『ある転生者の奮闘記』
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TURN38
前書き
てなわけでラムダスルートへ。
それから四か国の連合艦隊は解散となり、ドクツやエイリスの艦隊はそれぞれの国へ帰った。
マリーはロンドンには戻らず、日本星域に留まった。セーラもマリーを何度か説得していたみたいやけど、マリーは繰り返して「腐敗した貴族がいる限りロンドンには帰らない。エイリスは一度滅んで再建するべきだと思うんだ」と言って頑として決意を鈍らせる事はなかった。
妹の硬い決意にセーラも渋々と納得して俺に「マリーを頼みます」と頭を下げた。セーラも腐敗した貴族を一掃するのは賛成やったのでマリーに「腐敗した貴族が無くなれば戻ってくるのよ」と言ってマリーもそれに頷いた。
それ以降は二人で御茶を飲んだりしてエイリス艦隊が帰るまでそうしていた。
四か国の決め合いは廃墟となったガメリカの再建やった。
若草会はロックは未だに立ち直る事が出来ず、クーとドロシーは亡くなり、キャロルしかいなかった。そのため若草会の機能は全くしなかったが、ガメリカの再建は徐々に行われていった。
東郷長官の嫁さんであるスカーレットさんも無事に東郷長官の元へ戻り、三人で楽しく暮らしているらしい。
南遣方面艦隊はいったんは解体となり、新たな艦隊編成が行われる事になる。キングコアを倒したと言ってもまだガメリカの星域内やアフリカ星域等に多数のCOREが潜んでいるのは明らかであり、COREの残党狩りがガメリカ軍主体で行われていた。
そして俺は今、海軍省にいた。
「それで……あれから圭子さんやラスシャラ達とはどうなんだ?」
「一時は嫌悪な空気がありましたけど、今は大分楽になっています」
東郷長官の問いに俺はそう答えた。実は二ヶ月前、圭子さん達に複数の人間と行為関係があった事がバレて俺の家に圭子さん、キャシー、ラスシャラ、そして何故かマリーと山下長官、シャルロットが押し寄せてきた。
まさかの展開に俺は焦りながらも事情をちゃんと説明して六人は納得してくれたけどそこでマリーが「ユキカゼの一番は誰?」とまた波乱を巻き起こしてくれた。最終的に酒を飲みながら「一人は決められない。五人とも好きやッ!!」と俺は叫んだらしく、気付けば朝で全員が裸やった。
……やっちまったよ……。まぁ皆も取りあえずは納得してくれた。
……優柔不断でゴメン……。
「まぁあの六人を泣かせたら後が怖いな」
「圭子さんとキャシーは分かってましたけど、ラスシャラや山下長官、マリー、シャルロットが俺に好意をしているなんて知りませんでしたけどね」
「……ラスシャラとマリーは知らんが利古里ちゃんのは明らかにあれだろ?」
「……ですよねぇ」
あれとは勿論あのキスの事やな。山下長官……利古里の話ではあのキス以降に俺の事を意識していたみたいやし……気付かなくて済まん……。
ラスシャラは勧誘しに来た時、マリーは捕虜で俺に会ってエイリスを倒す話をした時、シャルロットは元オフランス兵から凌辱から助けられた時らしい……いやほんまに済まん。そんな簡単にフラグが立つとは思わなかったんす。
「まぁお前の近況を聞くために呼んだわけじゃない」
そこで東郷長官は真面目な表情をする。
「最近、ソビエトが妙に活発を激しくしている」
「……開戦ですか?」
「それは分からん。だが、シベリア星域のソビエト艦隊が徐々に減少している」
「ドクツとソビエトが戦うと?」
「それなら分かるんだがな……ドクツの方もまだ戦闘をしていない」
「……確かに妙ですね」
……原作と離れた事でもあったんやろか……。
「そんなわけで新たに北方方面艦隊を設立する事が決定した」
「……まさかその司令長官に……」
「あぁ、お前にやらせる」
やっぱし……。
「南遣方面艦隊司令長官は祀梨ちゃんにやってもらう事になっている。祀梨ちゃんなら大丈夫だ」
「まぁ小澤少将なら問題はないですね」
「やってくれるか?」
「……自分は第四戦隊司令官で十分なんですけど、仕方ないですね」
俺は了承した。
「ありがとう狹霧。北方方面艦隊は約六個艦隊で編成されている。詳しい事は摩耶で聞けば分かる。既に各艦隊提督は招集してある」
「……用意周到ですね」
根回しはえぇよ東郷長官……。
「了解です。なら摩耶に向かいます」
「おぅ」
俺は東郷長官に敬礼をして海軍省を後にした。
「……それで艦隊提督がお前らかよ……」
「あれ? 文句ありそうな顔じゃないか雪風」
「いや、別に文句やないんやけどさ圭子さん」
艦隊提督は圭子さん、キャシー、ラスシャラ、マリー、長官付にシャルロット、そして陸軍から山下長官やった。
「というか山下長官は仕事大丈夫なんですか?」
「別に問題はない。むしろ早めに終わらしているんでな」
山下長官はそっけなさそうに言うけど、表情は嬉しそうやった。
「久しぶりだねユキカゼ」
「いや昨日おったやんかマリー」
マリーが後ろから抱きつく……あかん、貴女の双乳が当たってます。
「おいこらマリー。ユキカゼを困らせんな」
キャシーが助け船を出してマリーがプウッと頬を膨らませながら離れた……助かった。もうちょいで理性がぶちギレそうやった。
「まぁ取りあえずはまた宜しく頼むな。ソビエトの動向が怪しいからな」
『了解ッ!!』
俺の言葉に六人は俺に敬礼をした。
後書き
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