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STARDUST∮FLAMEHAZE

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第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#20
  DARK BLUE MOONⅫ ~Breathless Night Extreme~

【1】

「調・子・に・乗るなァッッ!! 若年のフレイムヘイズがァッッ!!」
 少女の喊声を打ち消すように、美女の叫声も空間に轟いた。
 同時に、残ったトーガ全てが瞬時に元の存在の力へと還り、
蒼き螺旋を渦巻きながらマージョリーの躰へと戻っていく。
 その表情に最早微塵の余裕も無い。
 己が全霊を以て(たお)すべき敵だと、捲き起こる狂暴な感情と共に美女は理解した。
(とうとう “クる” か……!)
 一方的に戦局を押し進めていたシャナだが、
美女の裡で練り上げられそして集束されていく
炎気の凄まじさに想わず逡巡する。
 そう、これまでがどれだけ優勢で在ろうと、
ソレはすべて 「前哨戦」 にしか過ぎない。
 どんな不利な戦局だろうと、ソレを一撃で覆してしまい得る
極大なる “焔儀” を彼女は持っている。
 従ってその元を全て封殺してしまおうとしたシャナだったが、
それを易々と完遂させるほどフレイムヘイズ “弔詞の詠み手” は甘くない。 
 しかもスタンド能力と違いどれだけトーガを消滅させようと
ソレを行使する 「本体」 へのダメージは一切無い。
 故にこれから初まる、互いが全力で撃ち放つ
壮絶なる焔儀と焔儀の果たし合いを征した者こそ
この戦いの勝者となるであろうコトを視る者全てが認識した。
「う、む……ここまでは順当に進めてきたが、流石にコレは無謀に過ぎないか?
炎の戦闘自在法では、弔詞の詠み手の方に分が在るのは否めぬだろう。
アラストール、空条 承太郎」
「……」
「……」
 ラミーにそう問われた両者は幾分視線を鋭く、
しかし決して引くコトなくマージョリーと対峙するシャナを真っ向から見据える。
 胸中に懸念や危惧が無いと云えば嘘になるが、
それよりも篤い彼女を信任する気持ちが二人を無言へと至らせた。
 何も言わないその代わりに、己の瞳は絶対に逸らさない。
 疵もまだ完全には癒えていない躰で遙か格上の者と一歩も引かずに戦う
少女の誇り高き姿を、スベテ焼き付けておくのが己の責務であるように感じていた。 
 そし、て。




「“蒼 蓮 拾 参 式 戒 滅 焔 儀(ダーク・フェルメール・ブレイズ)ッッ!!” 」
「“紅 蓮 珀 式 封 滅 焔 儀(アーク・クリムゾン・ブレイズ)ッッ!!” 」




 突如、均衡が破れる如く、二人のフレイムヘイズが炎を振り捲きながら
己を司る焔儀領域の御名を吼える。
 同時に少女は眼前で口唇を埋めるように、
美女は天空へと掲げるようにそれぞれ両腕を交差し、
その先に各々が発動させる焔儀の自在式印を結ぶ。
 深紅と深蒼。
 互いの全身から異なる色彩の火吹きが迸り、
既に己が裡で完成した焔儀を全力で以て発動させる為の体勢へと移行する。
 シャナは両手に集束させた炎気を前に突き出す、
マージョリーはグリモアを繋いだベルトごと振り乱す形容で、
それぞれ相手の眉間に銃口を突き付けるように差し向ける。
 そして空間で爆砕する、両者が全力で以て刳り出す “流式” 名。




冥 咬 覇 貫 號 獣 架(グリード・クロイツ・エスクライド)ッッッッッッ!!!!!!】
炎 劾 華 葬 楓 絶 架(レイジング・クロス・ヴォーテックス)ッッッッッッ!!!!!!』



