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ガンダムビルドファイターズ ~try hope~ 外伝

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完全完結 ガンダムビルドファイターズ ~try hope~
  最終話 『卒業式』Ⅰ

 
前書き
皆さんお久しぶりです。心は常に自由です。呟きにもあったように、『ガンダムビルドファイターズ ~try hope~』は、外伝を含めて完全完結をさせていただきます。
今まで読んでくださった人も、リクエストをくださった人も、質問をくださった人も、指摘やアドバイスをくださった人も、機体案を出してくださった人も、コラボしてくださったC.D./hackさんも、機体や武器の名前(主人公機のみ)を一緒に考えてくれた親友、全ての人達に感謝します。

『ガンダムビルドファイターズ ~try hope~』をここまで続けてこれたのも、そう言った人達のおかげでもあります。当初は作者のガンプラがバトルをしている妄想が止まらなくなり、とうとうストーリーにして形にしようとしたことがキッカケです。おかげで授業にも集中して取り組めるようになりましたよ(笑)

作者の一番最初の作品でもあり、やはり特別な想いがこの小説にあります。
前置きはここまでにし、本編に入りましょう。『ガンダムビルドファイターズ ~try hope~ 外伝』、最終話です。どうぞお読みになってください。 

 
「三月!それは冬と春の変わり目でもある時期っ!ヒロヤ君よ、僕の名前を答えてみなさいっ! 」

「………ハルカゼ トウイ」

「そう!春と冬の文字が入った、僕の時期だっ! 」

「なあ。なんでお前そんなにテンション高いんだよ? 」

「ええ…………少し引くわよ? 」

「………………寂しいんだよいっ!だってさ………僕達卒業するんだよ? 」

「……そうだな」

「……そうね」

三月…………つまりは別れの時期でもある。俺達はそれぞれの道を歩むために、この天之川学園を卒業する。

「長いようで短かったわね…………」

「ああ…………」

「僕達の出会いは、確か路地裏にシノさんが連れ込まれた時だったね」

「どんだけ遡ってんだよ」

「と言うか、私達もあまり覚えてないわよそれ」

「じゃあ以下省略して、全国大会で優勝した時…………」

「省略し過ぎだバーロー」

「だって纏めきれる自信ないんだもん」

「これって総集編か何かかしら? 」

「知らん」

卒業式が始まる前に、教室で集まってHRをする。卒業式の手順のおさらいを我妻先生が言っている間、俺は入学当初の出来事を振り替える。





ーーー――





「でっ、どうするの? 」

「どうするって、何がだよ? 」

「ガンプラバトル部。入るのかどうか」

ああそれね。入るかどうか。

「大丈夫。書いといて、出しといたわよ」

ちょっと待たんかーい!!

「何勝手に決めてんだよ!俺に選択権はないのか!? 」

「だってやるでしょ?楽しそうにやってたんだし」

えっ?そうなんすか?

「そうだよヒロヤ君。自覚なかったの?まったくこれだから…」

「ねえヒロヤ。一緒にガンプラバトル部に入りましょう」

「……ハァ…わかったよ。よろしくな。トウイ、シノ」

「こちらこそ、よろしくね」

これが、俺の学園生活の幕開けであった。





ーーー――





「今思えば、半ば強制的に入部させられたよな………」

苦笑しながら呟く。けど、それからいろいろな人達との出会いがあったんだよな。

HRを終え、廊下に出て列に並ぶ。





ーーー――





夢弓学園との練習試合の時、あのバトルの時にヨシナが乱入してきたんだっけな。

「やぁスマナイね。いきなりバトルに乱入してしまって。なにやら面白いバトルをみかけたのでね」

「それだけでバトルに乱入してきたってのかよ………。なんなんだよあんたは? 」

「ああ、名を名乗ってなかったな。私はヨシナ リンドウ。そしてこのガンプラは聖騎士ガンダムだ」

「人のバトルに乱入して恥ずかしくないのか?てかトウイはどうした? 」

「いや、つい体が勝手に動いてしまってね。申し訳ないと思ってる。フリーダムは、先ほどのV2と同じようにフィールド外に出させてもらった」

トウイのガンプラはどうやらフィールドアウトにされたらしい。けど、この二人を簡単にフィールド外に出すコイツは何者だ?

