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テイルズオブザワールド レディアントマイソロジー3 【灰村 諸葉が進む道】

作者:Bloo-D
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転生
SCENE2
  第13話

 
前書き
キール達登場、そしてオルタータ火山へ。 

 
翌朝。
モロハ「ううん……。」
-あれ、妙に背中が痛いと思ったら……いつの間にベットから落ちたのか?-
 ̄何故か背中が痛く、起きてみると、いつの間にか俺は床で寝ていた。 ̄
モロハ「まぁいいか。」
 ̄背中は痛いがどうと言う問題じゃあない。
早速服を着替えた俺は部屋を出た。 ̄

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 ̄食堂で朝食を済ませてホールに出てみると、リッドとファラと話す俺と同年代くらいの男と、ルビアくらいの女の子、そして小さい動物がいた。 ̄
リッド「んっ、モロハか?
丁度良いところに来たな、ちょっとこっち来いよ!」
モロハ「?」
 ̄リッドに呼ばれて俺は近くに歩み寄る。 ̄
「バイバ!キール、こっちの人、学校で話題なってた!」
「えっ?
ああっ、〈剣帝〉モロハか。」
モロハ「……。」
-勘弁してくれよ……。-
 ̄女の子が俺の顔見て何言い出すと思えば、決まり文句になって来た呼び名の事。
けどいい加減にして欲しい。 ̄

ファラ「キール、モロハはその呼ばれ方が嫌いなんだよ!」
キール「そうだったのか?
有名になってるってのに、勿体無い奴だな。」
モロハ「……。」
-ウザ……。-
 ̄ファラがどうにか言ってくれるけど、“勿体無い”とか言われると余計腹が立つ。 ̄
リッド「おいおい、その辺にしとけよ。モロハが気を悪くしてるぞ。」
キール「そうか、なら悪かった。」
モロハ「……。」
 ̄リッドの注意で謝っては来たが、どうも気が治る感じがしない。 ̄

ファラ「そうだ、自己紹介しなくちゃ。
モロハ、こっちは……」
キール「おいファラ、そんなの自分で出来るぞ。」
「はいな!メルディだよう、宜しくな!
こっちはクイッキー」
クイッキー「クイッキー!」
キール「キール・ツァイベルだ。
ぼくとメルディは、研究の為に大学で勉強してたんだが……」
メルディ「もうすぐ戦争が始まるから、ここに戻って来たよ。」
キール「全く、くだらない話だ。
星晶の採掘の為だけに休校だなんて……。」
モロハ「……。」
-大変だなぁ……。-
 ̄ファラの一言で自己紹介、男の方がキールで女の子がメルディ、そして動物がクイッキーらしい。
話によると大学に行ってる最中に戦争で休校になったらしくてここに来たとの事。
しかも星晶の採掘の事でらしくキールは愚痴をこぼして、俺は大変そうだと思った。 ̄

ーーーー

アンジュ「あっ、キール君にメルディ。お帰りなさい。」
 ̄そこへ食堂で食事を済ませたアンジュが出て来た。 ̄

アンジュ「手紙で頼んだ情報収集はどう?」
キール「そのことなら、色々集まったぞ。
けど、とりあえず部屋で話さないか?
本が多いんだよ。」
アンジュ「そう、わかったわ。
モロハ、あなたも部屋へいらっしゃい。」
モロハ「はい。」
 ̄話を聞くと、なんでも2人に情報収集を頼んだらしい。星晶採掘現場での現象だと思うが、詳しく聞かない限りはわからないから、アンジュの後について部屋に向かった。 ̄

ーーーーーーーーーーーーーーー

 ̄部屋に入った俺はアンジュさんに頼まれて、リッド達と荷物の整理を手伝うことになったが、100を超えるくらいに本が多いから大変だ。 ̄

ーーーー

 ̄それから1時間くらい掛けて、荷物の整理が終わった。 ̄
キール「ふぅう…これでやっと寛げる。礼を言うよ。」
リッド「このくらい大したことはねえよ。」
モロハ「うん…確かに。」
 ̄少し辛かったけど、まぁそれなりにいい運動になったから良しとする。 ̄

