転生とらぶる
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機動戦艦ナデシコ
1320話
「ちょっとアクセル! あんた、私をこの艦に置いて行ったのに今頃来るってどういう事よ! エザリアさんはもっと前に来てたのよ!?」
ナデシコの中に入り、ブリッジへと向かおうとしていた俺を見つけた神楽坂が、目を吊り上げながらそう言ってくる。
実際かなり怒っているというのは、今の神楽坂の様子を見れば明らかだ。
だがそれでも、こうして見る限りでは本心から怒っているようには思えない。多分……
「そう言いつつも、ナデシコでの生活を結構満喫したんだろ?」
「ぐっ、そ、それは……言っておくけど、遊んでただけじゃないわよ? あの研究所に行って、瓦礫の片付けとかもしたんだから。荒れてはいても、そこまで大袈裟な荒れ方じゃなかったから簡単だったけど」
「……そう? 机とか本棚とか結構倒れていたと思うんだけど」
神楽坂の言葉にエリナが口を挟む。
その声で、ようやく神楽坂は俺以外……正確には俺とコーネリア、スレイ以外の2人に気が付いたのだろう。改めてジト目を俺の方に向けてくる。
「ナデシコの中であんたの噂を結構聞いたわよ。美人2人を侍らせて両手に花の生活をしてたんですってね。随分とまぁ、優雅な生活をしていたようで何よりだわ」
そう告げてくる神楽坂は、見るからに機嫌が悪いんですといった様子を表情に出していた。
まぁ、自分が連絡要員として……見方によっては人質に近い存在としてナデシコに残された状態で、俺はレモン達と熱い夜を過ごしていたんだから、多少不機嫌になっても仕方がないか。
「それで、エザリアの方の交渉はどうなってる?」
「……今もしてるわよ。生憎と私は立場の関係で入れないけど」
視線が向けられたのは、廊下の方。いや、その先にはブリーフィングルームがあったか。
ナデシコの……そしてネルガルと、この世界の未来の重要性を考えれば、それこそこれより大事なものはないってくらいに。
「そうか。じゃあ俺達はもう少し待ってるか」
「え? いいの? あんた一応シャドウミラーの代表なんでしょ?」
一応……いや、実際俺が代表になっているのは一応に過ぎない。
事実、今回のように別の世界に転移してホワイトスターにいない間はレモン、コーネリア、エザリアの3人がシャドウミラーを動かしているのだから。
俺の立場ってのは、もしかして君臨すれども統治せずって奴なのか?
「まぁ、いい。取りあえず俺は部屋に……」
「駄目よ」
何故か部屋で待ってると言おうとした俺の言葉を、神楽坂が遮る。
「……何でだ?」
「だってそうでしょ。その、アクセルの部屋は私が昨日使ったのよ? つまり、寝起きのままな訳で……その、それくらい察しなさいよね、アンポンタン!」
叫ぶと、神楽坂はそのまま走っていく。
別に咸卦法を使ってる訳ではあるまいに、その速度はかなり速い。
それこそ、オリンピックに出てもおかしくないだろうってくらいに。
「アクセル、少しは女心を理解した方がいいわよ?」
ハルカのどこか責めるような言葉に、他の面々も頷いている。
俺が悪いのか? 一応俺の部屋なんだけど。時間を潰す必要がある場合は、取りあえずそこで過ごそうと思っていた訳で……
ただ、4人を相手に勝てるかと言われれば否だ。
「じゃあ、取りあえず食堂にでも行くか。あそこにいれば、何か事態が動けばすぐに分かるだろうし」
「あ、悪いけど私は交渉の方に回らせて貰うわね。ネルガルの社員としては、きちんと仕事をする必要があるから」
エリナがそう言って俺達から離れていく。
ブリーフィングルームに向かうのだろう。
現在のエリナはネルガルの社員であり、会社のために働くというのは決して間違っている選択肢ではない。
昨日の夜の決断についても、この辺が多少なりとも影響しているところはあるのだろう。
去って行ったエリナを見送り、俺達はナデシコ食堂へと向かう。
だが……
「予想以上に混んでるな」
「昼はもう過ぎているのを考えれば、ここまで混雑しているとも思えないのだが」
俺の言葉に同意するようにコーネリアが頷く。
実際こうして入り口から食堂を見渡すと、食事をしている者はいるにはいるが、そこまで多い訳じゃない。
どちらかと言えば、友人や仕事仲間といった連中と話をしているように見える。
