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Blue Rose

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第二十二話 心と身体その十五

「好きになりました」
「そうしたものもだね」
「前以上に」
「どうも君は元々女性的だったけれど」
「今はですね」
「うん、これまで以上にね」
「女の子の心になってきているんですね」
 優花は自分から言った。
「そうなんですね」
「うん、そう思ったよ」
「そうですか」
「やっぱり心もね」
「女の子のものになってきていますね」
「そう、これまで以上にね」
 こう優花に話した。
「身体と共にね」
「そうなんですね、本当にどちらもですね」
「女の子になってきているんだ」
「じゃあ」 
 優花はその話の中でまた言った。
「私は」
「あっ、今ね」
「今?」
「一人称が変わったよ」
「そういえば」
 言われて気付いた、優花自身も。
「確かに」
「そうだね、一人称は人柄が出るんだ」
 話す本人のというのだ。
「それぞれね」
「ですね、確かに」
「色々な一人称があるけれど」
「そのそれぞれで、ですね」
「人柄が出るからね」
「じゃあ私は・・・・・・あっ」
 ここで優花自身も気付いた、そして言うのだった。
「確かに」
「私という一人称は使う人が多いね」
「男の人でもいますね」
「いるよ、礼儀正しい人やそれなりの立場にいる人はね」
「使いますよね」
 私という一人称をというのだ。
「それでもやっぱり」
「女の人が使いますね」
「そうした一人称だね」
「じゃあ心が」
「そこまで女の子のものになってきているんだ」
 そうだというのだ。
「それが一人称にも出たんだ」
「そうなんですね」
「そう、わかったね」
「はい、今」
「君は本当に心までもが女の子になってきているんだ」
 岡島は穏やかな声で優花に話した。
「身体だけでなくね」
「そういうことですね」
「そしてそれをだね」
「受け入れているね」
「はい」
 この質問にもだ、優花はすぐんい答えた。
「だからここにいます」
「そうだね、じゃあ一人称が変わっても」
「そのこともですね」
「受け入れてね」
「そうします」
「完全に女の子になって暫くしたら」
 そこから先のこともだ、岡島は優花に話した。
「その時はね」
「はい、学校ですね」
「そこにいこうね」
「その時も楽しみです、ただ」
 優花は学校に再び通えることに期待していた、だが。
 それと共にだ、期待と相反する感情も存在していることをここで告白した。
「男の子だったことは、ですね」
「そう、そのことはね」
 岡島もすぐに答えた。
「注意してね」
「誰にもわからない様にですね」
「秘密はちょっとしたことから出るよ」
「そう言われていますね」
「よくスパイはね」
 現実の話からだ、岡島は話した。
「自分でも気をつけていてもね、プロでもね」
「些細なことからですか」
「ボタンの糸の付け方がその国のことじゃないとかね」
「そういうことからですね」
「ばれたりするから」
「だからですね」
「そう、君が男の子だったこともね」
 そのこともというのだ。 
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