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とある科学の捻くれ者

作者:おにゅー
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13話

神裂火織の襲撃から3日後ようやく上条が目を覚ました。それを聞いた俺は風紀委員をサボっ...休んで小萌宅に行くのであった。

で、いま小萌先生の家の前である。インターホンが目の前にあるわけだ。
だが、考えてみてほしい。俺はぼっちだ。それもぼっちを極めすぎたエリートぼっちだ。え?かわいそう?よせよ褒め言葉は。まぁ要するに、

インターホンって押す時緊張するよね?

みなさんも経験ないだろうか、友達の家に行ってインターホン鳴らした時に、出てきたのが親だった場合にたじろぐこと、「あ、えと○○くんいますか?」的な感じになる時あるだろう。ちなみに俺はない。なぜなら俺はぼっちだからそれ以前の問題なのである。だが、インターホンを押さないと、話が進まないのも事実。意を決してインターホンを押すーーーーー





前に、ドアが開いた。それは俺に気付いたから開けたドアではない。むしろ逆だ。俺がドアの前にいるということち気付かないで開けたドアなのだ。
つまり何が言いたいかというと、

「あれ?ひ、比企谷!?」

めっちゃ痛い。

***


「あれ?八幡?」

ピンクのパジャマ(小萌先生の私物)を着た禁書目録が声をかける。場所は小萌の部屋の中である。

「ん?インデックス比企谷と知り合いなのか?」

「うん、この前当麻運んでくれた時にあったよ」

禁書目録は完全記憶能力者なので、他人の記憶の中までステルスしている八幡も常にアラートがなっているのである。

「俺を運んでくれたの比企谷だったのか!?てか、インデックス知ってたんだったら言ってくれよ!!俺はてっきりインデックスが頑張って運んでくれたのかと思ってたよ!!」

そして、上条はくるりと八幡の方を向いた。

「ありがとうな!比企谷!!おかげで助かった!」

「お、おうまぁきにすんな」

「全く当麻は常識がなってないなぁ。助けてくれた人に向こうから来てもらうなんてね」

「いや、お前。俺気絶してたからな!?つか、お前に常識について言われたくねぇよ!!」

と、二人がぎゃあぎゃあと八幡は争っているのを見ていた。

「騒がしい奴らだな」


***

そうして事態は急に進展する。禁書目録の体調が急に悪化し、寝込んでしまったのだ。先ほど上条は八幡に自分が助けられたと聞いた。もしかすると魔術も見たのだろうか?と、そんなことを危惧していた。その場合どうやってごまかそう?と思案し、ひとまず比企谷にやんわり魔術を知っているか聞き出そうと、上条は考えた。

「あーその比企谷?」

「言っておくが魔術は見てるぞ」

「あ...そ、そうか」

それまでに考えてたことがガラガラも崩れ去っていった。いうなれば、八幡は自分の所為で魔術側と関わりを持ってしまったのだ。いや、まだ触りだけなのなら、向こうも八幡には何もしないかもしれない。

「だが、お前の所為で巻き込まれたというわけじゃない。魔術については前々から知ってたしな。だから、別にお前が気負う必要もない。あと俺は心配しなくても科学サイドの人間だ。だから禁書目録をどうこうしようなんて思ってない。ここまで俺が話したんだ。お前も話せ」

いまの一瞬で八幡は上条の疑念や罪悪感をすべて解消した。

「確かにそうだな。俺も話すよ」

こうして、上条と八幡の会議が始まった。


***

「と、いうわけなんだ。」

上条は話した。自分がどういう経緯で魔術とかかわりをもったのかを、禁書目録の事をすべて話した。禁書目録の具合が悪化し、寝込んでいる今だからこそ話せた内容だった。

ざっと要約すると、禁書目録は完全記憶能力者で10万3000冊の魔道書っていうものすごく膨大な量を脳に記憶しているため、脳の85%がその魔道書に埋められてて、残りの15%しか禁書目録は使えないと、そしてその15%も一年周期で記憶を消さなければ、禁書目録の脳がパンクする、ということだ。

「....まず言うとだな。記憶の15%しか使えないとかって言ってたよな?それ全部嘘な」

「なっ!?」

「まず、記憶ってのはエピソード記憶とか意味記憶とか色々と、いれもんが違うんだよ。つまりだ、そのなんだ?魔道書10万冊覚えても記憶を消さなきゃいけないなんてことは絶対にない。考えてみろよ完全記憶能力は禁書目録だけじゃないんだ。そんなに記憶の領域食うなら他の完全記憶能力保持者も7年でパンクしちまうことになるぞ。しかもなんで、そんな15%ととかいう具体的な数字が分かるんだよ」

ガラガラと崩れ去った。上条さん崩れすぎですね。はい。今の今まで考えてたものが根底から崩れ去ったのだ。驚愕を露にしないわけがない。だが、ここで疑問が残る

「じゃあなんで...インデックスは一年周期で記憶を消さなきゃならないんだ?」

「その10万3000冊の魔道書は随分危険なものなんだろ?なら、協会がそいつを束縛するのは当たり前だろうな。飼い犬に鎖をつけるみたいに」

つまり、つまりつまり。インデックスは協会によって記憶を一年周期で消さなきゃならない体に変えられた、というわけになる。あちらは魔術サイドだ。であれば当然インデックスの体に関しても、魔術で細工をしているはずだ。

「けど、俺の右手で触ってみてもなんの反応もなかったぞ?」

「なら、触れられないところにでもあるんじゃないのか?例えば...」

「口の中とか」

まさか、と思い上条は口の中を覗いた。

「!!?」

それはあったのだ。口の中に、禁書目録を縛り付け、苦しめる鍵が確かにあった。それは夢を形にする強力無比な幻想。だが、ここには武器がある。あらゆる幻想を無に返す力があるのだ。その幻想を殺すように、上条当麻は右手を伸ばした。


直後、ガラスが割れたような独特な音とともに、

「ぐっ!!?」

「ーーー警告。Index-Librorum-Prohibityrumーーーーー禁書目録の首輪、第一から第三までの全結界の貫通を確認。」

それは

「10万3000冊の書庫保護のため、侵入者の迎撃を開始します。」

覚醒した。


 
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