さて、どうするべきか……と思っていると、ハルカが俺の服の裾を引っ張る。
ちなみに今の俺はネルガルの制服を着ている訳ではなく、シャドウミラーとしてのいつもの服装に戻っている。
実際問題、今の俺がネルガルの制服を着ているってのも色々と問題ありだろうし。
「どうした?」
「ほら、あそこにしない? ルリルリもいるし」
ハルカの視線が向けられた先には、確かにその言葉通りにルリの姿があった。
同じテーブルにヒカルとリョーコの姿もある。……珍しい組み合わせだな。
しかもいつもリョーコやヒカルと一緒にいるイズミの姿はどこにもない。
いや、微妙にイズミには苦手意識があるし、その辺は寧ろ助かったと言ってもいいんだけどな。
ただ、少し気になっただけで。
幸いそのテーブルには他の人もいないので、ハルカに頷いてそっちへと向かう。
リョーコもヒカルも、何だかんだとナデシコ内での人気は高い。
この状況でナンパされていないのは、多分3人纏まっているからなんだろう。
実際こうして見る限りでは、視線を使って牽制のやり取りをしている者が多いし。
特に整備員が多いな。
……そうか。やる事がないのか。
ユートピアコロニーで木星蜥蜴の襲撃を受けたが、結局それは相手の攻撃が始まる前にニーズヘッグで攻撃を仕掛けた為にナデシコは無傷で潜り抜けた。
エステバリスも戦闘に参加していない以上、修理とか調整とか整備はする必要がないだろう。
ユートピアコロニーに向かう為にテンカワとヤマダがエステバリスを使ったが、それだって戦闘はなく移動だけだったんだから整備もすぐ終わるだろうし。
ネルガルの研究所を使えるようにするという仕事はありそうに思えるが、ナデシコの整備員という事で生き残りの方から拒絶した可能性もある、か。
ともあれ、整備員達が牽制している中で俺達はルリ達のいるテーブルへと向かう。
そうなれば当然周囲の者達も俺の存在に気が付く。
特に俺の側にいるコーネリアとスレイの2人は、この世界の基準で見てもすこぶる付きの美人だしな。
で、その美人を連れているのが誰なのかと視線を向ければ、そこにいるのは見覚えのある俺な訳で……当然の如く嫉妬の視線に晒される事になる。
「誰だよ、あの美人2人。物凄くいい女だぞ」
「アクセル……この恨み、嫉妬、憎悪! 藁人形に!」
「うわ、本当にいい女だな。くっそぉ。妬ましい」
「どこであんな美人を引っ掛けてくるんだろうな」
「他の世界と関係があるとか言ってたから、多分その辺が関係しているんだろう。……羨ましい」
「何て言ったっけ。そうそう、シャドウミラー。俺もそのシャドウミラーに入りたいな。そうすれば俺にも美人の彼女が出来るチャンスが」
「あ、それいいな。……ただ。向こうが受け入れてくれるかどうかだよな。実際火星の生き残りはシャドウミラーとして受け入れては貰えなかったんだろ?」
「シャドウミラーかぁ……出来れば俺達も入りたいよな。アクセルの代わりに来ていた美人を見たか?」
「ああ、神楽坂明日菜とかいう。あの子も美人だよなぁ」
「だろ? だとすれば、俺達にもチャンスが……」
そんな声があちらこちらから聞こえてくる。
本人達は小声で話しているつもりなんだろうが、残念ながら混沌精霊の俺にとっては普通に聞こえる程度の小声でしかない。
まぁ、だからと言ってここで何を言うつもりもないけどな。
何しろ、言われてる内容には多少の誇張はあれども、基本的に全て事実だし。
「ルリルリ、久しぶり。元気にしてた?」
「久しぶり、ですか? 昨日も会ったと思うんですけど」
ハルカの言葉にそう返すルリだったが、言葉では文句を言いながらも、表情に棘はない。
いや、基本的に無表情のルリだが、それでも相手にチクリとした嫌味を言う時は微かにではあるが表情を変える事がないでもないんだよな。
それがないという事は、何だかんだと言いつつもハルカに構われるのは嬉しいのだろう。
「それで、アクセル。そっちの2人は……誰なんだ? ナデシコじゃ見ねえ顔だけど」
リョーコがこっちを……正確には俺の隣にいるコーネリアとスレイの2人へと視線を向けて尋ねてくる。
ナデシコでは見た事がない2人なんだし、気になっても当然か。
ただ、リョーコの表情には何だか悔しげな表情が浮かんでいるように思えるんだけど何でだ?
