シャルワール
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第四章
「買って来るわ」
「そうなのね」
「それでね」
さらに言う彼だった。
「明日あんたにモデルになってもらうわ」
「私がなの」
「あんたもお店で働いてるし」
「お小遣い貰ってね」
逆に言えばお小遣いを貰わないと動かないのだ、この辺り実に現金なシャハラザードだ。
「そうしてるから」
「ええ、じゃあね」
「モデルになってもらうわ」
「わかったわ」
こう話してだ、そのうえで。
シャハラザードは実際にそのシャルワールのモデルになることが決まった。彼女は次の日まずは学校に行った。
そして学校から帰るとだ、早速母に言われた。
「行った通りにね」
「シャルワールね」
「買って来たから」
「早速ね」
「だから安く売ってるお店を知ってるからよ」
「そのお店近くにあるのね」
「市場にね」
イスタンブールのそこにというのだ。
「あるからよ」
「だからなのね」
「もう買って来たの」
まさに早速、というのだ。
「お父さんと一緒にね」
「それじゃあ」
「ええ、お父さんは今日の仕込みをしてるから」
店に出す料理のそれをだ。
「だからね」
「お店の奥にいて」
「そう、私達はよ」
「そのシャルワールをなのね」
「チェックするから」
「じゃあ今から着るわね」
シャハラザードは自分から言った。
「服頂戴」
「それじゃあね」
母も頷いてだ、早速だった。
その服を出してきた、シャハラザードは受け取るとすぐにだった。その服を持って自分の部屋に入ってだった。
着替えてみた、そのうえでまずは家の鏡で服をチェックしてみると。
白いシャツの下は紫地で金色のアラベスク模様が入ったスカートだ、いやスカートに見えるがそうではなかった、
足を広げるとズボンであるのがわかる、膨らんだバルーン状の袋のそこい左右一つずつ穴がありそこから足を出して穿く。腰周りには通された紐がありそれを締める。その腰の部分は黒地でそこにも金色のアラベスク模様がある。ズボンの裾のところはすぼんでいる。しかもかなりゆったりとしている。
シャツの上にボレロ型のカフタンを着ているが色は黒で裾や袖、端のところは金色に刺繍されていてかなり眩しい。これは頭に被っているトーク帽も同じだが帽子は緑と白の草模様が金色の他にも入っている。
その自分のシャルワール姿を身てだ、シャハラザードは思った。
「いけるわね」
笑って呟いた、そして母にもその姿を見せると彼女にも言われた。
「いいじゃない」
「お母さんもそう思うでしょ」
「あんた私に似て美人だからね」
「お母さんになのね」
「そうよ、お母さんは美少女で有名だったのよ」
笑って自分のことを言うのだった。
「そのお母さんに似たからよ」
「私も美少女で、っていうのね」
「似合ってるわよ、それにね」
ここからさらに話したのだった。
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