ガンダムビルドファイターズ ~try hope~ 外伝
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最終話 『卒業式』Ⅳ
「見よう見まねっ!次元覇王流っ!」
フリーダムガンダムセレナFWは右拳を突き出しながら急加速で突進してきた。
GNビームサーベルを降り下ろして迎撃しようとするも、直前で止まり、機体を回転させて回し蹴りを入れてきた。
「竜巻旋風蹴りっ!! 」
「おまっ!?それただの回し蹴りだろっ! 」
と言いつつも見事に回し蹴りをくらってしまい、吹っ飛ばされてしまう。
「ピットっ! 」
「にゃろう…………インフィニティブレイドっ! 」
体勢を立て直した直後、ピットを掃射してきた。こちらもインフィニティブレイドを掃射し、ピットを相殺していく。
「やっぱり駄目か~。自分で作っといてなんだけど、本当に厄介だねそれ」
「お前もな」
フリーダムガンダムセレナFWはブレイドトンファー二基を手に装備し構える。こちらもルミノックスを鞘から引き抜き、グラディウスと共に構える。
「行くぞっ! 」
先に動き出したのはガンダムトライエクシアⅡ。フリーダムガンダムセレナFWはブレイドトンファーのライフルモードに切り換え、残っている右翼のバラエーナプラズマ収束ビーム砲とクスィフィアスレール砲で迎撃してきた。
俺に射撃は通用しないと分かっていながら攻撃するということは、何か考えがあるかもしれない。
「だったら、それごと凪ぎ払うっ! 」
攻撃を弾きながらグラディウスにバスターソード級の粒子を纏わせ、斬撃波としてフリーダムガンダムセレナFWに飛ばす。フリーダムガンダムセレナFWは上空へとジャンプしてかわす。
粒子を纏わせたグラディウスを肩にかけ、地面に着地した瞬間を狙う。しかしフリーダムガンダムセレナFWは着地する前に、地面にハイマットフルバーストを放ち、辺り一帯を吹き飛ばした。
「煙幕かっ! 」
フリーダムガンダムセレナFWは舞い上がった砂煙の中へと着地し、行方をくらませる。そのため攻撃するのを中断し、急いで立ち止まる。
「なら上から確認して……」
「そう来ると思ったよ」
上空へと飛ぶと、背後からフリーダムガンダムセレナFWが現れた。
「もらったっ! 」
「こっちのセリフだ!かかったなっ! 」
ブレイドトンファーを水平に切り払おうと構えた直後、インフィニティブレイドを後ろへと掃射する。これだけ近ければ、いくら機動力を強化しててもかわしきれない。
「……と、思うじゃん? 」
瞬間、フリーダムガンダムセレナFWの姿が消えた。てか止めろ本当に。最後の最後に著作権に挑むな。
フリーダムガンダムセレナFWの姿を探そうと回りを見渡すと、金色の光の筋が視界に入った。その筋を辿ると、金色の光とリング状のヴァワチュール・リュミエールに包まれたフリーダムガンダムセレナFWがいた。
「オーバードライブ発動っ!行くよヒロヤ君! 」
四方八方に高速移動をし、すれ違う度にブレイドトンファーを振るっていく。ほぼ全方向からの攻撃であり、破損とまではいかずともほんの僅かだが、機体にダメージが蓄積されていく。
「トランザムっ! 」
「 !? 」
ガンダムトライエクシアⅡが赤く染まり、その場から抜け出す。そして高速移動をしているフリーダムガンダムセレナFWに追従する。
「ついてこれるか…………と言う必要はないようだね」
「当たり前だろ! 」
(さて、振り切るのは難しそうだし、かと言って接近戦はこちらが不利。射撃は通用しないしなぁ。ここまで腕を上げるとはね)
入部当初を懐かしみながら、策を考える。しかし、懐かしんでいると、ある策を思い出す。
(あれをやってみるか…………さあ、どこまで成長したか見せてもらうよ! )
フリーダムガンダムセレナFWはヴァワチュール・リュミエールのリングを飛ばし、無理矢理後退させてくる。回避している間にフリーダムガンダムセレナFWはまた地面へと着地し、こちらを見据えてくる。
こちらも地面へと着地し、フリーダムガンダムセレナFWの出方を伺う。
「全力で行くよ…………アシムレイトっ! 」
フリーダムガンダムセレナFWのクリアパーツと間接部が金色へと変色する。機体と完全に一体化し、戦闘能力を通常時の3倍以上に高めるものだ。
「勝負に来るか……ならこっちも全力で行くぞっ!モードエルグライアっ! 」
全身のクリアパーツが虹色へと変色して粒子が放出される。外部装甲は黄色味を帯びた白色に。内部フレームは青色へと変色。インフィニティブレイドシステムのアームはV2ガンダムの光の翼みたいに展開する。
モードエルグライアは、エルグライアガンダムのシステムをガンダムトライエクシアⅡに組み込んだものだ。だが、システムに必要な粒子や機体の強度が足りてないため、多く見積もって二、三分が限界だろう。その二、三分の間に勝負をつける。