アンジュ「モロハ、キール君とメルディはね、大学で“持続可能な社会”の実現の為に勉強してたのよ。」
モロハ「持続可能な社会?」
キール「そうさ。
ぼく等が将来の為に、環境そのものを活かして充足な社会を作る。
それがぼく等の研究内容で、<アドリビトム>が目指す最大の目標なんだ。」
モロハ「それじゃあ、今問題になってる星晶は?」
キール「当然、必要としない。」
アンジュ「人々が環境と向き合い、有り難みを理解し、充分に生活出来る社会の実現。その前進の“オルタ・ビレッジ”を作るのが、今の私達の目的よ。
みんなが協力して、大国に消費された地域の人々をオルタ・ビレッジに移住させるのよ。」
モロハ「それは凄いですね、必ず実現させたいですね。」
メルディ「はいな!キール、研究リッパな!絶対実現するよ!」
 ̄整理が終わって、アンジュさんは2人が大学に行ってた理由を説明してくれた。環境と調和する社会、今はその前進のオルタ・ビレッジの開発のために研究してたらしい。 ̄
キール「けれど、大学が休校になった今、ここで研究して行く他は無いだろな。」
モロハ「……。」
-本当に大変そうだな……。-
 ̄さっきも言ってたけど、その大学が休校になって、仕方なくこの船で研究していくことになったとの事。
やっぱり大変そうだと改めて思う。 ̄

アンジュ「そうそう、手紙で頼んだ現象についてはどう?」
キール「ああっ、星晶採掘現場での生物変化現象か。街で聞いた話なんだが…その現象が起きた所では、赤い煙が姿を現すらしいんだ。」
アンジュ「赤い煙?」
メルディ「なんでも、ほんの数日したら消えたらしいな。」
アンジュ「その赤い煙…気になるわね。」
キール「詳しくは聞けなかったが…つい最近、オルタータ火山が採掘を終えたらしいぞ。もしかしたら、何かヒントが得られるかもしれないから行ってみたらどうだ?」
 ̄話は研究内容から、星晶採掘現場での現象に移った。その現象が起きた所で、赤い煙が姿を現すとの事だった。詳しくはわからなかったらしいけど、オルタータ火山って場所が採掘を終えたとの事。 ̄

メルディ「そうそう、オルタータ火山の事で、お姫様が調査に出たらしいな!」
モロハ「お姫様?まさか、エステルさんが?」
キール「いや、違うだろう。
確か、ハイランドのお姫様だと聞いたよ。導師も連れてるらしい。」
アンジュ「導師、一体誰なの?」
キール「なんでも、今のこの世界を救うために現れた“穢れた世界を浄化する者”らしいんだ。精霊に近い種族“天族”も一緒だとさ。」
アンジュ「天族ねえ。それは興味深いわね、会えるかしら?」
キール「だったら行ってみたらいいさ。」
モロハ「導師かぁ……。」
 ̄更に、その件でハイランドって国のお姫様がそこの調査に出て、穢れを浄化する者“導師”を連れてるらしい。しかも精霊に近い存在の天族を連れてるそうだから興味が湧く。 ̄

アンジュ「是非調べてみたいわね。
モロハ、あなたが行く?」
モロハ「はい、是非行かせて下さい。」
アンジュ「わかったわ。すぐに依頼として登録するから、ホールにいらっしゃい。」
モロハ「わかりました。」
 ̄オルタータ火山の件でアンジュさんは俺に行くか聞いて来たから行きたいと返す。それを聞いたアンジュさんは、依頼での登録のために俺を連れて部屋を後にした。 ̄

