僕のいる世界は何かが足りない
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現実と妄想
あー
暇だ。
誰でも一度は思ったことがあると思うこの言葉。
退屈なんだよ。生きていたって。
僕の名前は星野昴(すばる)。本当にどこにでもいるような高校2年生。普通に友達と遊んだり、勉強したり、好きな子を目で追ってしまったり。本当に普通に普通の生活をしていた。
いつも通り幼なじみの拓とかりんと3人で笑いながら帰ってた。
あー、めっちゃ暇だわ。この言葉を僕が言った瞬間すごい音が辺りに響いた。
なんの音だ?え?なんで拓と誠は僕の顔を覗いてるの?
僕の顔に何かついてるの?不思議でしょうがなかった。
なんなんだよ、と心の中で笑いながら呟いて目を閉じた。
昴!昴!母さんの声が聞こえた。
昴: え、母さん?なんでこんなとこいるのさ笑笑
それに悠里も。僕は学校の帰りで拓と誠と一緒に。。
あれ?拓と誠がいない。それに制服着てたはずなのに。
ここはどこ?
母: 落ち着いて聞いて昴。あんたはね、帰り道いきなり倒
れてたっくんとかりんちゃんが救急車呼んだりしてくれ
たの。
昴: そっか。(拓とかりんには悪いことしたな…)
母さん。なんで僕は倒れたの?
母: 落ち着いて聞いてね昴。
あんた全身が癌で蝕まれてるらしいの。
あと2ヶ月。2カ月しか生きられないの。
はぁぁぁぁあああ??!!
なに?なんで?!
昴: え、母さん?それまじ?
母: まじ!!
昴: そっか。で、僕はこれからどーすればいい?
母: 先生が言うにはね。若いうちに癌で亡くなってしまう
方には精一杯、自分のやりたいことをやらせてあげて
くださいって。
昴: そっか。悠里。母さん。心配かけてごめん。
悠里: なんで私があんたみたいなバカ兄貴を心配しなきゃ
なんないわけ?迷惑かけないでよね。
悠里は少し目をうるっとさせて言った。
昴: うん。ごめんな。
母: じゃあ、母さんたちもう帰るからまた何かあったら連
絡ちょうだいね。
昴: うん。ありがと。おやすみ
母さんたちは静かに部屋を出て行った。
昴: そっか。僕、癌で後2カ月しかいきられないのか。
あーぁ。なんで僕が。。父さんとの約束。守れないじ
ゃないか。
いきなり涙があふれ出た。
僕の父さんは5年前、癌で死んだ。
〜5年前〜
昴: お父さん死んじゃやだよ!!!!
父: 昴。人間はな誰しもいつか死ぬんだ。
父さんはそれが他の人よりちょっと早かっただけさ。
でもな昴。父さんはちっとも寂しくないぞ。
母さんと結婚して、子供も2人できて、。
いつの間にかこんなデカくなって。こんなに安心して
死ねるんだ。悔いはないさ。ただ、これからお前たちに
は必ず大切な人ができる。その人達をお前が、お前たち
が守っていかなきゃならん。だからな昴。
これから生きてくお前たちは父さんにとっての希望なん
だ。一生懸命生きてくれ。
昴: うん。約束ね。お母さんと悠里はお父さんの代わりに
僕が守るよ!!
父さん。ごめん。約束守れなかった。
昴: やりたいことか。なんだろ。あ、異世界。
アニメとか漫画の世界。行ってみたいな。
可愛い女の子と出会ったり、魔王を倒したり。
あーぁ。ま、無理なんだけどさ。もう寝るかな。
癌が見つかって1日目。
ようやく眠りについた。その日は夢を見た。
異世界で自分が思い描いた通りの出来事が起こる夢を。
そしておもった。自分の生きてる世界のことを。
あぁ、現実世界か。暇だったな。
あぁ、僕の生きてるこの世界は退屈だ。
そして朝。いつもとは違う形でまた起きた。
そこは家じゃない。あぁ、僕癌で病院に。。
あれ?病院じゃない。
どこだここ。。そもそもなんで土の上に寝転がってんだ?また夢か?
少女: あんた、大丈夫?
スバル: うぉ!!?誰だ!?
急に銀髪の綺麗な女の子に話しかけられてマジでビックリした
少女: あなたこそ誰よ…
スバル: え、あ。あぁ、お、俺の名前は星野昴。千葉県のT
高校に通ってる2年だ。さぁ、俺は自己紹介した
ぜ。君が誰だか教えてもらおうか。
ふむ。いつもは僕だったけど初対面の人には俺の方が強そうに聞こえるよな。
少女: へぇ、まぁその、チバケン?ティーコウコウ?