 両者が()り出したのは、奇しくも同じ炎架型の焔儀。
 しかし一方は高架形であるのに対し、美女が刳り出したモノは
その4つの尖端に魔獣の爪をギラつかせる背徳の鉤十字。
 そしてその本質は、射程範囲こそ単体に留まるが、
“破壊力だけなら” マージョリーが携える数多の焔儀の中でも最強の威力を誇るモノ。
 炎気と炎気が噴き搾り合い、熱気と熱気が灼け荒び、
大地と空間すらも融解させる程の壮絶な焔儀戦では在ったが、
コトこの場に至ってはその総合力に於いて勝敗の趨勢は明らかで在った。
 いつかのスタンド戦と同じく、流式を撃ち放った後も少女と美女は
ソレに炎気を集束して送り込み続け相手の存在を圧倒する為に力を振り絞る。
 だが、同属焔儀同士の膠着状態は長く続かず、
次第次第に少女の撃ち放った高架の方が()され始めその形容も歪めていく。
「やはり敵わぬか……! なれば……ッ!」 
 及ばずながら加勢を試みようと進み出るラミーを、承太郎の手が制す。
「空条 承太郎!? しかしっ!」
 戦士としての誇りがそうさせるのか、
だがこのままでは少女が灰燼と帰すのは時間の問題の為
老紳士は疑念を呈する。
 だが示された無頼の貴公子は、ソレとは全く別の諮問(しもん)をシャナに差し向けていた。
(“狙い” は、確かに面白い……だが果たして、
『そんなコト』 が本当に可能なのか? シャナ。
リスクを負って無理に発動しても、最悪 「相殺」 で終わっちまうぜ)
(むう……)
 彼の胸元で、被契約者で在るアラストールも同様の心情で彼女を見つめる。
 だが次の瞬間、戦闘に於いて極限まで研ぎ澄まされた彼の 【洞察力】 が、
シャナの真の “狙い” を看破した。
 一方的に少女の放った炎架を圧搾しながらも、
自身は(きず)一つ付いてない蒼き鉤十字、
その頑強さ、(すなわ) ち “持続力” を原拠として。
(そうか……! 『そういうコトか……ッ!』 なら、コレはヤれる……ッ!)
 青年が確信と共に瞳を見開いたのと同時に、
その表面中心部の紅玉にも無惨な亀裂が走り、
形容(カタチ)を保つのが精一杯となった灼熱の高十字架(ハイクロス)
を認めた美女の口唇に、冷酷な微笑が浮かぶ。
 ソレを受けグリモアを透して炎気を送り込みながらも、
裡では存在の力をより強力に収斂(しゅうれん)させ焔儀を粉微塵に消し飛ばすと同時に
その術者をも焼き尽くす為の終撃を密かに()める。
「――ッ!」
 その潰滅寸前の焔儀を前に、
美女の力の流れに変化が生じたコトを感じ取ったシャナは、
すかさず己の裡で 『既に練り上げていた力』 を両手に集束させた。
「――ッッ!!」 
 ソレと同時に、両腕の皮膚が制服と共に裂け鮮血が舞い散るが
少女は苦痛の色も僅かに、体勢は微塵も崩さない。
 彼女の躰を支えるのは不屈の精神力、そして背後から確かに感じる視線。
 その存在が、少女に限界を超える力を、魂の叫号と共に湧き立たせた。
(私の “男” が視てるのよ……ッ! 私にカッコつけさせてよ……!
みっともない所なんて……絶対視せられないのよ……ッ!)
 美女か、或いは己か、少女は瞳に宿る黄金の光と共に咲き乱れる血華の許、
“もう一つの” 焔儀発動の体勢に入る。
 左手に無数の紋章と紋字を鏤める小型の自在式法陣。
 右手に極限まで炎気を集束させ “閃熱” と化した灼紅の凝塊。
 ソレを光の矢を(つが)えるように左を前へ、右を引き絞るように正拳へと握る。
(やれ……想いっきりブチかませ……シャナ……)
 両腕を朱に染めた、無惨ながらも美しきソノ姿を、
己がコトのように凝視する無頼の貴公子。
「ハアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!」
 その彼の心中に呼応するかのように、湧き熾る灼熱の喊声。
(オレはおまえを……見護って……いるぜ……)
 遠く離れていても近くに感じている存在を背に、
『スタンド使い』 と “フレイムヘイズ” の精神(こころ)は、
今再び一つと成る。
 その互いの双眸に宿る黄金の光で、 『運命』 さえも(つらぬ) くように!
 そして背後に在る最愛の存在と共に、同時に拳を撃ち出して炸裂する新生の流式名。
 左手で創り出した自在式法陣に、右手に宿らせた閃熱の凝塊を叩き込み
その威力を増幅させて射出する強大焔儀。
 星焔融合。彗星の灼烈。
 天壌の流式(ムーヴ)
焔 劾 星 吼 煉 灼 翔(プロミネンス・ヴァースト・インフェルノ)ッッッッッ!!!!!』
流式者名-空条 シャナ
破壊力-A++ スピード-A++ 射程距離-B(最大50メートル)
持続力-B 精密動作性-D 成長性-AA


