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Blue Rose

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第二十話 小さくなる身体その五

「僕は食べ飽きないね」
「そうなんですね」
「長崎ちゃんぽんもね」
 それもというのだ。
「食べ飽きないね」
「横浜や神戸の中華街は普通の麺が出ますけれど」
「長崎は違っててね」
「ちゃんぽんですよね」
「そう、長崎ちゃんぽんが出るんだ」
 普通に中華料理店で出る様な麺類ではなくだ。
「やっぱり名物だからね」
「だからですね」
「そうだよ、日本に中華街は三つあるけれどね」
「横浜と神戸、長崎ですね」
「長崎はそうなってるよ、それにね」
 岡島はこうしたことも言った。
「昔は日本の中華街は大阪にもあったらしいし」
「あれっ、そうなんですか」
「それとソウルにもあったよ」
「あそこが日本だった時にですね」
「そう、あったんだ」
 あの街にもというのだ。
「今は長い間なくてこの前小さな、一角位の中華街が出来たそうだけれど」
「ソウルにもあったんですか」
「あそこが日本だった時はね」
「そうだったんですね」
「中華街も出来たりなくなったりするんだ」
「ずっとある訳じゃないんですね」
「うん、まあ太平洋と欧州は韓国以外の国にはあるよ」
 中華圏は当然としてだ、むしろ街自体が中華街と言っていい。当然t言えば当然のことであるが。
「イギリスやフランスにもね」
「華僑の人がいて」
「それでそれぞれの中華料理があるけれど」
「その国によって中華料理も違うらしいですね」
「そうだよ、これがね」
「そうなんですね」
「日本でも場所で違うしね」 
 横浜と神戸、そして長崎でだ。
「ここでは長崎ちゃんぽんだよ」
「それですね」
「食べるよね、長崎ちゃんぽん」
「はい」
 微笑んでだ、優花は岡島の今の問いにも答えた。
「是非」
「それじゃあね」
「実は家で姉さんが作ってくれたりしました」
「君の姉さんは料理も出来るからね」
「美味しかったです、ただ」
 今度は優花が苦笑いになって言った。
「姉さんの料理って予算を気にしないんです」
「男の料理だね」
「作る量も多くて」
「そのこともあってだね」
「お金かかります」
「君の姉さんはそうした人だからね」
「はい、お金がかかりますから」
 だからだというのだ。
「いつも僕が作ってました」
「お金は大事にだね」
「姉さん収入は確かですけれど」
「無駄遣いは禁物だね」
「ギャンブルとかお金がかかる趣味はないですけれど」
 それでもとだ、優花は主婦の様な顔で語る。
「ただ」
「お金は出来るだけ節約だね」
「そうしないといけないですから」
「しっかりしてるね」
「子供の頃お父さんとお母さんがいなくなって」
 事故で両親を失ってからのことをだ、優花は話した。
「それで二人だけになって」
「苦労したんだね」
「いえ、お金の心配はなかったですけれど」
 それでもというのだ。 
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