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 ̄ホールに戻ってすぐ、依頼が登録されたので受けることにした。 ̄
アンジュ「それじゃあ、依頼の内容を説明するね。
今回は、オルタータ火山の採掘地跡の調査よ。
詳しい所は、同行者のウィルさんとルビアに任せてね。
後、他の同行者は、モロハに任せるわ。
けど、グリューネとカノンノは別の仕事で船を出るからダメよ。いいわね?」
モロハ「はい。」
-とはいえ、誰にしよう?-
 ̄今回はオルタータ火山での調査。詳しくはウィルさん達に任せろとの事。
他の同行者はカノンノとグリューネさん以外なら適当に決めていいそうだが、誰が良いのかわからない。 ̄
アンジュ「とは言ったものの…みんなのことをよく知らない今のあなたじゃ、そんなことを言っても仕方ないか。じゃあ、もう1人はイネスにするわね。あの人なら大丈夫だろうから。」
モロハ「わかりました。」
-イネスさんね。確かに、よくわからない俺じゃあ、仕方ないか。-
 ̄悩む俺を気遣ってか、アンジュさんはイネスさんを同行者につけると言い出し、了解した。 ̄

ーーーー

 ̄それから間も無く、メンバーがホールに揃った ̄
ウィル「お前が受けるか。」
ルビア「カイウスが受けるよりは、まだマシね。」
イネス「しばらく船に篭りっきりだったし、丁度いい機会ね。」
モロハ「……。」
-運び屋社長って…そんな暇なのか?-
 ̄ウィルさんとルビアは良いとして、なんか意味あり気なことを言うイネスさん。運び屋なのに暇なのは疑い深いが、とりあえず水に流す。 ̄
アンジュ「と言う訳で、行ってらっしゃい。」
モロハ「はい、では行ってきます。」
 ̄アンジュさんに見送られて、俺達は船を出た。 ̄

____________________

 ̄オルタータ火山の入り口。そこは蒸し暑いところだった。 ̄
モロハ「暑……。」
イネス「火山だからね、暑いのは当然でしょうね。」
 ̄あまりの暑さに呻き声に近い声を出す俺だが、イネスさんはどうも平気みたい。 ̄
ウィル「最初はみんなそうだ、慣れればこんな暑さは問題無い。
それにしても、赤い煙かぁ。一体何だろうな?
まぁ何れにしても、行ってみない限りはわからんか。みんな、行くぞ。」
ルビア「ええっ、こんな暑いところ、早く出たいし。」
 ̄ウィルさんも平気みたいだが、ルビアはそうじゃないようだ。
その時…、 ̄
モロハ「?」
-人の気配?8人いるな…けど、そのうち5人は妙に違うな。なんだろう?-
 ̄外の方から人の気配がするが、うち数人は違う。人のようだがそうでもない。気にはなるけど…、 ̄
イネス「どうしたの、モロハ?行くわよ。」
モロハ「はい。」
-気のせいかな?-
 ̄イネスさんに呼び止められたから、急いで後を追いかけた。 ̄

ーーーーーーーーーーーーーーー

その入り口の影には…、
「どう、気付かれた?」
「行っちゃったけど、わからない。」
「あの様子だと、僕達に気付いているのは間違いないな。」
「そうですね、それは間違いありませんね。」
「しかし、そう都合の良いことが……」
「それはどうかしらね。」
「エドナの言う通りだ。」
「ああっ、どっちにしても、俺達に勘付いてるのは間違いねえ。」
男女8人が姿を現した。しかも、モロハが気付いたことも知ってるようだ。

「とはいえ、今更避く訳にもいかないし。」
「そうだな。何せ、目的地はこの奥だ。」
「進むしか無いっか。」
「それしか無いな。」
「そうね、その方が早く済むだろうし。」
「そりゃそうだな。」
「だったら、行くぞ。撒かれたら面倒だしな。」
『おう!』
とはいえ、彼等の目的はここの星晶採掘地跡。他の人が来た以上は避く訳にもいかない。
寧ろ手間が省けるとして、モロハ達を尾行することにする。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

