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東方現創録

作者:茅島裕
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第三話 未解読の必殺技

 
前書き
ショートケーキはスポンジよりもクリームよりも上に乗ってるイチゴが一番好きなどうもうp主妹紅です。
わざわざショートケーキ買わないでイチゴ買って食えよって話ですが、イチゴ買ってもちょっと余らせちゃうんですよね。
あれ、直ぐ腐っちゃうので。

うーん、一週間超えちゃいましたねぇ... 特に理由はないのですが。
今回はなんかこう、グダグダな回になってしまいましたが、ご了承くださいな...



本編、どぞ。 

 
「そうそう、思い出したわ」

一件を終え、ゆっくり炬燵に中りお茶を啜っていたオレに言ったその霊夢の言葉でだらけていた思考回路がもう一度働きだす。
なんだ? と言わんばかりの表情で霊夢を見る、と同時にある一枚の紙を懐から取り出し、オレに渡してくる。
縁が赤く、中にカラフルなボールの絵が描かれた紙。

「霊符...?」

夢想封印と文字が書かれており、例えるならカードゲームのカードのような物だ。なんでそんなものを知っているかは定かじゃないが、例えるならそれが一番正しいだろう。

「そう、霊符『夢想封印』」

「なんなんだ、これ?」

「言い当て必殺技と言ったところかしら」

ひ、必殺技... 能力もあれば必殺技もある。これで妖怪を蹴散らすのか、物騒だな。
とは言え、この夢想封印とやらはどんな必殺技なのか。

「正しくは、スペルカードと呼ばれるカードなんだけどね。もちろん、いろんな人が持っていて、私も持っているのはそれだけじゃない。つまりいろんな技があるのよ」

「必殺技って言うくらいなんだ、やっぱその、使うのに修行とか必要なのか?」

「いいえ、それを使うことには特に何も要らないわ」

「どうやって手に入れるか、ってことか?」

ご名答とでも言いたいのか、指パッチンをしてオレを指す。

「それでどんな技なんだ、これ」

「そうね... こう、スパパッと弾が出て、ズドドンって狙ったもの目掛けて当たって、ぴよぴよってなったりドンガラガッシャーンってなったり」

霊夢は身体全体を使ってそう説明するが、ちょっと理解に苦しむ。つまり自分でも何がどうなってるのか仕組みがわからないってことなのだろう。察してやろう。
何もなかった様にお茶を飲みだすと、苦笑いをして何か思いついたように後ろの棚の引き出しを開けてスカートを揺らして腰を振りながら何やら探す霊夢。

「あんま集中するとパンツ見えるぞ」

俺がそう言うと、丁度、探し物を見つけた霊夢が頬を吊り上げて三枚の白い紙をオレに見せてくる。

「残念ながらドロワでね。はい、これ」

皮肉を込めているのだろう言葉を放った霊夢は、続けてオレにその紙を渡してくる。その紙は、先ほど見たスペルカードに似ていた。縁も白ければ中身は何も書いておらず、真っ白な紙だが...

「それはまだ何も決まっていないスペルカードなのよ」

「何も決まっていない?」

「発動する仕組みもわからなければ、その辺の仕組みもわからないのよ... 持っていればそのうちあなたに合ったスペルカードになるわよ」

オレに合ったスペルカード、か... 不安で仕方ないが、無いに越したことはないだろう。
そんなことを考えながら、手にした真っ白な紙を無駄に綺麗なパーカーの胸ポケットに閉まった。

「感謝するよ。なんか変化があったら見せることにする」

「精々りんごを降らすようなスペルカードに成らないよう頑張ることね。あと、手の内は隠しておくことよ」

などと目を閉じてぬるくなったお茶を啜る霊夢は言う。受け答えとして、苦笑いをしながらこちらもお茶を啜ることにした。

先ほども外に出て思ったことなのだが、寒くもなく暑くもない、雲近くまで飛び上がったが、それこそ数少ない雲の一つで、晴天だ。

「今の季節は春か?」

「ん〜 そろそろお花見の時期かしら」

「じゃあ春か。炬燵はいつまで置いておくんだ?」

「え? ずっと置いとくけど」

夏とか暑くないのだろうか...

「そういえば霊夢は妖怪退治をしているんだったな」

そうだけど、という表情を見せてこちらに目を向けてくる霊夢、お茶で口が塞がっているのだろう。

「危険な妖怪と安全な妖怪って、どっちの方が多いんだ?」

「それこそ、季節によるわね。今みたいな季節は危険な妖怪もそう悪さをしたりしない」

「案外友好的なんだな」

「何を考えてるかはわからないけどね。まぁ、最初に言ったことと矛盾していることを言うけど、一度妖怪に会ってみるといいわ」

ニヤリと意味深な笑みを見せてそう言う霊夢。この季節がそれほど安全ということなのだろうか?

「そうね〜 この辺なら、ルーミアとかが回ってるんじゃないかしら」

「ルーミア?」

「そう、ルーミア。小っちゃい金髪の子よ。可愛いからって調子に乗ると食べられるわよ」

食べられるのか。それはそれは恐ろしいことだ。
それにしても、小さいということは、妖怪の子供とかなのだろうか? もっと妖怪について知る必要がありそうだな...
取り敢えず、ルーミアは頭に入れておこう。  
 

 
後書き
「なぁ、霊夢」

「なに?」

「ルーミアって食べられるのか?」

「はぁ?」

「食べられるって言ったから」

「あんたが食べられるのよ、あんたが」 
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