「まあそんなことよりも、バトルを再開しよう。残念ながら、ファンネルは二人を出すために使いきってしまったから安心したまえ」

剣と盾を再度構え直すと有無を言わせないかのように、こちらに向かってきた。

そこから様々な攻防を繰り広げ、勝負はすぐについてしまった。

「はあぁぁぁぁ!! 」

粒子を纏わせて、剣撃の速度と威力を上げる。
それを一気に叩き込むと、ヨシナは盾で防戦一方だった。

「むぅ…」

「ああぁぁぁぁぁ!! 」

それを何度も繰り返していく。
勝機は今しかない!まだだ、まだスピードは上がる!

そうやってしばらく攻撃していると、勝負は突然ついた。

「はっ? 」

ケルサスガンダムがグラディウスを降り下ろし、相手は盾で受け流すと、スピードに乗っていたため、ケルサスガンダムごと前に倒れた。

「くうぅ! 」

起き上がろうとすると、ケルサスガンダムの首もとに剣を突きつけられていた。

「私の勝ちだ。なかなか楽しめたよ」





ーーー――





「お前たちが天之川学園の奴等か。話はヨシナさんから聞いている。黒いビルドバーニングの使い手は誰だ? 」

「ケルサスガンダムだけどな。ちなみに俺だけど…」

手をあげて名乗りをあげると、驚いた顔をされた。
おい。それはいくらなんでも失礼じゃないか?

「こんなガンダムのガの文字もまともに知らなく、ガンプラは素組でしか作れなそうで、バトルも素人みたいな奴が使い手かよ。宝の持ち腐れじゃねえの? 」

プチン

俺の中の堪忍袋のおが切れた。

「おい!いきなり初対面の人間にそんな事言うのかよ!?確かにお前の言う通り………いや当てはまり過ぎているけど、何様だゴラ?てか名を名乗れ!!そして俺に謝罪しろ!! 」