「あらら…………エルグライアのシステムを組み込んじゃったか。けど、その機体じゃ長く持たないんじゃないの? 」
「問題ない。その間に勝負をつけてやる」
「アハハハハ、そっか。けど安心して。逃げ回って時間を稼ごうとは思わないから。と言うか逃げれる自信がないから」
「そうかよ」
フリーダムガンダムセレナFWはブレイドトンファー二基をバックパックへと取り付け、ビームサーベルを二刀引き抜く。ピットを放出し、一斉掃射すると同時に接近してきた。
インフィニティブレイドでピットを相殺し、更にフリーダムガンダムセレナFWに向けて掃射する。しかし、フリーダムガンダムセレナFWは追加でピットを放出し、インフィニティブレイドを相殺する。
グラディウスとルミノックスを構え、フリーダムガンダムセレナFWを迎え撃つ。ガンダムトライエクシアⅡとフリーダムガンダムセレナFWの距離が5mになったところで、フリーダムガンダムセレナFWは行動を起こした。
フリーダムガンダムセレナFWは、両手に持っていたビームサーベルを投擲し、ブレイドトンファー二基を両手に構える。グラディウスとルミノックスでビームサーベルを切り落とすと、今度はヴァワチュール・リュミエールのリングが飛んでくる。
「はああああっ! 」
グラディウスとルミノックスに粒子を纏わせ、リングを切り裂く。すると、目の前にはブレイドトンファーを左手に構えたフリーダムガンダムセレナFWがいた。
「もらったぁぁぁぁっ! 」
「誰がっ! 」
ブレイドトンファーが振り上げられるが、ルミノックスで受け止める。その際ブレイドトンファーの刃に亀裂が入っていくが、こちらの左腕にも亀裂が入る。だが、左腕が破壊されるよりも、刃ごとフリーダムガンダムセレナFWを斬り伏せる方が早い。
そう判断し、ルミノックスを振り上げようとすると、フリーダムガンダムセレナFWの右手にブレイドトンファーが無いことに気づく。
「くそっ! 」
背後から嫌な予感を感じ、ブレイドトンファーの刃を切断しながら右斜め後ろに後退する。だが気づくのに遅れたせいで、左腕が切断される。
ビームサーベルを発生させたブレイドトンファーが、ブーメランみたいにフリーダムガンダムセレナの右手に戻っていく。
「逃がさないよっ! 」
ブレイドトンファーの銃口からビームサーベルが発生し、実剣の上部へと伸びてリーチの長い長剣へと化した。
フリーダムガンダムセレナFWは接近してブレイドトンファーを水平に切り払ってきた。それをグラディウスで弾き、バスターソード級の斬撃波を飛ばすも横に避けられてしまう。
だが、時間は稼げた。
「グライシスっ!! 」
「 !? 」
グラディウスにバスターソード級の…………いや、その二倍の粒子を纏わせ、凪ぎ払うかのように切り払った。
凪ぎ払ったせいか砂埃がまた舞い上がり、フリーダムガンダムセレナFWがどうなったかは分からない。だが、近距離でもあったため、いくらなんでもダメージはくらっているはずだし、手応えも感じた。
すると、砂煙の中からバラエーナプラズマ収束ビーム砲の攻撃が突き抜けてきた。グラディウスで攻撃を弾くと、今度はバックパックの支援機が飛び出してくる。
バラエーナプラズマ収束ビーム砲やビームバルカンで攻撃しながら突っ込んでくるが、さっきと同等の粒子をグラディウスに纏わせ、支援機ごと攻撃を凪ぎ払う。
支援機は目の前真っ二つになりながらも接近し、目の前で爆発を起こす。
「ハイパー…………! 」
「!くそっ! 」
グラディウスに再度粒子を纏わせた直後、支援機の爆風からフリーダムガンダムセレナFWが飛び出してくる。
フリーダムガンダムセレナFWの左手には虹色の光を纏われており、手首とその前面には△型の粒子を三つで形成した、極小のプラフスキーパワーゲート二つを設置していた。
「ヴァルキリー…………! 」
「レゾナンス…………! 」
グラディウスにより粒子を纏わせ、フリーダムガンダムセレナFWは二つのプラフスキーパワーゲートに左拳を潜らせる。
「ブレイカァァァァァっ!! 」
「グライシスっ!! 」
フリーダムガンダムセレナFWの左拳と、ガンダムトライエクシアⅡのグラディウスで激突する。超近距離のせいで衝撃も激しく、二機を中心として地面に巨大なクレーターが出来た。
「「おおおおぉぉぉぉぉぉっ!!! 」」
フリーダムガンダムセレナFWの左腕に亀裂が入っていくが、ガンダムトライエクシアⅡの右腕にも亀裂が入る。それでも力を込めて、お互い相手の技を打ち破ろうとする。
そして、均衡はすぐに破れた。フリーダムガンダムセレナFWの左腕は砕け散った。そのままグラディウスを降り下ろすと、フリーダムガンダムセレナFWに当たった瞬間、グラディウスも砕け散っていったのだ。
「「────っ!! 」」
