魔女に乾杯!
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
58部分:第五十七話
第五十七話
第五十七話 使い魔の謎
とりあえずはまたしても紫の魔女を退けた五人であるがこれからのことを考えるとやはり心配なことがあった。それは魔女自身にあるのではなく彼女が連れている使い魔達であった。
「何なのかしらね、あれ」
五人は学校で華奈子の教室に集まっていた。そして話をしていた。
「狐と狸のことね」
「そう、それ」
華奈子は赤音の言葉に頷いた。
「あんなのを使い魔にしてくるとは思わなかったわ」
「ましてや今まで一人だったし」
「それもあるのよ」
華奈子は梨花の言葉にも頷いた。
「急に出て来たでしょ、それも不思議なのよ」
「そりゃ魔女だから使い魔の一匹や二匹いてもおかしくはないけれど」
「急にだからね」
「そうそう」
美樹は華奈子の言葉に相槌を打っていた。
「問題はそこなのよ」
「絶対何かあるわよね」
「何処で知り合ったのかも気になるし」
「そこを突き止めれば紫の魔女のこともわかるんじゃないかしら」
「魔女のこと」
それまで黙っていた春奈がふと呟いた。
「そういえば紫の魔女のことって今までよく考えたこともなかったわよね」
「あっ」
他の四人はその言葉にハッとして顔を見合わせた。
「そういえば」
「紫の魔女の正体って何なんだろう」
「私達と同じ年頃なのは間違いないだろうけれど」
「じゃあ小学校高学年よね」
春奈は続けて言った。
「それもこの近くで魔法を使える」
「すっごく限られてくる筈よね」
「誰なんだろう、本当に」
「まず狐と狸の使い魔よ」
春奈はさらに言う。
「そこに秘密があると思うわ」
「普通にいる生き物じゃないしね」
「ましてや街中でなんて滅多に見ないし」
五人は考え込んだ。
「誰なんだろう、一体」
「狐や狸がいる場所ってこの辺りにあったっけ」
「あるよ」
華奈子が言った。
「華奈子ちゃん、それ何処?」
「動物園と」
「そこはちょっとないんじゃないかなあ」
「幾ら何でもね。抜け出すことなんてできないだろうし」
「あと山とか」
「山!?」
「そうよ。例えば」
華奈子はそう言いながらある場所を指差した。四人はそこに注目した。
第五十七話 完
2005・10・22
ページ上へ戻る