そんな俺の疑問を感じた訳ではないだろうが、コーネリアが椅子に座りながら口を開く。
「私はコーネリア・リ・ブリタニア。そうだな。お前にも分かるように言うのなら、シャドウミラーの実働班を率いる者と言えば分かりやすいか」
「へー。じゃあ、規模は違ってもリョーコと同じなんだ。あ、私はアマノ・ヒカル。こちはスバル・リョーコ。ナデシコのエステバリスのパイロットをやってます。好きなのはピザの端っこの固いところ。よろしくお願いしまーす」
そう言いながら頭を下げたヒカルの頭から、何かが伸びる。
駄菓子とか売ってる店であるような、息を吹き込むと伸びる玩具だ。
……いつの間に用意したんだ? というか、いつも持ち歩いてるのか?
唐突な挨拶にコーネリアも呆気にとられていたが、コーネリアとは反対側の俺の隣へと座ったスレイが小さく笑みを浮かべつつ口を開く。
「このナデシコには随分と個性的なメンバーが揃っているという話を聞いていたが、確かなようだな。私はスレイ・プレスティ。実働班の隊員だ」
「へぇ、じゃあ一隊員という意味だと私と同じ立場だね」
意外だ。スレイとヒカルだととてもじゃないが相性がいいとは思わなかったんだが、こうして見るとそれなりに仲良くやれているように見える。
いや、シャドウミラーに入ったばかりのスレイであれば、とてもではないがヒカルのような性格の相手と仲良くは出来なかっただろう。
それが出来るようになったのは、シャドウミラーに所属して幾つもの経験をしてきたからか。
何だかんだと、シャドウミラーにはナデシコに負けないくらいに濃い面子が揃っているし。
……俺も含めて。
さすがに今の俺が、自分を濃くないとは言えない。
それこそ色んな要素を詰め込みすぎだろってくらいに濃い存在になっているのは自覚しているのだから。
「あらあら、2人共それだけじゃないでしょ? 確かに実働班のメンバーかもしれないけど、それ以外にもう1つの顔があるんでしょうに。……アクセルの恋人って顔がね」
そう告げた瞬間、食堂の中にいたメンバーの多くが俺に嫉妬の視線を向けてくる。
いや、その気持ちは分からないでもない。薄々疑惑はあったのだろうが、それが真実に変わってしまったのだから。
特にエリナとハルカという2人をナデシコでは侍らせていた――と思われている――のだから、余計に。
「そ、そうか。アクセルの恋人なのか! へ、へぇ。なるほどな。ふーん……あ、あたしはちょっとエステバリスの調整があるから、この辺で失礼させてもらうよ。じゃあな」
そう告げたリョーコは、空になった食器を食堂の方へと戻すと去って行く。
何だ? 妙に慌ててたけど。
「……ハルカ。あまりそういう事を口にするのはどうかと思うぞ」
「そうだねぇ。あー……でも、これでリョーコがどういう行動になるのかはちょっと気になるかな」
スレイとヒカルのやり取りにコーネリアは呆れたような視線を向けているだけだ。
そして、何故か俺はルリにジト目を向けられている。
「アクセルさん、最低です」
「ちょっと待て。何で俺がいきなり最低呼ばわりされるんだ? 俺が何かしたか?」
「つーん」
いや、つーんとか自分の口で言っても……
「あはは。まぁ、ルリルリにはちょーっと早かったかしら。それより、私がいない間に何か面白い出来事はあった?」
「いえ、何も。ごく普通に一夜を過ごしました」
「そうだよねぇ。てっきり木星蜥蜴が攻めてくると思ってたんだけど、全くそんな事はなかったし。あ、勿論攻められたいって訳じゃないんだけど」
「いや、昨日あれだけ被害を受けたんだぞ? 幾らチューリップで兵力を補充出来るからって、さすがにあれだけの被害はそう簡単にどうにかできないんじゃないか? 俺としては、出来れば攻めて来て欲しいってのもあるんだけどな」
「え? 何で?」
自分では攻めてくると思っていたとか言ってるのに、俺が攻めて来て欲しいと言えば意外そうな表情を浮かべるってのはどうよ。
「シャドウミラーとしては、出来れば木星蜥蜴の無人機を鹵獲したいしな。昨日の戦闘で入手したのは、色々と壊れているような奴ばかりだったし」
大型戦艦とカトンボ、チューリップ、バッタ辺りは出来れば新品を確保したい。
……ただ、無人機だから入手するのが難しいんだよな。
バッタ程度ならイルメヤのスパイダーネットでどうにでもなるだろうが、戦艦はどうしようもない。
ハッキングとか出来ればあるいはどうにかなる、か?
そんな風に思っていると、まるでそれがフラグだったかのようにナデシコ内にヴィー、ヴィー、という非常警報が鳴り響いた。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1188
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