたが実像はそうしたものだった。テレビはとりわけネットを嫌うせいかこうした報道も為される。
「女の子同士って陰で書いたりもするから」
「多分うちの学校のサイトもあるわよ」
「けれどあっても気にしない」
「見てもね」
「やっぱりね」
 優花はまた言った。 
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