しかし、二機は距離を取ることなく、すぐに次の行動に移す。フリーダムガンダムセレナFWは右手のブレイドトンファーからビームサーベルを発生させ、長剣と化して降り下ろしてきた。
ガンダムトライエクシアⅡは、インフィニティブレイドからエルグライアガンダムが使っていた赤黒い剣、フィーディスクリーザーを取り出す。インフィニティブレイドから取り出したため、高周波ブレイドシステムはない。
フィーディスクリーザーを振り上げ、ブレイドトンファーの攻撃を防ぐ。そのまま力を込めて上へと弾き、水平に斬り払おうと構えるとクスィフィアスレール砲が展開されていた。
近距離なため、ほぼ0距離クスィフィアスレール砲の攻撃を受けてしまい、インフィニティブレイドの左翼と右肩が破壊される。
衝撃により吹き飛ばされたが、辛うじてフィーディスクリーザーを斬り払い、クスィフィアスレール砲を切断し、フリーダムガンダムセレナFWの胴体に傷を付ける。
「ピットっ! 」
フリーダムガンダムセレナFWが追撃でピットを掃射してきたが、地面にフィーディスクリーザーを突き刺して無理矢理体勢を整え、インフィニティブレイドを掃射して相殺する。
フィーディスクリーザーを地面から引き出し、粒子を纏わせながらフリーダムガンダムセレナFWに接近する。フリーダムガンダムセレナFWもブレイドトンファーを構え、こちらに接近してきた。
「「はあああぁぁぁぁっ! 」」
フィーディスクリーザーとブレイドトンファーが再びぶつかり合う。
「…………楽しいね」
つばぜり合いをしている最中、トウイがポツリと呟いた。
「…………ああ」
俺も、小さく呟くように答えた。そしてつばぜり合いから止め、お互い離れて距離を取る。
すると、フリーダムガンダムセレナFWから光の翼とヴァワチュール・リュミエールが消え、ガンダムトライエクシアⅡも元の状態に戻ってしまった。
機体はお互いボロボロ。ガンダムトライエクシアⅡは右肩と左腕、インフィニティブレイドシステムの左翼。武装もフィーディスクリーザーとインフィニティブレイドのみ。全身は所々に亀裂が入っている。
フリーダムガンダムセレナFWはバックパックそのものを失って機動力が落ちており、左腕は無くし、武装もほとんどない。あちらも無茶をしたのか、こちら程ではないが全身に亀裂が入っている。
しかし、あちらはアシムレイト状態でもあるため、さっきまでとは言えないが機体の性能は飛躍しているままだ。特殊システムの反動をお互い受けてるとはいえ、あちらの方がやや有利だろう。
「けど、そんなの関係ないよな…………」
フィーディスクリーザーに粒子を纏わせ、構える。
そんなことは今までだって沢山あった。けど、いつだって乗り越えてきた。なら、今回も同じだ。
「さあ、勝負をつけよう」
「ああ…………」
フリーダムガンダムセレナFWはブレイドトンファーを構え、ビームサーベルを発生させ長剣と化す。
しかし、それだけじゃなかった。ブレイドトンファーの周囲にピットが纏っていき、刀身はより長くなり、そして金色の剣となっていった。それはまるで、ヴァルキリーフリーダムのエクスカリバーVと同じように。
それに対し、フィーディスクリーザーにこれまで纏わせてこなかった程の粒子を纏わせる。そのせいか、フィーディスクリーザーから溢れた粒子はガンダムトライエクシアⅡを包み、GN粒子とクリアパーツから溢れた粒子と混ざり合い、虹色の衣へとなっていった。
「……こういうのって、主人公が勝つってのが定番だけど、僕はそれを覆して勝つよ」
「ここでその発言はやめろ」
「アハハハハ。けど、それでも僕が勝つよ」
「いいや、俺が勝つ。お前はその定番なものに負ける運命なんだよ」
「アハハハハ。だったら、そのふざけた「言わせないからな? 」
言い切る前にストップを入れる。お前はことごとく危ない道を行こうとするな。最終話だからってやめろ本当に。
「まあそれはさておき。…………行くよ」
「ああ…………」
動き出しは同時。お互い最大の攻撃をぶつけた。体に衝撃が突き抜ける。それは、ガンダムアルカナムとの延長戦や、フレユールガンダムとの決戦と同等のものだった。激突した衝撃により、辺りが真っ白な光に包まれる。
後書き
作者はアシムレイトの激痛を少しでも理解しようと、アキレス腱に炎症を起こしながらサッカーを三週間やってました(その後、1ヶ月は絶対安静と言われた)。
技のモチーフは、某アニメ、ゲーム、ラノベからです。だから黒いって?違います。これは親友が黒が好きだからです。
この小説のキャラクターに『モチヅキ ミサキ』がいますが、『ガンダムビルドファイターズ』に『ミサキ』という名前のキャラクターがいると知ったのはつい最近です。
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