その頃…、
『……。』
 ̄俺達は運悪く魔物の大群と遭遇していた。 ̄
ルビア「ついてないわね。こんなところで魔物と遭遇するなんて。」
ウィル「全くだ、しかもどいてくれそうにない。」
イネス「仕方ないんじゃない?
第一として、あなた達も楽に仕事が終わると思ってないでしょう?」
ルビア「う……。」
ウィル「それを言われたら…否定出来んな……。」
 ̄魔物と遭遇して愚痴をこぼすルビアとウィルさんだったけど、イネスさんの発した言葉で黙り込んだ。 ̄
モロハ「どっちにしても、先へ行くにはどかすしかありませんね。行きましょう!」
ルビア「暑いけど仕方ないわ。そうしましょう!」
ウィル「当然だ!」
イネス「ふふっ、腕がなるわね♪」
 ̄とはいえ、このままじゃ仕事が終わらない。俺達は武器を手に取り戦闘に突入。 ̄

ーーーーーーーーーー

 ̄最初の相手は〔オタオタ〕によく似た〔オタレド〕2体とカエルの姿をした〔レドゲコ〕が1体。
俺とイネスさんが前衛で、ウィルさんとルビアは後方からの支援で決まった。 ̄

ーーーー

 ̄手始めに俺は動きの速い〔レドゲコ〕を撃破しにかかる。 ̄
モロハ「……。」
剣を構え、足下に青色の魔法陣が姿を現す。
そして…、

モロハ「"スプレッド"‼︎」
地面から噴き上がった水流で攻撃。
≪パシュッ‼︎≫
 ̄地面に倒れたと思うと、〔レドゲコ〕は消滅した。 ̄

ーーーー

一方…、
ルビア「凄い、あっという間に倒しちゃった。」
ウィル「若者があそこまで頑張ってる以上、我々も負けてはいられないな。」
イネス「そうね、ならば、派手に行かせてもらうわよ!」
モロハの戦いぶりに刺激されたメンバー(特にイネス)が、魔物へ向け攻撃を開始。

ルビア「……。」
水色の魔法陣が姿を現し…、
ルビア「"アイシクル"‼︎」
地面から姿を現した氷の塊で、〔オタレド〕に攻撃。

ウィル「……。」
ルビア同様、水色の魔法陣で…、
ウィル「"アイスニードル"‼︎」
こちらは槍状の氷で攻撃。

そして…、
イネス「じゃあ私も行くわよ!"マーメイドジュヌ"‼︎」
空中に向かって膝蹴りで攻撃。

(後は省略)

ーーーーーーーーーー

 ̄その後、どうにか魔物を撃破し、更に大群に襲い掛かって皆撃破した。 ̄
ルビア「はぁ〜、やっと終わった〜……。」
ウィル「おいおい、これで喜ぶ場合じゃないぞ。」
イネス「そうよ、魔物はまだ居るのよ。」
ルビア「ええ〜、まだ行くの〜〜⁉︎」
モロハ「当たり前だろ、ほら行くぞ!」
ルビア「ええ〜、…もうっ……。」
 ̄初戦が終わって意気消沈なルビアだけど、魔物はまだ居るからそんな余裕は無い。嫌がるルビアを急かして更にペースを上げるべく魔物へ突入した。 ̄

ーーーーーーーーーーーーーー

 ̄それから数十分くらい経ち、魔物の群れを掃討して先を急ぐ俺達。 ̄
ウィル「それにしても、キールが聞いたという“赤い煙”は気になるな。話を聞くからに、ガスとは考えられんな。
うーむ、出来ればサンプルとして採取したいがなぁ…煙ではそうもいかんしな……。」
ルビア「ああもう!早く行きましょ、このままじゃ埒が明かないわ‼︎」
モロハ「確かに。」
イネス「そうね、このままじゃお肌に悪いものね。」
 ̄その道中でウィルさんが、例の煙について考えていたけど、見た感じ汗だくなルビアがなげやりに急かすから、とりあえず目的地へ急ぐ事にする。 ̄