「おいおい………名ならさっき店長が言ってたろ?俺の名前はコムカイ ユウトだ。そして、夢弓学園のレギュラーメンバーの一員様だ! 」





ーーー――





「どうする?まだやるか? 」

「お、覚えてろよーーー!! 」

男は他の二人を連れて去っていった。

「なんてベタな捨て台詞を…大丈夫だったか? 」

「はい大丈夫です。助けてくれてありがとうございます」

「別に気にすんな。困っていたから助けただけだ」

「そうですか。あっ!私アマミヤ アカネといいます。よろしくお願いしますね。私そろそろ行かなきゃ行けないんで、また会いましょうね」





ーーー――





「何気に夢弓学園のメンバー達との出会いは特殊だったな…………。そういやコムカイとアマミヤはどうなったのか知ってるか? 」

「いや、聞いてないな~」

「特に発展とかないんじゃないかしら? 」

体育館の入り口に向かいながら、二人に聞いてみる。あの二人は微妙な距離での関係であったため、今はどうなっているのか少し気になる。

同時刻、夢弓学園。

「ぶえっくしゅんっ! 」

「どうしたんですかコムカイ君?風邪ですか? 」

「いや、これは誰かが俺の事を噂してるかもしれねぇな」

「あーそうですかー」

「なんで棒読みなんだよお前……」





ーーー――





「お兄さんもガンプラバトルしに来たんですか? 」

と聞いてきた。

「まあ、そんなものかな」

「だったら、僕とやりませんか? 」

ガンプラをつきだして言ってきた。

「いいぞ。俺はサオトメ ヒロヤ。え~と、名前は? 」

「僕はリンヤ、中学二年生です。よろしくお願いします。ヒロヤさん」

そして大会で再開し、そのチームメイトとも出会う。

「はい。あっ!一応紹介しときますね。チームメイトのジュンイチと、トウイさんの弟クオンです」

「「よろしくお願いします! 」」

おお………二人とも声がデカイ。元気いいな。





ーーー――





ピロンッ

「ん?ラインか? 」

体育館の入り口の前で待機していると、誰かから連絡が来たようだ。

「ヒロヤ君、電源切っときなよ~」

「誰からなの? 」

「…………リンヤ達からだ。
ご卒業おめでとうございます。俺達と過ごせた日々はかけがえのないもので、決して忘れることはないでしょう。それと、卒業した後もガンプラバトルを一緒にやりましょう…………だってさ」

「変なところで律儀ね」

「卒業式が終わった後に会うのにね~。まああの三人らしいけどね」





ーーー――





他にも、大会では石牧学園のキハラ、ミサカ、オノ。ヨシナのライバルである、天山学園のサカキ。

そして、夏休みの合宿で、また多くの出会いがあった。



「僕はミヤモト ユウ。気安くユウって呼んでね」

すぐにミヤモト ユウと言われる、黒髪のロングストレートの少女が元気よく自己紹介をしてきた。

「ちなみに左にいる大きくてメガネをかけている男の人がヒナタ シンジ先輩!右にいる大人しくて可愛い女の子がモチヅキ ミサキちゃんだよ! 」

「よろしくお願いします………」

「部長のヒナタ シンジだ。合宿の間、よろしく頼む」





ーーー――





「…………俺、合宿の間だけで何百回バトルしたんだろう」

「え?知らないよ?九割方ミヤモトさんじゃないの? 」

「いやそれは分かってるんだが、俺だけずっーーとバトルしてたような気がしてな」

「私達もバトルしてたわよ」

「そうそう。例えば…………」





ーーー――





「なんだもう終わりか。にしてもどこかで見たことある動きだと思ったんだが………気のせいか?まあもう終わらせるからいいか」

アームドアーマーVNを掲げ、止めをさしてこようとしてくる。

「はああああっ! 」

すると、ストライクに向けて斬撃波が放たれた。ストライクはそれを後ろに下がり回避し、フリーダムの目の前にケルサスガンダムとV2バレットスナイパーが現れた。

「トウイ、大丈夫? 」

「たくっ…一人で勝手に飛び出すなよ。まあ俺も人のことは言えないが…」

「はは………本当だよヒロヤ君…いつっ! 」

「そんな状態で軽口言えるなら大丈夫そうだな。いっそもう少しケガしろよ」

「ひどい!ひどいよいヒロヤ君! 」

「二人とも、そんなことしてる場合じゃないわよ」

シノさんがそう言って、ケルサスガンダムとV2バレットスナイパーが構える。そしてフリーダムはなんとか立ち上がり、ブレイドファングを引き抜く。
しかしストライクはただ呆然と立っていた。

「………トウイ? 」

「え? 」

と、相手が自分の名前を言ってきた。

「ねえトウイ?相手はあなたのこと知ってそうに見えるのだけど、知り合い? 」

「………いや。覚えてないよ。あんな戦いかたをする人とは初めてやったもん」

それを言うと、相手が笑い出した。

「ハハッ………やっぱりトウイか。しかも覚えてねぇとか。お前…死ねよ」





ーーー――





「…………ボロボロにやられたね」

「主にお前がな」

「黙りなさいリア充。あの時はまだ未熟だったんだよ」

「うるせえ。あとお前もリア充だろうが」

「いやーそれほどでも」

「誉めてないわバーロー」

「…………まあ、大会の時にちゃんと和解出来たし、万事解決だよ」






ーーー――





「ヴァルキリー……ブレイカーーーー!!!! 」

ビームトンファーに向けて右手の拳を殴り込み、勢いが止まることなくそのままデスペレイションストライクの胴体を貫いた。その衝撃で、上空にあった雷雲が吹き飛び、そこから太陽の光が射してきた。