 音速で撃ち出された正拳の先から、それ以上の速度で閃光のように疾走(はし)る灼熱の星吼。
「――ッッ!?」
 死に体と想っていた者の、突如の造反に美女は炎気を放出しながらも双眸を見開く。
 想像だにしえない、そして 『自分でも出来ない』 法儀を
少女が敢行したその事実に。
 そう、数多の高度な自在法を携えるマージョリー程の “自在師” で在っても、
強力な焔儀を間を置かず 『連続して』 撃ち放つコトは出来ない。
 スタンド能力と近似して、フレイムヘイズも紅世の王で在っても
原則として 『一度に撃てる焔儀は一発だけ』
 故にソレで相手を討滅出来なければ、
当然また一から自在法を編み直さなければならない。 
 しかし目の前の少女は、一つの焔儀を生み出すその過程の最中
もう一つの焔儀も平行して、二つの自在法を 『同時に』 編み上げていたのだ。
 ソレは、努力や修練、経験という領域を超えた生まれついての才能、
“天倫” の域に既存。
 美女がいくら少女を上回る百戦錬磨のフレイムヘイズだとしても、
『無いモノはどれだけ時を経たとしても修得するコトが出来ない』
 無論ソレを発動する際の躰に対する反動は焔儀を二発撃ち放った時の比ではなく、
更に複雑に錯綜する力の制御に伴う精神の消耗も甚大なモノとなる。
 己の超人的な恢復(かいふく)能力すらも犠牲にして、
一切の迷いなく無謀とも云える法儀を敢行した少女。
 しかし!
 空条 承太郎と空条 シャナ。
 素質は潜在の中で眠っていたとしても、その何れの存在が欠けても、
ソノ 『能力』 を目覚めさせるコトは不可能だっただろう。 
 そしてソレこそが、昨日(さくじつ)アラストールの刳り出した、
歴代フレイムヘイズの中でもごく僅かしか為し得なかった
紅世至宝の究極焔儀 【真・流式(ネオ・ムーヴ)】の “骨子” と成る儀法。
輪 流 式(デュアル・ムーヴ)』 
 炎の形容を超え、純粋なエネルギーの塊と化した閃熱の光芒が
崩れかかっていた灼熱の炎架を爆発的に後捺しする。
 一発一発の焔儀では遠く及ばないが、二つの焔儀を 「結合」 させれば
如何にマージョリーの最強焔儀と云えども瞬間的になら凌駕し得る。
 やがて狂暴な炎を噴き散らす蒼き鉤十字はシャナの放った二つの焔儀の圧力に
捺されて大きく(ひしゃ) げ、そのまま放った勢いを逆方向に変換してマージョリーの許へと
蜷局を巻いて戻ってきた。
(な、に――ッッ!?)
 グラス越しの視界を埋め尽くす、紅蓮と蒼蓮の極彩色。
 彼女の美貌を焔儀の放つ灼光が一度鮮やかに照らした。



 
ヴァッッッッッッッグオオオオオオオオオオオオオオオオオ
ォォォォォォォォォォォ―――――――――――ッッッッッッッッ!!!!!!!
 