モロハ「……。」
-まだついて来てるな。けど今は仕事が大事だし、後でも良いよな?-
 ̄途端に入り口辺りでも感じた人の気配がまた感じられた。しかも、俺達に気付かれないように隠れながらついて来てはいるけど、そんなのは俺にはバレバレだ。けど仕事も大事だから、尾行は後にする。 ̄

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 ̄そして…、 ̄
モロハ「ウィルさん、ここが……」
ウィル「そうだ、ここが目的地だ。」
 ̄ようやく目的地に到着。そこはそれなりに広い空間で、奥には板で閉ざされた立て坑らしき所がある。
そして…、 ̄
≪ジタバタジタバタ……≫
ルビア「キャ〜、虫〜〜!嫌〜〜〜!!!!」
≪ナデナデ……≫
モロハ「…、よしよし…いい子いい子……。」
ルビア「うう〜〜……。」
 ̄目の前に転がる無数の小さい虫。それを見てルビアが暴れ出したから、落ち着かせようと頭を撫でてあげる。 ̄
≪バッ!≫
ルビア「って、人を子供扱いしないでよ!」
モロハ「暴れる時点で子供だし、頭撫でられて大人しくなるんじゃ完全に子供じゃん。」
ルビア「ぐっ!」
イネス「まっ、確かに。」
ルビア「……。」
 ̄突然離れて子 、子供扱いしたのを怒られるけど、反応が子供だから仕方ない。オマケにイネスさんの一言で完全に沈黙した。 ̄

ウィル「むっ、コイツは⁉︎この火山にしか生息しない“コクヨウ玉虫”ではないか!」
 ̄そんな俺等を無視して叫ぶウィルさん。 ̄
モロハ「その虫を知っているんですか?」
ウィル「知ってるも何も、コクヨウ玉虫はとても貴重な種なのだ。そこに生える苔を食べるのさ、その苔も貴重な種なのだがな。」
イネス「でもその虫、見た感じ動かないわね。苔の方も枯れてるように見えるし。」
 ̄俺がウィルさんに聞くと、虫と空間の隅に生える苔は、いずれも貴重らしい。けどイネスさんが言う通り、虫は微動だにしないし、苔の方も黒ずんで枯れてるように見える。 ̄
ウィル「おそらく、環境が不安定になったせいで枯れたのだろうな。それにしても、貴重な種が……。」
 ̄といった感じでウィルさんが暗くなったその時…、 ̄

ーーーー

≪モアァアア〜〜……≫
『!』
 ̄地面から沸き上がるように、赤い色の煙が姿を現した。 ̄
ルビア「これが、赤い煙なの⁉︎」
 ̄ルビアがそう叫んだ直後…、 ̄
≪モアァアア〜〜……≫
 ̄地面を這うように動いて、転がる虫のうちの一匹に取り憑き…、 ̄
≪モアァ〜〜……≫
 ̄消えた。 ̄

モロハ「今の煙は…一体……。」
ウィル「さっぱり分からん。だがあの煙、生き物のような動きだったな。」
 ̄その光景を目撃した俺はそんなことを呟いたけど、ウィルさんにはそれが何なのかは分からないみたい。
すると…、 ̄
イネス「ねえ、そこの煙に取り憑かれた虫…生きてない?」
ウィル「む……確かに、言われてみればそうだ。よし、コイツを持って帰ろう。」
ルビア「ええ〜⁉︎嫌よ、気持ち悪い〜〜!」
モロハ「ルビアが運ぶんじゃないんだから、文句を言うな。」
ルビア「だって〜〜!」
 ̄イネスさんが煙に取り憑かれた虫を見てウィルさんに言って、本人が確認すると、本当に生きてるみたい。そこで本人が持って帰ろうとの言葉にルビアが反対するけど、“別にルビアが運ぶんじゃないから。”と俺は言ったが、本人は食い下がって来た。 ̄
ウィル「モロハの言う通りだルビア、コイツは俺が運ぶんだからな。自分で運ぶよりはマシだろ?」
ルビア「それは…そうですけど……。」
ウィル「なら文句を言うな。それと、無事な苔も持って帰るか。」
ルビア「うう〜……。」
 ̄更に俺の言葉に賛成するウィルさんも加わり、ルビアはなんとか大人しくなってくれた。 ̄

