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冬の恋

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第二章

「脚はストッキング二枚重ねよ」
「本当に重装備だね」
「靴下も厚いし」
「僕もコートを着て制服の下は厚着だよ」
「凄い寒さね、特にね」
「今はだよね」
「お陰でシチューが美味しいわ」
 二人が今食べているビーフシチューがというのだ。白い湯気がはっきりと出ている。
「本当にね」
「そうだよね、我が国ではね」
「お料理も熱いものばかりね」
「さもないと冷えるから」
 だからこそというのだ。
「こうしたのばかりだよ」
「そうよね」
「カロリーも高いし」
「全部寒いから」
「そう、寒いからこそね」
「熱くてカロリーの高い食べものが多いのね」
「そうなんだ」
 まさにというのだ。
「この国はね」
「そうよね、ただね」
「ただ?」
「それに慣れてきたわ」
 ビクトリアもというのだ。
「もうね」
「ここに来て三年だったね」
「それだけになるから」
 だからだというのだ。
「慣れてきたわ」
「それは何よりだよ」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「デートはね」
 交際していて誰もが必ず楽しむこれはというのだ。
「正直に行って辛いわ」
「そんなに?」
「お外が寒いから」
 だからだというのだ。
「もうそれはね」
「今も辛いんだ」
「お部屋の中ならいいけれど」
「そういえば冬のデートはいつもね」
 ここでスノッリも言った。
「ビクトリアいつも映画館とか喫茶店とか行きたがるね」
「だって寒いから」
 とにかくこれにだ、理由は尽きた。
「お外で歩いても」
「奇麗な場所も多いよ」 
 アイスランドにはとだ、スノッリは答えた。
「エルフが出るっていう場所もあるし」
「らしいわね、けれどね」
「寒いからだね」
「遠慮するわ」 
 こう答えたのだった。
「それもね」
「それじゃあね」
 そう言われてだ、スノッリは。
 ビクトリアにだ、こう言った。
「映画館かな」
「そこに行くのね」
「今回もね」
「どうかな、それで」
「いや、それもいいけれど」
 ここでだ、ビクトリアはこうスノッリに言った。
「他の場所に行かない?」
「映画館以外の場所?」
「確かに私映画は好きよ」
 映画鑑賞は趣味でもある、家でもDVDを借りて観ている。 
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