ってのが何か気になるけどまぁいいわ。
私の名前はヨウ!ここで会ったのも何かの縁かもね!
スバル: へぇ、ヨウか。いい名前だな。(アニメとかだとこ
う言っとけば大体オーケー)
ヨウ : え、えへへ///(ヨウっていい名前なのかな)
まぁとにかくよろしくね!
スバル: あぁ、よろしく。で、ヨウここはどこだ?
ヨウ: ここは街から4km離れた場所にあるごく普通の周りに
何もないただの地面!それよりあなた、なんでこんな
ところで寝てたの?
スバル: あぁ、まぁ色々とあってな。(それは僕が聞きたい
よ。。)
それよりヨウ。その近くの街に連れて行ってくれな
いか?
ヨウ: いいけど、何をしに?
スバル: なに、ちょっとした情報収集だよ。
ここはどこの国だとか聞かないとな。
ヨウ: へぇ。まぁいいわ。行きましょうか。
スバル: よろしく頼むよ。ヨウ。
ヨウ: ええ、よろしくね!
スバル: っ!!
彼女は笑顔で応えてくれた
彼女が乗っていた馬車のようなものに乗せてもらい街を目指した。
すると途中小さな犬の親子が2匹で仲よさげに散歩している。可愛いなと愛でていたら少しおかしなことに気がついた。口の周り血だらけじゃないか。まぁ、犬は肉食だし野犬なら狩りもするだろうと思った瞬間いきなり馬車がとまった。
スバル: どうした?何かあったか?
ヨウ: ちょっと待っててスバル。片づけてくるから。
スバル: うん。いってら…おい!片付けるってなんだよ!
ただの犬の親子じゃねえか!なんでそんな可哀想
なことするんだ!
ヨウ: スバル。あなたはただのバカなのか、ただ知識がな
いのか自分で考えなさい。
なんだ?なんなんだ?不思議で不思議でしょうがない
ヨウ: おいで。ワーウルフ‼︎‼︎‼︎
ヨウが叫ぶと可愛かったはずの2匹の犬が化け物に変わった。
スバル: あ、あはは。。なんだこれ。。俺は夢でも見てる
のか?
そのワーウルフたちはヨウに襲いかかった。
ヨウは何かつぶやいている。
するといきなり辺りが暗くなり上から光の塊が降ってきた。
スバル: す、すげぇ。あんな化け物を一瞬で倒しちまった。
な、なぁ!ヨウ!今のはなんだ?
ヨウ: え?今の?なに言ってるの?普通の光魔法だけど…
フツウノヒカリマホウ?ナニソレ?おいしいの?
スバル: 普通のってお前!!魔法なんて存在するわけ
が。。。。
ヨウ: この国、アルチステ、いえ、この世界では普通のこと
だけれど?
いったいなにがどーなってるんだ。僕は自然に口から
スバル: 異世界。来ちゃった。
やばい!すごすぎる!!今も感動で手が震える。
ヨウ: スバルって変な人なのね!
スバル: うるさいよ
そんな何気ない会話をしてまた街を目指した。
街までそう遠くはないが少し状況を整理するため横になった。
スバル:(それにしてもこの世界はなんなんだ。僕のいた世界
じゃないのか?いや、現実的に考えてそんなこと
はありえない。でも、あんなすごいの見たら認め
ざるをえないな。)
この世界に来てからまだ少ししか経ってないがスバルは意外と冷静だった。
そう、彼は自分が求めていた世界でさえ退屈を感じていたのだ。
スバル: それにしてもまだつかないのか。
あー。暇だ。
僕は目を閉じて少し眠りについた。
少しすると誰かの声が聞こえた。
ん?ヨウかな?もう街に着いたのか?
スバル: ヨウ?もう街に着いたのか?
目をこすりながゆっくりと起き上がるとそこには
誠,かりん: ヨウ?
あれぇぇぇー?
スバル: ヨウ?違う?あれ?誠?かりん?
じゃあここは。。
かりん: スバルのバカ!いきなり倒れないでよ!本当に心
配したんだから。。。
スバル: あ、うん。ごめん。
かりんはいきなり僕に抱きついてきた。僕はかりんの頭を撫でながらこうつぶやいた
スバル: 現実に戻ってる。
後書き
今回は第1話なのですがこんなに長くなってしまいすいませんでした。
毎週木曜日に続きをまたアップしようと思うのでよろしければコメントなどよろしくお願いします
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