「……………あの時は本当にごめん。だから、またやり直そう。今回みたいなバトルじゃなくて、楽しそうにやっていたあの時みたいに…もう一度……」

「………………」

『BATTLE ENDED』

バトルを終えた後、ボロボロになった僕は医務室へと運ばれた。その時の事だった。

「………このままいくと前回倒れた時と同じことが起こると、僕の勘がそう言っているんだけど気のせいかな? 」

「何のことだが知らないが、その勘は多分当たりのようだ」

「へっ?…えっ!? 」

病室の入り口の方を見るとミサキ…じゃなくて、ユウキ君が扉に寄りかかりながら立っていた。

「……調子はどうだ?って言っても、やったのは俺だけどな」

苦笑しながら言ってきたその姿は、昔と何の変わりない、いつも見ていた懐かしい顔だった。

「お前の思い、確かに感じた。そのせいか身体の内側にあった色々な思いが吹き飛んでスッキリしたわ。たくっ…何言ってんだがな俺は」

「ユウキ君…。あの時は本当に……」

「言うな」

「えっ? 」

「もう気にしてねえよ。またお前と、全力でバトル出来たんだ。あの時のバトルの決着が、今日やっとついた。今はそれでいいだろ? 」

「………ありがとう…」

「それはこっちのセリフだ」





ーーー――





「お前回想に入るのはいいけど、せめて順番は守れよ」

「いや、流れ的にそうなったもので」

「とりあえず、話を元に戻しましょう」





ーーー――





合宿中のバトルロワイアルで戦った神奈川代表、本牧学園のニシヤマ サトル。鹿児島代表、我梅学院のミズノ サクラ。そして大会の二回戦で当たった千葉代表、上草学園のシライ ジン。

そして静岡代表、ガンプラ学園のイガラシ リュウ。

「……素晴らしい…素晴らしいぞ! 」

バトル終了直後、イガラシがそんなことを叫んでいた。正直ちょっと暑苦しいんだけど。

「サオトメ ヒロヤ!ミヤモト ユウ!好意を抱く。興味以上の対象だ! 」

「は、はあ…」

「えへへ。ありがとうございます! 」

高らかに宣言しながら指を指され、思わずたじろいでしまった。てかユウ。別にお礼言わなくていいと思うぞ?

「おっと失礼。つい興奮してしまった。ところでどうだ?この後も俺とバトルしていかないか? 」

「ん~僕は構わないけど、ヒロヤはどうする? 」

「まあ別に構わないが…」

「そうか。では早速始め「イガラシーーー!!!どこだ!?お前勝手にどこ行ってやがる!!? 」…マズイ。すまない、私はここで立ち去らせてもらう。また会おう! 」





ーーー――





「…………単なる馬鹿だったな」

「馬鹿だったわね……」

「アハハハハ」

そういや、何か誰かを忘れてるような気がするんだよな。誰だっけな?

「ヒロヤ君、それはおそらくクラタさんだよ」

「それだそれ。てかここで読心術のネタを入れるのかよ」

「ふっ……もちろんさ」

「それにしても、中々入場が始まらないわね」

「中で少しトラブルがあったんじゃないのか? 」

 
 

 
後書き
最後の後書きに入るまでは、ぶっちゃけ話や裏話をします。

ハルカゼ トウイの名字は小説サイトから用いられたと思っている方が多いでしょうか、ぶっちゃけ関係ありません。これは他サイトに投稿していたものが非公開になり、春風に移行してきたんです。単なる偶然ですよ?

実は、トオサカ シノの名字はトオサカではなく別のものだったんです(なんだったかは忘れましたが)。これはクラスの席の問題に気付き、サオトメの『サ』からハルカゼの『ハ』の間の名字にせねば!っとなり、悩んだ結果、考えながらfateを見ていた時に、出てたキャラクターの名字をお借りしました。ええ、赤い悪魔の方ですよ。
 
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