明日の日記
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異世界転生はもう秋田
前書き
読んでて楽しいんですけどねぇ...
『 トラックに轢かれそうになっていた少女を庇っておr(以下略 』
『 目を開けると真っ白い空間にめがm(以下略 』
『 異世界へ転生、えっ!?チート能力をひとつえらb(以下略 』
『 奴隷少女、くっころ女騎士、没落皇女とはーれm(以下略 』
「 コレが最近のトレンドである 」
「 口調がナレーション風なのが気になりますが、確かに最近多いですね 」
「 俺tueeeeは読んでて面白いんだけどなぁ... 」
「 何が不満なんですか? 」
「 似た作品が多すぎて、設定と登場人物が分からなくなるんですよ 」
「 確かに 」
いつもの土曜の昼下がり。女神様と二人で外の雨を眺めている。
「 最近、雨も多くなってきましたね 」
「 そうですね 」
「 そろそろ梅雨入りですかね 」
「 GW前に梅雨入りしたら、全国の行楽地での経済効果が軒並み下がってしまいますね 」
「 女神様は現実主義者ですね 」
「 まぁ、ロマンチストではないのは確かですね 」
そんな事を言いながらも、家の軒下で雨音を楽しんでいる。雨に濡れるのは遠慮したいが、室内から眺める分にはいいものだと思う。しっとりとした空気と絶え間なく耳に届く雨音が心地いい。
「 話は戻りますが 」
「 『異世界転生など、我が心の水面に僅かな波紋を立てる事も無い凡庸な作品』...と、時代の流れに逆らって周囲から嫌われたいのですね? 分かります 」
「 oh... 」
「 ...なんて、冗談ですよ。そんなに行きたいなら異世界行っちゃえばいいじゃないですか 」
「 トラックに轢かれろと? 」
「 え? その気になれば異世界に行けるだけの力は持ってるでしょうに 」
「 ...え? 」
「 あれ、気付いてないんですか? 」
「 ...いや、やっぱりいいです 」
「 異世界に行ってみたいとは思わないんですか? 」
「 思いますけど、なんていうかその... 」
『 面倒くさい 』
女神様と見事にハモッた。というか女神様が被せてきた感が強いが...
「 あなたの思考パターンは解析済みですよ 」
「 なにそれコワイ 」
「 ふふっ、ホントはちょっと予想して言ってみただけです 」
「 おおぅ...一瞬信じそうでしたよ 」
「 さすがにそこまではこの私でも...(やろうと思えば出来ますが 」
「 ですよね...(実はもう解析されてるのではなかろうか 」
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「 人生ってなんでしょうね 」
「 人として生きる期間の事でしょう? 」
「 そう言われるとそうなんですが、もう少し具体的に何かあればいいんですが 」
「 あなたの発言が抽象的なので、検討しようが無いです 」
「 うーん。例えばRPGだと魔王を倒すのが最終的な目標ですよね 」
「 えっ? 」
「 あれっ? 」
「 そうだったんですか?私てっきり、最弱装備で裏ダンジョンをスピードランするのが目的かと思ってました 」
「 わぁお。しかもラスボス⇒隠しダンジョン⇒伝説の武器⇒ステータスカンストまでの流れを端折ってる所から考えて、この人ガチ勢だよ! 」
「 だって、強い武器があれば誰でも楽に倒せますし、隠しダンジョンはラスボス倒したら存在が明らかになるので全プレイヤーが発見できますし、やること無くなってステータスを極めにいったところで時間をかければ誰でもカンストできるますし 」
「 確かに、スピードランはプレイヤーの操作スキルが大きく関わってきますね 」
「 ええ、しかし先日SMのスピードランでギネス記録が更新されたみたいじゃないですか!...動画を見ましたが、私ではあの領域まで到達できそうもありません 」
「 まさかのSM(スーパーマリオ)の話!?ここまでの伝説の武器とかステータスとかの話は全く関係無かったよ!! 」
「 そんな時もありますよ 」
「 犯人から慰められた!?というか今回キャラが崩壊してるよ!(自分含む 」
「 まぁまぁ..落ち着いて下さい 」
「 はぁはぁ...ふぅ 」
「 はい、緑茶です。熱いので気をつけて下さいね? 」
「 ありがとう 」
僕は女神様から湯飲みを受け取り、ズズズと音を立てながらすすった。
「 雨って、落ち着くね 」
「 そうですね 」
いつもの昼下がりいつもの場所に二人で居られる幸せを、少しだけ感じていた
後書き
読んだ感想「 内容が無い... 」
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