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英雄伝説~光と闇の軌跡~(FC篇)

作者:sorano
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第7話

~ロレント郊外・ブライト家~

リウイと会談を終え、グランセルに戻る女王達にカシウスは1日だけ家に戻ることの許可をとり、急いでブライト家に戻りドアを蹴破った。
「レナ!エステル!無事か!?」
ドアを開けたカシウスが見た光景は食事の支度をしているレナと、何かの本を読んでいるエステルだった。
「あら、おかえりなさい、あなた。」
「おかえり~おとうさん!」
いつもとかわらない愛妻と愛娘の姿にカシウスはホッとした。

「ああ、1日だけ家に戻れる許可がとれたので戻ったぞ。ケガはしてないか?食事はまともにとれているか?」
「ふふ、見ての通りよ。食事のほうはメンフィル軍が食料を配給してくれているおかげで大丈夫よ。」
「そうか……そういえばエステル、何の本を読んでいるんだ?見た所聖書のようだが?」
元気そうなレナから現状を答えられカシウスはホッとし、エステルが聖書らしきものを読んでいるのを見て驚き聞いた。
「あのね、これはアーライナ教の教えと魔術の使い方が書いてあるの~」
「なっ……!エステル、お前、アーライナ教の信者になったのか!?」
カシウスはエステルが異教の信者になったのかと気付き顔色を変えた。
「ううん違うよ。あたしはただ、聖女様みたいに誰かを助ける力が欲しいから読んでいるだけだよ?」
「聖女様……!?エステル、ペテレーネ殿に会ったのか!?」
エステルから予想もしない人物の名が出、カシウスは驚いた。
「ほえ?おとうさん、聖女様に会ったの?」
「ああ……陛下の会談の時にな。」
「すっご―――い!あたしも会ってお礼をしたかったな。聖女様、めったに町に出てこない上に町に出てきたらみんなの人気者だから近づけないし……」
「お礼?エステル、何かあったのか?」
「うん、あのね……」
ペテレーネに会ったことにはしゃぐエステルにカシウスは事情を聞いた。それは死にそうになったレナをペテレーネと誰かが魔術を使いレナの命を救ったことで、レナからはリウイ達が自分達をエレボニア兵から守ったことを聞いた。
そしてエステルは大好きな母を助けたペテレーネに憧れ、少しでも近づくためにアーライナ教の教義が載っている本をアーライナ信徒から貰ったことを言った。

「そうだったのか………」
全てを聞き終えたカシウスは溜息をついた。そしてエステルに聞いた。
「エステル、お前はこれからどうしたい?ペテレーネ殿を慕ってアーライナ教に入信するのか?」
「ううん。あたしにはシスターなんて向いてないもん。でも聖女様のように誰かを助けれるようになるために、あたし遊撃士になる!そしてこの本に書いてある魔術を覚えて、それを使って聖女様のように傷ついた人を助けるわ!」
「そうか……父さんは応援するぞ。」
「お母さんも応援しているわ。がんばりなさい、エステル。」
「うん!」
父と母に自分の夢を応援され、エステルは元気よく頷いた。

その後久しぶりの家族そろっての夕食に3人は楽しんだ。そしてエステルが寝かしつけた後、カシウスはレナと話をした。
「レナ……今回のことが片付いたら俺は軍人をやめて遊撃士になろうと思う。」
「あなた?」
「エステルとお前から話を聞いて痛感した……軍人では身近な人間は守れない。今回はリウイ殿達のお陰でお前達は無事だったが、次があるかもしれないしな……だから俺はそうならないために遊撃士になる。」
「あなたがそう決めたのなら私はそれに従います。」
一家を預かる男として、職を手放すその行為にレナは笑顔で応援した。

そしてリベール王国はメンフィル帝国との条件を呑み、同盟を結んだ。異世界の宗教を広めることに七曜教会の
一部が反対したが、グランセルの司祭よりアーライナ教が広まる元となる人物は王族であり、またその人物より敵対する意思はないと伝えられ、星杯騎士団がメンフィル帝国を相手にする訳にもいかず、しぶしぶながらアーライナ教の布教を認めた。
その後、メンフィルの攻撃とリベールの反撃で疲弊したエレボニアはメンフィルとの仲介を条件にリベール侵攻を断念し、リベール、メンフィルと講和条約を結んだ。

こうして後に百日戦役と呼ばれる戦争は結果的に戦争を仕掛けたエレボニアが領土のいくつかを失い終結した。
また、ペテレーネは今回の功績が評価されアーライナ自身がメンフィルに降臨し、ペテレーネにさらなる力を授けるという異例の事態が起こった。

そして数年後……… 
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