 虹彩を灼く焦熱と、鼓膜を劈く大爆裂音が因果の流れを無くした美術館全域と
その周辺に響き渡る。
 継いで屋上を覆うガラスの大天蓋が風に散る花片のように次々と割れ、
内部に組み込まれた鉄骨も飴細工のように融解して捻じ折れ、
足下の強化ガラスにも夥しい亀裂が走った。
 構造の重心が著しく切り替わった為、グラグラと不安定に揺れる足場。
「終わった……か……」
 その後に吹き荒ぶ破滅の戦風に痩身を包まれ、
自分達の直前にまで走ってきた亀裂を
ステッキの先で確かめながら老紳士が呟く。 
 ラミーがそう判断するのも無理はない、
先刻の一合で美術館の一画が、
その下の階層も含めて跡形もなく吹き飛んだのだから。
 正拳を突き出した少女の眼前に巨大な焼煙が茫々と立ち籠め、
開けた空間から外の風景が剥き出しになり、
封絶の放つ蒼き火の粉と冷たい気流が入り込んで来ている。
「やれやれ、全くブッ飛んだスケールの判断と行動をするヤローだ。
相手の “(ワザ)” までも利用して、テメーの炎の威力を上げようってんだからな。
想いつきはしてもフツーは実行しねぇ。
これから先、一体どんだけ成長するか解らねぇな」
 荒涼とした空間に無頼の貴公子の美声が流れる。
 継いでその胸元から荘厳な男の声。
「うむ。よもや “アノ法儀” までもこの場にて完遂させるとはな。
まだ尚早だとは想ったが、我の想像を超えてあの子は夙成してゆく。
或いは、過日の貴様と花京院の “業” が、余程腹に据えかねたのかもしれぬな」
「アン? 何でオレと花京院が出てくンだよ? 関係ねーだろ」
「む……あくまで忖度(そんたく)での話だ。深く詮索するでない」
 シャナの想像を超える成長に想わず口が滑ってしまった
炎の魔神は厳格に己を諫める。
「ま、ともかく後ァブッ壊れた場所を元に戻して終いだな。いこうぜ」
「うむ」
 アラストールを促し片手をポケットに突っ込んだまま
シャナの傍へと歩み寄ろうとする二人の男。
 しかしその足は僅か数歩足らずで止まる事となる。
「マジ、か……?」
「まさか、な……」
 各々そう呟き気流に霧散しつつある焼煙の中。
 二人よりも早く近距離に在る少女は既にその存在に気づきつつある。
 足下に突き立てた大太刀を再び正眼に構え、警戒心を切らしてはいない。
 その刹那、薄くなった煙幕の向こう側から群青の牙が飛び出してきた。
「――ッッ!!」
 咄嗟に身を翻し廻り込みながら避けた少女は、
そのまま大刀を腰下から斬り上げ魔獣の頭部を両断する。
「チッ……!」
 中空に刎ね飛ばされたその首は宝具の特殊能力で掻き消える刹那、
忌々しそうに舌打ちした。
 やがて、気流に捌ける焼煙の中から朧気に現れるシルエット。
 不完全な形容だったとはいえ、3つの焔儀の集合体を直に喰らって尚立ち続ける
蒼炎のフレイムヘイズ 『弔詞の詠み手』 マージョリー・ドー
 流石にダメージは受けたらしくその嬌艶なタイトスーツは爆炎でズタボロになり、
所々が灼き裂けて白い素肌が露出している。
 だが戦意と殺意は微塵も衰えるコトはなく、
寧ろ先刻以上の急迫を滲ませ燃え滾っていた。
 鮮血の付着したルージュの隙間から、手負いの獣のような呻り声が微かに漏れる。
「まだ!! 来ちゃダメッッ!!」
 反射的に傍へと駆け寄ろうとしていた二人に、シャナが背を向けたまま叫んだ。
 その言葉は、最後まで自分が戦うという信念以上に
大切な二人を戦闘に巻き込みたくないという優握な想いが在った。
 半分まで出かかっていたスタンドを静かに引っ込め、
承太郎は呆れたように言う。
「やれやれ、しぶてーヤローだ。自在法、か?
ンなもんを練る暇はなかったようにに想えるがな」
「うむ。確かに練達の自在師とはいえ
“アノ瞬間” は無理であっただろうな。しかし……」
 そのアラストールの言葉を先読みし、
承太郎はマージョリーの纏うズタズタのタイトスーツに眼を向けた。
「なるほど、ね。戦国時代の仇討ちみてーに
『前もって』 準備してたってワケか。
流石に一流のフレイムヘイズ。一筋縄じゃあいかねーってコトか」
 近代ビルの一画を崩壊させる程の大爆炎を受けたのにも関わらず、
美女の着ている服は想いの外原型を留めており、
裂け目から露出している肌からも出血が少ない。
 ソレはマージョリー自身の炎に対する抵抗力も在るが、
その本質は今までの凄惨なる戦闘経歴に起因。
 善も悪も関係ない、そして一瞬の油断も赦されない無情なる戦場の直中に於いて
常にあらゆる最悪の事態を想定していた為、予め己の躰と服装に
ミエナイ形で防御系自在法を編み込んで在ったのだ。
 戦闘系の自在師ならば別段珍しいコトではないが、
永い時間をかけて周到に編み上げた為その防御能力は絶大なモノを誇る。
 しかしシャナの撃ち放った焔儀はその障壁すらも突き破り
更にマージョリー自身にも甚大なダメージを与えた。
 恐らくその備えが無ければ、先刻の爆滅焔儀で跡形もなく焼滅していただろう。
「クッソガキがァ……ッ! “輪流式(あんなモン)” 遣えるなんて聞いてねーぞ……!
確か “万条の仕手” でも “儀装の駆り手” でも無理だった筈だ……!
どうする? 我が愁傷の愛妃、マージョリー・ドー。
こうなったら、 『オレがいくか?』 」
 受けたダメージ以上に、己の大切な契約者(フレイムヘイズ)
