ソードアート・オンライン--赤眼のホムラ--
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第1話 始まりの街
「っ...はっ!!?」
俺はばっと、起き上がり、辺りを見渡した。
そう、さっき視界が悪くなったせいだ。
俺の周りには、数千人のアバターが倒れていた。
どうやら立ち上がったのは俺だけのようだ。
「ど、どうなってんだ....?さっき突然視界が真っ暗になって...それで....えっと.....」
視界が真っ暗になったところまでは覚えているのだが、その先は覚えていない、まぁ、視界が真っ暗になったんだから、当たり前なんだが。
周りの建造物などを見る限り、どうやらここは「第一層」"始まりの街"のようだ。
「そ、そういや、あいつはいるのか....?」
俺はそう呟き、まだおぼつかない足を動かした。
そう、俺をこの"SAO"に誘った張本人、俺の友人だ。
恐らくこの数千人が倒れているのも、先ほどの俺の状態と同じだろう。
俺は何処かで倒れているであろう友達を探し始めた。
ゲームなのだから、顔などは当然のように違い、探す意味はほぼないのだが、唯一知ってる身内の安全を確認したかった。
そんなとき....
ヴン....という音と共に、先ほどの男性アバターが、中央広場の高いモニュメントの頂上へ現れた。
「おはよう諸君」
男性アバターのそんな声と同時に、俺以外倒れていたはずの数千人が、一斉に起き始めた。
(強制起動とかか.....?!)
「さて諸君、ようこそSAOへ、私の事は、まぁ、気軽に"アンノウン"とでも呼んでくれたまえ」
アンノウン、そう名乗る男性アバターは一礼し、話を進めた。
「さて、君達は、過去にこのSAOがログアウトの不可能なデスゲームに変貌した事は知っているかね?」
アンノウンの問いかけに、周囲がざわつき始めた。
SAO...デスゲーム、俺も聞いた事があった。
過去に、SAOを作った"茅場 晶彦"という人物の仕業で、ログアウトできず、ゲーム内での死は現実世界の死を意味するだとかなんとか。
確か、その事件は一人の「英雄」の手で終息を迎えたとかなんとか...
アンノウンは手を大きく広げ、興奮を抑えられないとばかりに声を高らかにあげて、話続けた。
「あの茅場 晶彦のSAOデスゲーム仕様は素晴らしいものだった!!!そこで、私もやってみたくなってねぇ...?」
と、アンノウンは含むように笑い、俺達数千人を見渡した。
「既にシステムメニュー画面からログアウトスイッチは消去させてもらった。次はそうだな.....やはり、これもしとかなくてはね」
アンノウンは、パチン、と指を鳴らすと、数千人のアバターの顔が、現実世界のものへ変わった。
俺の顔が現実世界の顔に変わったのだ、そう理解できた。ご丁寧にミラーまで見せられたんだからな。
「いいじゃないか!!!!私にもできるぞ!!!さぁ諸君!!!過去のSAO事件を知っているのならやるべき事は一つだ!!!第百層をクリアし!!!SAOをクリアするんだ!!!それしかログアウトする道はないぞぉおおおおフハハハハハハ!!!!!」
と、アンノウンは高らかに笑い、「では諸君!!アディオス!!!」と言い残し、消えた。
周囲は瞬く間に混乱し始めた。
各々でログアウトスイッチを確認し、絶望するもの。
こんな現実が受け入れられなくて、嘆き始めるもの。
実際問題俺もどうにかなりそうだった。
たまたま誘われて、手を出したこのSAO。
まさか、聞いていたデスゲームになるなんて。
「ふざけるな....俺は、俺は生き残ってみせる....!」
俺はそう決意し、友人を探し始めた。
少しでも安心できるように...
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