ウィル「よし、仕事は終わりだ。早く帰るぞ。」
モロハ「ウィルさん、待って下さい。」
ウィル「何だ一体?」
 ̄苔を採り終えて帰ろうとするみんなを俺は押し留めた。
何故なら…、 ̄
モロハ「そこに隠れてる奴ら、出て来いよ!あんたらだって気付いてんだろ、俺がお前らに気付いてることを?」
 ̄入り口辺りでした人の気配。それが空間の外からする。ここまで尾けてることが分かってる俺はその方向に声を発した。
すると…、 ̄

ーーーー

「あはは……やっぱ気付かれてたか……。」
『……。』
 ̄思った通り、外に隠れてたと思しき人達が姿を現した。
人数は男女4ずつの8人。男性は妙な模様が描かれた服を着てる人が1名、帽子を深く被って顔が見えない人が1名、同じ帽子を被っているのに何故か上半身裸な人が1名、そして4人の中で一番背が低い人が1名。女性はラフな格好の人が1名、どこか高貴な雰囲気を醸し出す人が1名、髪が長くドレスのような格好の人が1名、そして8人の中で一番背が低い傘を持つ人が1名。けどその内5人はどこか気配が違う。
まさかと思うが…、 ̄
モロハ「もしかして、話に聞く導師は……。」
「そう、俺がその導師。名前はスレイ。」
「私はハイランドの姫にして騎士のアリーシャ、アリーシャ・ディフダ。」
「あたしはスレイの従者のロゼ、宜しく。」
「私はライラ、スレイさんと契りを結びし天族にして、他の天族を統べる主審です。」
「あたしはエドナ、ライラの陪審で天族よ。っで、コッチは同じ天族のミボ。」
「ミクリオだ!初対面の相手に変なことを吹き込むな‼︎」
「俺はデゼル、エドナやミクリオと同じ天族で陪審だ。」
「最後はこの俺、ザビーダ兄さんだ!宜しくな!」
モロハ「やっぱりか……。」
 ̄思った通り導師だった。
妙な模様の服を着てる人が導師のスレイで、高貴そうな人がハイランドの姫のアリーシャ、ラフな人がスレイの従者のロゼ、ドレスのような格好の人が天族のライラ、傘を持つ人がエドナ、背が低い男性がミクリオ、帽子を深く被ってる人がデゼル、上半身裸な人がザビーダとの事。
しかも、気配が違ったのはライラさんとミクリオとエドナ、そしてデゼルさんとザビーダさんが天族だったからみたい。 ̄

ウィル「しかし驚いたな。まさか、あの導師に会えるとはな。」
スレイ「イヤイヤ、そんな大それた事じゃありません。」
モロハ「あの〜、詳しい話は船でしませんか?ルビアが参ってますから。」
ルビア「……。」
イネス「そうね。これ以上ここに居るのもシャクだし、案内しましょうか。」
 ̄まさかとは思っていたけど、話に聞く導師に会えるとは思ってもいなかった。けど、これ以上ここに居るとルビアが壊れるかもしれないから、みんなにここから出ることを提案して、イネスさんが逸早く賛成。
早速俺達は、ハイランドの人達を連れて船へと戻った。 ̄ 
 

 
後書き
これ以上書くとキリが無い為、今回はここで区切ります。

次回はスレイ達がギルドに正式加入。 
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