惨憺足る有様にしてくれた者に、怒りと共に火を吐き散らすマルコシアスへ
マージョリーは私憤を諫めて気丈に言う。
「私を、一体誰だと想ってるのよ? 
我が蒼惶の魔狼、マルコシアス。
この程度、何でもない。まだまだこれからよ」
「だ、だがよ!」
 食い下がるマルコシアスにマージョリーは先刻の憎しみに支配された表情からは一転、
破滅の風が吹き荒れる戦場の直中で、まるで聖女のような微笑みを彼に向ける。
「ずっと、一緒にいてくれるんでしょう……?
だったら、大丈夫よ……信じてよ……」
「……ッ!」
 痛みで啼き叫ぶよりも、それに堪えて微笑まれるほうが、ずっと何も言えなくなる。
 彼女と、マージョリーと初めて出逢った時の、
そしてソレ以降の光景が、マルコシアスの裡で甦った。
 創痍の躰を押して、マージョリーは三度シャナと対峙する。
 追い込まれれば追い込まれるほど、絶対にソレには屈しないという
確固たる決意の許、尚も蒼炎は燃え上がる。
「まだ、続ける気……? もうこれ以上は、どっちが勝っても無意味よ」
 傷つきながらも倒れない、全身ズタボロになっても最後まで立ち向かう、
その尊さを誰よりも知っている為、少女は悲痛な声を滲ませてそう告げる。
「フフフフフフフ、もうここまで来ちゃったら、互いに治まりがつかないでしょう。
アンタもフレイムヘイズなら、いい加減そこらへんの所を覚りなさい。
命取りになると言ったはずよ、その甘さ」
「――ッ!」
 胸中を突く一言。
 自分は今、自分が 「正しい」 と信じたコトの為に戦っている。
 でもそれは、実はそんなに大事なコトじゃない。
 口で言うだけじゃダメ、頭で想うだけでもダメ、
本当に大事なのは、本当に本当に大切なコトは――
 何が在っても、絶対に揺るがないコト。
 どんな苦境に立たされても、ソレを貫くコト。
 そういう意味では、例え狂気の妄執に取り憑かれていたとしても、
目の前のこのフレイムヘイズの方がずっと己に殉じていた。 
 その美女に少女は、彼に対する気持ちとはまた違う、
親愛にも似た感情が芽生えるのを覚える。
 それと同時に、互いが憎いわけでもないのに戦わなければならない
その 『運命』 に、何故か無常な寂しさと哀しさを感じた。
「……ならもう、何も言わない。全力でアナタを止めてみせる。
同じフレイムヘイズとして……!」
 言葉の終わりと同時に煌めきを増す、黄金と紅蓮を共に宿した気高き双眸。
「ヤれるものなら、ヤってごらんなさい。
追いつめた気になってるんでしょうけど、
コレでようやく五分以下だってコトを教えてあげるから」
 灼けつく躰で強い視線を受け止めながら、美女は不敵にそう返す。
 言いながらも(したた) かに、その脳裡ではこの戦局に於ける最終手段を
既に構築しつつ在った。
(もうここまで来たら……“F ・ B ・ B ・ D(フォビドゥン・バイツァ・ブレイクダウン)
しかないわね……まさかここまで追い詰められるとは想わなかった……
存在の力は残りを振り絞ればなんとか確保出来るけれど、
でも流石に発動までの時間が大きい……
焔儀発動の瞬間にこちらの懐に飛び込まれたら終わり……
何とか力の消耗を最小限に抑えて相手の隙を造るしか……)
 そこまで考えて、美女は意識していなかった、
戦闘に集中し過ぎて完全に 「盲点」 となっていた存在に眼を止めた。
「……」 
 自分達の標的であるラミーの傍らで、異界の神器を首から下げ、
射抜くような視線でこちらを見ている一人の勇壮な “男” に。
 ソレを認めた刹那、マージョリーは背徳の微笑を血で濡れたルージュに浮かべる。
 窮地に想わぬ僥倖が潜んでいた。
 何故もっと早く気がつかなかったのか?
『戦闘に遣わないのなら』 フレイムヘイズがミステスを連れている理由など
『たったの一つ』 しかないというのに。
 自分もそうであったように、この少女もまた例外ではない。
 己は手に出来なかったモノを粉々に破壊できる倒錯した喜悦を悟られぬよう、
マージョリーは眼前のシャナに視線を戻した。
(フッ……小娘(ガキ)のくせに、大した上玉(くわ)え込んでるじゃないの……
自分の “男” の前だからリスクを厭わず常に背水の陣を 『覚悟』 し
ソレで存在の力を増大させてたってワケ……)
 少女の変貌振りの源泉を見透かしたマージョリーは、
心中で呟きながらも両腕を掲げ、再び焔儀発動の構えを執る。
 シャナはその発動の刹那、一瞬の隙を突く為全身の神経を
針のように研ぎ澄ませる。
(でも……長所と短所は表裏一体……アンタに力を与えているその存在が
「弱点」だというコトは盲点だったようね……戦場で敵が攻撃するのは
何も対峙している自分自身だけとは限らないのよ……)
 ドス黒い憎悪が生み出す狂気の視線で、
マージョリーはシャナからは視線を逸らさず瞬時に両手に集めていた炎気を消し、
右手を己の死角に撃ち出す。
(“その男” が……! アンタ最大の「弱点」よ……ッ!)
 一切瞳を動かす事なく、経験と勘のみで射出された無数の蒼い炎弾は、
そのスベテが微塵の誤差もない精密性で 「標的」 へと襲い掛かる。
 彼女の明察は、概ね正解。
事実、自分が標的へと定めた青年とほんの僅か心が擦れ違っただけで、
少女は本来の力を著しく減退させた。
 ただ、一つの誤算、は……




『オッッッッッッッッッラアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァ
ァァァァァァァァ――――――――――――ッッッッッッッ!!!!!!!』



 その 「弱点」 が、他の “ミステス” 等足下にも及ばない、
紅世の王すらも凌ぐ強大な 『能力』 を携えていたというコトだけだ。
 隣にいるラミーも同時に撃ち滅ぼそうとしていた蒼き炎弾の嵐は、
その能力(チカラ)が発現した瞬間に迸った光と巻き起こった旋風に
スベテ明後日の方向へと弾き飛ばされる。
 突如、何の脈絡もなく傍に立ったその存在を
絶句しながらみつめるラミーを後目に、
青年の胸元でフッという微笑が聞こえた。
『……』
 神聖な白金の燐光に全身を包まれて出現したその 『能力(スタンド)』 が、
真っ向から美女を見つめ引き絞られた指先を振り子のようにチッチッとやっていた。
 そんなモノでは百年経ってもオレを倒せないと啓蒙するかのように。
 全力ならまだしも牽制程度の焔儀では、暴走する列車をも止めかねない
近距離パワー型スタンドには大海の前の小波と全く同義。
(ノリアキと、同じ “能力者!?” )
 既視感にも似た心情でその存在に視線が釘付けになる美女の視界に映る、
その能力を発現させた男の瞳。
 そして交差する二つの瞳を通して静かに告げられる言葉。
(オイオイ……いつまでもオレに眼ェ向けてて良いのか……?
オメーの相手はオレじゃあなくて、 “アイツ” だろ……?)
 そう言って顎を差し向ける無頼の貴公子に釣られ、
咄嗟に視線を戻す美女。
「――ッッ!!」
 極度に圧縮された時間の中、マージョリーが空条 承太郎に見入っていたのは
実質3秒にも充たなかったが、一瞬の交錯で決着が付く死闘の最中に於いては
世界が一巡するほどの致命的タイムロス。
 その間にシャナは大太刀を真一文字に胸元で構え炎を流動しながら、
この戦いの終極を告げるべき “業” を既に完成させていた。
 何が在っても絶対に彼は大丈夫という揺るぎのない、
この旅の始まり以降更に強まった “信頼” と共に。
 本来外に向けるべき炎気を己の(うち)に、
宝具である大刀を経由して極限まで修練させ、
ソレを一挙に開放して全身に駆け巡らせる驀進永続斬刀撃。
『スタンド使い』 と “フレイムヘイズ” その互いの存在、
何れが欠けても実存不可能な至宝の能力。
 星麗無双。灼滅の殲覇。
【贄殿遮那・星幻灼姫(せいげんしゃっき)ノ陣】
発動者名-空条 シャナ
破壊力-AA スピード-AA 射程距離-B(最大50メートル)
持続力-AA 精密動作性-AA 成長性-AA




『Go……SHANA……(いけ……シャナ……)』
“Yes I am……(ハイ……!)”




 二つの言葉が重なった瞬間。
 少女の足下から紅蓮の灼光が弾け、次いで足下の強化ガラスにも鋭い亀裂が
走って周囲に捲き散る。
(消え、……!?)
 瞠目したマージョリーの視界に映るモノは、紅蓮の色彩を反照する硝塵のみ。
 ソノ余りにも(はや)過ぎて目視ままならぬ少女の影が、
大刀を斜に構えたまま既に己の超至近距離に迫り、戦慄の一撃を振り下ろしている。
「――ッッ!?」
 美女がグリモア内部に記載された、纏衣型の防御系自在法のページを
無意識に開いていたのは、永年の経験に拠って染み着いた単なる躰の反射に過ぎない。
 瞬く間すらも遙かに超越した速度で疾走った斬閃が、
炎衣の表面を削ぎ取りながらも損傷(ダメージ)を無効化する。
 だがしかし!
 即座にソレと同等、否、ソレ以上の夥しい斬撃の嵐が
驀進の勢いと共にマージョリーに襲い掛かる。
「ぐ……ッ! うぅぅ……ッ!」
 上下左右、更に斜交正面とありとあらゆる方向から射出され続ける斬撃に
躰を凝結され、美女は回避も転倒すらも出来ずその場に縫いつけられる。
「はあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
ぁぁぁぁぁ――――――――――――――ッッッッッッッ!!!!!!!!」
 薄く狭まった視界で響き渡る少女の喊声。
 まるで己が全精力をこの一点に捻じ絞るが如く
斬撃の廻転は更に上がっていく。
(この……私が……?)
 信じられない、認めたくないという気持ちと共に纏った群青の衣にも欠損が生じ始め、
ソコから温かな真紅の雫が空間に繁吹く。
(この……私が……ッ!?)
 今を以て在り得ない、 “敗北” という二文字が否応なく心中に刻まれる。
 やがて柔質な感覚と共に構成を維持できなくなった炎の衣が残らず消し飛び、
タイトスーツが更に引き千切れ半裸に近い姿となったマージョリーは、
その折衝で大きく蹈鞴(たたら)を踏み()()った。
「――ッッ!!」
 無論その隙を見逃すシャナではない、というより最初から彼女の目的はソコ、
『仰け反らせる為にこそ』 有ったのだ。
 傷つき崩れた体勢ながらも尚倒れるコトを拒否したマージョリーの、
グラつく視界に映ったモノ。
 もう既に先刻の嵐撃と同時進行しながら、贄殿遮那内部に編み込んでいた存在の力。
 刀身に 『火炎そのものでない』 熱気を宿し、
周囲にその狂暴なる灼光を迸らせる強靱無比なる閃熱の劫刃。
“贄殿遮那・煉獄ノ太刀”
 スベテは、この一撃の為に。
 相手の体勢を大きく崩し、必殺の絶刃で確実に討滅する為に。
 ソノ最終形の前には、先刻の凄まじい驀進嵐撃すらもただの「布石」に過ぎない。
(そ、 “そんなモノ” で、()されたら……ッ!)
 最早己の躰を支えるのがやっとで、防御も回避も行えないマージョリーを劈く危局。
(死――ッッ!!)
 創痍の身で震える口唇と共に見据えた少女の口唇にも、
冷然とした微笑が刻まれる。
「一応…… “同属” ……だし……ね……」
 だったら何だ!? 苦しませず一想いに死なせてヤるとでも言うつもりか!?
 絶体絶命の状況下により恐慌に陥ったマージョリーの前で、
シャナの手にした大刀がカラリと反転しその柄頭が美女の胸部下方へと強襲する。




「オッッッッッッッラアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァ
ァァァァァァァァ――――――――――――――ッッッッッッッ!!!!!!!」




 星灼の咆吼と共に、間髪入れずマージョリーの無防備な水月へと
大太刀を支える頑強な柄の突端が添えた掌底ごと微塵の容赦も無く叩き込まれ、
真紅の炎と共に爆散する。
「――――――ッッッッッッ!!!!!!」
 同時に苦悶の絶叫を吐き出すコトも赦されず、
美女の全身を貫く皮膚と肉とがバラバラに削げ落ち
神経が剥き出しにでもなったかのような峻烈の衝撃。
『贄殿遮那・霞 雷(かすみかづち) ノ太刀』 
 ソレの影響でマージョリーの躰はくの字に折れ曲がり、
束ねた髪も根本から解れグラスも弾け飛ぶ。
 そして瞬時に霧散した意識の許、躰は地球の引力に曳かれ
スローモーションのように崩れていく。
 ガラスの大地の上に栗色の髪が散らばり白一色の双眸となって天を仰ぐ
蒼炎のフレイムヘイズ。
 その姿を認めたシャナは、
己の勝利を誇るわけでも敗者を見下すわけでもなく、
静かに呟く。
「自分の力だけで勝ったとは、想わない……
フレイムヘイズとしても、焔儀の遣い手としても、
アナタは私を遙かに上回っていた……」
 まるで哀悼のように、真紅の瞳を細める少女。 
「でも私は……『アナタに無いモノを持っていた』……
ただ……ソレだけのコトよ……」
 その眼下で眠るように喪心する一人のフレイムヘイズに、
一切の遺恨は残らなかった。
 奇妙なコトではあるが、ただただ彼女に対する感謝と敬意のみが
シャナの心を充たしていた。

←To Be Continued……
















『後書き』


はい、どうもこんにちは。
ココが「原作」と全く違ったカタチになっている理由は
解ると想います。
「原作」のあの(〇○)展開が(死ぬほど)キライだからです。
大体ヘタレに抱きつかれて(ワタシはただの痴〇行為にしか見えませんが)
謎パワーが発生し、格上の相手にも無傷で勝ってしまうというのは
「ご都合主義」以外の何モノでもありませんし、
それじゃあ折角出した新キャラもただの雑魚、
何百年生きててもただの莫迦というコトになってしまい、
「同族同士」の戦いにする意味が全くないからです。
兎に角一番ムカつく(非常に不快な)のがシャナの
「おまえのことなんか知らない、知りたいとも思わない」
というセリフで、原作者が昔誰かに似たようなコト言われて、
歪んだコンプレックス拗らせて
ソレを作品の中で晴らそうとした怨 讐(ルサンチマン)なのかもしれませんが、
「発表」せず机の奥にしまっとけ!という話です。

「相手の立場や言い分を無視して」
「自分の言い分だけを “暴力(チカラ)” でゴリ押す」
コレはジョジョでは「敵(悪)」がヤるコトで
「最終的に勝てばよかろうなのだぁ~!」
「過程や方法なぞ、どうでもいいのだぁ~!」
と言ってるのと同じなのです。
(まぁ原作の〇○に同上の「器」はありませんが・・・('A`))
それならフレイムヘイズなんてものは必要ないし、
「使命」なんて関係ないという事になって
今までの言動がスベテ「嘘」だったというコトなり、
結局バカなガキが刀振り回してドヤ顔してただけという
途轍もなく「醜悪」な構図に帰結してしまうのです。

