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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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265部分:第三十七話 砂漠においてその五


第三十七話 砂漠においてその五

「あの者達がか」
「費用は聖域全体からのものですが」
「そんなものは金牛宮から出せないのか」
「その辺りは複雑なのですよ」
 アルゲティは微笑んでアルデバランに話した。
「アルデバラン様だけでしたら費用は金牛宮から出ますが」
「うむ」
「ですが我等もいますので」
「そういえば今回俺達の分もだよな」
「そうだよな」
 ここでまた青銅の者達が言葉を出す。顔を見合わせながら。
「聖域から出てるんだよな」
「俺達のじゃなくて」
「出張という扱いになるからな」
 モーゼスがその彼等に対して説明した。
「世間で言うところのな」
「そうか、出張か」
「仕事なんだな、本当に」
「そういうことだ。これでわかるな」
 モーゼスはその右目を彼等に向けながらまた述べた。
「その辺りの事情は」
「ええ、まあ」
「それなら」
「アルデバラン様も同じです」
 またこうアルデバランに話すアルゲティだった。
「あくまで出張ですので費用は聖域から出ます」
「俺一人の場合と違ってか」
「移動費や食費は聖域から出ます」
 この事情も話された。
「御一人で行かれる場合とは違って」
「では俺一人の場合は聖域からは費用は出ないのか」
「はい、そうなります」
 こう話されるのだった。
「その辺りはです」
「何で黄金聖闘士一人だとそうなるんだ?」
「ちょっとおかしいよな」
「訳わかんねえっていうかよ」
「それは黄金聖闘士だからだ」
 モーゼスがまた青銅の者達に述べる。
「黄金聖闘士はこうした場合には我等を指揮するな」
「ああ、まあな」
「何せ黄金聖闘士だからな」
 最早理由はこれで充分であった。
「俺達を指揮するからか」
「それで一人の時とは違うのかよ」
「そうなるのだ。もっとも黄金の方々が出陣されるということはだ」
 モーゼスはさらに彼等に対して語る。
「そのこと自体が滅多にないことだがな」
「じゃあ今もか」
「それでか」
 このことにも気付く彼等であった。
「けれどそれだけ旅行の時好き勝手金を好き勝手使えないよな」
「聖域自体から出ているんだからな」
 事情はさらに複雑なものになった。余計にだ。
「けれどそれでも金牛宮が手配してくれてるなんてな」
「親切だよな」
「あの者達には礼を述べなければな」
 アルデバラン自身もこのことはよくわかっているのだった。
「気付かなかったのは俺の迂闊だ」
「左様ですか」
「それではだ」
 ここまで話してまた述べるアルデバランだった。
「モーゼス、その車だが」
「はい」
「もうすぐ来るのだな」
「はい、そうです」
 すぐに答えるモーゼスだった。
 
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