転生特典は聖槍の影打
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17話 幽霊なんて怖くない……
前書き
今回は久々の戦闘?描写が入ります。
今回多少原作とクロスしています。
前回のあらすじ
幽霊にビビるのは人間だけだった……
「あー!もー!仕方ねぇ!」
空は動かないジープからドアを開けて外に出る。正面には罠にハマらなかったから襲いかかってきた幽霊の大群
「え、ちょっ!空!まさかあの幽霊と戦う気⁉︎」
助手席に座っているルサルカが外に出た空に驚き、車の中に戻るように呼びかけるが
「いや〜俺たちさ……今更ながら幽霊にビビる必要があったのかな〜…と…」
バツの悪い顔をした空の話し方に
「え?」
思わず首を傾げるルサルカ
「俺たちにとって幽霊って……燃料なんじゃ……」
「あっ………」
そう聖遺物の使徒である2人にとって幽霊とは聖遺物を効率よく動かす為の燃料であり、霊的装甲という恩恵もある
「………そうね……今更何を幽霊如きで動揺していたのかしら……」
怒髪天を突くという言葉の通り、長い髪が逆さに伸びている……ように見えるルサルカは肩が震えている
『空が言っていた……様式美だと』
後部座席を陣取り、ノンビリあくびをしているフェンリルのフェンは幽霊など北欧 (ヴァルハラ)で見慣れていて逆に2人のリアクションを見て楽しんでいた。
「フェンの事は置いといて……さてと…」
前回も書いたが空は自分の魔力を魂の代用品にし、ルーンの解釈を変えた結果、空自身に永劫破壊の対価と言える慢性的な殺人衝動は起きないのだが……
それは消えた訳ではなく堪えて…我慢しているだけなのだ
「これ違う人の台詞なんだけど…」
気だるげな声と共に虚空から現れたのは鉄杭を思わせる程の極太な氷柱だ
つまり一度枷を解かれたらストレスや怒りなどと同じで
「行けやヴァルハラァ!」
定期的に晴らさないとならない
幽霊との蹂躙劇の開幕を告げる氷柱の弾雨が幽霊に降り注いだ
偽槍に刻んだ『氷結』のルーンにより放たれた氷柱は聖遺物の恩恵を受けて疑似的ながら聖遺物と化し、貫いた幽霊を吸収していた
氷柱は地面に突き刺さったまま留まる、幽霊は仲間が殺られたのにも頓着せずに前進を続ける。しかし
「ありがとね空〜よいっしょっと!」
ジャラララと鎖が氷柱を支点とし絡まり幽霊を大量に縛り上げつけるとルサルカの可愛らしい声を上げると同時に幽霊は鎖に吸収された
それでも幽霊の数は減ったいるがまだ大量にいる
「しっかし!何だよこの幽霊!あんなバカ丸出しの罠仕掛けなくてとも力づくで襲っても良かったんじゃねぇか?」
「確かに………ね!」
2人は軽口を叩きながらも確実に幽霊を吸収していた。しかしそれでも減る事は無い。
「仕方ねぇ…このまま活動でチマチマ倒してもキリがない」
「そうね……」
どうやら互いに考えてる事は同じだったようだ
「「形成」」
空とルサルカは互いにギアを一つ上げる事にした
「『黒円卓の聖槍』」
「『血の伯爵夫人』」
空の大剣は唐竹に振り下ろすと衝撃波で一掃し
ルサルカは鋼鉄の処女で幽霊を数体纏めて始末する
「ん?使い慣れたか?」
空は大剣に微かな違和感を覚えた
形成に成ってからは完全に蹂躙だった
さながら作業のような戦闘がひと段落し幽霊や洋館など何事もなかったかのように姿を消した。
「しっかし、何だったんだら。あの屋敷と幽霊は」
空は形状を解除して辺りを見渡す……大分体が楽になった
やはり多少なりとも無理をしていたのだろう…当分は魂を取らなくても問題は無い
「多分だけど、この辺りに…」
ルサルカは見渡すと、少し遠くの場所に廃屋があった
「これねー」
堂々と中に入り物色すると中から一つの球が出てきた
「んだよ、それ」
「さぁ?私も分からないわ〜でも此れが呼び水になって魂を集めてたみたいねー」
「どうすんだよ砕くか?」
「まっさかー勿体ないわよ貰っときましょうよー戦利品よ戦利品♪」
「好きにしろ……あれ?フェンは?」
その頃
『何故、誰も戻ってこないのだ……』
一匹で主人の帰りを待っていた狼がいたとさ
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