(くだん)の通りジョジョを例にして説明しますと、
3部の最終局面でポルナレフがDIOサマに再び
自分に仕えるようにと誘われるシーンがありますが、
この時DIOサマが彼を誘う「理由」は知っての通り、
「人は皆 「安心」 するために生きる。
このDIOに仕えればスベテの不安や恐怖から解放され
永遠に「安心」を手にする事が出来る」
それに対するポルナレフの返答もご存じの通り
「貴様に屈する事は「負け犬」として生き続けるのと同じ事だ!
死よりも恐ろしい、貴様の要求の為だけに生きる人生など!」
ここでポルナレフが
「お前の言う事など知らない、知りたいとも思わない」
とか言ってドヤ顔で真正面から突っ込んで行ったらどうでしょう?
ただザ・ワールドにブチ抜かれて犬死にする以前に、
「ストーリー的」に全部「台無し」になってしまうのです。
一理も二理もある(善悪を抜きにすれば)DIOサマの「誘惑」を
彼は自分の「信念」と「正義」によって跳ねつけるから「良い」のであり、
ソレがこの場面を3部屈指の「名シーン」として足らしめているのであり、
コレがジョジョに於ける『精神戦』なのです。
『精神戦』とは相手を策でハメたり
裏をかいて不意を打つだけのモノではありません、
(ジョジョでは)敵には敵の「正義」や「信念」があって、
その強い感情、譲れない想い同士のブツかり合い(激突)なのです。
5部を例に出しましょう。
ブチャラティがボスを「裏切り」波止場で仲間と「決別」する
シーンがありますが
「どうしてそんな血迷った事をした!?」と迫る仲間に
「知らない、知りたいとも思わない、ただムカついたから」
とか抜かしたら、あの3人は疎かジョルノにすら愛想を尽かされるでしょう。
『(孤独な)自分の娘を自分の所為で散々危険に晒し、
その事に微塵の罪悪感も抱かず(どっかの○○に似てるな・・・・('A`))
オレ達を利用して護衛させていたのは実は「殺す」ためだった』
だからブチャラティはキレたのであり、
ボスの考え、ギャングの掟、受けた恩義、
ソレら全て「理解」して「熟知(知って)」いたからこそ、
「アンタは今再びオレの心を裏切った!」
という言葉が俄然「重み」を持って
我々の心を震わせるのです。
ところで上述のシーンを思い浮かべたなら、
「おまえのことなんか知らない、知りたいとも思わない」
というこのセリフは「誰か」に似てると想いませんか?
そうです、正にディアボロ(ボス)がブチャラティに言い放った言葉
「トリッシュだと? トリッシュがお前に一体何の関係がある?」
という邪悪なセリフと全く同じ意味(ニュアンス)なのです。
途轍もなく下衆で下劣で最低最悪な(〇○○二のような)キャラに
言い放つならまだしも、どうせ殺さず仲間になる事が確定してる
キャラに言ってどうするんだ?
なんで主人公サイドが「悪」と同じスタンスで
そのセリフも味方に言ってるんだ?
という、まぁコレはただ単に原作者の倫理観が崩壊してて、
その白痴で幼稚な精神では善悪の区別がつかないという
ただそれだけの話なんですが、
あまりにもレベルが低過ぎて
「お前にオレの気持ちは永遠に解るまい」
とまぁそーゆー事なんでしょう・・・・('A`)
(原作のオチも実質『ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム』
ですしね、長続きしないと思いますよガキの恋愛感情じゃ・・・・('A`))


『相手を否定するのならソレに匹敵する
信念なり正義なりを以て否定しなければなりませんが』
それが「ただおまえ迷惑なのよ」とか言ってるだけじゃ
これじゃ幼稚園児のケンカと同じで
薄っぺらい以前に最早会話にすらなっていません。
まぁシャナ原作に「精神性」が無いというのは以前から
言っていますが、曲がりなりにもコレがプロの作家が描くモノか
と暗澹足る想いに囚われます・・・・('A`)
(まぁ所詮高〇弥〇○レベルじゃこんなモンなんでしょう)
故に上記のようなストーリー展開になりますし、
結局シャナは戦闘にはなんとか勝利しますが(承太郎パワーで)
「精神的」には勝てなかった、寧ろ押されていたという展開にしました。
「原作」と違いこの作品のマージョリーは余りにも重い「過去」を
背負っているので、それを「知らない、知りたいとも思わない」等という
恥知らずな言葉で一蹴させる事など出来ませんでしたし、
「ただおまえ迷惑なのよ」等という〇○みたいなセリフを
『この作品の』シャナに言わせるコトは出来ませんでした。
まぁ結局全部上の○○(原作者)が悪い、
そしてやはり荒木先生は「偉大」だというコトですネ。
ソレでは。ノシ
 
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