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Blue Rose

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第二十一話 海と坂道の中でその十一

「やっぱり」
「うん、若くてもね」
 それでもというのだ。
「糖尿病の危険があるね」
「そうですよね」
「というか日本酒と和菓子を一緒になんだ」
 岡島はその組み合わせに引きつつ言った。
「かなり独特な舌だね」
「そう思います、あと女の子大好きらしいです」
「ああ、そういう趣味の娘なんだ」
「男の人とも交際してて」
「何か色々凄い娘だね」
「男の人は一人って公言されてて」
「女の子は何人もかな」
 こうした嗜好の人物についてだ、岡島はすぐに察して言った。
「男の人は一人だと」
「そう言ってます」
「ううん、まあ糖分はね」
「トライアスロンをしてたらですよね」
「あれは桁外れにカロリーを消費するからね」
 水泳と自転車、それにランニングだ。その三つの激しい運動を同時に行う相当に激しいスポーツであるのだ。
「そっちは問題ないね」
「それでもですね」
「酒豪で甘党でそれを同時にで」
 さらに言うのだった。
「女の子も好きなんて」
「やっぱり凄い人ですか」
「個性的な人が集まる学園にしても」
 その個性が際立っているというのだ。
「かなりだね、じゃあカステラも」
「多分お好きです」
「そうなんだね」
「僕はカステラはワインですかね」
「日本酒はないよね」
「そう思います、赤ワインですか」
 カステラを食べる時に酒を飲むのならというのだ、洋菓子には洋酒というのだ。
「それも甘い」
「甘い赤ワインだね」
「ケーキと赤ワインって合いますよね」
「合うね、あとね」
「あと?」
「カステラって明治帝もお好きだったよ」
「そのお話聞いてます」
 優花も知っている話だった、実は明治帝はそうしたものがお好きであられたのだ。
「他にはアイスクリームや餡パン、羊羹がお好きでしたね」
「日本酒もお好きでね」
「カステラもでしたね」
「そうだよ、そのことも思うとね」
「カステラを楽しめますね」
「そうだよ、じゃあこのカステラも食べて」
「紅茶もですね」
 ミルクティーを飲みつつだ、優花は話した。
「楽しむんですね」
「そうしようね、紅茶も美味しいからね」
 岡島はミルクティーも飲みつつ応えた。
「このお店はね」
「紅茶が美味しいと何度でも行きたくなりますね」
「喫茶店はね」
「紅茶とコーヒーが大事ですね」
「本格的なコーヒーを淹れてくれるお店もね」
「いいですよね」
「そうだね、じゃあこちらも飲んで」
 紅茶、ミルクティーもと言うのだった。
「それから少し歩こうか」
「長崎の街を」
「まだ少し時間があるからね」
 この喫茶店で楽しんでからもというのだ。
「歩こうね」
「坂道をですね」
「海を観ながらね」
「海と坂道ですね」
「この二つを楽しむのなら」 
 それこそというのだ。 
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