ドラゴンクエストビルダーズ:アレフガルドを復活させられてます(新リュカ伝)
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第1章:メルキド編
24:夏休みの宿題は、夏休み最終日にやるタイプでした。だから絵日記はフィクションです。
(ドムドーラ地方)
リュカSIDE
結論から言おう。
無事に大きなストーンマンを倒す事が出来た。
そして手に入れたのは“ゴーレム岩”なるアイテム。(何でストーンマンが持ってるんだよ?)
では、ここまでの経緯をダイジェストでお話ししよう。
案の定というか、大ストーンマンを上手く誘導して、地面に設置した魔法の玉で爆破するのは難しかった。
アイツも動くからね。
だけど何度か爆破ミスをしてる内に、砂漠地帯に深くて大きな穴が出来上がったのだよ。
その穴に、俺を追ってる大ストーンマンが嵌まり、身動きがとれなくなってる内に爆破した。
偶然の産物だが上手くいって大満足です。
ゴーレム相手にも、上手い具合に魔法の玉が炸裂すれば、簡単に勝てるかもしれないね。
早速拠点に帰ってメルキドシールドを作り、更に魔法の玉も大量生産しなきゃだね。
(メルキド)
うん。帰って早々、拠点が敵に襲われてた。
これヤバいね。これヤバすぎだね。
敵さんの焦り具合が伝わってくるね。
だけど焦ってるのは俺も同じ。ホント、マジで、そろそろ本命のゴーレムが現れる感じがする。
本心を言えば、こんなザコ敵に構ってないで、メルキドシールドと魔法の玉を量産しておきたいのだけれど、関係修復したヒゲ等の事も気になるから、戦いには加わりますよ。(優しいなぁ俺)
元々ザコ敵はザコ敵でしかないのだけど、如何せん数が多い。
鋼の守りの効果もあるし、ケッパー達も戦い方を学んできたし、ザコ敵だけなら何とかなりそうなんだけど、数が多くて不安になる。
きっとボスであるゴーレムを倒せば、これ程までの大群で襲撃する事は無くなるだろうと、希望的観測で自らを納得させる。
本当は納得してないのだけど、そこまで面倒見切れないので納得した事にする。
妥協って大事だよね。
「あ、リュカ……戦い、終わった?」
「うん、終わったよピリン。もう大丈夫」
ザコ敵相手に傷だらけになってるケッパー等を横目に、作業部屋に向かう俺に話しかけてきたピリン。怖かったんだよね。
「何時も私達を助けてくれてありがとう」
「気にしなくて良いよ、僕の仕事だから」
……仕事? 死んでも働かされるブラック企業に就職した憶えは無いんだけどなぁ……株式会社精霊神ルビス、採用試験はゾーマを倒す事♥
「うん。でね……忙しいとこ悪いんだけど、薬草を5個作って欲しいの。お願いできる?」
「薬草……? まぁあれなら簡単に作れるから良いけど」
何だ何だ……薬草くらいなら皆も作れるようになっただろうに。
それともアレか?
ケッパー達が弱弱で薬草を使いすぎたから、ゴーレム登場前に準備しておきたいって事か?
伝説のビルダーたる俺なら、薬草の5個くらいなら一瞬で作れるからね!(やっぱイケメンは違うね)
そういう事なら仕方ないよね。
作りましょう。薬草の5個くらい、チョチョイっと作ってみせましょう。
待っていなさいピリン嬢。
そ~んな訳で、アッつー間に薬草5個を作り上げた俺は、依頼主たるピリンの部屋へ注文の品を届けに参りました。
室内に入り薬草5個を彼女に見せると……
「わぁありがとうリュカ!」と笑顔でお礼を言われる。
そして続け様に「じゃぁ私が作った2個の薬草と合わせて、全部で7個の薬草が出来上がったわね。これだけあれば、ゴーレムとの戦いでリュカが怪我をしても大丈夫だよね?」と、俺に合計7個の薬草を渡してきた。
え、何? 如何いう事、これ?
「リュカは何時も自分の事を後回しにして頑張ってるから、本当は私だけで薬草を作っておきたかったんだけど、リュカほど沢山作れなくって……だから本末転倒だけど、リュカに手伝ってもらっちゃった、テヘ♥」
何この娘……ちょ~カワイイ!
あ~ムリムリ。もう我慢できない。
時間が無いのは解ってるけど、ムリだから。
俺はピリンを抱き締めると激しくキスをしながら彼女をベッドへ押し倒す。
俺の股間の魔法の玉も大爆発さ!
ピリンの部屋で、ピリンのベッドで……まだまだ余韻に浸っていたかったけど、宿題が残ってる事を思いだし、名残惜しくも服を着て部屋を出る。
辺りは既に真っ暗で、巡回中のケッパーだけが起きていた。
服を着ながら部屋から出てきたんで、中で何をしてたのか理解したのだろう。
ケッパーは苦笑いで軽く会釈すると、見張り台の方へと行ってしまった。
何か気を遣われてるみたいで気に入らない。俺は悪い事はしてないぞ!
まぁいいや……
そんな事より、俺にはやらねばならない事があるのだ。
ゴーレム戦に備えて、最強の楯……メルキドシールドを作り出す事だ。
先刻ピリンと燃え上がってる時に、何となく作り方が頭に浮かんできたので、それを具現化するべく作業部屋へと赴く伝説のビルダーな俺。
大丈夫……きっと上手くいく。
うん。そんな訳でメルキドシールドを完成させたんだけど、思ってた以上にデカイ。
俺の背丈の2倍以上はあるけど、横幅は2倍も無く厚みも片腕ほど無い。
名前に“シールド”とあるから、楯的な感じで装備するのだと思ったけど、大きすぎて使いづらい。
町の外壁として使うのが妥当にも思えるけど、材料が少なすぎて1枚分しか作れない。
凄く丈夫なんだけど、凄く中途半端な気がする。
まぁ重いけど持ち運びできるし、1枚だけで何とか凌ぐしかないのかな?
そんな事を考えながら出来立てのメルキドシールドを眺めてると、突然拠点の外から強烈な殺気が漂ってきた!
メルキドシールドをルビスからもらった袋に仕舞い、慌てて外に出てみると……
見張り台から血相を変えたケッパーが近付いてきた。
「リュ、リュカさん! と、とうとう来ました!! ゴーレムです……巨大なゴーレムが現れました!」
「お前うるさい。みんな寝てるんだから、静かにしろよ。近所迷惑でしょ」
他の皆を脅えさせる必要もないし、ケッパーの口を左手で塞ぎ黙らせる。
ケッパーも俺の意を察したのか、口を塞がれながら力強く頷いた。
「お前は拠点内で待機してろ。万が一にもゴーレムが町を破壊してきたら、ピリン達を連れて逃げ出せ。持てるだけの食料と武器を持って……」
そこまで言い終えてケッパーから手を離すと、俺は鋼の守りの扉から拠点の外へと出る。
ギリギリだが決戦兵器が間に合った事に安堵して……
外へ出ると視線の先には大きなゴーレムの姿が確認できる。
……あれ? 思ってたより大きくね?
大ストーンマンよりも遙かに大きくね?
ヤバいよね? アレ、ヤバすぎるよね!?
やっぱヒゲ達を叩き起こして、一緒に戦わせよう。
だって皆で一緒に築いてきた町を守る戦いなんだから、俺一人だけ格好いい所を見せちゃ申し訳ないよね。
俺は踵を返して鋼の大扉に手をかける。
だがしかし……内側では気を利かせたケッパーが閂かなんかで施錠しやがった。
ガチャガチャ扉を揺すっても開かない。
アイツ後でぶっ飛ばす!
超ヤベェ、超怖ぇ!
よく考えたら“伝説のビルダー”って“伝説の勇者”とかに比べて、戦いとは縁遠い存在だよね。
え、馬鹿なの?
あの女神、馬鹿なの!?
前世でも“伝説の勇者”とかと言った特別な存在じゃなかったのに、俺に全てを託すって何?
そんな事を今更考えていると、動揺したのか火を噴く石像の射程内に体が入ったらしく、突然強烈な炎を浴びせられた。
間一髪の所で避けて体勢を立て直すと、目の前には巨大ゴーレムが大岩を振りかぶり投球モーションに入っていた。
イケメンビルダー大ピ~ンチ!
リュカSIDE END
後書き
みんな、夏休みの宿題は終わったかい?
絵日記は毎日書かないとダメだよ。
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